【Robert Cray Live: With Southern Soul Manner】

南部。

ジョージア生まれのコンテンポラリー・ブルーズ・シンガー、ギタリスト、ロバート・クレイとそのバンドのライヴ。ブルーノートは初登場。ロバート・クレイは、調べてみたら、1987年8月と1988年9月にインタヴューしていた。前者のときは、東京では虎ノ門ホール(7月29日)でのライヴ。最近では2009年5月、「ジャパン・ブルーズ・アンド・ソウル・フェスティヴァル」で来日しており、約11ヶ月ぶりの来日。これは13年ぶりの来日だった。ただ、昨年は見ていないので、僕個人としてはかなり久々のライヴ体験だ。彼の初来日は1984年7月、ジョン・リー・フッカーの前座なので26年前のこと。以後、来日履歴は1985年10月、1987年7月、1987年11月(クラプトン前座として)、1988年9月、1991年1月、1996年5月、2009年5月、そして2010年4月なので、9回目の来日。

ドラムス、ベース、キーボード、ギター&ヴォーカル(ロバート・クレイ)というシンプルな4人。シンプルながら、手堅い南部ソウル、ブルーズを聴かせる。久々に聴いて、改めて、ロバートの声質や歌い方などが、アル・グリーンやOVライトを思わせる感じがして、ギターよりもむしろ歌声の方にひかれた。ブルーズといっても、かなり現代的なそれで、かなりソウル、R&B寄りで聴きやすい。

話し方、歌い方も、南部の朴訥としたところが感じられ、ソウル・サーチャー的には気に入った。やはり、アル風、OV風に歌われると、安心というか、ほっとするというか、すごく親しめる。また、それほど派手な存在ではないが、アーティストとしても軸がぶれず、しっかり地に足がついている感じがいい。

ステージでも「次の曲が何になるか、誰も知らない。なぜなら僕らも知らないからだ」と言って、ミュージシャンとやる曲を決めていたので、事前にセットリストはない。おそらくレパートリーは100曲以上、しかも、このバンドではかなり長くやっているようで、いつでもどの曲でもできるようだ。初日のセットリストと比べても、重なる曲はほんの少しで、毎回かなり入れ替えている。熱心なロバート・クレイ・マニアだったら、全回見に行きたくなるのではないだろうか。

満員ではないが、最前列はかなりのロバート・マニアと見受けた。また、なぜか外人観客比率が高く(しかも、白人ばかり)、けっこう騒いで見ていた。ただ雰囲気を盛り上げる騒ぎではなく、ただ騒いでるだけで、あんまりマナー的にはよろしくなく、店のスタッフに注意されていたのが目をひいた。

もし、お忍びでエリック・クラプトンが来日していたら、かつてロバートが前座を勤めたこともあり、絶対にこのライヴには顔を出していただろうな、と確信した。そうすれば、少なくとも、1曲くらいは飛び入りでやっただろう。クラプトンの飛び入りというと、ドクター・ジョンのライヴのときのことが思い出される。ブルーノートでクラプトンというのは、最高の贅沢だった。

余談だが、ロバート・クレイのクレイのスペルは、Clayと LではなくCray つまりRだ。Crayが正しい。オーティス・クレイ(Otis Clay)も、カシアス・クレイも、ジュディ・クレイも、ウィリー・クレイトンもみなLなので、間違いやすい。(僕もついついClayと書いてしまい訂正する)

●ライヴは4月17日(土)まで、毎日2ステージ。
http://www.bluenote.co.jp/jp/artist/robert-cray/

●ロバート・クレイ・オフィシャル・ウェッブ
http://www.robertcray.com/

■ロバート・クレイ最新盤

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002EIJ8IG/soulsearchinho-22/ref=nosim/

■ロバート・クレイ 1990年作品

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000001FKR/soulsearchinho-22/ref=nosim/

■メンバー

ロバート・クレイ(ギター、ヴォーカル)Robert Cray(g,vo)
ジェイムズ・パウ(キーボード)James Pugh(key)
リチャード・カズンズ(ベース)Richard Cousins(b)
トニー・ブラウナジェル(ドラムス)Tony Braunagel(ds)

■セットリスト ロバート・クレイ@ブルーノート東京 2010年4月13日火曜
Setlist: Robert Cray @ Bluenote Tokyo, April 13, 2010

show started 21:30
01. Anytime
02. Lotta Lovin’
03. Black Door Slam
04. The One In The Middle
05. Trouble And Pain
06. Boucin’ Back
07. Leave Well Enough Alone
08. Right Next Door (Because Of Me)
09. Poor Johnny
10. Smoking Gun
Enc. That’s What Keeps Me Rockin’
show ended 22:41

(2010年4月13日火曜、ブルーノート東京=ロバート・クレイ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Cray, Robert
2010-58
■映画『プレシャス』~16歳プレシャスの運命は~今年のブラック・ムーヴィーの傑作

(それほどネタバレにはなりませんが、アウトライン程度は内容がでます。これからごらんになる予定で、まったく予備知識を入れたくない方はご注意ください。見ようか見まいか迷っている方は、ぜひどうぞ)

【"Precious": Real Life, Real Story Makes Real Movie】

リアル。

今年のアカデミー賞で助演女優賞を獲得した話題作。2009年作品。1987年ニューヨーク・ハーレムを舞台にしたブラック・ムーヴィー。2007年10月から2008年1月にかけて撮影され、2009年1月サンダンス映画祭に出品。2009年11月に全米公開された。予算は1000万ドル(10ミリオン=約10億円弱)。

黒人女性作家サファイア(本名ラモーナ・ロフトン=1950年8月4日生まれ)が初めて書いた小説『プッシュ(Push)』(1996年)を映画化したもの。この小説はハーレムの黒人家庭における近親相姦と虐待を赤裸々に描いたものでベストセラーになった。しかし、映画化当初は予算がつかず製作が難航したが、有名な司会者オプラ・ウィンフリーが脚本を気に入り、製作総指揮ではいり、完成した。監督は黒人リー・ダニエルス。

ハーレムに住む極悪な家庭環境に生活する16歳のクレアリース・ジョーンズ愛称プレシャス(ガボーレ・シディベー)が主人公。幼い頃、父親にレイプされたことが、ずっと心の傷になっている。そして、そのこととも関連し、社会保障で仕事もせずに一緒に住む母親からも虐待を受け、八方塞の人生を過ごしている。しかし、文字も読めない彼女に教育を与えようとする女性教師(ポーラ・パットン)、社会福祉事務局の事務員(マライア・キャリー)などの手助けを得ながら、幾多の困難を乗り越え一歩一歩新たな人生を歩んでいくプレシャスを描く。

プレシャスと母親(モニーク)との生活ぶりがすさまじい。母親役で元々コメディエンヌ出身のモニークの演技が圧巻で、ハーレムのリアルな姿が描かれているところが胸を打つ。そして、今回が初の映画出演というガボーレも、心に闇と病みを抱え、しかも肥満でアグリー(ブス)という難しい役どころだが、うまく演じている。ストーリー展開が自然でうまく、本当にスクリーンに引き込まれる。このハーレムに住む最下層の人たちの行き場のない生活感が何とも言えない。原作の持つ「パワー」が、そのリアル感を圧倒的なものにしているのだろう。母と娘の対峙するシーンは何度もどきどきはらはらさせられた。実に重いところもあるが、最後には一筋の光が見える。僕は『ジェイソンズ・リリックス』、『ポエティック・ジャスティス』などと並んで、実に素晴らしいブラック・ムーヴィーになったと思う。ハーレムでのリアルな生活感に触れたい方には絶対のお勧め映画だ。

アカデミー賞で作品賞にもノミネートされたが、残念ながら受賞には至らなかった。受賞作はドキュメンタリー的なタッチだったが、こちらはリアルなストーリー。より映画的といえるかもしれない。マライアが驚いたことにほぼノーメイクで事務員を演じているが、これも素な感じで好感がもてる。さらに、男性ナース(看護師)役でレニー・クラヴィッツも。映画を見ているときには、気づかなかった。女性教師役のポーラ・ハットンもよかった。

しかし、1000万ドルの低予算でも、これだけの映画が出来るのだから、アメリカの映画業界の底力はすごい。マリナーズのイチロー選手ひとりの年俸(1800万ドル)でまかなえてしまうのだ。ちなみに、全米では6000万ドル以上の興行収入をあげている。

(なお、Gabourey Sidibeの発音だが、日本での表記はガボレイ・シディベとなっている。アカデミー賞での発音は、ガボーレで、ボにアクセント、シディベーと「ベー」を音引きしている感じだったので、ソウル・サーチンではガボーレ・シディベーと表記することにした)

■4月18日日曜『ソウル・サーチン』(『ソウル・ブレンズ』内)で紹介します。

2010年4月18日日曜『ソウル・ブレンズ』(インターFM東京地区76.1mhz=午後1時~3時)内、「ソウル・サーチン」(午後2時半~45分)のコーナーで、映画『プレシャス』についてサウンドトラックとともにご紹介します。

関東地区の方は「ラジコ」で、インターネットでも聴けます。
http://radiko.jp/ 

■ 映画『プレシャス』~2010年4月24日(土)ロードショー
日比谷東宝映画街トーホー・シネマズシャンテ、渋谷シネマライズなど

公式サイト
http://www.precious-movie.net/

■『プレシャス』サウンドトラック

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0036G4CS6/soulsearchinho-22/ref=nosim/

■映画の原作本 『プッシュ』(サファイア著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309202969/soulsearchinho-22/ref=nosim/
ENT>MOVIE>Precious
(昨日からの続き)

【Behind The Scene At Kurosawa Kaoru’s Tokyo Live】

入念。

黒沢薫ライヴが終わってから、頭の中を巡っているのが、「おーお、お、君とだけ、ドーナッツ~~」。黒沢がハワイで入手したウクレレで弾き語りした、山下達郎さんの「ドーナツ・ソング」。その日楽屋には、ファンの人からドーナツの差し入れがあった。なぜか耳に残る。

今回の黒沢薫ライヴは、リハーサルから打ち上げまでおつきあいさせていただいた。

ビルボードライブ、午後3時過ぎ。リハーサルが進む。キーボードの松本圭司がドラムスに右手を振りながら、指示を出している。黒沢がコーラスのマルとユーコにバックコーラスの「ヒトのザワメキガ~~」のメロディーの一部を直している。すでに大阪、名古屋などをまわってきていて、ほぼ固まっているサウンドにも念入りに最終チェックを重ねる。

リハーサルの終盤で、バックのカーテンが開いた。すると、真っ青の空の向こうに赤坂の高層ビル群の勇姿が出現した。ちょうど外から光が降り注いでくるので、黒沢はじめミュージシャンたちの姿がシルエットになった。なかなか見たことがない光景だった。

