◎ エスペランザ・スポールディング・ライヴ~ベースの天使が微笑むとき
2013年3月21日 音楽◎エスペランザ・スポールディング・ライヴ~ベースの天使が微笑むとき
【When Angel Of Bass Smiles】
天使。
まさにエスペランザは天使のよう。ベースの神様がエスペランザに降り立ち、彼女を白く光らせているかのようだ。
最新作『レイディオ・ミュージック・ソサエティー』からの作品を中心にしたツアー。2012年9月の東京ジャズ以来、半年振り。東京ジャズ同様、ジャケットと同じような大きなラジカセの絵がホーンセクションの椅子前に張られている。コンセプトは、ラジオだ。ラジオから流れてくる音楽。それは人の人生をも変えることがある。東京ジャズでは60分程度だったが、この日、完全ヴァージョンが披露された感じだ。
バックに11人を従え、エスペランザは堂々とステージに登場。それにしてもあんなにかわいくて、ベースが弾けて、歌もうまく歌えて、天は二物も三物も与えている。渋谷オーチャードは1階と2階はほぼ埋まっていて、3階は空いていたようだが、十分な入りではないだろうか。男女比が8-2で男性が多く、しかも年齢層が意外と高そう。30代から40代が中心のよう。ジャズという範疇で捉えられて、その主要な客層が集まっているのかもしれない。彼女のようなルックスだともっと女性ファンが多そうでもいい感じだが、女子には受けないのだろうか。
香港、シンガポールでライヴをやってきて東京1日だけのコンサート。
アコースティック・ベース、エレキ・ベースを存分にプレイし、しかも歌う。これがちょっとミニー・リパートンを思わせるようなトーンの高い声で思わせぶりな歌を聴かせる。高音から低い音まで声を自由自在に扱う。そして、細い腕で大きなダブル・ベースを抱きかかえると、ちょっと心配になってしまうが、そんなことはまったく余計なお世話。
ジャズファンが静かに聴くせいか、会場のオーチャードの空気のせいか、静かにコンサートは進んでいった。時折、エスペランザのベースに当たるスポットライトが反射して観客の目にまぶしく入ってくる。
前日、ヒュー・マサケラを見に来ていたときはアフロヘアが小さかったが、この日はどーんと大きく成長していた。これはステージではこの大きさで、ふだんは髪を縛るというか、小さく押さえているのか、それとも上部だけウィグ(かつら)なのか。聞けばよかった。
それにしても、エスペランザの音は気持ちよく、聴く側のアルファー派が思う存分排出される。
メンバー紹介やいくつかの言葉を発するとき、それがメロディーに乗る。単語が言霊になる瞬間だ。
最後、「レイディオ・ソング」では、サビの部分を観客に歌わせ、コール&レスポンスをするのだが、ちょっと歌詞が日本人には難しくないか? 非英語圏では、「ナーナーナー」とか、「ラーラーラー」のほうがもっと観客も反応すると思う。
この音楽性の高さながら、オーチャードでライヴが出来るのだから、たいしたもの。ライヴ103分という長さもちょうどいい感じに思えた。
男性バック・ヴォーカルのクリス・ターナーは、ダニー・ハザウェイ的な声で、ロバータ・フラックがもろに大好きそうな声だった。なかなかいい感じ。ダニーやマーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、アル・グリーンなどの1970年代のソウル・シンガーが大好きだという。エスペランザとのデュエットぽくなった「ブラック・ゴールド」は、最後の「レイディオ・ソング」とともに今日のハイライト。
ちなみに、ギターは前回のジェフ・リー・ジョンソン(東京ジャズのあと、アメリカで急逝、下記ブログ参照)からリカルドへ。
天真爛漫にベースをプレイし、天に向かって歌う姿を一言で言えば、エスペランザは音楽の神に愛されてる天使だと思った。
驚いたことに、ライヴ後、サイン会。長蛇の列ができていた。
■ 2012年の映像(約56分) Esperanza Spalding "Radio Music Society" - 36th Vitoria-Gasteiz Jazz Festival
http://youtu.be/GjG8IsPMF-4
これを見ながら、ライヴを反芻(はんすう)。
もう一本。
Esperanza Spalding - 33th Leverkusener Jazztage 2012
http://youtu.be/Z8Vwu4cdFFw
上記2本の動画(ライヴ映像)ではギタリストが今は亡きジェフ・リー・ジョンソン。2013年1月28日54歳で逝去。
■ ジェフ・リー・ジョンソン死去~ソウル・サーチンもろもろ
2013年01月31日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11460168128.html
■過去関連記事
エスペランザ・スポールディング・ライヴ~コマーシャル性とのバランス
2011年02月19日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10805416028.html
エスペランザ・スポールディング~日本びいき 東京ジャズ(パート6)
2012年09月16日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11355434399.html
