◎ロバータ・フラック~進化し続ける女神

【Roberta Flack Live : Goddess Still Growing】

女神。

ロバータ・フラックというシンガーのミュージシャン、アーティストとしての底力を見せ付ける、そんなライヴだ。2007年、2008年、2009年に続いてのライヴ。ロバータはステージ中央のピアノに座りながら歌う。自由自在に、その瞬間彼女が歌いたいと思った曲を弾き、歌う。基本的には事前のセットリストはない。たいがい、ロバータがピアノのイントロを弾き始めて、ミュージシャンたちはそれで曲を知り、追う。満員の観客で、ファーストが押したせいで、スタートは9時45分すぎ。

ドラムス、ギター、ベース、キーボード、フルート&トランペット、コーラス3人の8人バンドにロバータ。ステージは完璧にロバータがコントロールしている。イントロからステージに上がりピアノの前に座った彼女は、いきなり、strummin’ my pain with his fingersと歌いだした。邦題は「やさしく歌って」。冒頭から心、わしづかみ。さらに、カトリース&ジェリー・バーンズの「セイ・ノー」、そして、おなじみの「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」。ノンストップで、次々と歌われ客は息をつく暇もない。「フィール・ライク…」の中にはマーヴィン・ゲイの「ユー・シュア・ラヴ・トゥ・ボール」のフレーズをちりばめ、あたかもマーヴィン・ゲイ・メドレーへの予告塔かのよう。

MCで「フリオ・イグレシアスとダイアナ・ロスのために書かれた曲です。ラッキーなことに、彼らが録音しなかったので、私たちが録音できました」と言って歌い始めたのが、日本でも人気の高い「愛のセレブレーション」。フリオとダイアナ向けとは知らなかった。

そして、このところよく歌われるマーヴィン・ゲイ・メドレー。バック・コーラスの女性シンガーと男性のデリックの歌もフィーチャーされ、本当に見事。最後の「マーシー・マーシー・ミー」の盛り上がり方ははんぱではない。カットアウトで終わると、まさに感動の嵐だ。そして、観客からの拍手もやまぬうちにロバータはペースを変え、しっとりとしたピアノのイントロを弾き出す。プリテンダーズのヒットで、最近では彼女がアンコールに歌うことが多いという「アイル・スタンド・バイー・ユー」だ。これは前回聴いて、ものすごくロバータっぽい曲だと思ったが、すばらしい曲。まだ、ロバータ自身は録音していないようだ。さび部分を途中で客に歌わせようとしたが、若干、難しかったか。

ボブ・マーリーの「ノー・ウーマン…」をやりだしたが、ロバータが「ちょっとテンポが早い」といい、すぐにミュージシャンはテンポを遅くした。まさに、ロバートはボス。

ダニー・ハザウェイとのデュエットで大ヒットした「バック・トゥゲザー・アゲイン」。これは、バック・コーラスのデリックとの超強力デュエット。これにキーボードで歌も歌うシェリックが加わり壮絶な「バック・トゥゲザー・アゲイン」になった。ミディアム調のこれが終わるとまたしっとりとピアノから。前回もやっていたマイナー調の「テル・ミー・ホワイ」。その後、今日の最後の曲といって歌い始めた「ソフト・アンド・ジェントル・レイン」だったが、その後、最後といったにもかかわらず、ちらっと「ザ・ファースト・タイム・エヴァー…」も歌う。これを歌い終えるとコーラスの3人さえもが、ロバータの歌に拍手を送った。加えてアンコールを2曲も。のりにのっていたのだろう。ライヴが終わったのが、23時28分だ。

曲がどのように歌われるか。過去3年分のセットリストと見比べると、実に興味深い。曲の、出し入れが自由自在なのだ。

観客にマーカス・ミラーもいたが、ミラー作品「オアシス」は歌わなかった。ロバータは楽屋に戻るとき、座っていたマーカスを見つけ、ハグ。

それにしても、こんなに自分の思い通りにミュージシャンと、そして、観客をコントロールできたら、ミュージシャン冥利に尽きると思う。70歳を超え、いまだに新しい楽曲を次々とレパートリーに加えていくその「進化」ぶりには感銘を受ける。スティーヴィーも神様だが、ロバータも女神だ。

■ 過去関連記事

2009年07月29日(水)
ロバータ・フラック・ライヴ~マイケル・ジャクソンに捧げる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090729.html

March 08, 2008
Roberta Flack Live: Audience Set Her Soul On Fire
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080308.html
前々回ライヴ評。

April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070418.html

April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070419.html
2007年ライヴ評。

■ ベストアルバム

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003634DHY/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

ロバータ・フラック(ヴォーカル、ピアノ)Roberta Flack(vo,p)
アルチューロ・タッピン(サックス、フルート)Arturo Tappin(sax,flute)
シェルトン・ベクトン(キーボード、ミュージカル・ディレクター)Shelton Becton(key,musical director)
ディーン・ブラウン(ギター)Dean Brown(g)
ニコラス・ブランカー(ベース)Nicholas Brancker(b)
チェ・マーシャル(ドラムス)Che Marshall(ds)
デリック・ヒューズ(バック・ヴォーカル)Derick Hughes(back vo)
ノヴァ・ネルソン(バック・ヴォーカル)Nova Nelson(back vo)
メリッサ・ラロシェル(バック・ヴォーカル) Mellisa Larochelle(back vo)

■ セットリスト ロバータ・フラック@ブルーノート東京、2010年9月2日木曜、
Setlist : Roberta Flack @ Bluenote Tokyo, September 2, 2010

musicians stand by 21:45
show started 21:47
01. Intro (Rise)
02. Killing Me Softly With His Song
03. Sweet Georgia Brown
04. Say No
05. Feel Like Making Love ~ You Sure Love To Ball [Marvin Gaye]
06. Tonight I Celebrate My Love
07. Marvin Gaye Medley: Inner City Blues – Save The Children – Mercy Mercy Me
08. I’ll Stand By You [Pretenders]
09. Feelin’ That Glow
10. No Woman, No Cry [Bob Marley]
11. Back Together Again (With Derrick, Shelton)
12. Tell Me When
13. (Like A) Soft & Gentle Rain
14. The First Time Ever I Saw Your Face
15. Love Me In A Special Way [Debarge]
Enc. You’ll Never Know (‘Til You Let Go)
Enc. Baby, I Love You (Shelton sings)
Outro: Theme (Rise)
Show ended 23:28

(2010年9月2日木曜、ブルーノート東京=ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
2010-143
◎ファイアー・リリー(マル改め)デビュー~焼け野原の一輪の花

【Fire Lily Debut Showcase Live】

リリー(ユリ)。

これまでマル(Maru)として活躍してきたR&B系シンガー・ソングライターが、2010年9月1日付けでその名をファイアー・リリー(表記はFire Lily)と改名、デビュー・ライヴを行った。マルはいよいよ2010年12月8日、アルバム『エターナル・ストーリー(Eternal Story)』で徳間からメジャー・デビューを果たすが、その際のアーティスト名をファイアー・リリーとした。ファイアー・リリーとは、アフリカの大地で気温が高く火事になり、すべてが焼け野原になった後、最初に咲くユリの一種を言う。これは、マルのソロのユニット名(アーティスト名)となる。

さて、この日はそのお披露目という形で、若干業界関係者向けのショーケース的コンヴェンションの様相だった。

マル(ファイアー・リリー)も、ライヴが始まったあたりでは、観客の違いに若干戸惑ったか、緊張気味。しかし、徐々に自分のスタイルを全面に出すようになり、最後にはマルの世界を堂々と演じていた。

いつもは会場のプラグは、ステージ前の数列が座席だが、今回は1列目だけが席で後はスタンディング。ぎりぎりに行ったら、立錐の余地もなく、ものすごい人だった。バンドは、ドラムス、ギター、ベース、キーボード、コーラス2人の6人編成。実にタイトで気持ちいいグルーヴを繰り広げる。

やはり、何度も聴いてきた「手紙」などは、冒頭からぐっとくるメロディーで、将来観客が全員この曲を知っていて、ライヴに聞きに来たらその歌に涙するであろう、壮大な一曲だ。また、「ビューティフル・ライフ」もコーラスの「ずっとずっと~」という部分が実にキャッチーで、もし将来武道館でやることになれば、武道館につめかけた観客全員がこのコーラスをするだろう。そんな姿を想像したら、鳥肌がたった。以前から彼女を知っている者からすると、マル(ファイアー・リリー)は、ニュー・クラシック・ソウル系のグルーヴのあるシンガーという印象があるが、このところバラードでも味わい深さを身に付けてきていることがわかる。

アースのカヴァー、「シャイニング・スター」もファンキーでかっこよかった。こういうフユのドラムは最高。(もちろん、フユのドラムはいつもグルーヴがあって最高だ)

さて、アンコールの1曲目。「前々からデュエットはしていたんですが、一緒にオリジナル曲を歌いたいと思っていました。その方がいらしています」ということで、黒沢薫さんサプライズ登場。「なんかマルのライヴは、2回に1回くらいでてるような気がして、ぜんぜんスペシャル感ないんですけど」と言って爆笑を誘った。そして、初披露されたのが2人で書いた「かたおもい」。あちこちでデュエットで歌われて欲しい、と言う。さらに、「好きだけど、(まだ、そう)言えてない人と一緒にこの曲を歌って、恋が芽生えればいいなと思って書きました」とファイアー・リリーは解説した。マルと黒沢さんが初めてデュエットしたのが2006年7月のイヴェント『ソウル・サーチン~ルーサー・ヴァンドロス』のとき。あのときは、「ソー・アメージング」だった。それから、何回かデュエットがあり、黒沢さんのソロ・ツアーのコーラスに抜擢されたりと、つながりは深まっていった。今回のデュエットは2人の共作でデビュー作にも収録される。

2010年10月28日に代官山ループで小編成でライヴ。さらに12月にリリース・ライヴを計画中とのこと。焼け野原に、一輪の花を咲かせよ。

■ 過去関連記事

2010年03月12日(金)
マル・ライヴ@渋谷プラグ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10479618267.html
(前回ライヴ評)

2009年08月15日(土)
マルは髪の毛を切り、心機一転成長してJZに登場
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10320359295.html

2010年02月28日(日)
ブラン・ニュー・ヘヴィーズ・ライヴ~マル、バック・コーラスで参加
http://ameblo.jp/soulsearchin/archive1-201002.html

November 08, 2007
Maru First Full Show At Blues Alley: With Surprise Guest
【マル、ブルース・アレイ・デビュー】
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200711/2007_11_08.html

September 13, 2007
Maru Will Write New Song With Each Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002023.html

May 15, 2007
Maru Live; Takeo & Mana Live
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200705/2007_05_15.html
(ここに過去記事一覧があります)

◎マル・オフィシャル・ページ
http://www.marudiva.com

■ メンバー

ファイアー・リリー Fire Lily (Maru) (vocal)
Fuyu (Drums)
Gakushi Fujikawa(Keyboards)
Ihara Aniki Hiroshi (Guitar)
Kobayashi Shinji (Bass)
Hiro-a-key (chorus)
Saan (chorus)

Kurosawa Kaoru (Special Guest)

■ セットリスト ファイアー・リリー@渋谷プラグ
Setlist : Fire Lily @ Plug, September 1, 2010

show started 20:54
01. Intro
02. Golden Boy
03. 夢の雫
04. Eternal Story
05. 手紙
06. Kitty Boy
07. やさしいキスで答えて (新曲)
08. Beautiful Life
09. Shining Star (Earth Wind & Fire)
Enc. かたおもい (デュエット・黒沢薫)
Enc. 守りたいから
Show ended 22:14

(2010年9月1日水曜、渋谷プラグ=ファイアー・リリー(マル)ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fire Lily (Maru)
2010-