今回は、何カ所もバンド・メンバーとツアーをしてきて、気心も知れ、楽屋はいつも笑いが絶えない。マルはいつも大きな声で何かしら声をだしたり、歌っている。携帯端末でテレビゲーム対戦をしているメンバーもいる。スポーツ・トレーナーが、黒沢をはじめメンバーの体をマッサージしている。マネージャーが「あと15分です」とショーの開始時刻を促す。

ショーが始まる直前、メンバー全員が丸くなって集まり、黒沢がいくつか注意事項を言い、最後に全員が手を円の中心に合わせ、「ではがんばっていきましょう! おおおっ!」と声をあげてステージに出て行く。いよいよショータイムの始まりだ。

黒沢は言う。「今回はけっこうR&B色強くなっていますが、でも、いきなりジョーとかテディ・ペン(ダーグラス)を歌っても、なかなか伝わらないと思うので、そこにスムースに流れていけるような日本の楽曲をおいてみたり、MCで説明したりしてみたんです」 確かに、テディー・ペンダーグラスの「ターン・オフ・ザ・ライツ」に行く前には、セクシーな雰囲気を醸し出すために、キャンドルに火を灯し、ムードを演出。セットリストの5~8までのR&Bメローの中には、しっかり日本語の新曲を入れ込む。

一方マイケル曲(「アイ・ジャスト・キャント・ストップ・ラヴィン・ユー」)を歌うときには、その前に「ビリー・ジーン」ネタで笑いを取るといった構成で、観客を飽きさせない。まさに押したり引いたり、プッシュ&プール、うっとりさせたり、笑わせたり、泣かせたりと観客を自由自在に操る。そのあたりの技が徐々にヴェテランの域に入ってきているようだ。

「MCもあんまり長くなると、しまらなくなるので、しゃべることをかなり準備して、台本書いて、歌と同じように練習したんです」と言う。今回は曲が決まってから何を話すか決めるまで、時間的にけっこう余裕があったので、よかったそうだ。なるほど、だから、90分余のショーがきっちりきっちりした感じがしたのだ。黒沢に振り付け、ダンス、動きなどを個人レッスンしたマイケル鶴岡は東京初日のライヴを見てこう言ったという。「(黒沢くん)『しゃべりがうまいねえ』って褒められて、踊りは褒めてくれなかった」と黒沢は笑う。

話しで一番注意したポイントは、スティーヴィー・ワンダーの「ラヴズ・イン・ニード・オブ・ラヴ・トゥデイ」を歌いはじめる前のところだ。

「今回のテーマ、愛なんですけど、スティーヴィーの歌のメッセージを日本人が言うと照れくさくなってしまう。だからあんまりクサクならないように、しゃべることをじっくり考えました」と黒沢は言う。

プリプロ(事前に音を作る作業)に2日、リハ3回、一ヶ月以上前から入念に準備を進めたソロ・ツアー、それが今回のツアーだった。

■山下達郎 『コージー』 「ドーナツ・ソング」収録

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HIGO/soulsearchinho-22/ref=nosim/

■テディー・ペンダーグラス 『エッセンシャル』 「ターン・オフ・ザ・ライツ」収録

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000Y3JG76/soulsearchinho-22/ref=nosim/

■ジョー 『グレイテスト・ヒッツ』「オール・ザ・シングス」収録

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001EVNWS6/soulsearchinho-22/ref=nosim/

(2010年4月9日金曜、ビルボードライブ東京=黒沢薫ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kurosawa, Kaoru
2010-57
【Kurosawa Kaoru Solo Live: Spice For Lovers】

愛。

ゴスペラーズのリード・シンガー、フロントマンの1人黒沢薫のソロ・ライヴ。2005年10月に初ソロ・ライヴを行って以来、2006年3月品川ステラボール、2007年9月目黒ブルースアレイ、2008年9月六本木スイートベイジル、2009年9月福岡ライヴに続いての今回はミニ・ツアー。広島、大阪、名古屋を回って東京、さらに札幌まで。タイトルは、「Spice For Lovers~全ての香辛料は愛に通ず」。

東京は、六本木ミッドタウン内のビルボードライブ東京。普段ゴスペラーズとしては、武道館を超満員にするアーティスト・パワーを持っているだけに、ソロ・ライヴといえども瞬く間にチケットは売り切れたという。こうした小さなところでのライヴの魅力は、アーティストと圧倒的に近いところで、そのライヴを共有できる点にある。ライヴが始まる前に、スティーヴィー・ワンダーのCDが静かに流れている。

ソイソウルのラッパー、ケイウォンが司会で登場し、ジェームス・ブラウン・バンドの名司会者ダニー・レイの如く軽妙に「カオル・クロサワー」を紹介してショーはスタート。バンドは、キーボード(バンマス)、ギター、ベース、ドラムス、コーラス2人。松本圭司(キーボード)がバンドをひじょうによくまとめている。観客は98パーセントまで女性。

「(北山)陽ちゃんや、(安岡)優のチケットが取れなかったけど、これは取れたんで、とりあえず、ソロは全部抑えておこうかな、なんていう人もいるかもしれないけれど(笑)、今日は、そんなことすべて(僕が)忘れさせてあげるよ」(観客から「きゃ~~」) MCも実にしまりよく、面白おかしくまとまって、次々と曲が歌われる。メドレーなどで一部だけ歌われたものも含めると17曲にもなる。

バンドはかなり固まっており、黒沢本人も気持ちよさそうに歌う。全体的に、本人がこよなく愛するソウル/R&Bのモードが今までの中で一番強く感じられた。今年1月に亡くなったソウル・シンガー、テディー・ペンダーグラスの「ターン・オフ・ザ・ライツ」から、新曲を経て、もうひとりのセクシー・シンガー、ジョーの曲をもってきたり。途中でジェームス・ブラウンのようにマイクスタンドを蹴るパフォーマンスを見せたり。

ジョーに関しては、2007年にビルボードライブが出来て初めて来たときに見たのがジョーで、そのかっこよさにしびれ、いつか自分もここでやってみたい、と思うようになり、その夢が実現したのがとても嬉しいとも言っていた。

もうひとつ、今回はマイケル・ジャクソンの陰があちこちに。黒沢も映画『ディス・イズ・イット』は映画館でも、またDVDも何度も何度も繰り返し見て、すっかり影響を受けたことを隠さない。余興で「ビリー・ジーン」のイントロで踊りだしたり、しかし、「ビリー・ジーン」のドラムスを叩き出したドラマーを一瞬怒るも、「怒ってないよ、怒ってない、愛だから…」と『ディス・イズ・イット』ネタをだしたり。そこから、マルとのデュエットで「アイ・ジャスト・キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」(マイケルとサイーダ・ギャレットのデュエット)を聴かせたり。このマルとのデュエットは本当に素晴らしかった。思えば、黒沢&マルのデュエットは、2006年7月の『ソウル・サーチン』のイヴェントでルーサーの「ソー・アメージング」を歌ってもらったことから始まったので、僕個人としても感無量だった。

今回、黒沢は今までになく随分とステージで動き、踊っている。これは、自分のショーをよりソウルフルなショーにしたいと思い、動き、ダンス、ステップなどをソウル・ステップの大御所、マイケル鶴岡氏(ソウル・ユニット「キング・オブ・ソウル」の一員)に個人レッスンを頼んだ成果だという。マイケルは、ゴスペラーズの「1,2,3,for 5」の振り付けをした振り付け師でもある。ジョーは「自分は男だけど、抱かれてもいいと思った(笑)」ほど、惚れこんだと話す。

今回のライヴのテーマは、ツアータイトルにもあるように「愛」だ。以前から大好きだったスティーヴィーの「ラヴズ・イン・ニード・オブ・ラヴ・トゥデイ」のメッセージと同じ趣旨を、彼は自分の言葉で語りながら、説明してこの曲を歌った。しかも、わかりやすく、歌詞の一部を「今できること、すべて愛することさ。~ 今すぐはじめよう」と日本語にして歌い、サビ部分を観客に一緒に歌わせる。この楽曲は、「世界には憎しみ、貧困などが蔓延して大変なことになっている。今すぐに立ち上がらなければならない。今こそ、愛が愛を必要としている」という熱いメッセージを持った作品。スティーヴィーの持つ普遍的なメッセージは、地球上から戦争がなくならない2010年の今でも有効なメッセージになっている。

最後、アンコールで面白い趣向が登場。なんと、2月にヴァケーションでハワイに行ったときに、ご縁からウクレレをもらい、じゃあ、4月のソロでやろう、と一生懸命練習していた曲を歌いだした。山下達郎さんの「ドーナッツ・ソング」だ。これをウクレレを弾きながら、声色をマネ、途中からバンドも参加。しかも、ケイウォンの華麗なラップ入り。これはおもしろいアイデアだ。

MCもよく練られ、そして、もちろん歌は随所に黒沢節を聴かせる。回数を重ねるごとに、ソロ・ライヴの形がいい形に固まってきている。

本編、アンコール後、拍手の中、再びスティーヴィー・ワンダーの「ラヴズ・イン・ニード・オブ・ラヴ・トゥデイ」が小さく流れた。マイケルも「オール・フォー・ラヴ(すべて愛のために)」といい、スティーヴィーも「愛が愛を必要」という。今回の黒沢薫ソロ・ライヴもその路線と同じ「愛」をテーマにしていた。ファンもその愛に包まれたことだろう。

■スティーヴィー・ワンダー『キー・オブ・ライフ』(「ラヴズ・イン…」収録の傑作アルバム)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001KNVJHY/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■黒沢薫ソロアルバム『Love Anthem』(2005年10月)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BAV1KC/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■過去記事 黒沢薫ソロ関連記事

2008年09月16日(火)
黒沢薫ライヴ~ヴァーサタイルなソング・スタイリストを目指す
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10139851807.html

September 07, 2007
Kurosawa Kaoru: You Are In The Circle Of Destiny
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200709/2007_09_07.html

April 06, 2006
Kurosawa Kaoru Live "Love Unlimited"
http://blog.soulsearchin.com/archives/000934.html

March 24, 2006
Kurosawa Kaoru Solo Live; Knowing Main Ingredients Of Group
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_03_24.html

■メンバー
黒沢 薫LIVE TOUR 2010 “Spice for Lovers~全ての香辛料は愛に通ず~ ”

松本圭司(Pf&Key)/田中栄二(Dr)/笹井"BJ"克彦(Ba)/太田貴之(Gt)/MARU(Cho)/YUKO(Cho) K-WON a.k.a k-on (Rap/MC)

■セットリスト 黒沢薫 ビルボードライブ東京、2010年4月9日(金)
Setlist : Kurosawa Kaoru, Billboard Live Tokyo, April 9th, 2010