■(註)Esperanzaの発音表記について。本人に「エスペランサかエスペランザか」と確認したところ、やはり、エスペラン「ザ」と答えたので、引き続きエスペランザで表記していきます。
■メンバー
Esperanza Spalding (Electric & Double Bass, Vocal)
Leo Genovese (Piano, Keyboards)
Lyndon Rochelle (Drums, Background Vocal)
RicArdo Vogt (Guitar, Vocal)
Christ Turner (Vocal)
Leala Cyr (Trumpet, vocal)
Jeff Galindo (Trombone)
Corey King (Trombone)
Igmar Thomas (Trumpet)
Renato (Tenor Sax)
Hailey N. (MD, Alto Sax)
Brian L. (Tenor Sax)
■セットリスト
Setlist: Esperanza Spalding @ Shibuya Orchard Hall, March 19, 2013
show started 19:05
01.US
02.Hold On Me~ Can’t Help It
03.Smile Like That
04.Crowned & Kissed
05.Black Gold (duo with Chris Turner)
06.Cinnamon Tree
07.Endangered Species
08.Radio Song
Enc. I Know You Know
Show ended 20:48
(2013年3月19日火曜、渋谷オーチャード・ホール、エスペランザ・スポールディング・ライヴ)
Special Thanks to for making setlist and members list: Chris Turner, Leo Genovese
■エスペランザ・スポールディング 『レイディオ・ミュージック・ソサエティー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B006J1JJRY/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■エスペランザ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0014HC56K/soulsearchiho-22/ref=nosim/
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【When Angel Of Bass Smiles】
天使。
まさにエスペランザは天使のよう。ベースの神様がエスペランザに降り立ち、彼女を白く光らせているかのようだ。
最新作『レイディオ・ミュージック・ソサエティー』からの作品を中心にしたツアー。2012年9月の東京ジャズ以来、半年振り。東京ジャズ同様、ジャケットと同じような大きなラジカセの絵がホーンセクションの椅子前に張られている。コンセプトは、ラジオだ。ラジオから流れてくる音楽。それは人の人生をも変えることがある。東京ジャズでは60分程度だったが、この日、完全ヴァージョンが披露された感じだ。
バックに11人を従え、エスペランザは堂々とステージに登場。それにしてもあんなにかわいくて、ベースが弾けて、歌もうまく歌えて、天は二物も三物も与えている。渋谷オーチャードは1階と2階はほぼ埋まっていて、3階は空いていたようだが、十分な入りではないだろうか。男女比が8-2で男性が多く、しかも年齢層が意外と高そう。30代から40代が中心のよう。ジャズという範疇で捉えられて、その主要な客層が集まっているのかもしれない。彼女のようなルックスだともっと女性ファンが多そうでもいい感じだが、女子には受けないのだろうか。
香港、シンガポールでライヴをやってきて東京1日だけのコンサート。
アコースティック・ベース、エレキ・ベースを存分にプレイし、しかも歌う。これがちょっとミニー・リパートンを思わせるようなトーンの高い声で思わせぶりな歌を聴かせる。高音から低い音まで声を自由自在に扱う。そして、細い腕で大きなダブル・ベースを抱きかかえると、ちょっと心配になってしまうが、そんなことはまったく余計なお世話。
ジャズファンが静かに聴くせいか、会場のオーチャードの空気のせいか、静かにコンサートは進んでいった。時折、エスペランザのベースに当たるスポットライトが反射して観客の目にまぶしく入ってくる。
前日、ヒュー・マサケラを見に来ていたときはアフロヘアが小さかったが、この日はどーんと大きく成長していた。これはステージではこの大きさで、ふだんは髪を縛るというか、小さく押さえているのか、それとも上部だけウィグ(かつら)なのか。聞けばよかった。
それにしても、エスペランザの音は気持ちよく、聴く側のアルファー派が思う存分排出される。
メンバー紹介やいくつかの言葉を発するとき、それがメロディーに乗る。単語が言霊になる瞬間だ。
最後、「レイディオ・ソング」では、サビの部分を観客に歌わせ、コール&レスポンスをするのだが、ちょっと歌詞が日本人には難しくないか? 非英語圏では、「ナーナーナー」とか、「ラーラーラー」のほうがもっと観客も反応すると思う。