◆集中力が欲しい

【Concentration Is What I Need】

集中力。

今度、大前研一氏が主宰するインターネットで学べる大学での授業のビデオ番組にゲスト出演することになった。詳細は、いろいろ決まったあとにご紹介しようと思っているが、その打ち合わせを2度ほど行って、とても勉強になった。

この科目は英語で、いかに英語を身に付けられるか、そのノウハウを教える。そこで、普段英語を使って仕事をしている5人のゲストを招き、どのように英語を習得したかを実践的に話してもらうというもの。

元ガバの青野さんが、僕が英語を音楽で学んだことを知っていて、その体験談を話してください、と誘っていただいた。

雑談の中で、僕が強調したのが、「集中力」というものだった。原稿でもなんでも、昔は集中力があって、集中すれば、なんでもさっとできていた。ところが、最近は集中力を高めることが本当に難しい。なかなか集中できない。集中するまでに異様に時間がかかる。締切という存在は、大いに集中を高めるいい外的要因だが、では、そうした外的要因をうまくコントロールして、自主的に集中を高める方法はないだろうか。もしそれがうまくできたら、何でもできる、怖いものなし、だと思う。そんな話になった。

今でも、集中できたときは、仕事も進むのだが、そこに行くまでがだめ。原稿に向かう瞬間、デスクの上や引き出しの中や、果ては冷蔵庫の中を片付けたりしてしまう。そんなこと、どうでもいいのに。(笑) ほんと、最近、どうしたら集中を高められるのか、すごく大きな課題になっている。

集中力さえあれば、どんな語学でも、その他の習い事でも3ヶ月や半年である程度はできるようにはなると、僕は信じてる。(実際に、試したことはないんだが=苦笑) どなたか、自身で集中力を高めるいいノウハウ、方法がありましたら、教えてください。

◎クリス・デイヴ~実験的ライヴ

【Chris Dave: Experimental Live】

実験的。

モス・デフ、エリカ・バドゥー、ミッシェル・ウンデゲオチェロなどとのセッションなどを通じ、主としてイーストコーストで活躍しているドラマー、クリス・デイヴ。また、ロバート・グラスパーとの来日でも注目されたその彼がベース奏者とサックス奏者を伴った3人で自己名義のライヴ。観客は圧倒的に若い人、普段クラブなどに行っているような人たちだった。ストレート・アヘッドなジャズという感じだった。

事前のセットリストはなく、ステージ上でそれぞれ頻繁に打ち合わせをしながら、ほとんどアドリブで曲を進めていくフリー・ジャズ風。しかし、噂にたがわずドラムはめちゃくちゃうまい。

ベース奏者は、帽子をかぶった姿がちょっと昔のマーヴィン・ゲイ風。それぞれのソロ時間がかなり長く、ソロを取っている間、残る2人が耳打ちしながら、次どうしようか、などと打ち合わせをしている。たぶん、ほとんどアドリブ、ジャムなので曲名などもないのだろう。

ただ、本編最後で、『セックス&ザ・シティー2』のテーマ(「ラプチャー」)と、エリカ・バドゥーの「ウインド・シート」をマッシュアップしていた。

■ メンバー

クリス.・デイヴ / Chris Dave(Drums)
ケビー・ウィリアムズ / Kebbi Williams(Saxophone)
サンダーキャット / Thundercat(Bass/Background Vocals)

■ セットリスト
Chris Dave @ Billboard Live

show started 21:32
01. (jam)
02. (jam)
03. (jam)
04. Rapture – Wind Seat (mashup)
Enc.
Show ended 22:51

(2010年8月30日月曜、ビルボードライブ東京=クリス・デイヴ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Dave, Chris

○高中正義さんインタヴュー

【Takanaka Masayoshi Interview】

ご縁。

ひょんなご縁から、人気ギタリスト、高中正義さんにインタヴューした。来月、彼は恒例の東名阪(東京名古屋大阪)でのライヴをするが、そのツアー・パンフ用のものだ。

高中さんは、過去10年、軽井沢に住んでいる。そこで、僕が軽井沢に行った。昔は、軽井沢はけっこう遠かったが、今は東京駅から新幹線で1時間5分程度。はやい。この時間なら、確かに通勤圏内になっているというのも頷ける。

ちょうど、7月に約1年ぶりのアルバム『軽井沢白昼夢』という作品を出したところ。これのサポートも含めて9月のライヴだ。

インタヴューは、最初、軽井沢の山の中腹にある高中さんの自宅ヴェランダで。それから、旧軽井沢のおいしい焼き鳥屋さんで焼き鳥を食べながら、そして、最後は、『軽井沢白昼夢』のジャケット(裏側と中)で撮影された、軽井沢万平ホテルのバーに行き、話しを聞いた。万平のバーは、このホテル自体が古いために、そのバーもかなりの趣を醸し出していた。ここのバーテンダー氏が地元ではちょっとした人気の人物。

最初は、ジャケットの写真でよく見ていたので、実際にその場に入ると、写真と同じだったので、感慨深かった。

このアルバムの中で、最初に印象に残ったのが、2曲目の「TONO」という曲。ちょっとしたバラードっぽい作品だが、彼が盟友加藤和彦さんに捧げた作品だ。これは、さすがに胸を打たれる。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003NUOT9M/soulsearchiho-22/ref=nosim/

高中さんは、ご存知の通り、70年代初期に加藤さんに誘われ、フライド・エッグに加入したところから、プロとして本格的なミュージシャンとなった。すぐに加藤さんの次のバンド、サディスティック・ミカ・バンドに参加。ソロに転じた後に、『ブルー・ラグーン』の大ヒットで一世を風靡する。来年(2011年)は、活動40周年になるという。

一時期はバハマに住み、バハマを本拠に曲作りなどをしていたが、2000年に軽井沢に移り住んだ。

インタヴュー内容は、また後日ここでも書くかもしれないが、9月のツアー・パンフに詳細を書くので、そちらをお楽しみに。

■高中正義 40周年 前年祭 ツアー決定 チケット発売中

http://eplus.jp/tnmy-ohp/

【公演スケジュール】
2010年9月22日(水)  東京:中野サンプラザホール 18:30開演
2010年9月23日(木・祝)  大阪:森ノ宮ピロティホール 17:30開演
2010年9月26日(日)  名古屋:Zepp Nagoya 17:00開演

【メンバー(予定)】
青柳 誠(key,sax), 斎藤ノブ(Percussion), 松原秀樹(Bass),
宮崎まさひろ(Drums), 森村 献(key)

※チケット料金 全席指定\7,000(税込)
※ 名古屋公演のみ別途1ドリンク代\500が必要となります

ENT>ANNOUNCEMENT>Takanaka, Masayoshi
ENT>ARTIST>Takanaka, Masayoshi

◎リビー・ジャクソン来日~モーリス氏著作写真集『マイケル・ジャクソン~ザ・リアル・カムバック』の発売で

【Rebbie Jackson Showcase】

ショーケース。

ジャクソン家の長女であり第一子であるリビー・ジャクソンが、ポジティヴ・プロダクションの招きで来日、都内のホテルでショーケースライヴを行った。これは、同プロダクションの社長、ブロデリック・モーリス氏が8月29日に発売した写真集『マイケル・ジャクソン リアルカンバック2006』のプロモーションのため。発売日はマイケルの誕生日にあわせられた。

当日はホテルのボールルームに約150人が集まり、着席式パーティーが行われた。日本在住のブラック・ミュージシャンたちが、マイケルのヒット曲を歌ったり、マイケルが2006年に来日したときの映像が流されたりした。途中で、そのバンドにあわせてリビーが登場、4曲を歌った。曲は、「シェイク・ユア・ボディー」、スタンダードの「フィーヴァー」、「アイル・ビー・ゼア」(ここではバックのデイヴィッド・キングとデュエット)、そして、最後に自分の持ち歌でもあり大ヒット曲でもある「センティピード」を披露。ここでは、バンド・メンバーを全員紹介しながら、会場を盛り上げた。途中から、リビーはいつの間にかはだしになって歌った。バックには、両親の写真が映し出され、時折、マイケルや兄弟らの写真も映された。リビーは160センチくらいで比較的小柄。だが、正面の顔は、マイケルやジャネットを彷彿とさせる。「アイル・ビー・ゼア」では涙を見せた人もいた。

リビーのライヴ後、モーリス氏が自著の宣伝をし、ゲストらの挨拶などが続いた。リビーはその長時間のスピーチを聴いていたが、終了後、彼女は会場に来ていたファンの人たちほぼ全員にサイン、写真撮影などに応じた。

リビーの来日は、有明エムザが初。その後、大阪ブルーノート、福岡ブルーノートなどに来日、どうやら今回が4回目くらいらしい。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4877717986/soulsearchiho-22/ref=nosim/

この本は、A4・84ページ、光沢上質紙に写真と文章が載せられている。内容はマイケル・ジャクソンが、2006年5月26日から6月2日まで日本に滞在したときの出来事についての記述と写真だ。

■ メンバー

Rebbie Jackson (vocal)
Jay Stixx (drums)
Keith Williams (bass)
(guitar)
(keyboards)
Pierre Andre (sax)
Angie Martin (chorus)
Paula Johnson (chorus)
David King (chorus, vocal)

■ セットリスト

show started 21:28
01. Shake Your Body (Down To The Ground)
02. Fever
03. I’ll Be There
04. Centipede
Show ended 21:53

(2010年8月28日土曜、リビー・ジャクソン・ショーケースライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Jackson, Rebbie
2010-

☆マイケル・ジャクソン誕生時刻~ゲイリーの時間帯

【Michael Jackson 】

時間帯。

マイケル・ジャクソンの生年月日は1958年8月29日だが、その時刻まではこれまではっきりしていなかった。ところが、ここ1日2日、ジャクソン兄弟のティト・ジャクソンの息子で3Tというバンドのメンバーでもあるタジ・ジャクソンが、祖母(キャサリン・ジャクソン=マイケルの母親)に尋ねたところ、午後7時33分に生まれた、ということがわかった。これをタジがツイッターで明かした。

これは、インディアナ州ゲイリーでの時刻だが、となると、その日本時刻はいつか。僕はアメリカ中西部時間(シカゴ)と同じと思い、日本からマイナス15時間(日本時間にするにはアメリカ時刻にプラス15時間)だと考えた。しかし、夏時間だとマイナス14時間になるので、翌日30日の午前10時33分、夏時間だと午前9時33分になる。ということをツイートした。

すると、ここからがツイッターのすごいところ。なんと、1958年頃はまだ「サマータイム」を取っていないという、指摘があった。となると、中西部時間で朝10時33分。ところが、さらに、調べるとインディアナ州は、場所によって、東部時間帯の街と、中西部時間帯の街が混在していることがわかった。僕も今回初めて知った。同じ州なのに、時差があるのだ。そこで改めてゲイリーの時間帯を調べると、中西部時間帯と確認。マイナス15時間で朝10時33分でいいことになる。さらに、ツイッターではイリノイ州シカゴ近辺では、今度は夏時間を採用するところと、採用しないところまで混在している、という。これはめちゃくちゃこんがらがる。アメリカの住民でも、相当混乱するらしい。

マイケル・ジャクソンの誕生時刻から思わぬ勉強をした。

MICHAEL JACKSON>Birthdate, time

◎ノーナ・リーヴス・ライヴ~超ポップ宣言でビルボード満員御礼

【Nona Reeves Live : Super Pop!!】

超ポップ。

とってもポップでキャッチーなグループ、ノーナ・リーヴスのビルボードライブ・デビュー。郷太くん曰く「味、しめちゃいました!(笑)」

ドラムス、ギター、ベース、キーボード2人にコーラスにリード・ヴォーカル、西寺郷太で計7人がオンステージ。ビルボード2セット、超満員。20代から30代の女性が圧倒的に多い。男女比2:8くらいだろうか。

改めて感じたのが、ノーナ・リーヴスというグループはポップでキャッチーな渋谷系Jポップということ。泥臭さはなく、とても都会的。ずっと聴いていて、イギリスのスタイル・カウンシルとか、イギリスの他のポップ・グループ(ワム!なども)と同じような匂いを感じた。非ロックの王道ポップという感じ。初めて聞く曲でも、2番になると、もうメロディーを歌える、そんな曲が多い。これはソングライターとしての力か。

郷太くんの声は、クリストファー・クロス、ネッド・ドヒニーなどに似ていると言われるという。今回聴いてて、三浦大知くんなどとも似てるかなと思った。また、さすがに洋楽を聴きこんでるだけあって、洋楽のエッセンスがちりばめられている。印象に残ったのは、プリンス風のイントロからホール&オーツ風のメロディーになった5「フライデー・ナイトはソウル・オン!」。

ライヴ後、キーボード川口大輔さんによると、「ギミギミ」がデイトンの「サウンド・オブ・ミュージック」とコード進行が同じなので、リフをちょろっといれてみました、という。ああ、気づかなかった! 

