【ガッツ、マル、シャンティらそれぞれライヴ】

ライヴ。

これまでに『ソウル・サーチン』に参加してくれたさまざまなミュージシャンが次週あたりからあいついで、それぞれのライヴを行う。ガッツ、マル、そして、シャンティーとまとめて3本ご紹介。『ソウル・サーチン』でお気に入りになった方は、ぜひ単独ライヴへ足をお運びください。

ライヴ実施日順に。まず、ガッツ。今回のライヴは、前回昨年暮れに横浜モーション・ブルーで行ったホーン・セクションをいれたフル・バンド形式のライヴ。5月9日(水曜)に目黒のブルースアレーで行われる。今回は、カヴァーが中心になるというので、かなりのソウル・カヴァーが聴かれることになりそうだ。

ガッツの昨年のモーションでのライヴ映像の一部がインターネットのテレビ局レムTVで見られる。

http://movie.remu-tv.com/report/

続いて、5月14日(月)に渋谷のプラグで行われるのが、マルのライヴ。ドラムス、ギター、キーボード、ベースに、マルのヴォーカル。さらに、バックコーラスにオリヴィアが参加。ソウルフルな歌声を聴かせる。この日はオープニングにケオ(Keo)こと、タケオが登場。ネオ・ソウル的な夜になりそうだ。

そして、5月16日(水)に目黒のブルースアレーで行われるのが、シャンティーの単独ライヴ。これにバック・バンドがつく。しかも、フィリップ・ウーとハンク西山、ドラムスに若手の白根佳尚、ベースが渡邊裕美という強力バンド。シャンティーがブルースアレーでフル・ライヴを行うのは初めて。

■GATS

BLUES ALLEY JAPAN Players Nite〜GATS soul vibrations〜

2007年5月9日(水)
目黒・ブルースアレー 19時半、21時15分 (2セット入れ替えなし)
http://www.bluesalley.co.jp/ 
〒153-0063 東京都目黒区目黒1-3-14
ホテルウィング・インターナショナル目黒B1F
電話  03−5740-6041(予約専用電話) お店03-5496-4381

(Vo/G)GATS (Harmonica/Key)西脇辰弥 (B)日野“JINO”賢二 (Ds)高田真 (Per)木村“キムチ”誠 (Tp)小林正弘、佐久間勲 (Sax)竹上良成 (Cho/G)渕上祥人 (Vo)音音(nene) ★Special Guest (G/Vo)森広隆
※予定していた(Vo)有坂美香は、都合により出演できなくなりました

前売・当日共通 テーブル席(指定)5,500 立見(自由)4,500 (各税込) 

ガッツ・オフィシャル
http://gats.tv/GATS.TVSHOW.html

■ マル
2007.5.14 (Mon.)
maru’s Live
OPEN/START 19:00/19:30
CHARGE ¥2,500+1drink
PLACE PLUG shibuya
東京都渋谷区神南1-23-13-B2
03-5428-9188
http://www.shibuya-plug.tv/top.html
opening act TAKEO(KeO)+Mana

メンバー
MARU(vo) 林田pochi裕一(keys) 渥美幸裕(guitar) 坂本竜太(bass) 天倉正敬(drums) Olivia(vocal)

マル・オフィシャル
http://www.marudiva.com/

■ SHANTI+PHILIP+HANK ~keep it soulful~

2007年5月16日(水曜)
目黒・ブルースアレー 19時半、21時15分 (2セット入れ替えなし)
http://www.bluesalley.co.jp/
(Vo)SHANTI (Key)PHILIP WOO (G)西山“HANK”史翁 (B)渡邉裕美 (Ds)白根佳尚

前売・当日共通 テーブル席(指定)4,000 (税込)

シャンティー・オフィシャル
http://snydersmarket.com/shanti.html

フィリップ・ウー
http://blog.goo.ne.jp/philipwoo

ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT
【はたけやま裕&円道一成ライヴ】

イメージ。

女性パーカッション奏者、はたけやま裕さんがライヴをやるというのででかけた。しかも、円道一成さんとのジョイント(正確には、ゲスト出演)で、「ジェームス・ブラウン・トリビュート」だという。はたけやまさんは、以前から僕の中では「日本のシーラE」的なイメージを勝手にもっていて、そういう迫力のあるパフォーマンスに注目している。

しかし、常々聞く側は勝手だなと思う。僕が日本のシーラEと思っても、本人はピアソラやイーグルスなどもやってしまうところがおもしろい。たぶん、聞く側がアーティストのイメージを限定してしまうのだろう。タイトルは「ジェームス・ブラウン・トリビュート」だったが、ブラウン曲は4曲くらいだったので、ちょっと肩透かしだったが、円道さんのソウルフルなヴォーカルが炸裂したのでまあ、いいでしょう。(笑) 

ライヴは、円道さんが入って、ウィルソン・ピケットやジェームス・ブラウン、その他のR&Bヒットを歌うと、一挙に熱気あふれる空気が爆発しそうになる。彼が「この会場をアポロ・シアターにしましょう」と宣言するとどんどん温度は上昇だ。円道さんは、しかし、エンタテイナーだ。観客をぐっとつかみ、歌わせ、立たせ、楽しませるのが実にうまい。観客に「みんなで歌おう」と言って歌わせるところなんか、実に手馴れたもの。

彼はジェームス・ブラウンより、さすがにウィルソン・ピケットのほうが歌いこんでいるせいか、どんぴしゃだ。

僕個人としては、裕さんが黒人ばかりのバンドの中で演奏するところを見てみたい。

■過去関連記事

(円道一成さん関連)

2003/11/30 (Sun)
Album Between Elbert & Errison
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20031130.html

February 16, 2006
Endoh Issei Live: He’s Been Singing Soul Music For More Than Quarter Century
http://blog.soulsearchin.com/archives/000837.html

■はたけやま裕オフィシャル・ウェッブ
http://www.tatakiyama.com/profile.htm

■メンバー 

はたけやま裕 (パーカッション)
円道一成 (ゲスト・ヴォーカル)
今野勝晴 (キーボード)
渡邊裕美 (ベース)
伊勢賢治 (サックス)

■Setlist : Hatakeyama You & Endo Issey @ノヴェンバー・イレヴンス May 1st, 2007
セットリスト はたけやま裕 & 円道一成

First Set
show started 19:42
01. The Chicken (Including a riff of "Sex Machine") (James Brown)
02. Milonga del Angel(Astor Piazzolla) (天使のミロンガ =ピアソラ)
03. In The Midnight Hour (Wilson Pickett) (ここから円道一成)
04. When Something’s Wrong With My Baby (Sam & Dave)
05. Papa’s Got A Brand New Bag (James Brown)
show ended 20:41

Second set

show started 21:01
01. Cold Sweat (James Brown)
02. Rain (including a riff of "Lickin Stick") (「レイン」は円道一成オリジナル)
03. Stand By Me (Ben E. King) (円道一成ここまで)
04. Desperado (Eagles)
05. Maria Cervantes (A Noro Morales) (Tito Puente)
Enc. Soul Dance Number Three (Wilson Pickett) (円道一成アンコール3曲メドレー)
Enc. I Feel Good (James Brown)
Enc. Land Of 10,000 Dances (ダンス天国) (Wilson Pickett)
show ended 22:07

(2007年5月1日火曜、赤坂・ノヴェンバー・イレヴンス=November Eleventh、はたけやま裕・円道一成ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hatakeyama, You & Endo "Shark" Issey Live
2007-54
【いらないものを棄てる大掃除の巻】

大掃除。

このゴールデン・ウィーク、なんと僕は大掃除に突入。前から大掃除をしなければと思っていたが、なかなかできないでいた。

しかし、ぐちゃぐちゃになっているCDやら、DVDやら、紙資料、本・雑誌などを整理するのだが・・・。ところが、まだ封を切ってない郵便物があったり、古いビデオテープに何も書いてないので、なにがはいってるかわからず、チェックしてみたり、まったくはかどらない。あ〜〜。

ビデオやカセット、最近だとMD、CDRには、必ず録音録画したものをすぐ書いておかないとダメ、ということは百も承知なのだが、なかなかこれができていない。くく〜〜〜。

CDRはけっこうすぐに白いのでマジックとかでかけるけど、MDとか、なかなかかけないかも。あと、CDもので、音楽のCDとデータのCD、写真とかそういうのが入ってるのとかも、うまいこと区別つけないとまずい。みんなま形が一緒だから、大変だ。ぎゃああ〜〜〜〜。

自分が書いた原稿が載ってる雑誌やら新聞やら、一応キープしてるんだけど、もう文字データはあるし、いいかなあ、という気も。僕はワープロを1986年9月から使い始めたので、それ以降のものはほとんど、昔使っていたワープロのフロッピーに入ってる。ただ現在のパソコンでは、一度MS-DOS化しないと読み込めないのでそのままになっている。もちろん、原稿を送った後、校正したり、直したものは、ここには入っていないことも多い。部屋の掃除も大事だが、このあたりのデータを変換してCD化するのも重要だ。うううっ〜〜。