[ ] denotes original artists

show started 21:35
01. 流星
02. Keep It Going On [三浦大地に提供]
03. Even If [平井堅]
04. ウイスキーが、お好きでしょ [石川さゆり]
05. Medley: (5 - 8) Turn Off The Lights [Teddy Pendergrass]
06. Maybe Baby [New Song]~ Summer Breeze (Intro only)[Isley Brothers]
07. All The Things [Joe]
08. 電話のむこう
09. Billie Jean (Intro)
10. I Just Can’t Stop Loving You (Duet With Maru) [Michael Jackson]
11. Medley: (11-13 ) Late-Blooming
12. Love A Flava
13. Groovin’
14. Love’s In Need Of Love Today [Stevie Wonder]
15. After The Rain
Enc.1. ドーナツ・ソング [山下達郎]
Enc.2. 遠い約束
show ended 23:15

(ファーストセットは、上記3「Even If」がなし)

(2010年4月9日金曜、ビルボードライブ東京=黒沢薫ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kurosawa, Kaoru
2010-57
【"This Is It" Tour; Setlist As Of June 24, 2009】

セットリスト。

2009年7月からスタートする予定だったロンドンでの『ディス・イズ・イット』公演のリハーサルは、マイケル・ジャクソンが2009年6月25日に亡くなるその前日まで、ロスアンジェルスのステイプルズ・センターで精力的に行われていた。

ソウル・サーチンは、その急死前日6月24日現在のセットリストを同ツアーのパーカッション奏者、バシリ・ジョンソンから入手したのでご紹介しよう。

実は2010年2月に彼が来日し話をきいたときに、セットリストはあるかと尋ねたところ、ある、というので、送ってもらうのをずっと待っていた。彼の機材のボックスに入っていたもので、しばらく前にやっとメールで送ってくれた。

その内容は次の通り。(数字は、便宜上、こちらで打ちました)

THIS IS IT TOUR SETLIST as of June 24, 2009

01. Wanna Be Starting Something
02 Off The Wall Medley
Don’t Stop Till You Get Enough
Rock With You
03. Why You Wanna Trip On Me (8 bars only)
04. Jam
05. They Don’t Really Care About Us
06. Stranger In Moscow
07. Smooth Criminal
08. The Way You Make Me Feel
09 . You Are Not Alone
10. J5 Medley
I Want You Back
ABC
The Love You Save
I’ll Be There
11. I Just Can’t Stop Loving You
12. Dangerous
13. Dirty Diana
14. Beat It
15. Thriller/Threatened
16. Earth Song
17. We Are The World ~ Heal The World
18. Black Or White
19. Billie Jean
---
20. Will You Be There
21. Man In The Mirror

このカウントだと21曲だが、イントロなども含めて実質26曲になる。

ただ、このリストには映画にでてきた「ヒューマン・ネイチャー」や、「ヒストリー」がない。また、ジャクソン5メドレーの後の「シェイク・ユア・ボディー」もはいっていない。考えられることは、当初は練習していたが、いくつかの曲を削るときに、そうした曲が落ちたのかもしれないということ。まあ、もっとも、「ヒューマン・ネイチャー」が落ちるというのも考えにくいが。このあたりは、それこそ、マイケルのみが知る、という感じだ。いやあ、「ヒューマン・ネイチャー」が泣く泣く落とされたのかなあ。謎だ。

ここにあって、映画にないものというと、「ストレンジャー・イン・モスコー」、「ダーティー・ダイアナ」、「ユー・アー・ノット・アローン」など。ただ、「ダーティー・ダイアナ」と「ユー・アー・ノット・アローン」については、映画『ディス・イズ・イット』のシーンでホワイトボードに曲目が書かれていたが、そこにはでていた。たぶん、やるつもりだったのだろう。

このリストの11から18までと、ホワイトボードの10から17までは曲目は一緒で若干の入れ替えがあるだけ。このリストの12から17などの「並び」は鉄壁だ。ほかにいじりようがないと思える。きっと、「ダーティー・ダイアナ」も「ビート・イット」もオリアンティーが大フィーチャーされたのだろう。こちらのセットリストを最新ヴァージョンとするなら、ホワイトボードの曲順からさらにミーティングなどを経て、このヴァージョンになっていったのかもしれない。おそらく120分弱、夢のようなライヴが繰り広げられたに違いない。

「ユー・アー・ノット・アローン」がホワイトボードでは、18曲目だったのが、ここでは前半の9曲目に来ている。これは、昔の『バッド・ツアー』における「シーズ・アウト・オブ・マイ・ライフ」と同じ位置づけではないだろうか。

さて、あなたはこのセットリストから、何を思いますか? 僕はこうしたセットリストを見ているだけで、わくわくしてきて、脳内で半分くらいはイメージしてしまう。もちろん、残り半分は現場で見なければ、わからないことがたくさんあるのだが。しかし、セットリストからだけでも、これほどイメージが広がるなんて、なんとすごいことでしょう。

■映画中、ホワイトボードに書かれていたセットリスト

2010年02月17日(水)
『ディス・イズ・イット』秘話(パート2)~バシリ・ジョンソン語る
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100217.html

マイケル・ジャクソン関連はこちらにまとめてあります
http://ameblo.jp/soulsearchin/theme-10014963447.html

■『ディス・イズ・イット』ブルーレイ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002UHJ9EO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■『ディス・イズ・イット』 通常DVD2枚組

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002YK4U4G/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>MICHAEL JACKSONOLOGY>This Is It

【Brian McKnight Live】

クール。

昨年(2009年)久々に来日したR&Bシンガー、ブライアン・マックナイトのライヴ。昨年はマーヴィンで行けず(というのが多かった)、僕は久々。2002年12月のゼップ以来。初来日は、2000年4月、横浜に当時できた「モータウン・カフェ」のオープニング。このときはデニス・エドワーズらも来日。以後、2002年2月、2002年12月(ともにゼップ=どちらもじっくりビデオなども使い作りこんだショーだった)、2009年3月(ビルボード)以来5回目。ビルボードはほぼ満員。

背が高く、かっこよく、そして、歌がうまく、書く曲がまたいい。と、すべて揃っているマックナイト。洗練されたヴォーカル・スタイルで、ジョーのねっとりした熱さとはまた違ったクールさを醸し出す。

バンドは、ドラムス、ベース、ギター、キーボードの4人。途中、マイケルの「シーズ・アウト・オブ・マイ・ライフ」からは、「サッド・ソング・ポーション(悲しい曲コーナー)」と銘打って、それっぽいしっとり寂しげな曲をまとめて歌う。この類は、マックナイトの真骨頂。その後ピアノの弾き語り。この部分では、その場の即興でいろいろ曲を変えているようだ。途中で2人の息子、BJとニコが登場するが、BJの声、顔立ちは父そっくり。ギターを弾くのが弟のニコ。「L.O.V.E.」では随分とロックっぽいギターを聴かせた。

つやのある声は、まさに声そのもので、観客を圧倒する。この声でまず勝負ありといったところだ。

■ブライアン・マックナイト最新盤

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002MBSZVG/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■グレイテスト・ヒッツ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006HBAX/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

ブライアン・マックナイト / Brian McKnight(Vocals)
BJ マックナイト / BJ McKnight(Vocals)
ニコ・マックナイト / Niko McKnight(Vocals)
クリストファー・ロフリン / Chris Loftlin(Bass/Music Director)
タイロン・チェイス / Tyrone Chase(Guitar)
マット・カスン / Matt Cusson(Keyboards)
プレスコット・エリソン / Prescott Ellison(Drums)

■セットリスト ブライアン・マックナイト @ビルボードライブ東京
Setlist; Brian McKnight @ Billboard Live Tokyo, April 7, 2010

show started 18:30
01. Next 2 U
02. Used To Be My Girl
03. Never Too Much
04. Shoulda, Woulda, Coulda
05. Love Of My Life
06. The Only One For Me
07. Another You (took girl up to the stage)
08. Find Myself In You
09. She’s Out Of My Life [Michael Jackson]
10. Anytime
11. Baby It’s You (plays piano)
12. Still
13. Biggest Part Of Me
14. The Rest Of My Life (with Niko guitar, BJ) (14 - 16)
15. Why Can’t She Be More Like You (Brian on Bass)
16. L.O.V.E.
17. Back At One
18. One Last Cry ~ Bass solo
Enc. Last Dance
show ended 19:51

(2010年4月7日水曜、ビルボードライブ東京=ブライアン・マックナイト・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>McKnight, Brian
2010-55
【Joe Henry’s Message To Solomon Burke】

伝言。

白人のシンガー/ソングライターで、プロデューサーとしてこのところ多くの作品をプロデュースしているジョー・ヘンリーが初来日、全国ツアーを行った。その中で、4月4日、日比谷野外音楽堂で行われたライヴを見た。この日は、複数のアーティストが登場するライヴで、ジョーは最後に登場。ジョー(ギターとヴォーカル)、アコースティック・ベース奏者、キーボード奏者の3人で主に最新作からの作品を歌った。基本的にはフォーク・シンガーのライヴのような感じだ。寒空の中、ジョーのファンからは掛け声がかかる。淡々とショーは進んだ。

ジョー・ヘンリーの名前を一躍有名にしたのは、ヴェテラン・R&Bシンガー、ソロモン・バークの作品(2002年)をプロデュースしてから。これが、グラミー賞を獲得したことから名前が知られるようになった。その後2006年に『アイ・ビリーヴ・トゥ・マイ・ソウル』というソウルのコンピレーションをプロデュース。その他にも多数のアーティストをプロデュースしている。

■『アイ・ビリーヴ・トゥ・マイ・ソウル』について↓

April 26, 2006
I Believe To My Soul"(Part 1): The Greatest Album Of 2006 
http://blog.soulsearchin.com/archives/000980.html

April 27, 2006
I Believe To My Soul"(Part 2): Joe Henry’s Story 
【レイ・チャールズに衝撃を受けて】
http://blog.soulsearchin.com/archives/000981.html

ジョー・ヘンリーが、この1月、ウィリー・ミッチェルの死に寄せて自らのウェッブで追悼文を書いている。

■全文はこちら↓
http://www.joehenrylovesyoumadly.com/joseph-lee-henry/#mitchell

実は、ウィリー・ミッチェルはソロモン・バークの新作『ナッシングス・インポッシブル』(日本盤2010年5月19日発売)をプロデュースしていた。言ってみれば、ソロモンのプロジェクトは、途中に他のアルバムもあるが、ジョーからウィリーにバトンタッチされた格好だ。

ウィリー・ミッチェルは、ソロモンとのレコーディング・セッションの中で、「俺は6週間かけて、アル・グリーンの『レッツ・ステイ・トゥゲザー』のイントロを『ア~~イ~~』と歌わせるようにしたんだ。そしてそのおかげで、たくさんのグラミーをもらえたんだ」と、ソロモンに強調した。つまり、それほどしつこく歌い方をいろいろと指導したことをソロモンに言いたかったのだろう。そして、ソロモンはウィリーに言われるがままに歌い続けた、という。

ジョーがウィリーの死を受けて、ソロモンに電話をすると、ソロモンはロスアンジェルスからメンフィスに向けて、葬儀に出るためにリンカーン・タウン・カーを運転中だった。ジョーもなぜ彼が飛行機で行かなかったのかわからない、だが、自分もそうしていただろうと書く。