僕はセカンドを見たが、ファーストと若干入れ替えがあるので、両方のセットリストをもらった。冒頭の4曲が違い、あと、アンコールの2曲目が入れ替わってる。17曲やったことになるのかな、リハーサル大変だったでしょう。

それにしてもポップ、まさに超ポップ宣言だ。

ところで、楽屋でトライセラトップスの和田唱さんに初めて会った。郷太さんに「もう何回も会ってるよね」と言われたのだが、実際会うのは初めて。これまでラジオ番組内で電話で話したり、ツイッターでいろいろやりとりはしていたが。そのせいか、初めて会う気がしなかった。「吉岡さんのライナー、読んで育ちました。読むライナー、読むライナー、みんな吉岡さんので」などと言われ恐縮。すかさず、そこに郷太さん「僕たち、吉岡チルドレンだから」とつっこみ。今度改めて3人でゆっくり会うことを約束した。

■ 関連記事

2009年12月19日(土)
ノーナ・リーヴス・ライヴ@クアトロ~80年代の申し子
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10414485371.html

■ ノーナ・リーヴス・ベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000JGCM7Y/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

西寺郷太/Gota Nishidera(Vocals)
奥田健介/Kensuke Okuda(Guitar/Keyboards)
小松シゲル/Shigeru Komatsu(Drums)

村田シゲ/ Murata Shige (bass) (□□□=クチロロ、CG5)
冨田"YT"謙 / Tomita Yuzuru (Keyboards)(イン・タイム)
川口大輔/ Kawaguchi Daisuke (Keyboards)
真城めぐみ / Mashiro Megumi (Chorus)

■ セットリスト ノーナ・リーヴス@ビルボードライブ東京
Setlist : Nona Reeves @ Billboard Live Tokyo, August 27, 2010

第一部

01. 渚のチューブ・ライダー
02. スウィートネス
03. 重ねた唇
04. Still
05. フライデー・ナイトはソウル・オン!
06. バッドガール
07. ヒューマン・ネイチャー
08. ギミギミ (a riff of “Sound Of Music”)
09. ヘイ・エブリバディ!
10. ミッドナイト・ラヴ(Intro Jam)~あの娘にガールシック
Enc. メモリーズ~ひと夏の記憶~
Enc. ターンテーブルズ・オンリー

第二部

show started 21:34
01. 愛の太陽
02. 二十歳の夏(Part 1 & 2)
03. プリズマティック・レイディ~哀しみで目も眩み~
04. 奇跡
05. フライデー・ナイトはソウル・オン!
06. バッドガール
07. ヒューマン・ネイチャー
08. ギミギミ (a riff of “Sound Of Music”)
09. ヘイ・エブリバディ!
10. ミッドナイト・ラヴ(Intro Jam)~あの娘にガールシック
Enc. メモリーズ~ひと夏の記憶~
Enc. ヒポポタマス
Show ended 23:03

(2010年8月27日金曜、ビルボードライブ東京=ノーナ・リーヴス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Nona Reeves
2010-137

◆スティーヴィー・ワンダーのベスト・アルバム

【Stevie Wonder’s Best Album】

コンセプト。

スティーヴィー・ワンダーの3枚組みベスト・アルバム『ラヴ・ハーモニー&エタナティー』が2010年8月4日リリースされた。3枚組みで計50曲。そして、3980円(税込み)ということで、平均すると1曲あたり80円弱。

たまたまリリース後に、西寺郷太さんが、このアルバムをレギュラーのTBSラジオ『キラキラ』で紹介していたが、そのときに、「こんなにいい曲ばかり、どれもいい曲ばかりで、1曲80円ですよ、これは買うしかないでしょう」と、ジャパネットタカタ並みのセールストークをしていて、聴いていて思わず笑ってしまった。

ご存知の方も多いと思うが、スティーヴィーはなかなかベスト・アルバム、コンピレーションなどに自身の楽曲の許諾を出さないことで有名だ。これまでに出たベストは、いずれもスティーヴィーが選曲して出したものだけ。たとえば、日本側からこれこれこういう選曲でベスト・アルバムを出したいとか、他のアーティストとのコンピレーションに1曲いれたいと申請しても、まずOKが来ない。それでも1971年以前の作品は許諾が降りるのだが、1971年以降、すなわちスティーヴィーがモータウンと契約を更改し、すべて自作自演で作品を作り出して以降のものは、何も自由に使えないのだ。

多くの選曲家にとって、スティーヴィーのベスト、あるいは、スティーヴィーのアルバムの独自の選曲というのは、夢だ。

それが、珍しく今回日本からの申請にOKが出た。スティーヴィーが記者会見で語ったところによると、このアルバム、3枚組みのコンセプトが気に入ったから許可した、という。コンセプトは、「愛」「ハーモニー」そして、「永遠」というもの。娘のアイシャとのデュエット「ハウ・ウィル・アイ・ノウ」なども入っている。

□ スティーヴィー・ワンダー3枚組みベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003OTLV3Y/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ARTIST>ALBUM
◎リアル・ブラッド・ライヴ

【Real Blood: Good News & Bad News】

驚愕。

けっこう何度も見ているリアル・ブラッド。年に2回ペースでライヴを行っているが、この2年ほどちょっとスケジュールの都合などで見られていなかったので久々に参戦。僕自身が前回見たのが2008年8月なので、ほぼ2年ぶり。

そして、すべては大山の風景の如く、何も変わっていなかった。いや、できたばかりの新曲が披露されるという驚愕の大ニュースがあったが。そして、3人のアカペラによる「近況報告」という新しいものも。(下記セットリスト参照) 

あいかわらずトムさんの話は、めちゃくちゃおもしろかった。

「犬を連れて駒沢公園を散歩していたら子供たちに話しかけられたんです。どうやら、遠目に僕を見ていたらしく、ひそひそ話しをしている。よく声をかけられたりするんで、まあ、慣れてるっていえば慣れてる。子供たちが「あの人、テレビよく出てる人でしょ」「きいてきなさいよ」みたいなひそひそ話しをしているのが聴こえる。で、子供たちがやってきた。「その犬、かわいいですね~。写真撮ってもいいですか」(爆笑) それでも、もじもじ~~。「ほら、聞きなさいよ、ちょっと」 もじもじ。「ほら、テレビに出てる人でしょ」 ひとりの子が勇気を振り絞って言った。「あのー、ドン小西さんですよね」(さらに大爆笑) 「子供なのに、殺してやろうかと思いました」(爆笑)

「新曲を、今日やらないと、また半年後になってしまうんで、今日やります」と言って「笑顔の奇跡」という新曲をご披露。そうそう、あいかわらずシルキーさんの「シルクの雨」のファルセットはすごかった。ルーサーさんのウエールズ語っていうのも受けた。

■ リアル・ブラッド 「±0」(プラマイ・ゼロ)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009PN22/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ リアル・ブラッド・オフィシャル・ホームページ
http://www14.big.or.jp/~realblod/

■ メンバー

リアル・ブラッド=(Vo)ブラザートム、SILKY藤野、LUTHER No.1市村 

バンド=(G)GUTTI谷口 (EP)Sassy Tomo (B)大友正明 (HAMMOND B-3/Key)貝原正 (Ds)浜崎大地

■ Real Blood 関連過去記事

2003/09/11 (Thu)
Lowest Budget, Highest Quality: Real Blood Would Take You Back To The 70s
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200309/diary20030911.html

2003/10/28 (Tue)
Real Blood: Real Live By Real Musician
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20031028.html

2003/11/12 (Wed)
Welcome To Number One!
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200311/diary20031112.html

2003/12/24 (Wed)
Live & Direct For "Soul Music Special"
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200312/diary20031224.html

2003/12/22 (Mon)
Ohio Players’ "Happy Holidays" Proves One Nation Under A Groove
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200312/diary20031222.html

2004/10/03 (Sun)
My Mother Loved It, I Loved It And My Son Loved It: The Song Have Been Loved By Three Generations
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200410/diary20041003.html

2005/01/30 (Sun)
A Passion For A Record Turns To A Passion For Music
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200501/diary20050130.html

2005/02/02 (Wed)
Brother Tom’s Two Minutes: He Talked About When He First Heard Ray Charles
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200502/diary20050202.html
トムの2分間。名作です。

2005/02/22 (Tue)
Live At Club Heights (Part 1)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200502/diary20050222.html

2005/02/23 (Wed)
Live At Club Heights (Part 2): The Back To The 70s Disco
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200502/diary20050223.html

April 30, 2005
"Live The Soul Music" On NHK-FM
http://blog.soulsearchin.com/archives/000229.html

December 25, 2005
"Soul Music Live Vol.5"(Part 2)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_12_25.html

January 23, 2006
Luther Number 1 Ichimura: The Way He Was...
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_01_23.html

February 06, 2006
Jay & Silky Live At Blues Alley: The Night Of Ecstasies
http://blog.soulsearchin.com/archives/000816.html

February 20, 2006
Washington’s Own "Go Go Sound" Still Alive & Kicking
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_02_20.html

March 02, 2006
Brother Tom’s Two Minutes Became Impressive Two Hours
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_03_02.html

March 29, 2006
Real Blood Live At Blues Alley
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_03_29.html

June 12, 2006
Real Blood Live: Luther Talks About Voice Artists
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200606/2006_06_12.html

January 15, 2007
Luther Ichimura: 1 Octave Down
http://blog.soulsearchin.com/archives/001515.html

2008年08月23日(土)
リアル・ブラッド・ライヴ~いいお知らせと悪いお知らせ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080823.html

■セットリスト:リアル・ブラッド 2010年7月31日(土)
Setlist :Real Blood @ Blues Alley, July 31st, 2010

show started 20:02
01.  No Problem
02.  恋は上々
―.  アロハオエ(トム・アカペラ)
03.  Real Things
04. Eye Zeen (Including a riff of “You Are Everything”& “Me & Mrs. Jones”)
―.  ルーサー市川がウエールズ語で歌うアカペラ
―  シルキー藤野が口で表現するゲームマシンの音
05. Silkの雨
06. 笑顔の奇跡 (新曲)
07.  Blind Love
08.  Got To Be Real (Instrumental) : Introducing Members
09. What’s Your Name
Enc. Merry Xmas
Enc. Shining Girl
show ended 22:01