意を決して昨日棚を買いに行ったら、なんと在庫なしで2−3日後に到着だそうで。そういうことがあると、すぐにくじけるものである。げええっ〜〜〜〜〜。

ESSAY>
【スライ、紙ジャケットで一挙に8枚リリース】

新装真相深層。

60年代後期から70年代初期にかけてセンセーショナルな話題を巻き起こしたブラック・ロックの革命児、スライ・ストーンとそのグループ、ファミリー・ストーンがCBSに残したアルバムから8枚がこのほど紙ジャケット仕様になり、2007年5月2日、日本発売された。

今回の紙ジャケは、新発表のボーナストラック、日本盤が最初にリリースされた時の「帯」も再現、さらに、英文書き下ろしライナーとその翻訳、日本語版書下ろしライナー、リリース当初はかなり間違いが多かった歌詞カードも聞き取りなおし、対訳やり直しといった具合で、ファンとしては相当嬉しい充実の内容になっている。2007年デジタル・リマスターでしかも値段は今までのプラスチック・ケースの廉価盤と同じ1890円。

やはり、再発、紙ジャケのリリースはこれくらいの「仕事」をしていただくのが望ましい。(笑) 文句なしのいいお仕事である。

僕のところにも、しばらく前に、担当者から当時の日本盤の帯をお持ちでないですか、と問い合わせがきていた。調べたら、当該のアルバムは僕は輸入盤で持っていたので、残念ながら協力はできなかったが、8作、すべて帯がついているので、どこかで探せたのだろう。

しかし、昔の歌詞カードと今回の歌詞カードをちょっと見比べてみたが、ものすごいちがいだ。(笑) もちろん、違った聞き取りを元に対訳ができているから、雲泥の差がでる。そうか、こんな意味だったんだなんて歌詞の真相もわかる。

ジャケット新装で歌詞の真相もわかって、スライの音楽の深層にも迫れるという一石三鳥の紙ジャケCD8枚だ。スライ作品、お持ちでない方はもちろんのこと、お持ちで研究してみたい方もぜひ。

■制作担当・白木さんのブログ (制作過程が書かれています)
http://ameblo.jp/high-hopes/theme-10003071822.html

■ スライ&ファミリー・ストーン 『暴動』
(8枚のうち、どれかと言われればやはり、『暴動』と『スタンド』でしょう。しかし、順に聴かれることをお勧めしたいところ)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000NVL956/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ スライ&ファミリー・ストーン 『スタンド』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000NVL94W/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>MUSIC>ALBUM>Sly & Family Stone
ENT>MUSIC>ARTISTS>Sly & Family Stone
【LPレコードがまだ新しかった時代】

LP。

昨日ご紹介したスライ&ファミリー・ストーンの一連の紙ジャケット・シリーズだが、その中には、当時のLPレコードの中袋をそのまま再現したものがある。ここに書かれている文言がまたおもしろい。まだシングル中心の時代で、LPレコード(30センチのアナログのこと)がそれほど普及していない時代のことだ。

例えば〜

「LPレコードは、簡単に曲が選べます。あなたが聴きたい曲を1曲でも、片面だけでも、何度でも聴けます。あなたがすべきことは、トーン・アームを持ち上げて、お望みの曲のところに置くだけ。レコード以上に(このような選曲が)簡単にできるものはありません」

おそらく、カセット(まだ普及してないか)、オープンリールのテープあるいは、8トラックテープなんかと比べるとLPの曲のピックアップは飛躍的に簡単だったわけだ。CD時代ならもっと簡単だけど。(笑) 

今ならこうなる。「CDは簡単に曲が選べます。あなたが聴きたい曲を1曲でも、全曲だけでも、何度でも聴けます。あなたがすべきことは、リモコンのスイッチを聴きたい曲の数字に合わせるだけ。CD以上に(このような選曲が)簡単にできるものはありません」

「LPレコードは、1948年に出現して以来、見た目は同じようですが、まったく違います。LPレコードは幾多の技術的革新を経て、最高の音質を提供しています」

今だったらこう書きなおせるかな。「CDは1982年に出現して以来、見た目は同じようですが、まったく違います。CDは幾多の技術的革新を経て、最高の音質を提供しています」

「LPレコードは、ひじょうに魅力的で、勉強にもなり、保存が簡単です。LPは、置き場に困ることもありません。魅力的なジャケットデザインゆえにご自宅のどんなリヴィング・ルームにも飾ることができます。そして(ジャケットの)裏側には、アーティストやパフォーマンス、内容について詳しく書かれた勉強になる情報が書かれています。薄く平らなものであるために、何百枚になっても保存に場所を取ることはありません。そして、最小限の場所に置かれても、すべてのタイトル(ジャケットの背文字のこと)を読むことができます」

いやあ、でもね、100枚、200枚〜1000枚となると、かなり場所を取りますよ。(笑) それで苦労してるんだから、こっちは。

「すべてのアルバムは、ショーそのものです。入場料をひとたび払ってしまえば、あなたは何度でもそのショーを楽しむことができます」

そして、その裏ジャケットには計36枚のLPジャケットの写真が掲載されている。

これらの文章もそのままCDに置き換えられる。しかし、LPをショーそのものに言い換えて、ライヴショーは1回しか楽しめないけど、1回の入場料で何回でも楽しめる、っていう言い方がすごい。(笑) 

ところで、LPとは、もちろん「ロング・プレイング(長時間プレイ)」の略。今のCDはLPの倍以上長時間プレイできるのだから、「スーパー・ロング・プレイング」、略してSLPって感じですね。

■上記の中ジャケットが封入されている『ダンス・トゥ・ザ・ミュージック』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000NVL94C/soulsearchiho-22/ref=nosim

■スライ&ファミリー・ストーン紙ジャケット 5月6日・日曜の『ソウル・ブレンズ』(インターFM76.1、午後3時〜5時)内「山野ミュージック・ジャム」(午後4時半〜)でご紹介します。

ENT>MUSIC>ESSAY
ENT>MUSIC>ARTIST>Sly & Family Stone

Big Clean Up (Part 2) 

2007年5月6日
(5月3日付け日記の続き)

【1年使わないものは、必要ないか】

棄てる派。

頼んでいた棚が昨日到着して、早速作ってみた。意外と簡単で最初の1個目は30分程度でできた。2個目は慣れたもので、20分弱。3個目は15分。

しかし、その棚を届ける宅配の人が朝8時すぎに、「今日の12時から14時の間におうかがいしますので」と留守電に入れていたのには参った。(笑) いや、別にそれはそれでいいんですが。朝8時過ぎにうちの電話が鳴ったんで、何事かと思ってしまいました。(笑) 

それよりも、かなりのものを棄てているのだが、まだまだ足りない。棄てが足りない。しかし、一番困るのがCDだ。周囲の音楽関係者などに聞くと、CDを棄てるのには、ジャケットの紙をはずさないといけないらしい。つまり燃えるごみと燃えないごみの分別だ。僕はいままで一度もCDやレコードを棄てたことがない。カセットはさすがに棄てることができるようになった。(苦笑) とりあえず、使わないCDはダンボールにいれて、トランクルームにしまいこむ。

しかし、トランクルームにしまいこまれたCDは、決して日の目をみることはないだろうなあ。ということは棄ててもいいということになるのだが・・・。いつか使うことがあるのではないだろうか、などと思ってしまう。そこまでなかなかふんぎれない自分がちょっと情けない。

よくある整理本の類には一年使わないものは、その後もまず使わないから、棄ててよろしい、などと書いてある。それはほとんどあたっているのだが、ことレコード、CDに関していうと、それはあてはまらない。あるアーティストの新作が5年ぶりだったりすると、5年前の音源が必要になるのだ。4年以上使わないものでも、5年目に必要になることがある。

まあ、だからCDなども棄てられないんだけど。だいたい、何でもばんばん物が棄てられる人がうらやましい。うちの父親は何でもとっておく派、母親は対照的に何でも棄てられる派。僕はその点、父の血を継いだようである。(笑) 

ESSAY>
【スライのグループ名の由来は】

反体制。

昨日の『ソウル・ブレンズ』内「山野ミュージック・ジャム」のコーナーでスライ&ザ・ファミリー・ストーンの紙ジャケット8枚を紹介した。DJマーヴィン、ちさとたちとの会話で、なかなかおもしろかったのが、なんで「スライ&ファミリー・ストーン」というグループ名なのか、というマーヴィンの疑問だった。

グループ名に関しては、そういえば、解説にも書かれていなかったと思ったが、まず、スライは、彼の本名シルヴェスター(Sylvester)をもじったもの。Syl を Slyにした。Sly は、「口八丁な」とか、「ずる賢い」みたいな意味がある。ソウル・グループで、スライ・スリックド&ウィックド(Sly, Slicked & Wicked)というグループがいる。スライもスリックも、ウィックドも似たような意味だ。