ジョーが初来日した翌月に、キング・ソロモンが初来日を果たす。ソロモン・バークは、2002年のアルバムが出る以前だったら、とても日本のプロモーターが招聘すらしなかっただろう。30年以上ヒット曲もなかったからだ。ジョーがソロモンのそのアルバムをプロデュースし、グラミーを手にしたために、世界が改めてキング・ソロモンとジョー・ヘンリーに注目するようになり、二人とも日本の地を踏むことになった。ジョーからソロモンへの伝言、それは「ナッシングス・インポッシブル(何事も不可能なことはない)」ということかもしれない。

来日詳細はこちら↓

2010年03月10日(水) 付けブログ↓
ソロモン・バーク初来日へ~『ブルーズ&ソウル・カーニヴァル』出演で
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10477897752.html

JAPAN BLUES & SOUL CARNIVAL 2010 ~25周年記念スペシャル~

日程/出演2010年5月29日(土) 開場17:00/開演17:45
出演:ソロモン・バーク/バーナード・アリソン/ROLLER COASTER & Friends
司会:ゴトウゆうぞう/カメリヤ マキ
会場:日比谷野外音楽堂 ※雨天決行
料金:¥8,000(税込・全席指定)
主催:テレビ朝日/ぴあ/文化放送
チケット申込み: お問い合わせM&Iカンパニー 03-5453-8899

日程/出演2010年5月30日(日) 開場14:45/開演15:30
出演:ソロモン・バーク/コーリー・ハリス/blues.the-butcher-590213/SHEENA & ROKKETS
司会:ゴトウゆうぞう/カメリヤ マキ
会場:日比谷野外音楽堂 ※雨天決行
料金:¥8,000(税込・全席指定)
主催:テレビ朝日/ぴあ/文化放送
チケット申込み お問い合わせM&Iカンパニー 03-5453-8899

<名古屋公演>
日程/出演2010年5月31日(月)開場18:00/開演19:00
出演:ソロモン・バーク/バーナード・アリソン/コーリー・ハリス
会場THE BOTTOM LINE
料金:\8,000(税込・整理番号無し/入場時にDrink代\500別途必要)
主催RADIO-i
プレイガイドチケットぴあ0570-02-9999(Pコード348-830)
ローソンチケット0570-084-004(Lコード42358)
イープラス http://eplus.jp/
お問合せTHE BOTTOM LINE  052-741-1620

<大阪公演>
日程/出演2010年6月1日(火)開場18:00/開演19:00
出演:ソロモン・バーク/バーナード・アリソン/コーリー・ハリス
司会:ゴトウゆうぞう/カメリヤ マキ
会場なんばHatch
料金\8,000(税込・全席指定/入場時にDrink代\500別途必要)
後援fm osaka
プレイガイドチケットぴあ0570-02-9999(Pコード348-722)
ローソンチケット0570-084-005(Lコード54923)イープラス http://eplus.jp/
お問合せなんばHatch  06-4397-0572

■ソロモン・バーク最新盤 『ナッシング・インポッシブル』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003DRVH22/soulsearchiho-22/ref=nosim/

同輸入盤

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0037EDIKK/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>ARTIST>Burke, Solomon / Henry, Joe
【Just Another Gig Turns To The Gig : Father & Son’s Live】

ザ・ギグ。

ジーノのレギュラー・ライヴ、「ジーノ・ジャム」。そのスペシャルで、フィーチャリング日野皓正(ひの・てるまさ)。つまり父子共演だ。何よりも、このバンド、男くさい。男っぽい、そして、ファンキーでのりがいい。何よりも、日野皓正のバンド内での実質的ボスとしての存在感がすごい。Man’s Dandyという感じ。そして、何よりも、ミュージシャンたちの自由度が大きい。

ジーノと父とのMCも、なんか妙な感じでおもしろい。ジーノが子供の頃、ライヴハウス(今はなきピットイン)に連れて行ってもらい、そこで見たお父さんがかっこよくて、自分もそうなりたい、といったことを言ったりして、それを聞いて照れる皓正。いい光景だ。

バックのミュージシャンもいつになく、難しい曲にチャレンジし、真剣だ。ちなみに、ケイリブ(キーボード)も斉藤ノブさん(パーカッション)も、日野皓正とプレイするのは初めてという。前日まで、楽譜と音源で相当「宿題」をやってきたらしい。

プレイする曲を少し解説しながらプレイするが、4曲目の「インナー・モーション」は、日野皓正がここモーション・ブルーで書下ろした作品だそうだ。ジェイのドラムスがいつになくタイト。

個人的には、このライヴを見て、ずいぶんとインスピレーションを得た。次のようなことを感じ、ひたすらメモをした。

仮に、僕らがそのミュージシャンを「知っている」とする。だが、「知っている」としても、何を知っているというのだろうか。そのパフォーマンスの癖か、うまさか、力量か。実際、僕らも「知っている」アーティストでさえ、たぶん、そのアーティストが持つ才能の半分も知らないのだ。つまり、ある程度優れたミュージシャンには、本当はもっともっと知られざる才能があるのだ。だが、普段はそれが出てこない、あるいは出せないでいる。しかし、様々な要素によって、その普段は出ない才能がマグマの如く噴火してくることがある。それは、そのギグ(ライヴ)のボスの存在感かもしれないし、共演者かもしれないし、あるいは、その日そこにいる観客のヴァイヴかもしれない。

プロデューサー、あるいは、イヴェント・プロデューサー/オルガナイザーが、ミュージシャンたちのそうした普段出せない才能を引っ張り出して、表に出せる瞬間があれば、幸運であり、素晴らしいことだ。

この日のライヴは、ミュージシャン全員が日野皓正というヴェテラン・アーティストをリスペクトし、彼と同じステージに立てて光栄で、誇りに思っていて、だから、彼の前では下手なことができないとどこかで感じている。それゆえにいつも以上の力を出すのだろう。素晴らしきミュージシャンシップというべきだ。まさにケミストリー(化学反応)が生まれる瞬間であり、これぞ、ライヴを見る醍醐味のひとつだ。

これは、just another gig(ただのいつものライヴ)が、the gig(このライヴ)になる瞬間だ。僕は、ミュージシャンではないのだが、ときどき、そういうミュージシャンの気持ちがわかることがある。(勝手にそう感じているだけかもしれないが…)

とはいうものの、ケイリブあたりは、ここ一週間が大変ハードで忙しく、若干体力的に疲れているので、満足はいっていないようなのだが。(笑)「曲は、難しい。フュージョンの曲だが、なかなか難しくて、フュージョンがコンフュージョンになっちゃってるよ(笑)(fusion turns to confusion)」

「おお、それいいフレーズだな」と僕が返すと、「おおっ、ラジオでそれをしゃべるかい? キャッチフレーズにいいよな(笑)」とケイリブ。

古い曲(ジーノが生まれた1967年に父が書いた曲)という「ヒップ・シーガル」。そのチョッパーから始まるファンキーな曲を演じる日野皓正は、まさにDandy The Funkyだ。

そして、このライヴ・ショー自体、時間が止まっているのか、流れているのか、ときどきわからなくなる不思議な感覚に陥った。

■日野皓正 『シティ・コネクション』(1979年作品)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000564B9/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

JINO JAM featuring TERUMASA HINO“URBAN CONNECTION”
JINO JAM フィーチャリング 日野皓正「アーバン・コネクション」

日野皓正(tp)、日野 "JINO" 賢二(b)、Kaleb James(p)、PENNY-K(key)、マサ小浜(g)、斎藤ノブ(per)、Jay Stixx(ds)

■セットリスト
Setlist : Jino Jam featuring Terumasa Hino

show started 21:30
00. (CD) Urban Connection
01. Think About It
02. Still Be-Bop
03. Hino’s Reggae
a riff of Rocket Man
04. Inner Motion
05. Alone, Alone & Alone
06. Hip Seagull
Enc. City Connection
show ended 22:58

(2010年4月2日金曜、横浜モーション・ブルー=ジーノ・ジャム・フィーチャリング・日野皓正)
ENT>MUSIC>LIVE>Jino Jam featuring Terumasa Hino
2010-53

【Kristina Train Sings Carolyn Franklin Song】

カヴァー。

ブルーノート・レーベルが、「次のノラ・ジョーンズ」という打ち出しで、売出し中の新人シンガー、そのショーケース的な初来日ライヴ。

デビュー・アルバムのタイトルは、『Spilt Milk』(スピルトゥ・ミルク=こぼれたミルク)。2009年2月、これをレコーディングしているとき、それまで録音していたデータがすべて飛んでしまった。衝撃を受け、落ちこんだクリスティーナらだったが、「Don’t cry over spilt milk(こぼれたミルクに泣くな=覆水盆に返らず)」と心機一転、すべてを取り直した、という。そこで生まれた曲がこの「スピルトゥ・ミルク」。ま、それがタイトル曲になってアルバムで一番キャッチーな作品になったのだから、「瓢箪(ひょうたん)からこま」か? (いや、なんか、もっといい格言がありそう) 

さて、アルバムも何度も聴き、「山野ミュージック・ジャム」でも紹介したが、やはり、声が、そして、雰囲気がノラに酷似しているので、ノラ・フォロワーとしてみてしまう。正直なところ、これがプラスなのか、マイナスなのか、なんとも判断のしようがない。

ステージセンターに立ち、左側にピアノ、右側にギター、少し奥にバックコーラスという4人編成。ニューヨークのコーヒーハウスあたりでやっていそうな雰囲気のライヴだ。全体的には、フォーク・シンガーという面持ち。ノラの声は透明感があるが、クリスティーはハスキー・ヴォイス。ちょっと主婦のような二の腕が印象的な、清楚系にして、きりっとし、育ちも良そうなお嬢様的雰囲気。よく言えば、江角まきこ風か。

ソウル・サーチャー的に、一番ささったのが、下記セットリストで8の「イフ・ユー・ウォント・ミー」。なんと、アリサ・フランクリンの妹キャロリン・フランクリンの作品のカヴァー。クリスティーナは、「これは、アルバム『シスター・ソウル』にはいっていた曲」と紹介していた。調べてみると、この曲は1973年にRCAからシングルのB面として出ていて、当時のアルバムには収録されていなかった。その後2000年代に入ってイギリスでRCA音源がシングル盤も含めて一枚のCDに編纂され、それが『シスター・ソウル』と題され、そこに収録されていた。だが、彼女のデビューCDには、入ってない。なぜだ…。(泣)次作には日本盤ボーナストラックでもいいので入れて欲しい。

■クリスティーナ・トレイン デビュー作 (日本盤)(しかし、その「イフ・ユー・ウォント・ミー」は、このアルバムに入っていない…)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0030FKUUC/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■Spilt Milk (同アルバムの輸入盤)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002NULL58/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

