【グレン・ジョーンズ・ライヴ】

贅沢。

1989年5月、1990年11月(エムザ有明)、その後、90年代中期にヴェルファーレでエリシャ・ラヴァーンとのジョイント・ライヴ(1998年7月?)、その他、クラブ・チッタでのライヴもあったという、意外とよく日本に来ている本格派シンガー、グレン・ジョーンズのコットン初登場ライヴ。1988年にはインタヴューもしていた。

しかし、オープニングからいきなりスティービーのカヴァー「サインド・シールド・・・」には驚いた。しかも、そこにはいない女性コーラスの声が録音で聞こえてくる。本物の女性コーラスのシンガーが欲しい。うむ、いいシンガーだけに・・・。

ドラムス、ギター、ベース、キーボードにグレン・ジョーンズというオンステージは5人。全10曲中、カヴァーが5曲。これだと普通のトップ40シンガーになってしまうのでは。う〜む、いいシンガーだけに・・・。

ライヴ後は、サイン会になったが、2−30人はサイン会に並んだのではないか。それだけ、熱心なファンが多かったということの証だ。実力派グレン・ジョーンズ。さすが、いいシンガーだけはある。

そこで、サイン会の最後にちらっと尋ねた。なぜコーラスを連れてこなかったのですか。「ああ、ビジネス的な・・・」 「予算の問題ですか(笑)」 「まあ、そういうことだ(笑)」 連れて来れなければ、日本在住のソウルシンガーを起用する手もある。カヴァー半分は多すぎない? 「いや、みんながどこまで僕の曲を知っているかわからないので。誰もが知ってる曲とのバランスをとったんだよ」 「なるほど、でも、ファンのみんなはあなたのオリジナルを聴きたいと思っていますよ」 「So you want my music! I gotcha(君たちは僕のオリジナルが聴きたいんだね。わかった)」

「最後に日本に来たのはいつですか」と尋ねると、マネジャーとともに「ちょうど、今、それを考えていたところなんだ」。僕が「1990年のエムザのライヴは、ひじょうによく覚えています」と言うと、「おお、イエー、あの時は、ジェノビア・ジーターと一緒に来たんだ」。彼女は、今、独自に活動していて、グレンのレコーディングにはつきあうが、ライヴには帯同しないという。「以前、(彼女とは)結婚していたんだよ」と彼が言ったので、「はい、知ってますよ」と答えた。どうやら、今は別れているようだ。

「グレンはずっと好きで全部アルバム持ってます。『イン・ユー』聴きたかったなあ」というのは、ラッパー下町兄弟の工藤さん。別席でライヴを見ていたソウルメイトIさん。「レコードと寸分違わずに歌うでしょう。だから、目をつぶって聴いていると最高ですよ。で、目を開けると本物のグレンがそこにいる。これは最高の贅沢でしょう」 おっしゃる通り。

■グレン・ジョーンズ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000070CS/soulsearchiho-22/ref=nosim

■メンバー
Glenn Jones(vo), Antonio Walker(key), Stephen Bethany(g), Antwaune Davis(b), Edward Cleveland(ds)

■Setlist : Glenn Jones @ Cotton Club, May 24, 2007
セットリスト グレン・ジョーンズ コットン・クラブ

show started 21:35
01. Signed, Sealed Delivered And I’m Yours (including a riff of "Sir Duke") [Stevie Wonder]
02. We’ve Only Just Begun
03. Here I Go Again
04. What’s Going On [Marvin Gaye, Donny Hathaway]
05. Nobody Wants You When You’re Down And Out [Bobby Womack]
06. I Love You More Than You’ll Ever Know [Donny Hathaway]
07. Show Me
08. Baby Come Home
09. I’ve Been Searchin’ (Nobody Like You)
Enc. I Wish [Stevie Wonder]
show ended 22:40

(2007年5月24日木曜、丸の内コットン・クラブ=グレン・ジョーンズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Jones, Glenn
2007-67