またスライのファミリー・ネームは、スチュワートなので、その音がちかいことからストーンになったのだろう。と同時に、「ストーン」という言葉には、酒に酔う、ドラッグでハイになって気持ちよくなる、ハイになってごきげんになる、という意味がある。1967年ごろといえば、まさにヒッピー文化が盛り上がり始めたころ。誰もが、ドラッグ、マリファナなどをやってハイになって、ストーンになっていた時代。ヒッピー言葉のひとつでもある。

だから、グループ名「スライ&ファミリー・ストーン」は、「スライとその酔っ払った、ドラッグでハイになっているファミリー(仲間)たち」と言った意味だろう。まさにヒッピー時代らしいグループ名だ。といったような解説をした。

そして、サンフランシスコあたりから起こり始めたヒッピー文化に影響を受けた黒人はいるのか、という僕の疑問にはマーヴィンがいろいろ答えてくれた。僕自身、ヒッピーというと、ほとんど長髪の白人というイメージが強く、黒人のヒッピーというのはあまりイメージがわかなかったからだ。

彼によれば、白人の場合は政府への反体制的な人間が多く、そうした連中がヒッピーになっていったが、黒人は比較的スーツにネクタイなどして、ちゃんとすることが多かった。だから、あまり黒人にヒッピーはいなかった。いたとすれば、ジミー・ヘンドリックスなどではないか、とのこと。なるほど。

付け加えれば、60年代中期から後期の黒人たちは、まだ人種差別されており、白人の体制の足元にも及んでいなかったので、とりあえず体制に追いつき、追い越せの時代だった。だから、そこから先の反体制になるまでの道のりはかなり遠かったのではないかと推察できる。

マーヴィンとも、こういうネタだったら、もっといくらでもしゃべれるね、たくさん時間があったらおもしろかったね、ということになった。

しかし、マーヴィンが僕が持っていった8枚の紙ジャケットのCDをなんとか僕の元から持っていこうと狙っていたので、僕は必死に手から離さないようにしていたのだった。(笑)

ENT>MUSIC>ARTISTS>Sly & Family Stone
【ソウル・サーチンから派生プロジェクト】

広がり。

定期的に行われている『ソウル・サーチン:ザ・セッション』をごらんになった方から、例えば、ソウル・サーチャーズを起用したいというオファーがいくつか来ている。まだ、発表できる段階ではないのだが、とりあえず3案件あり、話がうまくまとまれば、順に発表できると思う。

3案件のうちのひとつは、まだ日程が確定していないのだが、オウナー大西さんが自らのブログで少し書いているので、ここでもフライング気味に少し書いてしまうと、江田(東急田園都市線)駅前にあるピッツェリア「マルターノ藤が丘店」でのアコースティック・ライヴ。キーボード、パーカッション、ヴォーカルのトリオくらいの編成で、ソウル、ジャズのカヴァーを中心に聞かせるというもの。7月末か8月頭になりそう。

東京におけるライヴ・シーンというのは、なかなか厳しいものがあるが、それでも多くの優れたミュージシャンたちががんばっている。ただどうしても、ライヴハウスのキャパ(収容人数)とミュージックチャージの上限からくる限界というのはあり、そこがあらゆるミュージシャンたちの悩みの種だ。

ケイリブが毎回ステージで言うように、まさに「サポート・ユア・ライヴ・ミュージック(あなたのライヴ・ミュージックをサポート(応援)しよう」という感じだ。リアル・ミュージシャンが、そのステージで実際にリアル・ミュージックを演奏するというところが重要なのだ。

『ソウル・サーチン』は、毎回多くの出演者が登場する。出演者が多すぎるという見方もあるのだが、僕としては『ソウル・サーチン』にある種、新人のショーケース的な意味合いも含めているので、しょうがないと考えている。『ソウル・サーチン』で初めて見たアーティストを気に入ったら、ぜひ、そのアーティストの単独ライヴなどに足を運んでいただけると主催者としてはひじょうに嬉しい。

今年の1月に行ったディーヴァ・グレイのライヴは、『ソウル・サーチン』からの派生プロジェクト第一弾だった。昨年の『ルーサー・ヴァンドロス・トリビュート』で歌ったディーヴァのソロ・ライヴを企画したものだったが、こうした広がりがでて、ある程度の観客動員が望めればひじょうにいいのだが。まあ、ゆっくり支持を集めることを期待している。

詳細など決まり次第、順にご紹介していきます。

ENT>ESSAY
【竹上良成ライヴ】

都会的。

サックス奏者竹上さんのリーダーライヴがあり、そのゲストにエジプト帰りのガッツが登場するというので、急遽ブルースアレーに顔をだした。もともとブルースアレーには、今日、ガッツのライヴで行く予定だったので、2連荘になる。サックスの竹上さん、トランペットの小林さんはガッツの昨年の横浜モーション・ブルーでのメンバーでもあり、翌日も同じステージに立つ。

竹上さんのグループは、ローズ・ジャムというバンドで、すでに一度ここでやっていたという。僕は初めて聴いたが、なかなかグルーヴしているバンドで驚いた。ちょっと都会的に洗練されたフュージョン、ファンク、ジャズなどをミックスした感じのサウンド。なによりドラムス江口さんとベースの小松さんが醸し出すグルーヴはひじょうに気持ちいい。インスト曲が中心で、曲によってはスティーリー・ダンを思わせるような洗練・職人サウンドを聴かせたりする。

そして、ガッツが登場してヴォーカルを披露すると、また一挙にソウルフルな世界に。ファーストで4曲目に登場したガッツ、何を歌うかと思えば、なんとビル・ラバウンティーの「リヴィン・イット・アップ」。1982年のヒットで、日本でいうところのAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)の作品。(ちなみに、アメリカでは同種の音楽をAC(アダルト・コンテンポラリー)と呼び、AORというと一般的にはアルバム・オリエンテッド・ロック=例えば、レッド・ゼッペリンなどのアルバムで聴かせるロックを指す場合が多い) ビル自身がブルー・アイド・ソウル的ニュアンスがあるので、ガッツの声ともよくあっていた。これは、竹上さんがどうしてもガッツに歌ってもらいたいというリクエストだったという。こんな曲が生で聴けるとは思ってもいなかったので、嬉しかった。この路線ならついでに、ファイナス・ヘンダーソンの作品などもいいかもしれない、と思った。

他にガッツはジョージ・ベンソン・ヴァージョンで「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」やグローヴァー・ワシントン、ビル・ウィザースの「ジャスト・ザ・トゥ・オブ・アス」(竹上・サックス完璧コピー・パート含む)なども歌った。

竹上さんの司会で、ガッツを指して「ソウル・シンガーというより、ちょっとヘヴィメタ風でしょう」と言うと、観客から否定的な「え〜」という声。すると、「ヘヴィー・・・メタボリック系で・・・でしょ」と、ネタをふってきた。(笑) しばし、メタボリック・ネタで盛り上がった。

■ガッツは今日再びブルースアレーに登場。今回はフルバンドでカーティスやアイズレーなどのソウルのカヴァー特集です。楽しみ。

■メンバー 竹上良成 ROSE JAM

(Sax)竹上良成 (Tp)小林正弘 (B)小松秀行 (Ds)江口信夫 (Key)草間信一 (G)高山一也 (Per)坂井“Lambsy”秀彰 (Vo/G)GATS

■Setlist : Takegami Yoshinari, Rose Jam @ Blues Alley, May 8th, 2007
セットリスト 竹上良成 ローズ・ジャム @ブルースアレー

First Set

show started 19:41
01. New Sidewinder (Side Binder)
02. Warm
03. Fever
04. Livin’ It Up (Gats) (Bill Labounty)
05. Feel Like Making Love (Gats) (George Benson version)
06. Blue Nail
show ended 20:47

Second Set

show started 21:14
01. Shelly
02. 十人十色
03. Just The Two Of Us (Grover Washington Jr. featuring Bill Withers) (Gats)
04. ありがとう (Gats)
05. Blossoms Snow
Enc. Speed Ball
show ended 22:28

(2007年5月8日火曜、目黒ブルースアレー=竹上良成 ローズ・ジャム・ライヴ、ゲスト・ガッツ)
ENT>MUSIC>LIVE>Takegami, Yoshinari Rose Jam featuring Gats
2007-55
【今年は火がつくガッツのライヴ】

火。

昨年(2006年)暮れに横浜モーション・ブルーで行われたガッツのフルバンド・ライヴの、今回は全曲ソウル・カヴァー集。前回同様ベースに、この日は足元にマイ扇風機はなかった日野賢二、ドラムスに高田真ら。

いきなりタワー・オブ・パワーの「ソー・マッチ・オイル」で始まり、エネルギー炸裂。やはりソウルカヴァー集となると、次々とおなじみの曲がグルーヴあふれる音ででてくるので、ひじょうに楽しい。ジャコ・パストリアスのアルバムに入っていて、そこでサム&デイヴが歌っていた「カム・オン・カム・オーヴァー」などは、実にガッツにあった選曲。パンチのあるヴォーカルがはまるのだろう。