クリスティーナ・トレイン(ヴォーカル)Kristina Train(vo)
キース・コットン(ピアノ)Keith Cotton(p)
メリサ・モーガン(ヴォーカル)Melisa Morgan(vo)
サド・デブロック(ギター、バック・ヴォーカル)Thad DeBrock(g,back vo)

■セットリスト クリスティーナ・トレイン ブルーノート東京 2010年4月1日(木)
Setlist Kristina Train @ Blue Note Tokyo, April 1st, 2010

show started 19:02
01. Call In The Maker
02. You’re StillGoing To Lose
03. No Man’s Land
04. What Is That Make Me
05. I Can’t But Help
06. Don’t Remember
07. Don’t Beg For Love
08. If You Want Me [Carolyn Franklin]
09. The Other Side
10. Spilt Milk
11. Hard Road To Travel
12. Far From The Country
Enc. Angels Can Do
Enc. Waltzing Back
show ended 20:15

(2010年4月1日木曜、ブルーノート東京=クリスティーナ・トレイン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Train, Kristina
2010-52

★ミュージカル『ドリームガールズ』5月に来日~トークイヴェント開催

【Dream Girls, Musical Will Be Coming To Japan May】

告知。

全米で1981年に公開されたミュージカル『ドリームガールズ』。1960年代のモータウン、ダイアナ・ロスとシュープリームスの物語をベースにしたものと言われた作品だが、およそ4年間、1500回以上の公演が行われ、トニー賞など多くの賞を獲得。その後も、新ヴァージョンが何度も再演され、現在も2009年ヴァージョンが全米公演を行っている。また、ご存知の通り、2007年にはビヨンセ、ジェニファー・ハドソンらが出演し映画化され、日本でも大きな話題になった。

その『ドリームガールズ』ミュージカルが、2010年5月19日から東急文化村で公開される。

日本公演に先がけて、『ドリームガールズ』の魅力を語るトークショーが行われる。作家の有吉玉青(ありよし たまお)さんがナヴィゲーターとなり、吉岡正晴がゲストで話をする。有吉さんは、大の舞台、ミュージカル好きで、ニューヨークなどでも多数のミュージカルなどを見ているという。当日は、1960年代のブラック・ミュージック・シーン、デトロイトで始まったモータウン・サウンドの話し、ニューヨークで見た1983年ごろに見た『ドリームガールズ』の話しなどができればいいと思っている。お時間ある方、ぜひどうぞ。

■日時平成22年(2010年)5月6日(木)19:00開始(18:30開場)20:30終了(予定)
■参加料
①イヴェントのみの場合・・・・・2,000円(税込)
②チケットをお持ちの方の場合・1,500円(税込)
<1ドリンク付き>※公演チケットとのお得なセットも
■お申込みBunkamuraオンライン市場 オーチャード通り オーチャードショップ
http://www.bunkamura-ichiba.jp/shop/item_list?category_id=20988
■定員/場所限定100名様先着順/ Bunkamura館内特設会場

■関連ホームページ

①ミュージカル「ドリームガールズ」公演ホームページ
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/10_dreamgirls/topics.html
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/shosai_10_dreamgirls.html
②「ドリームガールズ」トークイヴェント詳細ページ
http://www.bunkamura.co.jp/shosai/org64_10_dreamgirls_04.html
③イヴェント申込み画面~ミュージカルのチケットもあわせて買えます
http://www.bunkamura-ichiba.jp/shop/item_list?category_id=20988

『ドリームガールズ』ミュージカル、トークイヴェント
チケットの電話での申込み先:Bunkamuraチケットセンター03-3477-9999(営業時間10:00~17:30)

■公演内容・イヴェント詳細のお問い合わせ先:TEL03-3477-3244

■過去『ドリームガールズ』関連記事

December 20, 2006
Musical Movie "Dreamgirls": Born In 1981
【映画『ドリームガールズ』~1981年に生まれて】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001463.html

December 22, 2006
"Dreamgirls"(Part 2) : Between Fiction And Non-Fiction
http://blog.soulsearchin.com/archives/001465.html
【フィクションとノンフィクションの間で】

●ニューヨーク在住・トミーさんのブログの記事
2009年10月17日付け
今日のトミー ~NYハーレム便り~tommyNY.exblog.jp
新!☆ドリームガールズ☆ に興奮!
http://tommyny.exblog.jp/12141118/

April 13, 2007
Beyonce To "Dreamgirls"
【ビヨンセ~『ドリームガールズ』】
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200704/2007_04_13.html

■ドリームガールズDVD
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0017VG6N6/soulsearchiho-22/ref=nosim

■ドリームガールズ オリジナルサントラ(CD)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000J20UXQ/soulsearchiho-22/ref=nosim

■1982年オリジナル・ヴァージョンのサントラ 『ドリームガールズ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000000OM9/soulsearchiho-22/ref=nosim

ENT>ANNOUNCEMENT>Dream Girls

【Renewal "Soul Searchin" Has Just Begun】

再開。

首都圏のFM局、インターFM(76.1mhz)で毎週日曜日午後1時から3時まで放送される『ソウル・ブレンズ』は、昨日の放送から2001年4月スタート以来いよいよ10年目に突入した。その中で、2時半から『ソウル・サーチン』のコーナーが約5年ぶりに復活。

復活第一回は、先週ブルースアレイで行われたスティーヴィー・ワンダー・トリビュートのライヴ音源からオンエア。延べ30テイク以上の中から、2曲を選んだが、いやあ、もっともっとかけたかった。オンエアを聞いていたユリさんは、ツイッターで「ラジオで自分の生声、演奏が流れるってなんか変な手汗とかかいちゃうね。しかも本番の音源さっき初めて聞いた~!!」と呟いた。

コーナーのオープニング・テーマは、結局、以前と同じデイヴィッドTウォーカーの「ホワッツ・ゴーイング・オン」に。2時20分ごろ決めた。他の候補は、AWBの「ソウル・サーチン」、ロイ・エヤーズの「サーチン」、トランプスの「ソウル・サーチン・タイム」、ジェフ・ペシェットの「ソウル・サーチン」などだったが、やはり、個人的に思い入れが強かったデイヴィッドにした。やはり、インストのほうがいいのかな。僕は、これで大好きだったラジオ番組『ローランド・バイナム・ソウル・ショー』を思い浮かべるので、やはり、お気に入り。

この中で、ケイリブたちの作品をかけるときに、日本に育ったソウル・ミュージックというニュアンスで、「ホーム・グロウン・ソウル」という言葉を使って紹介したところ、これがマーヴィンやオッシーに受けて、これで、毎週行きましょうか、と言われた。おっと、そんなに毎週はネタ集められませんです。(笑) とはいうものの、ケイリブ、フィリップ、ブレンダ、昨日ご紹介したユリなどなどいろいろいることはいるが、追々ご紹介していこう。

近々このコーナーで取り上げるアーティストとしては、ブライアン・マクナイト、エリカ・バドゥ、ソロモン・バーク、映画『ソウル・パワー』、ミュージカル『ドリームガールズ』とトークイヴェント、ジョディ・ワトリー、テイク6などをご紹介していこうかなと思っている。一番いいのはそれぞれのインタヴューが取れたりするとおもしろいが、さてどうなるか。

このコーナーをポッドキャストで考えたが、既製のCD音源はポッドキャストで使用できない。その場合、トークだけ、BGMもなし、ということになる。ちょっと難しいかな。

ツイッターにさっそく、反応をいただいた。ありがとうございます。まだハッシュタグ(#)を作っていなかったので、作っておきたいと思います。

++++

『ジャズ・カンヴァセーション』~小川隆夫さんと立ち話~ジョージ・デュークのマイルス・デイヴィスのマネ

立ち話。

『ソウル・ブレンズ~ソウル・サーチン』終了後、別のスタジオで、『ジャズ・カンヴァセーション』(インターFM、日曜午後4時~6時)を小川隆夫さんが収録していた。外にいたら、小川さんがスタジオから出てきてくれ、しばし立ち話。1月からスタートして、早3ヶ月。先週(3月28日)放送分のジョージ・デュークのインタヴューが面白かった、という話しで盛り上がる。ジョージのマイルス・デイヴィスの物マネはとにかくそっくりだった。その後も、毎週のようにジャズ系アーティストにインタヴューしているそうだ。チューチョ・ヴァルデス&ミッシェル・カミロは来週だそう。彼らは基本はスペイン語だが、カミロが英語が達者なので、英語で話す。

ジョージ・デュークのインタヴューの模様は、同番組のポッドキャストで聞くことができます。なお、曲自体はかかりません。このインタヴューは最高です。

アドレスはこちら↓
http://www.interfm.co.jp/jazz/blog/2010/03/28/05/08/

ここで、一番下の

<3月30日追記>
試験配信:ジョージ・デュークのインタビューの一部抜粋
JC_podcast_demo_0330

をクリックです。

ENT>MUSIC>RADIO>Soul Blends, Soul Searchin
■トクズ・ラウンジ~ゆるーく、しかし、マジで

【Toku’s Lounge : Explosion Of Improvisation】

ジャム。

このところ、すっかり知れ渡ってしまったのか、毎回満員でごったがえしている月1のトクズ・ラウンジ。人が増えると、困ったことに喫煙率が高くなり、やたらと煙くなる。

しかし、このゆるいジャム・セッションの雰囲気は、今、東京一だろう。ホストのトクがリーダーシップを取り、その友人ミュージシャンたちが適当に曲にはいってきてジャムする。個人宅の居間で、気心知れた友人たちが、音楽で遊ぶ、そんな感じだ。遊んでるんだけど、いつの間にか、マジになっている、そんなところも音楽ファンには嬉しい。

この日はレギュラー・ホストのドラムス藤井伸昭さんが、別のギグで遅くなるというので、福森康さんが登場。それにしても、ベース奏者、ドラムス、ギター、ベースなどいろんな楽器奏者が入れ替わり曲の途中でも入ったり出たりするので、わけがわからない。(笑)

ファーストの2曲目など、その場でトクがコード進行をメンバーに口伝えして、それをそのままプレイ。トクは曲名さえ覚えていない。コード進行だけで、10分余の曲ができてしまう。プロだ。この曲ではニューヨークからやってきた広瀬未来(ひろせ・みき=男性)というトランペッターがさかんに吹きまくった。ちょうど自身の作品が出て、そのリリース凱旋らしい。

■ ロイ・ハーグローヴ (いつもたいがいこの「ストラスブルグ」が演奏されます)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00144662W/soulsearchinho-22/ref=nosim/

■過去関連記事

2010年02月27日(土)
トクズ・ラウンジ:深夜の熱きセッション
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10468984654.html

2009年12月31日(木)
トクズ・ラウンジ~ジャム・セッションの爆発
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10423256472.html

June 24, 2009
トクズ・ラウンジ~ロイ・ハーグローヴ・グループが参加
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090624.html

May 30, 2009
トクズ・ラウンジ:素晴らしきミュージシャンシップの大爆発
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10270594203.html

■参加者

TOKU (vocal, trumpet, flugelhorn)
Fukumori Yasushi (drums)
Yasuda Kouji (bass)
Shibata Toshiya (keyboards)
Hirose Miki (trumpet)
Fujii Nobuaki (drums)
Yamauchi Shoichiro (bass)
Kitayama Youichi (vocal)
Maru (vocal)
Yokoo Katsuya
Goto Katsuomi (bass)
Ihara Hiroshi (Aniki) (guitar)
Sasai "BJ" Katsuhiko (bass)
Tommy Campbell (drums)
etc.