(2010年7月31日土曜、目黒ブルース・アレイ=リアル・ブラッド・ライヴ)ENT>MUSIC>LIVE>Real Blood
2010-

◎スリー・ディグリーズ:47年の歴史を持つ現役グループ

【Three Degrees Live: Fun Time With Three Degrees】

現役。

このところ毎年のように、しかも年に2回来ることもあるスリー・ディグリーズ。たまには見てみようと久しぶりにライヴを。個人的にはなんと4年ぶりだった。スリー・ディグリーズは1973年ごろから日本でも特に人気を集めたフィラデルフィア・ソウルの女性3人組ヴォーカル・グループ。当時は、「荒野のならず者」「天使のささやき」「苦い涙」などが大ヒットしたり、「東京音楽祭」に出場したりして、大いに人気を得た。というわけで、その頃をリアルタイムで知っている人たちはかなりの年齢層。やはり観客の年齢層は高い。

ヘレン、シンシア、ヴァレリー3人の芸達者は、数多く来日しているので、実に日本語もうまく、ちょっとしたMCを日本語でやる。これが受ける。まさに演歌のようなエンタテインメント。この3人の中ではヘレン・スコットが一番の古株。彼女は1963年から1966年までグループに在籍、一時抜けて1976年から復帰。以来34年。1963年から数えると47年間、スリー・ディグリーだ。ヴァレリーは1967年以来だから、43年メンバーだ。ヘレンとヴァレリーはほぼオリジナル・メンバーと言っていい。シンシア・ギャリソンも1989年からなので、それでもすでに21年。その女たちの絆はめちゃくちゃ強い。

3人は、『ドリームガールズ』のようなキラキラな赤の衣装で、振りをつけながら歌って踊る。そして、メインのリード・シンガーをステージ中央にすえるので、曲ごとに立ち位置が華麗に変わる。だが、注意深く見ているとシンシアとヴァレリーがセンターを取る曲がほとんど。ヘレンがセンターになったのは、2曲目だけだった。ただ、一番MCでしゃべるのはヘレン。みんなを立たせて踊らせようとするのだが、そのとき、「Everybody!」とやおら煽るのがおもしろい。「私がみんなと言ったときは、みんな、全員のことよ!」と声を張り上げ、座っている人を指差し、立つようにうながす。それが嫌味なく、楽しいので、みんな立ち上がる。

「独身の男はどこ?」と言った観客とのやりとりもおもしろい。「(私たちは)シングル男、求めてる。そして、リトル金持ち…」 受ける。そして、「やらしい男たち」と言って、「ダーティー・オール・マン(荒野のならず者)」へ。

「天使のささやき」も途中から日本語。半分、歌謡ショーを見てるような気になってくる。最後はなぜかアースの「ブギー・ワンダーランド」がアンコール。でも、この観客層ではもちろんバカ受けする。終わりよければすべてよし。

■ 早くも次回来日決定

2010年11月25日(木)~26日(金)名古屋ブルーノート
2010年11月27日(土)横浜モーション・ブルー
2010年11月29日(月)~12月1日(水)丸の内コットンクラブ

■ ベスト・アルバム

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51AlbfZqNZL._SL160_.jpg" alt="ザ・ベスト・オブ・スリー・ディグリーズ" style="border: none

■ 過去ライヴ評、スリー・ディグリーズ関連記事

February 18, 2006
Three Degrees Live At Kentos:
http://blog.soulsearchin.com/archives/000839.html

February 04, 2008
Fukamachi Jun Talks About Three Degrees
http://blog.soulsearchin.com/archives/002309.html

■ メンバー

スリー・ディグリーズ=
ヘレン・スコット / Helen Scott(Vocals)
ヴァレリー・ホリデー / Valerie Holiday(Vocals)
シンシア・ギャリソン / Cynthia Garrison(Vocals)

ベニー・シムズ / Bennie Sims(Bass)
クリフ・スターキー / Cliff Starkey(Keyboards)
フランク”バズ”アマト / Frank "Buzz" Amato(Keyboards)
デイヴ・ガードナー / Dave Gardner(Guitar)
ティム”タム タム”ハトソン / Tim "Tom Tom" Hutson(Drums)

■ セットリスト スリー・ディグリーズ@ビルボードライブ東京
Setlist : Three Degrees @ Billboard Live Tokyo, August 22, 2010

show started 19:38
01. Intro ~ Shake Your Groove Thing [Peaches & Herb]
02. Take Good Care Of Yourself
03. Year Of Decision
04. Get Back To Lonely??
05. Signed, Sealed, Delivered & I’m Yours [Stevie Wonder]
06. Make It Easy On Yourself [Dionne Warwick]
07. Nigai Namida
08. Dirty Ol’ Man
09. Philly Medley: The Love I Lost [Harold Melvin & The Bluenotes]
Ain’t No Stopping Us Now [MacFadden & Whitehead]
If You Don’t Know Me By Now [Harold Melvin & The Bluenotes]
Together [Intruders]
Disco Inferno [Trammps]
Love Train [O’Jays]
10. When Will I See You Again (Tenshi No Sasayaki)
Enc. Boogie Wonderland [EWF]
Show ended 20:55

(2010年8月22日日曜、ビルボードライブ東京=スリー・ディグリーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Three Degrees


■渋谷HMV、20年の歴史に幕 ~ ◆HMV渋谷閉店が残すもの

【HMV Shibuya Closed Its Door After 20 Years】

閉店。

渋谷のCDショップ、HMV渋谷店が2010年8月22日(日)、約20年の営業を終えて、閉店した。同店が開店したのは、1990年11月16日、渋谷の109(道玄坂下)の中。その後1998年、渋谷西武の隣、センター街に引っ越した。HMVは現在まで20店舗以上が閉鎖されてきたが、旗艦店でもある渋谷店閉店は、音楽ファンに大きな衝撃を与えた。

最終営業日の8月22日には、同店2階で、沖野修也氏が音頭を取り、多くのミュージシャンがライヴを繰り広げファンを集めた。

+++++

◆ HMV渋谷閉店が残すもの

【The Legacy Behind HMV Closing】

熱気。

最後の営業日に渋谷HMVをのぞいた。井の頭通り側の電光掲示板には、1990.11.16~2010.8.22の文字が映し出されている。入口近辺もひとだかり。2階でライヴをやっているのだが、そこはものすごい人。時間帯によっては、入場制限をかけていた。ステージ前までぎっしり人がつまっていてとても前には進めない。ちょうど、ルートソウルがライヴを行って、ファンキーなサウンドを繰り広げていた。途中からマルがヴォーカルで入っていた。後方だったので、音もがんがん来るわけではなく、しかも、異様に暑かったので、かなり息苦しかったが、ライヴ自体は熱く、それを見る観客の熱気もすごかった。これだけ音楽好きがいれば、閉店することもなかろうにと、ふと思ってしまうが、これも「最後だから」人が集まるのだろう。まさに「最終回シンドローム」の典型だ。それでも、こういうイヴェントが最後の日にできてよかったと思う。

CDショップの閉店は時代の流れで、もはやどうにも歯止めはかけられない。そりゃあ欲しいCDが決まってるときは、アマゾンで買うほうが圧倒的に便利。しかし、アナログのレコード店が完全にはなくならないように、数はかなり少なくなるがCDショップも完全にはなくならない。渋谷HMV閉店はその象徴的存在として語られるようになるだろう。(すでにそのように語られている)

今までもある程度そうだったが、これからの音楽家たちは、CDもしくはデジタル・データ、現物のCDであろうが、配信であろうが、録音された音源と、ライヴ音楽の二つをどうバランスよくやっていくか、明確なヴィジョンを持たなければならなくなっている。

海外ではマドンナなど、新譜CDは売れなくとも、ライヴ興行がビッグビジネスになっている。アメリカの業界で始まりだしたいわゆる「360度契約」というのが、ひとつの雛形(ひながた)だ。新譜CDの売り方も、今後はさらに模索されるだろう。プリンスの「新聞に付録でリリース」という形も、一般化するかどうかはともかく、試行錯誤の一方法だ。CD(あるいは音源)を宣伝メディアと割り切り、稼ぎはライヴで得る。そういう考え方が広まる可能性は大だ。

CDももちろん細々と残るが、パッケージはある種、今、我々がアナログ・アルバムを見つめるようなちょっとしたぜいたく品、回顧品になるのかもしれない。よい悪いは別にして、携帯で聞ければいいし、アイポッドかなにかそんなものに入って気軽に聴ければいい、と多くの人が思っている。無料ダウンロードも、違法ダウンロードも、それほどなくならないだろう。一方、ライヴはその現場に足を運ばなければならないから、これはヴァーチャルではなく、リアルだ。だが、ライヴに人を多く集めるためには、CDやダウンロードで曲がヒットしていないとだめだ。このあたりが難しい。にわとりが先か卵が先か、だ。

音楽業界が先細りしているのは、7年前に書いた下記記事が参考になる。要は音楽をミュージシャンも、聴き手も「消費財」にしたことが大きい、と僕は思う。とは言え、技術の進歩はあり、それを止めることはだれにもできない。それに加え、人々(若者)の生活が多様化し、音楽にかける資金量が圧倒的に減ったのだ。たとえば、20年前には毎月1-2万円を携帯にかけるという人はまれだった。おそらく、音楽にお金をかける余裕もあったに違いない。だがいまや携帯にそれくらいの金額は当たり前だ。

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200310/diary20031013.html

仮に3000万人(ざっくり15歳から30歳で3000万人として)の人が毎月1000円、音楽あるいはCDなどに使えば、それだけで毎月300億円、年間で3600億円になる。現状は、音楽業界の売り上げは4300億円程度(CDなど約3600億、配信など約700億=2008年度)というから、あと、1000円余分に使ってもらえば、8000億近くに戻る。CD1枚(2000円)でなくとも、ダウンロードで6~7曲でもいい。しかし、若者にとってはこの「余分にあと月1000円」が出せないのが現状なのだ。

これは以前にも書いたが、ベリー・ゴーディーが有名な金曜朝のヒット曲選定会議で、Aという曲とBという曲、どちらを買うか、スタッフ全員に尋ねる。多数決で仮にAが票を集めたとしよう。そこでベリー・ゴーディーはさらに尋ねる。「このAという1ドルのシングル盤と、おなかがすいたときの1ドルのホットドッグ、どちらを選ぶか?」 それでも、Aが選ばれるなら、それをモータウンからシングル盤としてリリースしよう、もし、みんながホットドッグを選ぶなら、その曲はまだ何か足りない、リリースはお預けというわけだ。音楽ビジネスの真髄がここにある。今でもこの話は有効だ。ホットドッグより魅力的な楽曲はできたか、ということだ。敵は音楽業界内にいるだけではないのだ。

それにしても、HMVの最終日に集まったミュージシャンたちは、やはり熱い志を持った人たちばかりだ。ああいう形でミュージシャンが集まるっていうのは、なかなか素敵なこと。そうした中から、なんらかの次のムーヴメントが起これば、こんな素晴らしいことはない。そうなれば、HMV閉店の遺産が形になる。HMV死して、若手ミュージシャン結束強まる、なんてなれば、閉店も意義があったかと思う。

追記: そういえば、イチローのCMのときも似たような話をしたっけ。

2010年05月22日(土)
NTTのウェッブから削除されたイチローのエコCM
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10541154808.html

ENT>NEWS>HMV
ESSAY>HMV

◎久保田利伸『タイムレス・フライ・ツアー』セットリスト

【Kubota Toshinobu Tour Setlist】

終了。

2010年6月20日(日)座間のハーモニーホールから始まった久保田利伸ツアーが、8月22日(日)新潟県民会館でのライヴで全22本終了した。これにともないこのツアーのセットリストをご紹介します。

久保田利伸は、今年の夏は、Jウェイヴ・ライヴに出演したり、9月の『ソウル・パワー』にも出演が決まっている。

■過去関連記事

2010年07月30日(金)
久保田利伸ライヴ@国際フォーラム
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10603911387.html
国際フォーラムでのライヴ評

2010年06月28日(月)
久保田利伸『タイムレス・フライ』ツアー
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100628.html
NHKホールでのライヴ評