ゲストで登場の森広隆さんは、なんとジャクソン5の「アイ・ウォント・ユー・バック(帰って欲しいの)」を原曲と同じキー(ものすごく高い)で歌った。これは、おもしろかった。ぜひともコーラス隊も含めてフロントに立っているみんなでジャクソン5と同じ振り付けをしたら、もっと楽しいと思った。

セカンドのオープニングでは、ガッツがあこがれるベース奏者ラリー・グラハムの「パウ」は、全員参加でかっこよかった。途中の全員のストップモーションも見せた。ジーノに誘われてガッツがちょっとベースを弾いたのだが、これがひじょうにかっこよかった。なんだ、次は何かガッツにベースを弾いてもらおう。キーボードでバンドマスターの西脇さんがロジャー風に最新のローランドのキーボードを使って、ヴォコーダー・サウンドで1曲やり、さらに、ハーモニカをフィーチャーしてスティーヴィーの「リボン」をやった。ガッツは、それまでギター・プレイヤーだったが、スティーヴィーのライヴを見て、ものすごく感動して、自分も歌を歌おうと思った。しかも、今年の春、ガッツはレコーディングのためにロスアンジェルスに行った時に、スティーヴィーと楽器屋さんで遭遇して、その話をしたところ、しっかりハグしてくれた、という。

ところで、すでにファンの方はご存知かと思うが、今年2月始め、ガッツの鎌倉の家が火事になった。幸いけが人などはなかったが、家財がだめになり、楽器もいくつか水に濡れたりして修理をしなければならなくなった。その時、僕がガッツに言ったのが、「今年はいきなり、火事かあ、つまり、じゃあ、今年はガッツに火がつくんだよ」(笑)ということだった。まあ、火事になってこれは大変だが、もうなっちゃったものはしょうがない、ということと、それを福と転じさせるのがいいということを言いたかったのだ。

その後、彼はいくつかの自作曲をとあるグループ用に提供し、レコーディングまですませていた。ただ、レコーディングしても、採用になるかどうかは最後の最後までわからない。レコーディングしても没になることもあるからだ。そして、前日の8日、ついにレコーディングを担当したプロデューサーから「(ガッツ君の曲が)採用になりました。しかも、2曲。1曲は、CDの1曲目です!」という連絡が入った。その日に、僕もブルースアレーでそのニュースを聞いた。「わおおおっ。おめでとう!! パーティーやろう、ケーキでも買って」

僕はそのとき、自分のことのように嬉しかった。曲のタイトルは、「大脱走(Great Escape)」、もう1曲が「Big Sky Blues」という曲。なんとレコーディングは、ロスアンジェルスで、ドラムスにあのデニス・チェンバースが入っているのだ。ガッツは、ギターとベースまで弾いた。

そして、そのアーティストというのが、ジャニーズで最近人気急上昇の関ジャニ∞(カンジャニエイト)なのだ。アルバムは6月6日に発売されるそうで、これは関ジャニ∞(カンジャニエイト)のフルアルバムとしては2枚目になる。おそらく、オリコンでも1位、20万枚以上売れることになるだろう。

ガッツは次回のライヴは、横浜モーションブルーで8月23日(木)、24日(金)で予定されている。そこでは、その2曲を自分ヴァージョンで披露するという。たぶん、その頃までには多くの人が曲を知っていることになるのだろう。

今年は、ガッツに火がつくのだ。(笑)

■ウェッブ

ガッツ・オフィシャル・ホームページ(火事から復活)
http://www.gats.tv/GATS.TVSHOW.html

■ ガッツ関連過去記事

2003/06/27 (Fri)
GATS TKB SHOW Live At Shibuya Boxx
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200306/diary20030627.html

2004/11/18 (Thu)
Spirit Of The Boogie Live At Blues Alley
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200411/diary20041118.html

2004/11/24 (Wed)
GATS Soul Live At Motion Blue
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200411/diary20041124.html

2005/03/04 (Fri)
Friends Joined Gats To Sing "What’s Goin’ On"
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200503/diary20050304.html

July 12, 2005
Gats Live With The Funkiest Band In Tokyo
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_07_12.html

March 16, 2006
Gats Birthday Live
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200603/2006_03_16.html

July 03, 2006
"Soul Searchin’ : The Session Vol.1" (Part 2): Full Of Roses In Her Arms
http://blog.soulsearchin.com/archives/001113.html

October 20, 2006
Gats Live; Soulful Wonderer Gats
【全国をギター1本で回る流離のソウル・シンガー、ガッツ】
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200610/2006_10_20.html

『車窓を奏でるメロディー』(3)
『その列車は、希望の灯火その列車の乗車券は、信念』
ガッツがもっとも得意とする「ピープル・ゲット・レディー」について
http://www.soulsearchin.com/periodical/l&;g/l&g03.html

■メンバー

BLUES ALLEY JAPAN Players Nite〜GATS soul vibrations〜

(Vo/G)GATS (Harmonica/Key)西脇辰弥 (B)日野“JINO”賢二 (Ds)高田真 (Per)木村“キムチ”誠 (Tp)小林正弘、佐久間勲 (Sax)竹上良成 (Cho/G)渕上祥人 (Vo)音音(nene)
★Special Guest (G/Vo)森広隆

■Setlist : Gats & The Soul Vibration @ Blues Alley, May 9th, 2007
セットリスト ガッツ 
( ) indicates original artists

first set
show started 19:42
1. Only So Much Oil In The Ground (Tower Of Power)
2. Come On, Come Over (Jaco Pastorius featuring Sam & Dave)
3. Give Me Your Love (Curtis Mayfield, Barbara Mason)
4. After The Love Has Gone (Earth Wind & Fire)
5. I Want You Back (Jackson Five) (+Mori Hirotaka)
6. If I Ever Loose This Heaven (Quincy Jones, AWB) (+Mori Hirotaka)
7. Give Me The Night (George Benson)
show ended 20:28

second set

show started 21:02
1. Pow (Graham Central Station)
2. In The Midnight Hour (Wilson Pickett, Roger version)
3. Ribbon In The Sky (Stevie Wonder)
4. Celebration (Kool & The Gang) (+Mori Hirotaka)
5. What Is Hip (Tower Of Power) (+Mori Hirotaka)
6. September (Earth Wind And Fire) (+Mori Hirotaka)
7. Journey (Gats Original)
Enc. Superstition (Stevie Wonder)
show ended 22:16

(2007年5月9日水曜、目黒ブルース・アレー=ガッツ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Gats
2007-56
(ネタばれになります。これからライヴに行かれる方は、あなたのリスクにおいてお読みください)

【ギターの職人、匠が泣き、歌い、語る】

職人。

開場前から人が並んでいる。こんなことはコットンクラブで僕は初めて見た。3日間各日2ステージが売り切れ、追加も一日出たというロスアンジェルスの人気ソウル・ギタリスト、デイヴィッド・T・ウォーカーの40年超の経歴で初の自分名義単独公演。始まる前から、デイヴィッドのギター・ファン、彼の音楽に触れたい、生でしっかりその指さばきを見たいという熱心なファンであふれかえっていた。初日からこんなに熱い音楽ファンだけで会場が埋め尽くされるなんて、なんとすばらしいことか。

昨年暮れに70年代にリリースされ、ずっとCDになっていなかった彼のオード・レコード時代の3作が世界初CD化となって、これがけっこうな評判を集めていたが、改めて、デイヴィッド・T人気を再確認させられた。

個人的には、自分の「ソウル・サーチン」のコーナー(インターFM)でずっとデイヴィッド・Tの「ホワッツ・ゴーイング・オン」をテーマ曲に使っていたので、「ホワッツ・ゴーイング・オン」をぜひ聴いてみたいと思っていた。

デイヴィッドはジャズがベースにあるが、モータウンなどで仕事をしていたこともあり、かなりソウル色が強いギタリスト。ジャズ、ソウル、ブルーズなどを縦横無尽に操る。

デイヴィッドのギターは、泣く。デルフォニックスの「ディドント・アイ」ではデイヴィッドのギターがあたかも涙に濡れたかのようだ。

デイヴィッドのギターは、語る。しっとりした「ラヴィング・ユー」ではミニー・リパートンが舞い降りたかと思った。

デイヴィッドのギターは、歌う。この日、最高潮の盛り上がりを見せた「ホワッツ・ゴーイング・オン」は、少しテンポが速すぎ、ドラムスの音がうるさかったが、観客からいつしか「ホワッツ・ゴーイン・オン〜〜」の掛け声がかかった。

それにしても、歌なしのライヴでよくここまで観客を集中させ、ひきつけさせる。おそるべきミュージシャン力。彼の真摯で紳士な人間性がその音楽にひじょうによく出ている。その一途なところがすばらしい。

このグルーヴ感、スペース感、ギターから醸し出される表情。どれもワン・アンド・オンリーだ。決して、ショービズの華やかな世界には身を置かず、しっかりと地に足をつけ、自らの音を紡ぐ、職人であり匠だ。もうお見事、脱帽。