■セットリスト: トクズ・ラウンジ (2010年3月31日水曜深夜,都内バー)

performance started 0:45
01. Butterfly [Herbie Hancock]
02. Roy Hargrove Song
03. Fly Me To The Moon
04. Delfeayo’s Dilemma [Wynton Marsalis]
ended 01:33

performance started 2:27
01.
02. Feel Like Making Love
03. Strasbourg / St. Denis [Roy Hargrove]
04. (Herbie Hancock)
05. Rock With You
06. Cantelope Island [Herbie Hancock]
ended 4:15

(2010年3月31日水曜深夜、トクズ・ラウンジ)
ENT>MUSIC>LIVE>Toku’s Lounge
2010-51

【Junior High Girls Blues Band “Respect” Showcase Live】

中学生。

4人組の中学生のブルーズを歌うグループ、リスペクト。ほんとにひょんなご縁から今回見るのが2度目。初ライヴ評。

中学生がブルーズをやるというそのネタだけでも、十分、人を引き付ける話だが、この中学生たちが実に楽しそうに演奏し、歌うからとても好感がもてる。ステージに登場した4人は確かに中学生のような、小柄の娘たち。どんな音をだすのかと思いきや、けっこう重たいごつい音をだす。しかも、ジャンプ・ナンバーもはねながら、というか、踊りながら、実に楽しそうに演奏するから、見ているこちら側もうきうきしてくる。音だけ聴いていたらとても中学生とは想像できない。

ヴォーカルが、やはり英語曲だとちょっと発音などで難点があるが、サウンドの勢いにのってしまうと、彼女たちに浴びせ倒される感じだ。しいて言えば、まだ「喉(のど)でうたっている」感じなので、ぜひともしっかりヴォイストレーニングなどして、「ソウルで、心で歌う」ようになってほしい。「あなたが、心からソウルで歌えるようになったら、あなたはソウルをマスターできるわ」というアドヴァイスをしたい。これは、あのエタ・ジェームスが、ジャニス・ジョプリンに言ったアドヴァイスだ。(ちょっと正確な文言は記憶が不確かだが、まあ、だいたいそういうニュアンスだったはず)

これで、ちょっとした振付なんかついた日には、ヴィジュアル面でも魅力アップだ。今後が楽しみなバンドだ。

(註・訂正)メンバー全員が中学生ではなく、一番下のリードシンガーが3月まで中学生で、2010年4月から高校生に。残り3人は3月まで高校生、4月から大学生になりました。4月からは、高校生・大学生バンド、ということになります。

■リスペクト・デビュー作(DVD付き)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002I17XMW/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

Shoka (Guitar, vocal)
Momiji (Vocal, Sax & Blues Harp)
Tomomi (Drums)
Aki (Bass)
+キーボード・サポートメンバー

■セットリスト リスぺクト @ アストロホール 2010年3月31日水曜

Show started 19:12
01.Mob Blues [Original]
02.Boogie Thing
03.Chain Of Fools
04.Heatwave [Martha & Vanderas]
05.Hoochie Coochie Man
06.Everyday I Have The Blues
07.Sad Song [Original]
08.Hard To Handle [Otis Redding]
Show ended 19:43

[March 31, 2010, 原宿アストロホール=リスペクト・ライヴ]
ENT>LIVE>Respect
【"Soul Searchin" Will Start On Sunday, 4th】

再開。

来る2010年4月4日(日)から『ソウル・ブレンズ』(毎週日曜午後1時~3時=インターFM東京地区76.1mhz)内で2時半から新コーナー「ソウル・サーチン」が始まります。このコーナーでは、僕・吉岡正晴が、その時旬な話題、新譜、ブラック・ミュージック関係の映画、来日アーティストのインタヴューなどを取り上げて紹介します。

「ソウル・サーチン」のコーナーは、2003年10月12日から2005年7月31日まで89回にわたってオンエアしました。『ソウル・ブレンズ』自体が時間変更、短縮になったりといった事情で、一旦終わりましたが、4年9ヶ月ぶりに復活です。

記念すべき復活第1回は、先日(3月29日と30日)に目黒ブルース・アレイで行われた「スティーヴィー・ワンダー・トリビュート」のライヴ音源からご紹介します。これは、昨日までのブログでご紹介したとおり、ケイリブ・ジェームスとピアニストの秋谷えりこさんらのバンドが、スティーヴィー楽曲をカヴァーしてトリビュートしたもの。その音源を、番組独占で入手。2日にわたるパフォーマンスの中から厳選して2曲をオンエアする予定です。他ではどこでも聴くことはできません。

「ソウル・サーチン」では、今後も、吉岡正晴独自の切り口とエクスクルーシヴな音源を発掘してオンエアしていきます。今後も、積極的に来日ソウル・アーティストへのインタヴューなども企画しています。特に日本で活躍するブラック・ミュージシャン周辺の動きには注目していきたいと思います。

4月4日の放送では、ケイリブ・ジェームスが歌う「スーパー・ウーマン・スイート~ホエア・ワー・ユー・ホエン・アイ・ニーデッド・ユー」と、同じくケイリブとユリのデュエットで歌われる「レイトリー」をオンエアする予定です。どちらも素晴らしい仕上がりですので、エアチェックをお勧めです。CDにもなっていないこと、また、今後オンエアされることもまずないでしょうから、お聴き逃しなく。

よく考えてみると、「ソウル・サーチン」のイヴェントで記録した音源などにも「お宝」はまだまだあるので、その辺も徐々にご紹介できればと考えています。そうしたものを紹介しつつ、日本のソウル・ミュージック・シーンをサポートできればいいのではないかと思います。

また、現在インターFMの番組は、関東地区の方々はインターネット経由でも聴けますので、番組ウェッブ、ソウル・サーチンのブログ/ホームページ、また、ソウル・サーチン・ツイッターなどとも連動してソウル・ミュージックの今をご紹介します。

http://www.interfm.co.jp/
ここで「今すぐパソコンでインターFMが聴ける」をクリック。
http://radiko.jp/
ここからインターFMをクリック。

『ソウル・ブレンズ』、および、『ソウル・サーチン』のコーナーへのメールあて先はAmarvin@interfm.jp です。

ソウル・ミュージックに関する質問などもどんどんお寄せください。可能なかぎりお答えしていきたいと思います。

また、ツイッターは http://twitter.com/soulsearcher216 です。番組始まるぎりぎりまでつぶやいてみようと思っています。

ソウル・サーチン・ブログ: http://ameblo.jp/soulsearchin/
ソウル・サーチン・オフィシャル・ホームページ http://www.soulsearchin.com/

ENT>ANNOUNCEMENT>RADIO>Soul Searchin
【Stevie Wonder Tribute Day 2】

深い。

スティーヴィーの楽曲をじっくり研究し、カヴァー作品を選び抜いておこなったスティーヴィー・トリビュート。動員から言えば1日でよかったかもしれないが、ケイリブがどうしてもやりたい曲がたくさんあるから2日にする、ということで2日になったそうだ。2日目は、5曲前日にやらなかった曲をやった。

ファーストのオープニングは、『キー・オブ・ライフ』からの「コンテュージョン」(インスト)。マサ・コハマのギターが光る。もう1曲「ブギー・オン・レゲエ・ウーマン」をインストでこなした後、「スーパーウーマン」のフル・ヴァージョン。ケイリブはMCでこれを『トーキング・ブック』からの曲と紹介したが、実は正解はその前のアルバム『ミュージック・オン・マイ・マインド(邦題、心の詩)』からの作品。これはなかなかのものだった。ケイリブがこういう曲をやりだすと、本当にスティーヴィーっぽくなる。

そして、この日の第一のハイライトがユリとのデュエット「ユー・アー・マイ・ヘヴン」。ロバータ&ダニーの曲だ。ユリ、お見事です。そして続いて、サユリーが歌う「センド・ワン・ユア・ラヴ」。こうしたあんまり黒っぽくない曲調はサユリーにとってもあっている。ユリもサユリーも英語がネイティヴだけに、安心して聴いてられる。これもよかった。

セカンドの「レイトリー」も、この日だけ。ユリとケイリブのデュエットで聴かせたが、これが思った以上に素晴らしかった。浮気が発覚したという切ない曲を、男女のデュエットでやるとは。その時点で、大アイデア賞だが、ユリのパフォーマンスが圧巻。この2日全曲の中で1番よかった。彼女の歌を聴いている限り、誰も日本人だなんて思わない。このヴァージョンは、ほんと、スティーヴィーに聴かせたい。それくらいクリエイティヴだった。スティーヴィー楽曲は、日本人歌手も多数カヴァーしているが、たいがい、楽曲の表面をなぞるだけで終わる。英語の問題もあるが、楽曲の咀嚼度の問題で、その点、ユリのパフォーマンスは見事だ。

ユリはこの日大活躍で、もう1曲『シークレット・ライフ・オブ・プランツ』収録の「カンバック・アズ・フラワーズ」を熱唱。あまりなじみのない曲だが、がんばっていた。

3月30日は、なんとファンキー・ドラマー、ジェイ・スティックスの誕生日当日。ということで、アンコール前に、ジェイに誕生日ケーキが贈られ、バンド全員でスティーヴィーの「ハッピー・バースデイ」が歌われた。「Happy birthday, Jay Stixx」と全員がコーラスするところなどは、なかなか。最後、アンコール「スーパースティション」のところでは、前日になかった「サー・デューク」をマッシュアップして差し込んだ。

それにしても、スティーヴィーの楽曲は、深い。そして、前日見た後、スティーヴィーの2007年のライヴ評を読み返してから臨んだ2日目は、改めて、スティーヴィーのライヴにおける偉大さを思い出した。

◎ライヴ音源をオンエアー

ということで、来る4月4日(日)から始まる『ソウル・ブレンズ』内『ソウル・サーチン』のコーナーで、この日のライヴ音源からご紹介しようと思っている。『ソウル・サーチン』(インターFM東京地区76.1mhz=毎週日曜午後2時半~2時50分頃)では、ソウル・サーチャー吉岡正晴ならではの切り口で、ソウルをサーチンしていきます。他ではかからないようなレア音源も大放出。お楽しみに。

■キー・オブ・ライフ~最高傑作

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004SZWD/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『心の詩』「スーパーウーマン」はこちらに収録