2010年08月15日(日)
J-ウェイヴ・ライヴ(J-WAVE LIVE) 2000+10
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10619443631.html

August 07, 2006
Groovy Performance For Groovy People: Kubota Toshinobu Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/001189.html
前回2006年ライヴツアー評・セットリスト付き

July 30, 2006
Kubota Toshinobu Shouted "You Are My Soul" At The Center Of The Stage
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_07_30.html
前回ライヴツアー評

2010年08月21日(土)
ユリ・ライヴ@代官山ループ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100821.html
バックコーラス、ユリのライヴに飛び入り

+++++

●久保田利伸 「SOUL POWER SUMMIT 2010」に出演決定

■公演名・・・SOUL POWER SUMMIT 2010
■公演日程・・・2010年9月24日(金) 、25日(土)
■会場・・・日本武道館
■開演時間・・【24日】開場17:30 / 開演18:30
      【25日】開場16:00 / 開演17:00
■出演 鈴木雅之、ゴスペラーズ、スクープ・オン・サンバディ、久保田利伸、クリスタル・ケイ、ファンクス、ゴスペラッツほか
■全席指定 ¥7,000(税込)※3歳以上有料

チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:110-528)
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:71142)
イープラス http://eplus.jp/
※0570から始まる電話番号は一部携帯電話と全社PHSからはご利用頂くことができません。

■ お問い合せ:ディスクガレージ 03-5436-9600 (平日12:00~19:00)

イベント詳細は→
http://www.diskgarage.com/sp/soulpower/

■久保田利伸 オフィシャル・ホームページ(ツアー予定なども)
http://www.funkyjam.com/artist/kubota/

■久保田利伸 最新アルバム『タイムレス・フライ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0031B66XU/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 久保田利伸 最新シングル『ラヴ・レイン~恋の雨』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003IYH5A8/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー 『タイムレス・フライ・ツアー』

Kubota Toshinobu (Vocal)
Kakizaki Yoichiro (Keyboards)
Ralph Rolle (Drums)
Philip Woo (Keyboards)
Carlos Henderson (Bass)
Ohnishi Yusuke (Guitar)
DJ Mass (DJ)
Yuri (Background Vocal)
Olivia Burrell (Background Vocal)
Yoshida Hiroshi (Background Vocal)
Masako (Dancer)
Nao (Dancer)

■ セットリスト
Setlist : Kubota Toshinobu “Timeless Fly” Tour, June 26, 2010

CD Maze

show started 18:09
01. Keep It Rock
02. ダイアモンドの犬たち
03. Tomorrow Waltz
>MC
04. 雨音
05. Is It Over?
06. The Sound Of Carnival
07. Nyte Flyte
08. La La La Love Song
09. Right Here/Human Nature (only background singers)
10. Rock With You
11. The Other Half
12. Missing
>MC
13. Indigo Waltz
14. Star Light
15. You Were Mine ~ including a riff of “Another Star”
16. Soul Mate ~君がいるから~
Enc1. Oh, What A Night
Enc2. Love Rain ~恋の雨~
>MC
Enc3. Cymbals
Show ended 20:38
CD Marvin Gaye: After The Dance

(2010年6月26日土曜、NHKホール=久保田利伸ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kubota, Toshinobu
2010-94


◎ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』(パート2)~ヒスパニックとヒップホップの融合

(昨日からの続き)

【Musical “In The Heights”(Part 2): Fusion of Hispanic And Hip Hop】

融合。

初日は、レッドカーペットも用意されていたが、出演者・製作者・スタッフなどが集まった軽いパーティーが終演後にあった。

『イン・ザ・ハイツ』での出演者はみなこれまでにブロードウェイ・ミュージカルに出演してきているヴェテランたちだ。パンフレットのプロフィールを見ると、みな過去何本もミュージカル作品に出演している。さすがに層が厚い。何人かは日本でも人気を集めた『レント』に出演、今回のヴァネッサ役のレクシー・ローソンや、カーラ役を演じたジェニー・リス・パディアも出ていた。レクシーは去年の『レント』で来日もしていた。

今回の『イン・ザ・ハイツ』はニューヨークで現在行われているカンパニーと別働隊。ヒットしたミュージカルなどは、ニューヨークでやるチーム、ツアーにでるチームなど複数あるのが一般的だ。しかし、メンバーはもちろん、ニューヨーク・カンパニーに負けず劣らずの厳しいオーディションをくぐりぬけて合格した精鋭ばかりだ。アンサンブルのデイヴィッド・クーパーは、何度も何度もオーディションを受け、そして毎回合格し、次のステップに進み最終的に本当に合格するまでに8ヶ月以上かかった、という。もちろんその間、必死で、合格したことを誰に最初に知らせたかと尋ねたら、「マイ・マム(母親)だ」と嬉しそうに語った。

これだけ大規模で、長期間(といっても2週間超)の演目となると、いわゆるアンダースタディー(代役)が何人も来ている。彼らはメイン・キャストが怪我などをしたとき、急遽ピンチヒッターを務める。しかし、12人全キャストすべてに代役を連れてくるわけにはならないので、代役たちは一人何役もできるようにスタンバイしている。彼らはアンサンブルという踊ったり歌ったりするメンバーとして、そのアンデースタディーを兼ねる。Aというアンダースタディーは、メインのX役、Y役、Z役のセリフや踊りを覚えておかなければならない。彼らは毎日の舞台を、舞台で見たり、ステージにでない者は舞台袖、あるいは楽屋などのモニターで見て、ショーの内容を逐一フォローし、いつでも出演できるような態勢でいるのだ。

主役級のウスナビ(その語源がひじょうにおもしろく、それが明かされたときには、観客から大きな笑いが巻き起こった)を演じるジョセフ・モラレスは、なんとハワイ育ち。しかも、日本人の血が4分の1入ってるクオーターだという。確かにそばでみると、日本人っぽいところがある。

一方、ニーナ役のアリエル・ジェイコブスは、お母さんがフィリピン系。アリエルの兄ジェフは、英語の先生で日本・東京在住。妹の晴れ姿を初めて見た、という。彼らの両親もこの日は観劇していた。ジェフもハワイ生まれということで、ウスナビ君と同郷ということになった。

ヴァネッサ役のレクシーは、昨年『レント』で来日。日本はみな人がナイスで大好き、という。

クラウディア役のエリース・サントラは、プエルトリコ出身ニューヨーク在住。『イン・ザ・ハイツ』のブロードウェイ版にも参加していた。ブロードウェイではダニエラ役立ったが、ここではクラウディアという年齢の高い役なので、グレイのかつらをつけて円熟した演技を見せる。「歌うこと、踊ることが大好きなんで、ミュージカルをやってるのよ。でも、もう若くないから、あんまり激しいダンスはだめね。ニューヨーク・カンパニーでは、ダニエラ役もやってたんだけど、(年齢がおばあちゃんの)アブエラ役のほうがいいわね。そんなに踊らなくてすむから。(笑)」という。

メンバーの中には、スペイン語を話すキャストが多い。そこで、このアフター・パーティーで、通訳の人が日本人スタッフのあいさつをスペイン語に訳したところ、大変な盛り上がりになった。通訳は英語で訳し、さらにスペイン語で訳す。英語のとき以上に、スペイン語での訳のほうが歓声の度合いが2倍くらい違った。ラテン系はさすが、熱いのかも。(笑)

ところで、今回のミュージカル、音楽を演奏するバンド・メンバーが客席からは見えないが、ステージのまん前の真下のところにあるオーケストラ・ピットにいる。舞台が終わって最後に紹介され立ち上がる。また、ミュージカル演者たちのマイクがどこにあるか、不思議に思われなかっただろうか。いわゆるピンマイクを胸のところにでも仕込んでいるのかと思ってよく見てみたが、なかった。ステージの床にマイクを置いてあるのかとも思ったが、やはりなし。そこでダニエラ役のイザベルに聞いたところ、なんとマイクは髪の毛の中に仕込んでいるという。そこから背中にコードをはわせ、お尻のポケットあたりに無線機をいれ、ワイアレスで飛ばす。ちなみにイアーモニターは使っていないそうだ。

アフター・パーティーが終わると、メンバーは何人かごとに、地下鉄のホームに向かった。そうか、電車移動なんだ。

この作品は、間違いなく映画もヒットしそうだ。映画はケニー・オルテガ監督で来年製作される。9月5日まで公演があるので、歌と踊りに興味ある方はぜひどうぞ。

■ 『イン・ザ・ハイツ』オフィシャルウェッブ
2010年8月20日から9月5日まで
http://www.intheheights.jp/

■ サントラはすでにグラミー賞を受賞(まだDVDはなし)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003NHX522/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー
Character -- National Tour Cast

Graffiti Pete -Luis Lopez
Usnavi - Joseph Morales
Piragua Guy - David Baida
Abuela Claudia -Elise Santora
Carla - Genny Lis Padilla
Daniela - Isabel Santiago
Kevin - Daniel Bolero
Camila - Natalie Toro
Sonny - Christopher Chatman
Benny - Rogelio Douglas Jr.
Vanessa - Lexi Lawson
Nina - Arielle Jacobs

Ensemble : Sandy Alvarez, David Baida, Christina Black, Natalie Caruncho, Oscar Cheda, Dewitt Cooper III, Wilkie Ferguson, Rayanne Gonzalez, Rebecca Kritzer, April Ortiz, Joel Perez, Carlos Salazar

Music and lyrics by Lin-Manuel Miranda
Conceived by Lin-Manuel Miranda
Directed by Thomas Kail

(2010年8月20日金曜、国際フォーラムC、ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』)
ENT>MUSIC>LIVE>In The Heights
2010-

◎ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』(パート1)~ヒスパニックとヒップホップの融合

【Musical “In The Heights”(Part 1): Fusion of Hispanic And Hip Hop】

融合。

2007年にオフブロードウェイで始まり、その後ブロードウェイに進出、トニー賞など数々の賞を総なめにした話題のミュージカル『イン・ザ・ハイツ』が日本初上陸。すでに来年(2011年)、『ディス・イズ・イット』のケニー・オルテガ監督で映画化が決まっている作品、さっそく初日を見た。初日ということで、コシノジュンコ夫妻、林家ペー、パーコ夫妻なども観劇していた。

ストーリーは、ニューヨーク・マンハッタン北西部にあるスパニッシュ系住民が多く住む「ワシントン・ハイツ」という地域の一角で起こる悲喜こもごもの3世代の住民たちのストーリーを描いたもの。スパニッシュ系ということで、ラテン、サンバ風サウンドに、ブラックのヒップホップ、ラップの要素もからまるミュージカルになっている。

全編ラテン系の楽しいダンスとヒップホップ風ラップとダンスが繰り広げられ、ラテンとヒップホップが違和感なく融合している。音楽もそうだが、実際の生活の中でもラテン系とブラック系の人たちが共に生きているわけだから、そこにそうした融合、ときに衝突が起こるのも当然だ。それらの小さなエピソードをストーリーの中にいれこみ、リアル感を出しているところが、きっと、ニューヨークで大当たりした理由のひとつではないかとも思った。流れ的には、『レント』や、古くは『ウェストサイド・ストーリー』を思い浮かべるが、いずれとも違うストーリーで、かなり独自なミュージカルだといえる。こうしたミュージカル作品は、千秋楽に近づくにつれチケットが入手しづらくなるので、見るなら早いうちがいい。

僕は初日ということもありストーリーを追うのに必死だったが、やはり、それでも歌とダンスは見入ってしまう。このレベルのミュージカルだと、ダンスも歌も、まず間違いない。見所はいくつもあるが、第一部では、ニーナが歌う"Breathe"やヴァネッサが歌う"It Won’t Be Long Now"など印象に残った。さらに第二部ではクラウディアおばあさんについて歌うシーンなどはぐっとくる。