ところどころの動きに、ジョー・サンプル的なものを感じた。体全体を使って演奏するところや、指先のセクシーさなどだ。

現在までのところ、歌なしのライヴでは今年のベストかな。

この日客席には、つのだひろさん、ドリームス・カム・トゥルーの吉田美和さん、中村正人さんらがいて、さかんにデイヴィッドに声をかけていた。

セカンドセットは1時間半を超えた。そして、しばらくしてからデイヴィッドたちが客席に戻り、サイン会をした。サイン会はさすがに今回はセカンドだけだという。

なお、今日以降行かれる方は、ステージに向かって左半分の席に座ったほうがいい。彼がステージ右手に少し中央向き斜めに座るために、ステージ右側に対して背中になってしまうからだ。手元などまず見えないはず。ただし、日曜まで3日間はソールドアウトでキャンセル待ちの状況だ。

(デイヴィッド・Tについては、まだ続きます)

■メンバー

David T. Walker (guitar)
Byron Miller (bass)
Leon Ndugu Chancler (drums)
Clarence McDonald (Keyboards)

■Setlist (Incomplete) : David T Walker @ Cotton Club, May 10th, 2007
セットリスト デイヴィッド・T・ウォーカー

(かなり不完全なので、おわかりになるかた、情報お待ちしております・a href=mailto:Bebs@st.rim.or.jp>Bebs@st.rim.or.jp までよろしくです)

Second Set

show started 21:34
01. Real T
02. Recipe
03. Lovin’ You (Minnie Riperton) 
04. Plumb Happy (including a riff of Moody’s Mood at the end)
05. Ahimsa (including a riff of Eleanor Rigby)
06. Going Up
07. What’s Going On (Marvin Gaye)
08. Side Walk
09. Walk This Way
10. An-Noor
11. Didn’t I Intro - Didn’t I (Delfonics)
12. I Can See Clearly Now (Johnny Nash)
13. Soul Food Cafe
Enc. Walk On By (including a riff of "With A Little Help From My Friends") (Dionne Warwick)
performance ended 23.13
show ended 23.15

表記はデビッド・T、デヴィッド・T、デイヴィッド・Tなどいろいろあります。

(2007年5月10日木曜、丸の内コットン・クラブ=デイヴィッド・T・ウォーカー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Walker, David T.
2007-57
【デイヴィッドの指はとてもセクシー〜土曜にDVD用収録】

音楽愛。

デイヴィッド・Tが時折、ギターの音を伸ばすときに、同時にぐい〜〜んと体を伸ばす。ミュージシャンが演奏しているところを実際に見るということは、音楽を楽しむことの基本でもある。レコードからではわからないことがわかる。

デイヴィッド・Tの指の動きはひじょうにセクシーだ。ギターの形とは、女体をイメージして作ったんだ、ということを以前、山下達郎さんが言っていたことを思い出した。本当だ。デイヴィッドの指裁きはかなりうまそうだ。レコードからではわからないことがわかる。

デイヴィッド・Tは、基本的には舞台右手の椅子に座りながら、寡黙にプレイしている。しかし、そのデイヴィッドが時折、立ち上がって、歩きながらギターを弾くことがある。レコードからではわからないことがわかる。

その音色や音楽は、そのミュージシャンの魂を表す。デイヴィッド・Tのギターの音色には、日本人にも通じる「わび」「さび」がある。ひょっとして、彼の人気が高いのはそんなことも理由なのかもしれない。「俺が俺が・・・」というがむしゃらに前にでる目立ちたがりやではなく、フロントの人を一歩後ろで支える、夫の3歩後ろを歩くような控えめな妻・的なところがある。

ステージの自分の立ち位置にデイヴィッドが立った時、まず驚いた。普通ギタリストが主人公のライヴの場合、ステージのセンターに堂々と立つか、座るものだ。そのセンターの位置にはベースのバイロン・ミラーが、ちょっと後ろだったが、座っていたのだ。なんで、真中ではないのだろうか、とそのとき疑問に思ったが、二日目で、その彼の控えめの性格のためかなと妙に納得した。

彼は別に自分が前に前にでて何かやろうという感じではないのだ。そんな彼が立ち上がるときというのは、よほどのことだ。

全体的な雰囲気は、デイヴィッドが自分が好きな楽曲を、自分がよく気心の知れた好きなミュージシャンと、自分の好きな楽器で自宅のダイニング・ルームでプレイしているようなひじょうにアットホームなものだ。そうしたら、たまたま、それを聞きにきていた友達が、ものすごく喜んでいる。そんな情景だ。

デイヴィッドの音楽への愛が、会場全体をやさしく包み込む。まさに音楽愛があふれ出る瞬間だ。セクシーな指使いは音楽愛の使者。

デイヴィッドがアンコールの前に一言だけ言った。「みなさんが喜んでくれて本当に感謝しています。私たちはあなたたちの暖かさを本当に感じています。私たちが、あなたたちに、ありがとうと申し上げたい(We thank you very much)」 

僕も申し上げたい。Thank you for your great music and superb performance.

■ お知らせ

コットンクラブでの土曜日(2007年5月12日)の模様がテレビカメラ6台によって、DVD用に撮影されます。このDVDは、アップ・フロントから、秋口くらいまでに発売される予定です。

■ デイヴィッド・T、オード時代の傑作3部作世界初CD化(紙ジャケット)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000JVS49Y/soulsearchiho-22/ref=nosim/

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000JVS4A8/soulsearchiho-22/ref=nosim/

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000JVS4AI/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■Setlist (Incomplete) : David T Walker @ Cotton Club, May 11th, 2007
セットリスト デイヴィッド・T・ウォーカー

(2日目は、そこそこのセットリストができました。完璧ではないので、まちがいなどがおわかりになるかた、情報お待ちしておりますebs@st.rim.or.jp までよろしくです)

Second Set
show started 21:34
01. Real T
02. Recipe
03. Lovin’ You (Minnie Riperton) 
04. Plumb Happy (including a riff of Moody’s Mood at the end)
05. Ahimsa (including a riff of Eleanor Rigby)
06. Going Up
07. What’s Going On (Marvin Gaye)
08. Side Walk
09. Walk This Way
10. An-Noor
11. Didn’t I Intro - Didn’t I (Delfonics)
12. I Can See Clearly Now (Johnny Nash)
13. Soul Food Cafe
Enc. Walk On By (including a riff of "With A Little Help From My Friends") (Dionne Warwick)
performance ended 23.13
show ended 23.15

表記はデビッド・T、デイビッド・T、デヴィッド・T、デイヴィッド・Tなどいろいろあります。ソウル・サーチンでは、「デイヴィッド・T・ウォーカー」を使用します。

(2007年5月11日金曜、丸の内コットン・クラブ=デイヴィッド・T・ウォーカー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Walker, David T.
2007-58
【デイヴィッド・Tの夜は更けて】

余韻。

デイヴィッド・Tの初日を見た後、気分は相当デイヴィッド・Tになった。ちょっとソウルバーでも行って、デイヴィッドの余韻を楽しまなければならない。そこで思いついたのが、ちょうどライヴ会場であった川畑さんのミラクル。そういえば、デイヴィッドがいたバンド・オブ・プレジャーのライヴの仕切りを川畑さんがやっていたのを思い出した。川畑さんとデイヴィッドも旧知の仲だ。

赤坂・ミラクルに到着すると、なんとすでに、DJキヨミさんがデイヴィッドをかけていた。わからなかったセットリストを川畑さんらと話していると、バンド・オブ・プレジャーからの曲や、別のアルバムからのものもやっていたことが判明。「サイドウォーク」や、「ウォーク・ディス・ウエイ」(エアロスミス、ランDMCとは同名異曲)、「プラム・ハッピー」など、僕にとってはあまりなじみのない曲をかけてもらう。

ジャケットもすっかりよれよれになり、しかし、しっかりデイヴィッドのサインがマジックで書かれた『サイドウォーク』は、彼の1967年の作品だ。1967年は、彼がまだ26歳のとき。音自体もおそらく4チャンネルか8チャンネルくらいで録音されたチープなものだが、ギタープレイがまだ若い。やはり、ギタリストも26歳のプレイと65歳のプレイでは違うのだなあとつくづく思った。味わい、成熟、熟成、さまざまな言葉が思い浮かぶ。

他にほとんどお客さんもいなかったので(ラッキー!)、次々とキヨミさんがデイヴィッドものばかりをかけてくれる。そうこうしているうちに、川畑さんが、秘蔵映像を蔵出し。そう、デイヴィッド・マニアならみなさんご存知の1993年7月28日に渋谷オンエアで行われた『クーリン・グルーヴィン』のライヴ映像だ。ここに、「ホワッツ・ゴーイング・オン」が入っているのだ。これを音をだしつつ、見せてくれた。

僕はこの映像のことを知らなかったので、狂喜乱舞。しばらく前にライヴで見た「ホワッツ・ゴーイング・オン」とは、かなり違う。どちらかというと、レコード盤でのアレンジに近い。このときのメンバーは、ドラムスにバーナード・パーディー、ベース・チャック・レイニー、サックスにルー・ドナルドソンらものすごいメンバー。レア・グルーヴなどが人気となっていた時期で、日本の企画でこのバンド・プロジェクトが実現したそうだ。ここでのデイヴィッドは、ずっと立ったまま演奏していた。