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001KNVJGU/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『シークレット・ライフ・オブ・プランツ』(サユリーが歌った「センド・ワン・ユア・ラヴ」、ユリが歌った「カンバック・アズ・フラワーズ」はこちら)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005I4WK/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー
WE Love Stevie Wonder

(Vo/Key)Kaleb James (Pf/Key)秋谷えりこ (Ds)JAY Stixx (B)滝元堅志
(G)マサ小浜 (Sax/Fl) Andy Wulf (Vo) Yuri、Sayulee、(Vocal, Sax, Percussion) Gary Scott

■セットリスト ウィ・ラヴ・スティーヴィー・ワンダー
Setlist: We Love Stevie Wonder, March 30, 2010 @ Blues Alley

show started 19:44
1. Contusion [Instrumental]
2. Boogie On Reggae Woman [Instrumental]
3. Superwoman (Where Were You When I Needed You) [Kaleb]
4. Isn’t She Lovely [Gary]
5. You Are My Heaven [Yuri, Kaleb]
6. Send One Your Love [Sayulee]
7. As [Kaleb]
show ended 20:44

show started 21:17
1. Higher Ground [Instrumental]
2. Too High [Instrumental]
3. Lately [Yuri, Kaleb]
4. Medley: Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours [Kaleb]
Until You Come Back To Me [Yuri]
It’s A Shame [Gary + Yuri]
If You Really Love Me [Kaleb]
Betcha Wouldn’t Hurt Me [Yuri]
All I Do [Kaleb]
5. Creepin [Kaleb]
6. Living For The City [Kaleb]
Enc. Happy Birthday Jay Stixx
Enc. Supersitition [Gary]
Enc. I Wish [Kaleb] ~ Supersitition including Sir Duke
show ended 22:56

(2010年3月31日水曜、目黒ブルース・アレイ=ウィ・ラヴ・スティーヴィー・ワンダー・トリビュート)
ENT>MUSIC>LIVE>We Love Stevie Wonder Tribute
2010-49
【Stevie Wonder Tribute:】

スティーヴィー。

ケイリブ・ジェームス、ピアノの秋谷えりこさんらが集まって、スティーヴィー・ワンダー作品をカヴァーするトリビュート。ブルース・アレイ。

スティーヴィーは、『ソウル・サーチン』でも記念すべき1回目と2回目にとりあげた。2003年11月と2004年4月。初回はレコード、2回目にケイリブの弾き語りでやってもらった。そこからどんどんバンド志向になっていった。スティーヴィーは何しろいい曲が多いだけに、選ぶのが苦労するのは大変よくわかる。15曲(内1曲はメドレー)だが、選曲の密度は濃く、当たり前だが捨て曲がない。

冒頭2曲がインスト曲だったが、これにセカンドのトップが「コンテュージョン」、途中でラムゼイ・ルイスがやった「スプリング・ハイ」というインスト曲で、4曲が歌なし。しっかり歌を歌うのがケイリブ、ゲイリーとユリとサユリー。「コンテュージョン」は元々『キー・オブ・ライフ』収録のインストなので、これはおもしろい試み。インストはこれ1曲、あるいはどうしてもというならあと1曲くらいでよいのでは? 

「イフ・イッツ・マジック」は、オリジナルはハープを使うが、ケイリブ曰く「ハープはレンタルするのがものすごく高いので(笑)、今日はピアノでやる」といって、ハープ部分を秋谷さんがグランドピアノで伴奏。これはなかなかのアイデアだ。

印象に残ったのは、ケイリブが少し解説した組曲となっている「スーパーウーマン」のフル・ヴァージョン。「子供のころ、スティーヴィーがこの曲をやっているのを聴いて、スティーヴィーが何かコミックの曲をやったのかと思った。スーパーマンの女版で、スーパーウーマンかと思った。そうしたら、ぜんぜん違ってた。組曲スタイルになっているすばらしい曲です」と言って約8分余を歌いきった。

ただこれだけの曲数をやっても、スティーヴィーのあれも聴きたい、これも聴きたい、という曲はある。なお、結局、「アイ・ジャスト・コールド・トゥ・セイ・アイ・ラヴ・ユー」は、時間の関係でできなかった、という。なんだ。(笑) 全体的にゆるい感じで進行していたので、スティーヴィーのライヴでも見て、全体的な流れを参考にするといい。スティーヴィーは後半のメドレーで一気に煽るからねえ。

■過去スティーヴィー関連記事

(2007年2月のジャパン・ツアー総力取材記事。全部読むと相当読み応えがあり、スティーヴィー博士になれます(笑))

February 18, 2007
Stevie Wonder Live: Yokozuna Of Musician
http://blog.soulsearchin.com/archives/001594.html
スティーヴィーの前回来日ライヴ評。ここに過去スティーヴィー関連記事一覧があります。

February 19, 2007
Stevie Wonder: Day Two: "Because I Like It"
http://blog.soulsearchin.com/archives/001601.html

February 20, 2007
Stevie Wonder Live: Secret Of His Live Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001602.html

February 21, 2007
Stevie Wonder In Nagoya: Sings "Lately" Finally
http://blog.soulsearchin.com/archives/001603.html

February 23, 2007
Special Jam Night; Stevie Wonder’s Band: Music Is My Hobby
http://blog.soulsearchin.com/archives/001605.html

February 25, 2007
Stevie Wonder At Sendai: Show Dedicated To His Mother
http://blog.soulsearchin.com/archives/001607.html

February 28, 2007
Stevie Wonder Osaka Setlist: 4 Songs In A Row From "Innervisions"
http://blog.soulsearchin.com/archives/001610.html

March 01, 2007
Stevie Wonder Japan Tour: It Was A Mini "Innervisions" Tour
http://blog.soulsearchin.com/archives/001611.html

■最近のベスト 『ディフィニティヴ・コレクション』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006RJ2G/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

WE Love Stevie Wonder
(Vo/Key)Kaleb James (Pf/Key)秋谷えりこ (Ds)JAY Stixx (B)滝元堅志
(G)マサ小浜 (Sax/Fl)Andy Wulf (Vo)Yuri、Sayulee、Gary Scott

■Setlist : We Love Stevie Wonder: Tribute: March 29, 2010
セットリスト
[ ] denotes singer

show started 19:44
01. Higher Ground (Instrumental)
02. Another Star (Instrumental)
03. As [Kaleb + Yuri + Sayulee]
04. Isn’t She Lovely [Gary]
05. Ribbon In The Sky [Kaleb]
06. Send One Your Love [Sayulee]
07. Superwoman [Kaleb]
show ended 20:40

show started 21:15
01. Contusion (Instrumental)
02. Too High [Kaleb]
03. Medley: Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours [Kaleb]
Until You Come Back To Me [Yuri]
It’s A Shame [Gary + Yuri]
If You Really Love Me [Kaleb]
Betcha Wouldn’t Hurt Me [Yuri]
All I Do [Kaleb]
04. Spring High (Instrumental)
05. If It’s Magic [Gary & Kaleb]
06. Living For The City [Kaleb]
Enc. Supersitition [Gary]
Enc. I Wish [Kaleb]
show ended 22:25

(2010年3月30日火曜、目黒ブルース・アレイ=ウィ・ラヴ・スティーヴィー・ワンダー・トリビュート)
ENT>MUSIC>LIVE>We Love Stevie Wonder Tribute
2010-48
【Shiina Junpei & Soul Force Live At Motion Blue】

ゴツイ。

けっこうよく遭遇するシンガーながら、本人のフル・ライヴはまだ見たことがなかった椎名純平さんが、彼のバンド「ソウル・フォース」でのライヴをやるという。本人と奇しくもキーボードのスインゴー(Swing-O)氏からもお誘いいただき、横浜モーション・ブルーへでかけた。椎名さんには、マーヴィン・ゲイの自伝『マーヴィン・ゲイ物語~引き裂かれたソウル』の書評を、週刊文春で書いていただき大変お世話になりました。その節はありがとうございます。

さて、ドラムス、ギター、ベース、キーボードの4人にスペシャル・ゲストでソイル・アンド・ザ・ピンプスからトランペット、サックスが参加。本人もキーボードを弾きながらヴォーカルを担当。今回はほとんど新曲ということで、僕も初めて聴く曲ばかりだったが、アップテンポの曲も、ミディアムテンポの曲も、どれもものすごくグルーヴ感があって、ときにファンキーですごくソウルフルだった。ギターが木下航志くんの品川教会のライヴでお世話になった武内さんだったのだが、そのときとはまったく違った感じのファンキーさでびっくりした。

ドラムスの白根くん、ベースの鈴木さん、そして、キーボードのスインゴー、そして、ゲストで入ったサックス(元晴)とトランペット(ダブゾンビ)(いずれもソイル・アンド・ザ・ピンプスのメンバー)の2人も、たぶん黒い音楽への理解が一致しているので、きちんとこうした音が出せるのだろう。つまり、ミュージシャンたちが音のイメージと方向性をしっかりと共有しているわけだ。すばらしい。

おもしろかったのが、白根くん以外、全員帽子を被っていたこと。スインゴー氏の意見で、メンバーそれぞれが自分自身の考えるソウルフルさをファッションに取り入れるということで、この日のファッションをそろえたそうだ。

椎名さんは滑舌よく、日本語詞がはっきり聴こえる。たとえば、「キスはせつなく」では、「キスは切なく後を引くのがいいよね。何も言わないで今は唇だけで語り明かそう」とか、「ゴキゲンナナメ」での「同じ部屋にいるのに、そこにはベルリンの壁、ごっきげん・なな~~め」などの、ちょっとしたフレーズがソウルフルな声とともに印象に残る。「奇跡の庭」という曲は、モータウン・サウンド(シュープリームスの「ユー・キャント・ハリー・ラヴ」など)を思わせるリズムパターンでポップだった。

なお、この日彼が歌った楽曲については、彼自身が本人のブログで後日曲解説を書くとのこと。

彼がMCで「分厚いバンド、ゴツイ・サウンド」と言っていたこのバンドは、まさにその言葉通り。後は、これをどうやって広めていくか、ということですね。こういうバンドで、武道館とまでは言わなくとも、500人~1000人入ると状況は変わるような気がする。ぜひがんばって欲しい。

■椎名純平ブログ
http://blog.goo.ne.jp/shiinajunpei/

■ メンバー

Shiina Junpei & The Soul Force /椎名純平 & The Soul Force
椎名純平(vo,electric piano)、竹内朋康(g)、鈴木 渉(b) 、白根佳尚(ds)
ゲスト:SWING-O(key)、タブゾンビ(tp)、元晴(sax)

■セットリスト 椎名純平&ザ・ソウル・フォース @モーション・ブルー、2010年3月28日(日)
Setlist

show started 20:36
00. Intro
01. Eyes On Me
02. To The Limit
03. Rainbow Eyes
04. キスはせつなく
05. Shine Shine Shine
06. やみつきスピード
07. ゴキゲンナナメ
08. 奇跡の庭
Enc. Bluebird Lady (Swing-O on piano)
Enc. (Jam session)
Enc. ショウタイム
show ended 22:04