たとえば、『ドリームガールズ』などはストーリーが頭に入っているせいか、ステージ上のパフォーマンスに集中できるのだが、今回の『イン・ザ・ハイツ』は初めてということもあったので、字幕とパフォーマンスの両方を追った。

この作品を楽しく味わうためには、ぜひ開演前の30分前に行き、プログラムを一冊買い求め、そこで登場人物とストーリーのあらすじをしっかり頭にいれておくとすごくいいと思う。

そこでこのあたりを押さえておくといいというポイントをご紹介しよう。

■舞台と登場人物、これだけ押さえればOK

『イン・ザ・ハイツ』の舞台には、3つのお店がある。舞台左から「ロザリオ・カー・アンド・リムジン」の店、中央に主人公ウスナビが切り盛りする雑貨店、そしてすぐその右隣にヘアサロン。そして、リムジン店の上のアパートに住むハイツでのご意見番的な存在がおばあちゃんアブエラ・クラウディア。アブエラとはスペイン語でおばあちゃん(grandmother)という意味だそうだ。クラウディアは、ウスナビの両親が亡くなったあとウスナビを実の親のように育て、このハイツ地域の誰もを知り、みんなから尊敬されている。

リムジン店の経営者はプエルトリコからやってきたケヴィンとカミラ・ロザリオ夫妻。苦労して一代でリムジン・サーヴィスを築き経営している。その一人娘が名門スタンフォード大学に通うニーナ、彼女は両親の自慢で誇り。リムジン店で働くのが黒人のベニー。ベニーはニーナに恋心を寄せるが二人には人種間の障壁が。また、2人にはスペイン語をあまり話せないという微妙な共通点もある。

雑貨店を切り盛りするウスナビの親友はソニー。ソニーはウスナビの年下のいとこ。ソニーの悪友にグラフィティー・アーティストのグラフィティー・ピートがいる。

ヘアサロンのオウナーは、赤いミニドレスに身を包むちょっと派手なダニエラ。そこで働くのがヴァネッサとカーラ、彼女たちはとにかく噂・ゴシップ好き。ウスナビは、ひそかにこのヴァネッサに恋心を寄せている。

もう一人アクセント的に、ヒスパニック・コミュニティーの夏の風物詩でもあるかき氷(ピラグア)を売り歩くピラグア・ガイも登場する。

まとめるとリムジン店チームが4人(両親、娘、使用人)、雑貨店チームが3人(ウスナビ、ソニー、グラフィティー・ピート)、ヘアサロンが3人、そして、かき氷売りとクラウディアおばあちゃんという12人、これを覚えよう。残るパフォーマーたちは、いわゆるアンサンブルというダンサーだ。

■ストーリー

ストーリーは、翌日に独立記念日を控えたある7月3日に始まる。ざっと登場メンバーが紹介される。リムジン店の一人娘ニーナが夏休みで帰ってくるが、奨学金を打ち切られ、ドロップアウトしてしまったと告白。だが両親のリムジン店は経営が厳しい。そこで父は店を売って金を作り、ニーナの学資にしようとする。一方、ニーナに気持ちを寄せる同店の従業員ベニーだが、両親から人種が違うことからつきあうことを猛反対される。

ウスナビはいつものように雑貨店を開き、コーヒーを作っていると、いつものようにハイツのご意見番、クラウディアおばあちゃんがロト(宝くじ)を買いにくる。隣のヘアサロンのヴァネッサに好意を寄せるウスナビはなんとかデートに誘い出し、クラブへ。そこで、街全体が突然、停電に。そして、花火が打ちあがる。ここまでが第一部。

停電と花火後のハイツ。その停電に乗じてウスナビの店が強盗に襲われ、めちゃくちゃにされてしまう。一方、毎日買っていたクラウディアの宝くじが当選。ウスナビに故郷ドミニクで店をやったらどうかと提案。なかなか電気も復旧せず、いらいらがつのる住民。そんな中、みんなで踊ろうと踊りだす。しかし、そんな中に思わぬニュースが。家賃高騰のため出て行かなければならなくなったヘアサロン。売りに出すリムジン店、引越ししなければならないヘアサロン、破壊された雑貨店。果たして、このハイツの店と、人々の運命は?

(この項つづく=終演後、アフター・パーティーに参加したので、そのあたりの話を明日以降にご紹介します)

■ 『イン・ザ・ハイツ』オフィシャルウェッブ
2010年8月20日から9月5日まで
http://www.intheheights.jp/

■ サントラはすでにグラミー賞を受賞(まだDVDはなし)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003NHX522/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー
Character -- National Tour Cast

Graffiti Pete -Luis Lopez
Usnavi - Joseph Morales
Piragua Guy - David Baida
Abuela Claudia -Elise Santora
Carla - Genny Lis Padilla
Daniela - Isabel Santiago
Kevin - Daniel Bolero
Camila - Natalie Toro
Sonny - Christopher Chatman
Benny - Rogelio Douglas Jr.
Vanessa - Lexi Lawson
Nina - Arielle Jacobs

Ensemble : Sandy Alvarez, David Baida, Christina Black, Natalie Caruncho, Oscar Cheda, Dewitt Cooper III, Wilkie Ferguson, Rayanne Gonzalez, Rebecca Kritzer, April Ortiz, Joel Perez, Carlos Salazar

Music and lyrics by Lin-Manuel Miranda
Conceived by Lin-Manuel Miranda
Directed by Thomas Kail

■セットリスト イン・ザ・ハイツ 国際フォーラムC 2010-8-20
Setlist: In The Heights @ Kokusai Forum C, August 20, 2010

show started 19:06
Act I
"In the Heights" — Usnavi and Company
"Breathe" (Respira) — Nina and Company
"Benny’s Dispatch" — Benny and Nina
"It Won’t Be Long Now" — Vanessa, Usnavi, and Sonny
"Inútil" (Useless) — Kevin
"No Me Diga" — Daniela, Carla, Vanessa, and Nina
"96,000" — Usnavi, Benny, Sonny, Vanessa, Daniela, Carla, and Company
"Paciencia y Fe" (Patience and Faith) — Abuela Claudia, and Company
"When You’re Home" — Nina, Benny, and Company
"Piragua" — Piragua Guy
"Siempre (Always)" — Camila †
"The Club" — Company
"Blackout" — Company
performance ended 20:25

performance started 20:44
Act II
"Sunrise" (Al Amanecer) — Nina, Benny, and Company
"Hundreds of Stories" — Abuela Claudia and Usnavi
"Enough" — Camila
"Carnaval del Barrio" — Daniela and Company
"Atención" — Kevin
"Alabanza" — Usnavi, Nina, and Company
"Everything I Know" — Nina
"No Me Diga (Reprise)" — Carla, Nina, Vanessa, and Daniela †
"Piragua (Reprise)" — Piragua Guy
"Champagne" — Vanessa and Usnavi
"When the Sun Goes Down" — Nina and Benny
"Finale" — Usnavi and Company
show ended 21:39

(2010年8月20日金曜、国際フォーラムC、ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』)
ENT>MUSIC>LIVE>In The Heights
2010-

◎ユリ・ライヴ@代官山ループ

【Yuri Live At Loope】

アフロの人。

約半年振りのユリの単独ライヴ、代官山ループ。前回、ここで彼女がやったときは残念ながら来れなかったのだが、今回この会場に初めておじゃました。

けっこう見やすく、音もいい会場という感じ。前方に50席くらい席が用意され、後ろは一段高くなってスタンディング、自由に、という雰囲気。圧倒的に女性ファンが多い。

現在、久保田ツアー真っ只中、あと1本を残すのみとなり、ドラムス、ラルフ・ロールとキーボードの柿崎さんを軸にベースに後藤克臣さん、ギターにマサ・コハマさんという布陣。ベースは当初カルロスの予定だったが、急遽後藤さんに代わったという。

しっかりしたリズムのバンドで、手堅い。ソウルフルでファンキーなグルーヴをうまく出す。いきなり、スタンダードの「サマータイム」のファンキー・ヴァージョンで観客をつかむ。下記「アゲイン」では、ギターのマサ・コハマと2人だけでやり、タック&パティーの様相。

おもしろかったのが、下記セットリストの6、「天才・凡才かきやんのコーナー」。柿崎さんが、なにか曲のイントロをトークボックスを使い歌って会場のお客さんに曲をあててもらう。最初の正解者にユリから花束がプレゼントされるというもの。ユリが「トークボックス、ずいぶん前から使ってるんですよねえ」と言うと、柿崎さんが「30年前からです」と応えた。その瞬間、客席のアフロの人から、「あの人何歳なの?」という声が発せられ、会場大爆笑。すると柿崎さんが「8歳から始めた…」と応え、また笑いが。最初「茶摘」でお試し。続いて、ロジャーの「ダンスフロア」ともう一曲「モア・バウンス」をあわせたようなメロディーを弾いたところ、客席のアフロの人が、「2曲一緒になってるよね!」と声をかける。隣のケイリブも「2 songs!」。つまり、今のは2曲が混ざってる、というクレイムなのだ。これがボツになり、続いて「ウー・ベイビー・ベイビー」が演奏されると、観客から正解が。すると、客席のアフロの人から「日本の歌!」とのリクエストが。すると、柿崎さん、えらく古い歌謡曲を一曲。(三善英史の「雨」) 誰もわからず、ユリが柿崎さんに耳打ち。そして、演奏されたのが、「ラヴ・レイン~恋の雨」のフレーズ。いっせいに手が上がる。そりゃあ、そうだ。ここに来ている人なら、だれでもこの曲を知ってるだろう。(笑) けっこうこのコーナー、おもしろかった。そう、観客のアフロの人は、「ラヴ・レイン」の張本人、久保田利伸さんであった。

その後、シャーデーの「ラヴァーズ・ロック」や、9月28日に配信されるかもしれない新曲「もしも」などを披露。そして、アンコール1曲目は久保田さんの「君に会いたい」を柿崎さんと2人だけで。そして、2曲目は、なんとグローヴァー・ワシントン/ビル・ウィザースの「ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス」。もちろん、久保田さん持ち歌だ。結局、最初は渋っていた久保田さんもうまい誘いで、ステージに。しかし、このイントロで、いきなり、「ワッチュー・ウォント・ドゥー・フォー・ラヴ」の頭を歌いだしたり、かなりかましてくれた。(笑) それでも、ステージに上ってしまえば、大歓声とともに一気に観客をつかむ。観客は総立ちとなり、ちょっとレゲエ調にもなった同曲を2人で熱唱。最高潮に盛り上がった。こんな形でライヴがエンディングを迎えるのは、最高だ。まさに終わりよければ、すべて良しだ。なんか、客席のアフロの人とユリのファミリー・ライヴみたいで楽しかった。

■メンバー

Yuri (vocal)
Kakizaki Youichiro (keyboards)
Ralph Rolle (drums)
Gotoh Katsuomi (bass)
Kohama Masa (guitar)

■ セットリスト
Setlist : Yuri Live At

show started 19:49
01. Summertime
02. Georgie Porgie
03. Satisfied
04. Music Is My Life
05. Again
06. Tensai-Bonsai corner
Chatsumi / Dance Floor & More / Ooh Baby Baby / 三善英史の「雨」/ Love Rain
07. Love Story
08. Lover’s Rock
09. Ex-Factor
10. もしも(Moshimo)
11. Drum Solo -- Try Sleeping With A Broken Heart
Enc. 君に会いたい
Enc. Just The Two Of Us (with Kubota Toshinobu)
Show ended 21:40

(2010年8月19日木曜、代官山ループ=ユリ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Yuri
2010-133

◎ジョヴァンカ・ライヴ

【Giovanca Live】

草食系。

オランダ出身のブラック・シンガー、ジョヴァンカのライヴ。ショーケースや、ビルボードライブでのショーなど何度も来日していて、すっかり親日家のよう。今回は、3週間も日本にいたそうで、MCの合間になんども日本語が入ってかわいい。僕はライヴを見るのが初めて。ビルボードライブには2008年10月以来2度目の登場。