この映像は一時期DVDでリリースされたが、現在、カタログとして残っているかは不明。中古は探せばあるかもしれない。

川畑さんが振り返る。「いつだったか、突然、彼(デイヴィッド)がうちの店にやってきてね。びっくりしたんだよ。そしたら、ドリカムで来日してたんだって。僕もぜんぜん知らなかったんで、驚いたよ。彼は12時にはホテルに戻って寝るからねえ。今回は、(ライヴの終わりが)遅いから、(うちの店には)来ないんじゃないかな(笑)」

ミラクルに来る前、デイヴィッドがサイン会を始めたとき、ちょうど持っていった紙ジャケ3枚のうち2枚にサインをもらった。そのとき初めて日本に来たのはいつですか、と尋ねた。すると「1967年、モータウンのマーサ・リーヴス&ヴァンデラス、スティーヴィーたちとのときだ」との答え。おおおっ、あれですか。テンプテーションズが、日本は戦争やってるヴェトナムと近いから行くのはいやだといって来なかったといううわさの。

ということは、2007年は、デイヴィッド・T・ウォーカー、初来日40周年ということも言えるではないか。あるいは、来年はソロ・レコード・デビュー40周年ということにもなる。僕は、FENの『ローランド・バイナム・ショウ』のテーマであなたの「ホワッツ・ゴーイング・オン」を知りファンになりました、といった話をした。その話をするのは、きっと僕だけではないのだろう。そういえば、僕の記憶の中でもっとも古くに彼のライヴを見たのは、1982年のクルセイダーズだったと思う。ところで、彼の来日履歴をコンプリートに知りたいものである。ウエヤマさん、ディスコグラフィー同様お願いします。(笑) 

DVDが「ホワッツ・ゴーイング・オン」からそのまま流れ、デイヴィッド・Tの夜は、更けていく・・・。

■デイヴィッド・T関連記事

May 11, 2007
David T Walker Live: Real T Sings, Crying, And Talks
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_05_11.html

May 12, 2007
David T’s Fingers Are So Sexy: DVD Shooting Will Be Held On Sunday
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_05_12.html

■David T.Walker のアーティスト表記はデビッド・T、デイビッド・T、デヴィッド・T、デイヴィッド・Tなどいろいろあります。ソウル・サーチンでは、「デイヴィッド・T・ウォーカー」を使用します。

■訂正 昨日の日記で、DVD収録日を5月13日・日曜としましたが、収録は5月12日・土曜日でした。お詫びして訂正します。なお、昨日分の日記は訂正しておきます

ENT>MUSIC>LIVE>Walker, David T.
ENT>MUSIC>ARTIST>Walker, David T.
【「ライヴ観客温度」の違い】

ライヴ観客温度。

観客の熱さ、温度というものは、実におもしろいものである。仮にそれを「ライヴ観客温度」と名づけてみよう。

デイヴィッド・Tの初日セカンドの観客が醸し出すライヴ観客温度は、本当に高かった。2日目セカンドの観客は、静かに、しかし熱かった。この温度差がとてもおもしろい。どちらも、デイヴィッド・Tのギターが大好きで、それを見に、聞きに来ている。だがその見方がちょっとだけ違うのだ。別にどちらがよくてどちらが悪いということではない。前者は、大声でリアクションして見て、後者は静かに熱い拍手を送る。

この観客のライヴ温度差って、どうやってこうなるんだろう。絶対に計算できないなんらかの要素でこうなるんだろう。たまたまその日に来ていた観客の何人かによって、変わるのだ。

例えば、過去のコットン・クラブのライヴで言えば、ファンク・マスターズ、コン・ファンク・シャン、バーケイズなどの最終日あたりの観客はみな熱かった。あたりまえなのだが、そのアーティストのことをよく知っていて、そのアーティストの楽曲を知っていて、歌詞なんかを一緒に歌ったりすると、どんどん観客の温度はあがっていく。

そういえば、初日の観客は「ホワッツ・ゴーイング・オン」をさびのところで歌っていたっけ。二日目は歌はでてこなかった。そういう意味でいうと、やはり、アメリカのオーディエンスはなんでも参加型だから、どんどん歌うのだろうと思った。ダニー・ハザウェイの『ライヴ』での観客がまさに参加型の最高峰と言える。

そう、つまり、オーディエンスには参加型と鑑賞型がある。そしてそれぞれ、リアクションが変わってくる。初日は参加型が多く、2日目は鑑賞型が多かった。でも、両者ともデイヴィッドTを愛する気持ちの度合いは同じだったと思う。

同じ鑑賞型でも、観客がそのアーティストのことを知っているか、知らないか、あるいは、その楽曲を知っているか、知らないか、そういうことは、ミュージシャンはよくわかるものである。なんでわかるんだ、っていうくらいわかる。ミュージシャンはそうした観客から発せられる情報を、逐一レシーヴしているのだ。そして、それに対し、ミュージシャンも反応する。

デイヴィッド・Tが、2日目最後に言った言葉、「みなさんの温かさをここで(胸に手をあてながら)感じています」は、まさにそれに対する返答だったのだ。

■デイヴィッド・T関連記事

May 11, 2007
David T Walker Live: Real T Sings, Crying, And Talks
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_05_11.html

May 12, 2007
David T’s Fingers Are So Sexy: DVD Shooting Will Be Held On Sunday
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_05_12.html

May 13, 2007
The Night Of David T. Continues:
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_05_13.html

■David T.Walker のアーティスト表記はデビッド・T、デイビッド・T、デヴィッド・T、デイヴィッド・Tなどいろいろあります。ソウル・サーチンでは、「デイヴィッド・T・ウォーカー」を使用します。

ENT>MUSIC>LIVE>Walker, David T.
ENT>MUSIC>ARTIST>Walker, David T.
【マル・ライヴ、タケオ&マナ・ライヴ】

両刀。

日本のソウル・シーンを引っ張る女性シンガー、マルの約2ヶ月ぶりのライヴ。

そのオープニングには、つい先ごろ結婚したタケオくんと新妻マナさんによるデュエットが。若干のバンド(パーカッションとベース)を加えたかなりアコースティックなセット。選曲がかなり渋い。耳なじみのあるのは、マイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネイチャー」と「ゲット・ヒア」くらい。全体的にスロー中心なので、しっとりと聴かせる感じになる。しかし、彼の声は、以前にも書いたように「日本のマイケル・マクドナルド」的なソウルフルなもの。マイケルあるいは、ジェームス・イングラム的方向性を感じる。「声で世界を作れる」力のある声だと思う。

マルのバンドは、新メンバーを何人か加えたもの。マルはあいかわらず、かっこいい。おなじみのナンバーが次々と歌われる。え、なに、マルはいま彼氏とうまく行ってるの? (笑) その彼氏がライヴ会場にいたのかい? 曲途中のMCでなかなか興味深いことを言っていた。こういう恋ネタを、トークや歌にいれると、やはり、女子の支持率がぐ〜〜〜んとあがるだろうね。マルは、歌詞の内容とかが、女子に大いに受け、サウンドとか、歌唱自体が男子に受ける、そんな両刀使い的強力さがあると思う。

メロディーとナレーションをうまくはさみこむ技は天下一品。この日も渋谷であやしげなブラザーにナンパされ、一杯ドリンクを飲んだという話をおもしろおかしく曲の中にはさみこむ。で、このストーリーのオチは何なんだ? ナンパした男とはそのワンコインバーのレジで別れたのか? それとも、なんかあったのか。いつもは、がっちり強烈なオチがあるのに、ちょっと肩透かしだった。

今日のセットリストの中では、「オーディナリー・ピープル」がけっこうよかった。意外とこの路線、彼女にあってるかもしれない。

この日、バックコーラスに大きなシスターがいた。オリヴィアだった。以前、ジェフリー・オズボーンの時に、初めて会ったシンガーだ。彼女はやはりとてもいい声をしている。きれいな声をしていた。彼女は5月30日に渋谷のJZブラットで自分のライヴをするそうだ。

マルの次のリーダーライヴは、6月30日(土)に六本木のアルフィー。

■メンバー

maru (vocal)
林田pochi裕一(keys)
渥美幸裕(guitar)
坂本竜太(bass)
天倉正敬(drums)
Olivia(vocal)
竹本健一 from PHONES(vocal)

■マル過去関連記事

March 04, 2007
Maru Live At Alfie: Whatever Happen To Maru Who Was Dating With A Guy At Sushi Bar
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200703/2007_03_04.html

November 26, 2006
Maru: Her First Headliner Show At Alfie
http://blog.soulsearchin.com/archives/001411.html

October 14, 2006
Queen Of Japanese Neo Soul Maru’s Live: How To Compensate For Loss Of Tokyo Soul Scene
http://blog.soulsearchin.com/archives/001325.html
(ここに、さらに過去記事一覧があります)