この音楽性の高さながら、オーチャードでライヴが出来るのだから、たいしたもの。ライヴ103分という長さもちょうどいい感じに思えた。
男性バック・ヴォーカルのクリス・ターナーは、ダニー・ハザウェイ的な声で、ロバータ・フラックがもろに大好きそうな声だった。なかなかいい感じ。ダニーやマーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、アル・グリーンなどの1970年代のソウル・シンガーが大好きだという。エスペランザとのデュエットぽくなった「ブラック・ゴールド」は、最後の「レイディオ・ソング」とともに今日のハイライト。
ちなみに、ギターは前回のジェフ・リー・ジョンソン(東京ジャズのあと、アメリカで急逝、下記ブログ参照)からリカルドへ。
天真爛漫にベースをプレイし、天に向かって歌う姿を一言で言えば、エスペランザは音楽の神に愛されてる天使だと思った。
驚いたことに、ライヴ後、サイン会。長蛇の列ができていた。
■ 2012年の映像(約56分) Esperanza Spalding "Radio Music Society" - 36th Vitoria-Gasteiz Jazz Festival
http://youtu.be/GjG8IsPMF-4
これを見ながら、ライヴを反芻(はんすう)。
もう一本。
Esperanza Spalding - 33th Leverkusener Jazztage 2012
http://youtu.be/Z8Vwu4cdFFw
上記2本の動画(ライヴ映像)ではギタリストが今は亡きジェフ・リー・ジョンソン。2013年1月28日54歳で逝去。
■ ジェフ・リー・ジョンソン死去~ソウル・サーチンもろもろ
2013年01月31日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11460168128.html
■過去関連記事
エスペランザ・スポールディング・ライヴ~コマーシャル性とのバランス
2011年02月19日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10805416028.html
エスペランザ・スポールディング~日本びいき 東京ジャズ(パート6)
2012年09月16日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11355434399.html
■(註)Esperanzaの発音表記について。本人に「エスペランサかエスペランザか」と確認したところ、やはり、エスペラン「ザ」と答えたので、引き続きエスペランザで表記していきます。
■メンバー
Esperanza Spalding (Electric & Double Bass, Vocal)
Leo Genovese (Piano, Keyboards)
Lyndon Rochelle (Drums, Background Vocal)
RicArdo Vogt (Guitar, Vocal)
Christ Turner (Vocal)
Leala Cyr (Trumpet, vocal)
Jeff Galindo (Trombone)
Corey King (Trombone)
Igmar Thomas (Trumpet)
Renato (Tenor Sax)
Hailey N. (MD, Alto Sax)
Brian L. (Tenor Sax)
■セットリスト
Setlist: Esperanza Spalding @ Shibuya Orchard Hall, March 19, 2013
show started 19:05
01.US
02.Hold On Me~ Can’t Help It
03.Smile Like That
04.Crowned & Kissed
05.Black Gold (duo with Chris Turner)
06.Cinnamon Tree
07.Endangered Species
08.Radio Song
Enc. I Know You Know
Show ended 20:48
(2013年3月19日火曜、渋谷オーチャード・ホール、エスペランザ・スポールディング・ライヴ)
Special Thanks to for making setlist and members list: Chris Turner, Leo Genovese
■エスペランザ・スポールディング 『レイディオ・ミュージック・ソサエティー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B006J1JJRY/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■エスペランザ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0014HC56K/soulsearchiho-22/ref=nosim/
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