ギター、ベース、ドラムス、キーボード、パーカッション、コーラス2人にジョヴァンカという8人編成で英語で歌う。軽いおしゃれ系なサウンドで、渋谷系Jポップのバンドのような印象を持った。あるいは、ブラニュー・ヘヴィーズやインコグニート、マット・ビアンコ、シャーデーのようなおしゃれ系の路線というか。

「こんばんは、東京。ようこそビルボードライブへ。私はジョヴァンカです。オランダから来ました」と日本語で紹介。軽くさわやか、全体的に観客もアーティストも草食系な感じだ。おしゃれ系ということで装飾系とも。

シャーデーの「キス・オブ・ライフ」を歌う前に、一緒にコラボした日本人のアーティスト、ヌジャベス(Nujabes=本名セバ・ジュン)について語った。そのヌジャベスが2010年2月に36歳という若さで交通事故で死去、この曲を、今日ライヴに来ているお母さんのために、そして、ヌジャベスのために歌います、と。会場がシーンとした。

さらに、日本の「かえるのうた」の一節も歌った。

「フリー」という曲では、観客に「ジユーデス(自由です)」と何度も歌わせた。最初、「ジュウデス」に聴こえて、よく意味がわからなかったが、途中から「あ、自由です」っていうのがわかった。このあたりのアップテンポの曲って、その昔のブルーロンド・アラタークとか、ヘアカット100あたりに雰囲気が似ているような気がした。

「ホントに暑い」と何度も日本語を言うように、さりげなく日本語が出てくるので、かなり日本になじんでいる感じ。なので、今後もどんどん日本人アーティストとコラボするといいと思う。

■ ジョヴァンカ 最新作

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003DRVGZ0/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

ジョヴァンカ / Giovanca(Vocals)
ロッテ・ゼクハウス / Lotte Zekhuis(Background Vocals)
タヒラ・サバーヨ / Tahirah Sabajo(Background Vocals)
ヤコブス・ファン・デ・フェン / Jacobus Van de Ven(Keyboards)
ダミアン・コルラゾリ・アギュラー / Damian Corlazzoli Aguilar(Guitar)
ダニー・ラ・エイ / Danny La Haye(Bass)
クラウス・トフト / Claus Tofft(Percussions)
ティム・デューデック / Tim Dudek(Drums)

■セットリスト:ジョヴァンカ ビルボードライブ東京2010年8月17日(火)
Setlist GIOVANCA Billboard Live Tokyo

Show started 21:37
01. Intro
02. Everything
03. Joyride
04. Hypnotize You
05. Drop It
06. Kiss Of Life
07. To The Moon
08. (Stukje Lullaby)  Kaeru No Uta
09. I Remember
10. Time Is Ticking
11. Free
12. Little Flower
Enc. Small Part Of All Colourfull
Show ended 23:01

(2010年8月17日火曜、ビルボードライブ東京=ジョヴァンカ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Giovanca

◎タカヒロ・プロデュース「シックス・ドアーズ」~クラシックとヒップホップの融合

【Fusion Of Classic And Hip Hop Dance】

融合。

ブログ読者のTさんから、ニューヨークで活躍するタカヒロのダンス・パフォーマンスがありますが、吉岡さんは見にいかないのですか、というメールが来た。僕は知らなかったが、いろいろ調べてみると、大変おもしろそうなので、2日目(=2010年8月15日・日曜・赤坂ブリッツ)の夜の部に見に行った。超満員で売り切れ、立ち見のみという感じで、観客は若い人から、けっこう高い年齢層の人もいた。どうやら、先日『徹子の部屋』に出演してその影響もあったらしい。

タカヒロは、ダンスをするために2004年12月にニューヨークにわたり、さまざまな経験をし、アポロのアマチュア・ナイトで9週連続優勝、さらに、2009年マドンナのツアーに参加したという実力者。ということは、ケント・モリと一緒だったのかな。アマチュア・ナイトで勝ち抜いたのもすごいが、マドンナのツアーに選ばれているなら、それだけでたいしたもの。

二部構成のパフォーマンスは、6人のダンサーによるもの。一言で言えば、クラシックとヒップホップのダンスが融合した見事なダンス・ショーだった。

舞台後方には6人の出演者のために6つのドアが置かれている。そこから出たり入ったり、6人の超絶ダンサーたちの超絶華麗ダンスが繰り広げられた。冒頭は、蛍光棒のような光るスティックを6人の演者が真っ暗な中でいろいろと動かし、その12本の棒でいろいろな絵柄を作る。なかなか楽しい。

こうしたダンス・ショーは、ステージ上の6人のパフォーマンスももちろんだが、その会場のすべての空気、雰囲気、会場自体の舞台装置、それらを含めて感じることこそ意味があるような気がする。もちろん、これがビデオに収録されて2次元映像となって、ある程度はつかめるかもしれないが、ここの会場で行われるパフォーマンスは、たとえ1000インチのテレビモニターがあっても、決して再現できない。音楽のライヴもそうだが、とくにこうした動きのあるダンス・パフォーマンスは現場そのもので見て感じないとだめだなあ、と強く思った。つまり、この空間でのこの瞬間のこの体験だけが、見る者に衝撃とときに感動を与える。

下記セットリストは、会場で配られたフライヤーにのっていたもの。長い演目も短い演目もあるが、どれも実に刺激を受ける。僕は最初もっと全編ヒップホップ的な踊りかと思ったら、もちろんヒップホップもあるが、それ以上にクラシックがベースになっている感じがした。だからある意味ものすごく正統派な印象を受ける。

6人とも抜群のダンスの切れを見せ、動きが素晴らしい。やわらかい美しい体の動きはクラシック仕込み、切れのいいグルーヴ感ある踊りはヒップホップ仕込みか。クラシックとヒップホップという一見水と油のような存在が、見事に溶け合っている。これには驚いた。加えて、コミカルなパントマイム風の動きもアクセントになっていておもしろい。

第一部で圧巻だったのは、下記セットリスト8の「カガミノセッテン」。2人のダンサーが、ちょうど鏡に映るように逆の動きを、寸分違わず行う。見ている者は、ちょうど2人の間に鏡があるように左右対称の動きを見る。実によくできた演目だ。相当練習したに違いない。

第二部の『自問自答』は僕にはちょっと難解だった。また、日本のテイストもいれた『女の戦い』は笑えた。

今回のライヴは、12の作品をオムニバス的に集めたショー(つまり、アルバムでいえば、シングルヒットを集めたベスト・アルバム)だが、たとえば、90分でひとつの大きなコンセプトあるいは、ストーリーで物語(スティーヴィーの『キー・オブ・ライフ』とか、何か映画を題材にしたもの)を作れたら、おもしろいものができるのではないかと思った。ふと思いついたのは、たとえば、映画『2001年宇宙の旅』をインスピレーションの元にして彼らがステージを作ったら、どうなるだろうなどと想像した。

タカヒロは、クラシック、バレエ、パントマイム、アフリカ、ストリート、ヒップホップ、そうしたダンスの要素を縦横無尽にクロスオーヴァーしてひとつの作品に昇華している。これには、振り付け・演出で参加しているイガール・ペリーという人物の存在も大きいのだろう。最後のフィナーレで、彼もステージにあがり、拍手喝さいを浴びていた。イガールはさまざまなダンス・カンパニーでバレエ・マスター、振り付け師としても活躍している人物だ。

会場で、タカヒロの写真エッセイ集を売っていたので買った。そこのプロフィールに彼の誕生日が書いてあった。上野隆博、1981年9月4日生まれ。なんと、またまたビヨンセと誕生日が一緒だ。ということは、日本の黒人演歌歌手ジェロとも同年同日だ。そして、ダンスを始めたのが大学生になってからだというので、2度びっくり。たった10年でここまでの域に達することができるなんて、なんとすごい努力家なのだろう。ダンスを志す者は、一見をお勧めする。

■ テレビ番組『情熱大陸』(TBS/MBS系列)で2010年8月22日(日曜)午後11時から、タカヒロを特集

■タカヒロ・公式ウェッブ
http://www.takahiroueno.com/

■ 上野隆博著 Takahiro: Dance In The World (ダイヤモンド社、1800円)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478059993/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

Takahiro (上野隆博)
Ebiken (蛯名健一)
Shay Bares (シェイ・バレス)
Junichi Fukuda (福田純一)
Christopher Ralph (クリストファー・ラルフ)
Jamal Rashann Callender (ジャマール)

振り付け・芸術監督
Igal Perry (イガール・ペリー)

■セットリスト タカヒロ・プロデュース・ニューヨーク・ダンス舞台公演
Setlist: Takahiro Produce “Six Doors”

第一幕

show started 18:33
1. The Birth 『創世』
2. It’s Takahiro’s Showtime!
3. The Movement 『ザ・ムーヴメント』
4. First Flight 『初飛翔』
5. Butterflies 『蝶々』
6. Rain 『雨』
7. 4 Doors 『四の扉』
8. Junction Of Worlds ~ Mirror~『カガミノセッテン』
Performance ended 19:12

Break

第二幕

show started 19:29
--. Video
9. Talkin’ To Yourself!!! 『自問自答』
10. Moonlight 『月の光』
11. Woman Wars 『女の戦い』
12. Nightmare Spiral 『夢から目覚めた夢を見て眠る』
13. The Six Doors 『フィナーレ』
Show ended 20:11

(2010年8月15日日曜、赤坂ブリッツ=Six Doors/ Takahiro ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Six Doors
2010-131

■『ソウル・ブレンズ』~ドタバタクンの巻

【Behind The Scene At “Soul Blends”; Hot Mess Topics From Hot Studio】

ドタバタクン。

世の中、どこでもドタバタクンは、いる。

昨日の『ソウル・ブレンズ』(10年目突入)内「ソウル・サーチン」(第109回)では、スティーヴィー・ワンダーの先週のサマソニ・ライヴ報告をした。主な内容は、すでにブログに書いた通りなのだが、妙にアルバム『キャラクターズ』の話題がマーヴィンと盛り上がってしまい、その話に集中。曰く「失敗作といわれながらも、こうやって2曲歌ってそのメッセージが有効なのは、スティーヴィーの素晴らしさ」「このアルバム、誰も知らないよ」「フリーって曲・・・デニース・ウィリアムスじゃないよ」「(アルバム収録曲)『スケルトン』は、シングルのB面に入っていたインストでよく歌っていた」(マーヴィン)「こんなに久々にこの曲をやった理由が知りたいね。在庫処分か」「このアルバムは、中古屋行けば、100円で買えますよ(笑)」(オッシー=これは曲がかかっている間のコメント)などなど。

ライヴのオープニングが同アルバム収録の「マイ・アイズ・ドント・クライ」だったので、これをかけ、同じアルバムから「フリー」をやった、という話が盛り上がった。で、その中で僕は「(「フリー」を)次におかけしますが…」と言った。僕は、もうすっかり「フリー」をかけるつもりでいたんだが、実は、これが大きな勘違い。前日に選曲しているときに、最初「マイ・アイズ…」と「フリー」を選んだのだが、さすがにどっちもなじみのない曲なので、「フリー」をやめて、誰でも知ってる「アナザー・スター」に代えて、選曲を送った。だから、オッシーはじめスタッフは、CDプレイヤーに「アナザー・スター」をスタンバイしていた。