◎マル・ウェッブ
http://www.marudiva.com/live/index.html

Setlist : Takeo & Mana

01. One Of Us (Joan Osborne)
02. Medley(2)&(3): Everywhere (Fleetwood Mac)
03. Everything You Touch (Smokey Robinson)
04. Love Me Still (Chaka Kahn)
05. Baby Don’t You Break My Heart Slow (Vonda Shephard)
06. Human Nature (Michael Jackson)
07. Get Here (Brenda Russell, Oleta Adams)

Setlist : Maru

show started 20:45
01. Don’t Stop
02. Loving You Was Like A Party (Marlena Shaw)
03. Hiding
04. Street Walking Woman (Marlena Shaw)
05. Shining Star
06. Wish On A Star (Rose Royce)
07. Come Inside
08. Music
09. Ordinary People (John Legend)
10. 少しだけ
Enc. 守りたいから
show ended 22.06

(2007年5月14日月曜、渋谷・プラグ=タケオ&マナ・ライヴ、マル・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Takeo & Mana / Maru
2007-60
【ジェームス・ブラウン、紙ジャケ第2弾10作品、7月に発売〜空耳発見】

空耳。

ジェームス・ブラウンの紙ジャケットシリーズの第2弾が、2007年7月11日に10タイトル発売される。

今回発売されるのは次の10枚。( )内はアメリカ原盤番号。

(1)ツアー・ザ・U.S.A.(TOUR THE U.S.A.:KING K804)
(2)プリズナー・オブ・ラブ(PRISONER OF LOVE:KING K851)
(3)ライブ・アット・ザ・ガーデン(LIVE AT THE GARDEN:KING K1018)
(4)ザ・ポップコーン(THE POPCORN:KING KSD1055)
(5)イッツ・ア・マザー(IT’S A MOTHER:KING KSD1063)
(6)エイント・イット・ファンキー(AIN’T IT FUNKY:KING KS1092)
(7)ソウルの夜明け(IT’S A NEW DAY-LET A MAN COME IN:KING KS1095)
(8)スーパー・バッド(SUPER BAD:KING KS1127)
(9)ゲット・アップ・オファ・ザット・シング(GET UP OFFA THAT THING:POLYDOR PD6071)
(10)ボディ・ヒート(BODYHEAT:POLYDOR PD6093)

監修にジェームス・ブラウン愛好家の佐藤潔さんがあたっている。佐藤さんによれば、上記の2と7以外はすべて世界初CD化だという。これは、すごい。

ミュージシャン・クレジットとか、レコーディングデータとかは、しっかり印刷されるのだろうか。楽しみだ。

この中で、9と10のライナーを書くことになって、久々にこの2枚のアルバムを聞いた。

で、ゆっくり、じっくり聞いていたら、ちょっとした空耳を発見してしまった。9のアルバム『ゲット・アップ・オファ・ザット・シング』の3曲目「アイ・リフューズ・トゥ・ルーズ」の0分59秒あたりから、1分02秒くらいの間。明らかに「明らかに、汗だ!」に聞こえる。映像イメージとしては、ミスター・ブラウンが歌って踊っている顔のドアップで汗がしたたりおちている写真なんかどうだろう。「汗」が映像としてわからないとダメなのだが。でも、この「明らかに汗だ」は、けっこうほんとにそう聞こえる。でも、タオルくらいかなあ。(笑) あるいは、「明らかに、朝だ!」、「明らかに、浅田!」にでもするか。

同じ曲で、1分36秒あたりからのフレーズが「酒飲んだ、ポケット」に聞こえる。これは、何度も繰り返しになる。でも、これだと、絵にならないんだよなあ。(苦笑) 何人かのソウルメートに聞かせると、「酒飲んだ、ボケッ」っていうのはどうだ、とか言われた。「酒飲んだ、ポーケ」にも聞こえる。う〜〜ん。アナログ、お持ちの方、ぜひいいアイデアを! 

いい映像が思いつけば、即刻、安齋さんに連絡するのだが・・・。

・・・なんてことを、やってるもんだから、ライナーの執筆が進まないわけです。はい、すいません。

ENT>MUSIC>ARTIST>Brown, James
ENT>MUSIC>Sora-mimi
【音楽に全身を委ねるシャンティー・ライヴ】

ソングライター。

もうひとりのソウル・サーチャー、『ソウル・サーチン』でもマーヴィン・ゲイ(2006年4月1日)、ルーサー・ヴァンドロス(2006年7月1日)で歌ってくれたシャンティーが、ついにそのブルースアレーで初の単独ライヴを行った。

バックは、フィリップ・ウー(キーボード)、渡邉裕美(ベース)、西山“HANK”史翁(ギター)、そして白根佳尚 (ドラムス)。バンドはかなりしっかりしたグルーヴを出していて、リハの回数が少ないわりには、ひじょうによくまとまっていた。白根くんは、目黒食堂でソウル・シンガー、ナオキのバックをやっていたのでよく知っている若手注目株だ。月曜のマルのライヴで、オープニングのタケオくんたちのパーカッションもやっていたそうだ。フィリップのハモンド・オルガンは、相変わらず強力。

さて、シャンティーは、ファーストとセカンドでトータル17曲を披露。全体的には、しっとりとした作品群だが、ミディアム調の曲もある。オリジナルが大半で、カヴァーは5曲のみ。オリジナルもなかなかいい作品が多い。これまでに、彼女は何曲かを自分のライヴで披露しているが、けっこう覚えた曲もある。

シャンティーは、メロディー、音楽に全身を委ねられるところが素敵だ。つまり、すべてがうまくいくと、音楽とシャンティーが一体化する。彼女は特に「シンガーズ・シンガー」(歌のうまさでぐっと聞かせ、観客を惹きつけるシンガー中のシンガー)ではないが、自作曲を自分の好みで歌うシンガー・ソングライターとして、とても魅力的だ。

また、歌い方、歌唱法はこれからもっと引き出しをたくさんそろえるともっと輝くだろう。この日の中では、「サマー・イン・ザ・シティー」(下記セットリスト4曲目)でのソウルフルな歌唱は個人的にはとても印象に残った。しかし、ソフトな歌い方のほうが、一般受けするだろう。さまざまな声色・歌唱を持つことは、その曲の表情を表現するために、とても有効だ。

将来的には、たとえば、名前のあるシンガーがぜひシャンティーの曲を歌いたいと行列を作るようになるといいと思う。そして、彼女が書いた曲の何曲かが大ヒットしていて、オリジナル・ソングライターがライヴをやると、そのヒットさせたシンガーたちが、こぞってお忍びでライヴにやってくる、そんな風になったらいい。

シャンティーの歌声を聞いていると、そこには、ジョニ・ミッチェルやキャロル・キングから、リズ・ライト、ノラ・ジョーンズあたりまでの香りを感じさせられる。だから、シャンティーの曲を例えばもしトミー・リピューマがプロデュースしたら、どんぴしゃになるだろう。

セカンドのMCの中で、ちょっと躊躇しながら、「夏の冷房の温度は1度あげたり、私はタンブラー(ドリンクをいれるコップ)を使って、無駄なプラスティックは使わないようにして、温暖化現象のストップにに少しでも協力できればと思っています」とエコロジーを心がけていることを語った。

14曲目の「クワイエットリー」は、昨年「ソウル・サーチン〜ルーサー・トリビュート」でルーサー作品をたくさん聞いて、それにインスパイアーされて書き下ろした曲だという説明があってから歌われた。僕は初めて聞いたのだが、なるほど、ルーサー的なところが感じられ、あのイヴェントからこんな風に曲が生まれたなら、これは僕にとっても個人的に予期せぬ嬉しい出来事だった。

次回のライヴの時は、このタイプの音楽が大好きな音楽ライターや雑誌編集者やDJ、音楽出版社関係者などにたくさん声をかけてみたいと思う。ガッツに火がついたら、次はシャンティーあたりに火がついてもいい。

■過去関連記事

2004/03/12 (Fri)
Is It Tuesday Night Music Club or Daikanyama Music Club? It’s Freeform Jam Session
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200403/diary20040312.html
(シャンティーとの出会い)

2004/03/20 (Sat)
Shanti Live At MoBius
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040320.html
(初めてのライヴ)

April 02, 2006
"Soul Searchin Talking Vol.5" (Part 1)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200604/2006_04_02.html
(「ソウル・サーチン〜マーヴィン・ゲイ」の回)

August 20, 2006
Philip Woo & Shanti At Cotton Club: From Ashanti To Shanti
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200608/2006_08_20.html
(シャンティー、コットンクラブに登場)

■シャンティー・オフィシャル・ウェッブ

http://snydersmarket.com/shanti.html

■メンバー

フィリップ・ウー(キーボード)
渡邉裕美(ベース)
西山“HANK”史翁(ギター)
白根佳尚 (ドラムス)

シャンティー (ヴォーカル)

■Setlist: Shanti Snyder @ Blues Alley, May 16, 2007
セットリスト シャンティー 
All songs are Shanti’s original except otherwise indicates.
[ ] shows original artist.