(2010年3月28日日曜、横浜モーション・ブルー=椎名純平&ソウル・フォース・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shiina, Junpei & Soul Force
2010-47
○『山野ミュージック・ジャム』最終回を迎えて~花束にブルーローズ

【Yamano Music Jam Final After 8 Years】

最終回。

昨日(2010年3月28日)、毎週インターFM(東京地区76.1mhz)で午後1時から3時まで放送している『ソウル・ブレンズ』内のコーナー「山野ミュージック・ジャム」が最終回を迎えた。2002年4月から始まり、丸8年、416回オンエアした。

記念すべき第1回はサム・クックのベストアルバムだった。第2回はまだリリースされたばかりのノラ・ジョーンズのデビュー作。その時点ではまだブレイクしておらず、かなり早い時期の紹介だった。

8年もあると、さまざまな思い出が去来する。シンスンフンなどを紹介するときに、『ソウル・ブレンズ』の後番組『Kジェネレーション』の古家さんには大いに助けていただいた。生ゲストがいらっしゃったことも多数あった。毎年7月から8月にかけてのビッグバンド関連の2ヶ月は、完璧に僕にとってはアウェイという話しは、昔からしていた通り。(笑)

勝手にキャッチフレーズも途中から思いつきで始めたが、最後のラインの「山野楽器へ直行」というフレーズは、海外アーティストにも言ってもらったりして、けっこう定着したのが嬉しい。

ちーちゃんに、訳詞を読んでもらったこともあった。確か「スターダスト」、「アローン・アゲイン」もお願いした。さすがに「読み」がうまいちーちゃんに詞を朗読してもらうとぐっと雰囲気がでる。

昨日は最終回ということで、関係者に多数お集まりいただき、最後には、僕や山野楽器の担当長谷部さんに花束、おみやげなどをいただいた。ありがとうございます。毎週欠かさずお聴きいただいた押阪忍さん、栗原 アヤ子さんご夫妻、SOプロのオールスター・スタッフら大勢にお集まりいただきありがとうございました。そして、山野楽器さん、8年間、ご提供いただきありがとうございました。

ところで、花束をふたついただいたのだが、家に帰って広げたら、なんと、その中にブルーローズが一輪あるのを発見。ブルーローズは奇跡の花。いやあ、感動しました。

さて、来週からは、装い新に『ソウル・サーチン』のコーナーが復活します。以前しばらくやっていたコーナーです。毎週、僕がそのときの話題のソウルネタ、来日アーティストや、インタヴュー、ソウル映画など、ご紹介していきます。ま、すべて「ホーム」ネタになりますので、安心してお聴きください。(笑)時刻は同じく2時半の予定です。

ENT>RADIO>Soul Blends

◆クール&ザ・ギャング・ライヴ@ビルボード~すべてヒット曲のパーティー

【Kool & The Gang: All The Hits Keep On Coming】

ヒット。

ニュージャージーのパーティー・バンド、クール&ザ・ギャング久々の来日公演。来日自体は2004年12月大阪、福岡などのブルーノート出演以来5年3ヶ月ぶり。東京地区では1997年9月ヴェルファーレ以来12年半ぶりになる。そんなになるか。ただ、その間もリード・シンガーだったJTテイラーが2000年代には6回以上来日してクール時代の曲を多数やるので、クールのヒット曲を生で聴いていた印象はある。とは言うものの、本家のバンドで聴くのは久しぶりなので、改めてバンド・サウンドはいいなあと感じる。ただし、今回のクールには、JTははいっていない。

クールは、1975年の初来日中野サンプラザから見ている。あのときは、「ファンキー・スタッフ」「ジャングル・ブギー」などがディスコで大ヒットしていたので、ものすごく盛り上がった。「サマー・マッドネス」を延々と10分近くやっていたような気がする。パーティー・ソングの洪水の中に、あれだけ、ぽっとオアシスのように清涼飲料水のごとくセットリストの入っていたのでものすごく印象的だった。

その後も、来日のたびに見ていると思う。1986年には、はるばるシンシナティーまで見に行ったこともある。JTは、有明MZAにも来ていた。あれは、クールと一緒だったか、いや、ソロだったかな。JTがソロで来たり、グループで来たりと来日回数は多いので、日本でもなじみのバンドだ。インタヴューも何度もした。

さて、イントロでヒット曲がフラッシュで次々に1-2小節ほど流れ、おもむろにメンバーが登場。一挙にパーティーのスタート。次々と繰り出されるダンス・ナンバー、そして、そのいずれもが大ヒット曲ばかり。まさに、ヒット曲ですべてショーをぐいぐいともって行く、そんな感じだ。一階は最初から立ち上がり、盛り上がる。バンドの演奏が多少荒っぽくても、これだけのヒットを立て続けに演奏すれば、パーティーはまちがいなく盛り上がる。リーダーのベース、ロバート・ベルは白いスーツでかっこよく決めていた。ドラマーが若いせいか、あんまりギトギトのファンクっぽい雰囲気ではなかったのが意外。

ライヴが終わっても、メンバーはなかなかステージから降りずに、ファンと握手を交わしていた。大量のダンス・ヒットで煽るステージは、観客の熱狂を生み出した。個人的なリクエストとしては、初期のヒット、たとえば、「ファンキー・スタッフ」「ジャングル・ブギー」「ハリウッド・スウィンギン」、日本で人気の「チョコレート・バターミルク」なんかを聴きたい。次回来日時には、ぜひ若干のセットリストの追加をお願いしたい。何しろ、60分ではヒット曲、やりきれないわけだから。(笑)

(のりのいいライヴに行く前には、ワイルド&ジューシーなハンバーガーかなんかで元気をつけるに限る。あるいは、ギトギトのフライド・チキンでもよい。そのお供はチョコレート・バターミルク)

■過去関連記事

クール&ザ・ギャング『クール&ザ・ギャング・プレゼンツ・ギャングランド』2001年のCDのライナーノーツ原稿
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/linernotes/kool20010821.html

January 10, 2008
“Spirit Of The Boogie” Live At Blues Alley
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_01_10.html

January 11, 2008
“Chocolate Buttermilk” (Kool & The Gang) Story: Music Comes And Goes
【『チョコレート・バターミルク』ストーリー】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_01_11.html

June 27, 2006
Claydes "Charles" Smith Of Kool & The Gang Dies At 57
【クール&ザ・ギャングのオリジナルメンバー、チャールス・スミス死去】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001095.html

■クール&ザ・ギャング『ワイルド&ピースフル』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000001E44/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー
(+)は、オリジナル・メンバー、もしくはそれに順ずるメンバー。

ロバート・クール・ベル / Robert Kool Bell(Bass)(+)
ジョージ・ブラウン / George Brown(Keyboards)(+)
デニス・トーマス / Dennis Thomas(saxophone/ Vocals)(+)
ショーン・マッキラー / Shawn McQuiller(Vocals/Guitar)
ラヴェル・エヴァンス / Lavell Evans(Vocals)
エミール・ベイヤン / Amir Bayyan(Guitar)(+)
カーティス・ウィリアムス / Curtis Williams(Keyboards)(+)
ブロデリック・ギッテンス / Broderick Gittens(Trumpet)
クリフォード・アダムス / Clifford Adams(Trombone)(+)
ティモシー・ホートン / Timothy Horton(Drums)

■セットリスト クール&ザ・ギャング@ビルボード
Setlist: Kool & The Gang, March 26, 2010

show started 21:36
00. Intro: Flash Medley of Hits Of Kool & The Gang: Hollywood Swinging ~Jungle Boogie ~ Funky Stuff ~ Open Sesami~ Summer Madness ~ Joanna ~ Too Hot ~ Fresh ~ Cherish ~ Ladies Night ~ Get Down On It ~ Celebration
01. Fresh
02. Tonight
03. Emergency
04. Misled
05. Joanna
06. Too Hot
07. Open Sesami
08. Jungle Boogie
09. Cherish
10. Ladies Night
11. Get Down On It
Enc Celebration
show ended 22:39

(2010年3月26日金曜、ビルボードライブ東京=クール&ザ・ギャング・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kool & The Gang
2010-46
【Gerald Albright : Funky, Cool & Smooth】

クール。

きっちりしたリズム、叫ぶサックス、泣くサックス。ヴェテラン・サックス奏者、ジェラルド・オルブライトのソロ・ライヴ。何度か、サポートアクトとしても来日し、また単独でも何度かやってきている。

同じサックスでも、たとえば、メイシオ・パーカーなどよりは、メローで洗練されていて、メイシオまでファンキーではなく、かといってケニーGほど、白っぽくない、そんな立ち位置のサックス奏者。まさに、スムース・ジャズというのにぴったりかも。

「さあ、みんな、指をこういう感じで鳴らしてくれ」と言って始めた曲は「バミューダ・ナイツ」。あるいは、「昨日、ここに来てくれたお客さんからリクエストされた曲をやろうと思う。その彼らは、あそこに座ってるようだ。(笑)」と説明して始めたのが、ジョニー・ギルの大ヒットで知られる「マイ・マイ・マイ」。曲がいいだけに、これは、ジェラルドのサックスも特にむせび泣く。途中で、サックスを吹くのではなく、吸っているのか、おもしろい音をだしていた。この日、一番よかったパフォーマンスだ。

また、モータウンで活躍したサックス奏者、ジュニア・ウォーカーに捧げる作品として「ウォーカーズ・シーム」をやり、彼にトリビュート。6曲目は、2010年6月15日に発売される14作目の新作からで、ハイチの人へ捧げる作品だと言ってからプレイした。アンコール曲、レイ・チャールズの「ジョージア・オン・マイ・マインド」は、後半からジェームス・ブラウン、メイシオなどのリフを織り交ぜ、盛り上がってショーを終えた。

(で、このあと、築地に海鮮丼、行ったわけです(笑))

■過去関連記事

October 12, 2005
Gerald Albright Live: Picked Up A Piece Of Soul
http://blog.soulsearchin.com/archives/000577.html
(2005年8月28日日曜、ブルーノート東京・セカンド=ジェラルド・オルブライト・ライヴ)

■ ベスト・アルバム

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000VXWHN4/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー

Gerald Albright (Sax)
Tracy Carter (Keyboards)
Mevlin Davis (Bass)
Judge Williams (Drums)

■ セットリスト: ジェラルド・オルブライト@コットンクラブ
Setlist : Gerald Albright @ Cotton Club, March 25, 2010

show started 21:31
01. To The Max
02. Bermuda Nights
03. My, My, My
04. Walker’s Theme
05.
06. Road To Peace
07. Highway 70
Enc. Georgia On My Mind -- A riff of James Brown
show ended 22:48

(2010年3月25日木曜、丸の内コットンクラブ=ジェラルド・オルブライト・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Albright, Gerald
2010-45


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