「フリー」話が盛り上がり、次にかけるなどと言ってるときに、妙に僕の後ろがざわつく気配を感じた。マーヴィンが不思議そうな顔をしていたのだ。オッシーやディレクターの進ちゃんは、僕の真後ろにいるので、僕からは見えない。キューシート(選曲や進行が書かれたシート)を見ると、「アナザー・スター」と書いてある。「そうだ! 『フリー』じゃなくて、『アナザー・スター』をかけるんだった」と気づいたのは、トークも終盤のころ。あわてて、「アナザー・スター」の紹介をした。その間、後ろは僕のせいで超ドタバタになっていた。僕がドタバタクンでした。すいません、ご迷惑、おかけしました。(笑)

その後オッシーはツイッターで「吉岡さんは今週も笑かしてくれました。もう天然人としか言いようがないですな(笑) ドタバタコンビも早10年。もう私は何も驚きません。(笑)」と書いた。

オッシーたちは、このドタバタ騒ぎを「フリー事件」と名づけたそうだ。ドタバタクンは、ガリガリ君のメロディーで歌ってください。

■ スティーヴィー・ワンダー サマソニ・ライヴ評
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10614929054.html

■ 『キャラクターズ』(紙ジャケット)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001NDR5RY/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『キャラクターズ』(プラスチックケース盤)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000PWQQ4M/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>RADIO>Soul Blends
ENT>ESSAY>Soul Blends


◎J-ウェイヴ・ライヴ 2000+10

【J-WAVE LIVE 2000+10】

暑熱。

毎年8月13日(Jウェイヴの周波数と同じ)を含めて行われている東京のFM局Jウェイヴ主催のJウェイヴ・ライヴの初日を見に行った。3日にわたって計20アーティストが出演。しかも今年はちょうどこのイヴェントが始まって10年目、10回目。この日は、クリスタル・ケイ、AI、ディープ、ジュジュ(JUJU)、東京スカパラダイスオーケストラ、そして、久保田利伸、スガシカオというラインアップ。ひじょうに黒いアーティストが揃っているので、吉岡さんもどうですかと松尾さんに誘われ、足を運んだ。松尾さんは毎年来ていて、昨年だったか、3日全部、全アーティストを見て、くたくたになったと言っていた。僕は、このイヴェントも初めて、夏フェス(サマソニ)も初体験ということで、この夏はイヴェントづいているかも。(笑) 代々木体育館は上まで超満員。すごい。

それぞれのアーティストが基本30分の持ち時間(アーティストによって異なる)で、自分のベスト・パフォーマンスを見せる。

ちょうど会場に着いたときには、クリスタル・ケイがトップバッターだったようで、ライヴを終えた彼女がジョン・カビラ、クリス智子のインタヴューを受ける映像が流れていた。ライヴ見逃して、クリちゃん、ごめん。アーティストの場面転換ではこのバックステージ・ラジオ・ショーが流れている。こういう複数アーティスト出演のイヴェントでは、そのセットチェンジの時間が退屈になるので、いいアイデア。

AIのところでは、なんとまたまたジュディス・ヒルが登場。たぶん、今年だけで5回目の来日。1月、3月、5月、6月、そして今回。最新シングルで彼女とデュエットしている「フォー・マイ・シスター」を2人で熱唱。また、同じくAIと最新シングルでコラボしている名古屋出身の人気ラッパー、AK-69(エーケー、シックスティーナイン)も登場し、一緒に「スティル」をやった。AIもさすが。こうしたライヴはお手の物って感じ。

東京スカパラは、こうしたお祭りでは、一番会場を躍らせる感じ。のりのりで、観客の団扇もよく動く。

ジュジュはブレイクしてすっかり人気者になった感じ。カヴァー曲が観客からとても受けてる感じがした。

8時少し前に登場した久保田利伸は、このJ-ウェイヴ・ライヴに初登場。現在全国ツアー中の一日に登場。翌日は広島なので、まさにこの日だけワンチャンスの出演だ。さすがに久保田登場は、大歓声が巻き起こった。『サマーソニック』で初めてスティーヴィーを見て、「すげえ、生スティーヴィー。動いてるよ」みたいな雰囲気のリアクションを感じた。たぶん、4年前のツアーや現在進行中のツアーも見る機会もなく、しかし、一度は見てみたい的な隠れファンが多かったのではないだろうか。「すげえ、生(なま)久保田だあ」という感じ。「ここ(Jウェイヴ・ライヴ)での久保田さんは、サマソニのスティーヴィーみたいなものじゃないですか」というのは松尾さんでした。その通りだと思った。いきなり、オープニングから「ラララ・ラヴソング」で盛り上げた。

そしてトリはスガシカオ。彼は平井堅同様このイヴェントに10年連続で出ているとのことで、堂々のトリなのだが、MCで「久保田さんの後で、超やりにくいです」とさかんに恐縮していた。僕はうわさは聞いていたが、なかなかご縁がなく、スガさんのライヴは初めてだったので、とてもファンク度の高いパフォーマンスで楽しめた。スライっぽい、ファンクとロックを融合したようなサウンドが、ロック・ファンにもファンクにも受け入れられるのかなと思った。次回はフル・ショーを拝見したい。

しかし、3時半開演から9時50分くらいまで、6時間超。すごい熱気、暑さ、エネルギー。ミュージシャンも、それを聴く側も体力勝負だ。

バックステージは、さながらもうひとつのパーティーみたいな感じで、これも楽しかった。(このあたりは後日)

■ メンバー (確認できたものだけ)

AIバンド

AI (Vocal)
Kaleb James (Keyboards)
Penny K (Keyboards)
Gary Scott (Sax, Percussion)
Pierre Andre (Sax)
Masa Kohama (Guitar)
Jay Stixx (Drums)
Sayulee (Chorus)
Noriko (Chorus)

Deep バンド

Deep (four members)
3keyboards and 1 drum

東京スカパラダイスオーケストラ

NARGO(Trumpet)
Kitahara Masahiko (Tromborne)
GAMO(Tenor Sax)
Yanaka Atsushi (Baritone Sax)
Oki Yuichi (Keyboards)
Kawakami Tsuyoshi (Bass)
Kato Takashi (Guitar)
Ohmori Hajime (Percussion)
Motegi Kinichi (Drums)

ジュジュバンド

JUJU (Vocal)
Matsumoto Keiji (Keyboards)
Kamatsu Masayuki (Bass)
Amakura Masanori (Drums)
(Guitar)
(Keyboards)

久保田バンド

Kubota Toshinobu (Vocal)
Kakizaki Yoichiro (Keyboards)
Ralph Rolle (Drums)
Philip Woo (Keyboards)
Carlos Henderson (Bass)
Ohnishi Yusuke (Guitar)
DJ Mass (DJ)
Yuri (Background Vocal)
Olivia Burrell (Background Vocal)
Yoshida Hiroshi (Background Vocal)

スガシカオ・バンド

Suga Shikao (Vocal,Guitar)
Kishida Yoshio (Drums)
Pochi (Keyboards)
(Keyboards)
Sakamoto Ryuta (Bass)
Tanaka Yoshito (Guitar)

■セットリスト

Crystal Kay

01. Intro- Genesis
02. Flash
03. Victoria
04. Boyfriend – Part2 –
05. 恋に落ちたら
06. I Pray
07. Never Say Goodbye

AI

Show started 16:24
01. I Wanna Know
02. Wavin’ Flag
03. 眠れない街
04. Still…(with AK-69)
05. Story
06. For My Sister (with Judith Hill)
07. You Are My Star
Show ended 17:05

Deep

01. Endless Road
02. Echo ~優しい声~
03. I Love You So
04. Sora~この声が届くまで~

Tokyo Ska Paradice Orchestra

00. “I Spy”
01. Like Jazz On Fire
02. Down Beat Stomp
03. Heaven’s Door
04. Storm Rider
05. Ska Me Crazy
06. ずっと (with Crystal Kay)
07. White Light
08. 愛の賛歌

Juju

01. Trust In You
02. いつからか…ずっと
03. 37℃
04. Hello, Again ~昔からある場所~
05. やさしさで溢れるように

Kubota Toshinobu

Show started 19:56
01. La La La Love Song
02. Soul Mate ~君がいるから~
03. Is It Over? (with Juju)
04. Missing
05. Nyte Flyte
06. Love Rain ~恋の雨~
Show ended 20:34

Suga Shikao

Show started 20:50
00. Intro
01. Party People
02. 91時91分
03. 俺たちFunk Fire
04. Go! Go!~サヨナラホームラン
05. はじまりの日
06. ドキュメント2010
07. 19才
Enc. 春夏秋冬
Enc. 午後のパレード
Show ended 21:49

(2010年8月13日金曜、国立代々木競技場第一体育館、Jウェイヴライヴ2000+10 ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>J Wave Live 2000+10

●キャットフィッシュ・コリンズ死去~JBズ、Pファンク軍団でギター

(一足先、8月7日にツイッターで速報したキャットフィッシュの訃報記事です)

【Phelps “Catfish” Collins Dies At 66】

訃報。

ファンク・ベーシスト、ブッツィー・コリンズの兄でギタリストのフェルプス・キャットフィッシュ・コリンズが、2010年8月6日、死去した。66歳だった。長い間、癌を患っていた。ジェームス・ブラウン・バンド、また、ジョージ・クリントンのパーラメント/ファンカデリックを経て、ブッツィーズ・ラバー・バンドの一員としてファンキーなギターを聴かせた。愛称の「キャットフィッシュ(ナマズ)」は、ルックスがナマズに似ていることからつけられた、という。

フェルプス・コリンズは、1943年か1944年、オハイオ州シンシナティーの生まれ。(誕生日がまだ不明なので、1944年か1943年か確定できない。誕生日が8月7日以降の場合、1943年生まれ。一部報道でブッツィーの8歳年下と書いてあるのがあったので、その場合も1943年生まれ) 弟のブッツィー・コリンズは1951年10月26日生まれで、ブッツィーの7-8歳上になる。1968年、地元でザ・ペースメイカーズというファンク・バンドを弟、キャッシュ・ワディー、フィリップ・ウィンらと結成。その後、ジェームス・ブラウンのJBズのメンバーが給料引き上げを画策したときに、ブラウンは彼らを解雇、そのときにこのペースメイカーズの面々をバックバンドに雇い入れた。

ブラウンのバックバンド時代には、「スーパーバッド」、「セックス・マシーン」、「ギヴ・イット・アップ・オア・ターン・イット・ルーズ」、「ゼアワズ・ア・タイム」、「ソウル・パワー」などの作品をレコーディングしている。1971年、彼らはブラウンの元を去り、その後、ファンカデリックの『アメリカ・イーツ・イッツ・ヤング(アメリカは若者を食い物にしている)』(1972年6月リリース作品)に参加したのをきっかけに、ジョージ・クリントンのパーラメント/ファンカデリック軍団に加入する。パーラメントの『ファンケンテレキー・VS・プレイスボー・シンドローム』(1977年)、『モーター・ブーティー・アフェアー』(1978年)などに参加。約4年ほど、Pファンク軍団で活動した後、1976年に、ブッツィーらとともにブッツィーズ・ラバー・バンドを結成。以後はこのバンドをホームベースとして活躍していた。キャットフィッシュ・コリンズは、その後、セッション・ミュージシャンとしてディーライト、フリークベースらのセッションにも参加している。(1976年からしばらく、活動がだぶる時期もある)

リズム・ギターに定評があり、ジェームス・ブラウンのファンク度満載の時期のギターをプレイしていたことから、ブラウン・ファンクの立役者の一人とも言える。

Youtube

http://www.youtube.com/watch?v=dDGpeW4sUUs&feature=player_embedded

■ ブッチーズ・ラバー・バンド

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003097AFQ/soulsearchiho-22/ref=nosim/

Cincinnati.com
Updated: 9:14 am | August 6, 2010
Bootsy’s brother succumbs to cancer

http://news.cincinnati.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/AB/20100806/ENT03/308070007/

ENT>OBITUARY>Collins, Catfish Phelps (1943 or 1944 – Aug 6, 2010, 66 years old)

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