First set
show started 19:43
01. Shadows (Instrumental) [Dean Brown]
02. Share My Air
03. As God Loves You
04. Summer In The City [Loving Spoonful]
05. Let’s Live In The Light
06. Fields Of Gold [Sting, Eva Cassidy]
07. Sacred Souls
08. Shimmering Eyes
show ended 20:53

Second Set
show started 21:20
09. Maria (Instrumental) [Hank Nishiyama]
10. Formentera Sea [Saito Hironobu]
11. Ain’t No Sunshine [Bill Withers, Carol Duboc Version]
12. Summer Sun
13. We Were Made To Wake Up To The Sun
14. Quietly (Inspired by Luther Vandross)
15. The Road To There [Philip Woo]
Enc. A Case Of You [Joni Mitchell]
Enc. Spooky [Classics IV, Dusty Springfield]
show ended 22:22

(2007年5月16日水曜、目黒ブルースアレー=シャンティー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shanti
2007-61
【ネイト・ジェームス・ライヴ】

イギリス。

まさにUKソウルという感じだった。ネイト・ジェームスの約1年ぶりのデュオでのライヴ。ドラムス、ギター、ベース、キーボード、コーラス1人にネイトという編成。しっかりとしたリズムを刻むバンドはなかなかいい音をだしていた。

そして、ネイトもきちんとイギリスのソウル・シンガーだった。例えば、イギリス産のソウル、インコグニート、アヴェレージ・ホワイト・バンド、オマーなどが思い浮かぶが、ネイトはまさにイギリスらしさがあった。

何が一番イギリスらしいのかというと、リズムはシンプルながら、メロディーを大事にしている点。日本の音楽と近いものがある。

中くらいのアフロヘアーで、一見、モーリス・ホワイト風。渋谷デュオは超満員で身動きとれなかった。次の予定があったので、最後まで見られなかったが、発表されていたセットリストを見ると、ずいぶんと曲数をやったようだ。

■ネイト・ジェームス過去記事

April 08, 2006
Nate James Live: Animal Trail From Duo To Gonpachi
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_04_08.html
(前回ライヴ)

■Setlist: Nate James @ Shibuya Duo, May 17, 2007
セットリスト ネイト・ジェームス
According to release from record company

show started 19:49
01. The Message
02. Set The Tone
03. Back To You
04. Medley: Universal / Superstition
05. Funkdefining
06. Kingdom Falls
07. Live For The Groove (with Pez)
08. Wonderland (with Pez)
09. When I Get You Alone
10. SMF
11. Get This Right
12. Choke
13. High Times
14. Out Of My Head
Enc.1. Justify Me
Enc.2. Conversation
Enc.3. Just Say Yes
show ended

(2007年5月17日木曜、渋谷デュオ・DUO=ネイト・ジェームス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>James, Nate
2007-62
(ネタばれになります。これからごらんになる方はあなたのリスクにおいてお読みください)

【朝まで続くかレイクサイドのファンク・パーティー】

夜明け。

ほんと、朝まで続くかと思った「ファンタスティック・ヴォヤージ」。74分超のステージで実質6曲、「ファンタスティック・・・」は、19分も続いた! 10分くらいのところで、長いなと思って時計を見た。そろそろ、終わるかなと思ったら、また始まった。(笑) いや、べつに長くても、めちゃくちゃ盛り上がっていたんで、いいんですが。

金曜日セカンドは、始まる前からファンク・ガスが会場に充満していて、1曲目から火がついて、観客も立ち上がり大爆発。ドラムス、ギター、ベース、キーボード3人(うち1人はパーカッション兼務)、ヴォーカル3人という9人組グループ、レイクサイドの久々のライヴ。

歌う、踊る、振り付けが決まる、マイクスタンドを蹴ってマイクコードでひっぱり戻す(ジェームス・ブラウンのやる技のひとつ)、スタンドの足のところを押さえて、客席側に倒したマイクスタンドを手前に引っ張る、そして、ジャンプする。会場をファンクの嵐が襲った。

深みのあるリードシンガーでありグループのオリジナル、マーク・ウッド、そして、もうひとりのかなり声の強いすばらしいシンガー(ウィリアム・シェルビーかラリー・ボールデン。たぶん、ラリーのほう)。ドライヴ感あふれるグルーヴはパーティー・バンドの王道を行っている。

観客席には、アナログ盤のレイクサイドのアルバムを頭上に掲げる人たちも。ジャケットが、揺れる揺れる。

「子供の頃、テレビで見たグループ。白黒のテレビだった。映っていたのはロングヘアの若者たち、こんな感じだった。1964年!」と言って歌い始めたのがアップテンポの「抱きしめたい」。ちょっとやって、「では、この曲のレイクサイド・ヴァージョンをお届けしよう」といって、ぐっとスローにした同曲を歌い上げた。この曲では、「僕は君の手を握りたい(アイ・ウォナ・ホールド・ユア・ハンド)」どおり、マーク・ウッドは、観客席に下りてきて、みんなと握手をした。

ライヴ終了後は、ステージ衣装とはまた別のびしっと決まったスーツに着替えて、ファンサーヴィス。CDやレコードなどにサインしていた。

レイクサイドの来日は、1980年代に原宿の以前ピテカントロプスと名乗っていたクラブが名前を変えたところで1回(1987年11月=インタヴューもしていました)、その後、有明エムザ(MZA)で1回(1990年12月)、そして、彼らに聞いたところ1999年の大晦日に岩国ベースでライヴをやったそうで、今回は4回目になる。ただし一般ライヴは3回目。僕は原宿とMZAで見たので、3回目。

それにしても、まさに「ファンク・ランドへファンタスティックな旅」の70分余だった。

(レイクサイドの項は、明日以降に続きます)

■ レイクサイド・代表作『ファンタスティック・ヴォヤージ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000ALJ05U/soulsearchiho-22/ref=nosim

■メンバー

レイクサイド
Mark Wood(vo), William Shelby(vo), Donald Tavie(vo,key), Stephen Shockley(vo,g), Marvin Craig(vo,b), Fred Alexander(vo,ds), Johnny Rogers(key), Fred Lewis(key,per), Larry Bolden(back vo)

■ Setlist : Lakeside @ Cotton Club, May 18, 2007
セットリスト レイクサイド 2007年5月18日 コットンクラブ

show started 21:38
01. Outrageous (From LP "Outrageous" - 1984)
02. Raid (From LP "Untouchables" - 1983)
03. Intro Slow Jam 〜 It’s All The Way Live (From LP "Shot Of Love" - 1978)
04. I Want To Hold Your Hand (Beatles Version) 〜 I Want To Hold Your Hand (Lakeside Version) (From LP "Your Wish Is My Command"-1982)
05. Something About That Woman (From LP "Your Wish Is My Command"-1982)
06. Drum Solo 〜 Fantastic Voyage (From LP "Fantastic Voyage" - 1980)
show ended 22:52

(2007年5月18日金曜、丸の内コットンクラブ=レイクサイド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Lakeside
2007-64

Kishita Kohshi Live At OAZO

2007年5月20日
【木下航志ライヴ、丸の内・オアゾビル】

響き。

地下からエレヴェーターに乗って1階に進んでいくと、すでに、航志くんの歌声が聞こえてきた。「明日に架ける橋」だ。さすがに、場所が広く、天井が高いので、音が響く。ここは、丸の内・東京駅前にできたビル、オアゾ(OAZO)の1階。木下航志アコースティック・ライヴが行われた。これは、無料コンサートで、ビルを行き交う人が自由に座って見られるというもの。不定期にライヴが行われているようだ。

会場はオアゾ・ビルの1階OO広場(おおひろばと読むそうだ)。1階の一角に約60席作り、座って見られる。両サイドには、本にも使われた彼の写真などが飾られている。

航志くんはこの日はキーボードとベース(名村武さん)とともに、6曲ほどを約40分歌った。

たぶん、この日は、たまたま通りすがりで彼の歌声が気になって、座ったという人が多かったのだろう。もちろん、何人かの熱心な航志ファンもいた。歌っていると、みんな立ち止まっていく。

歌った作品は、先日出た2作目のアルバム『ヴォイス(Voice)』収録曲が中心。ライヴは会場がとても音が響くので、アコースティック・セットになったが、彼の歌声はよく響いていた。

CDと彼の本『Voice』を即売し、握手会をしていたが、本はあっという間に30冊近く売れたそうだ。観客100人(通りすがりの人をカウントするともっと多いが)で30冊も売れたら、これはすごい比率。彼のことをまったく知らない人でも、その歌を聴くと興味を持つようだ。

セカンド・アルバム 『VOICE』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000MV80WC/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ファースト・アルバム 『絆』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000CEK50Y/soulsearchiho-22/ref=nosim/

木下航志オフィシャル・ウェッブ
http://www.kishitakohshi.com/

Setlist : Kishita Kohshi @ Oazo, Marunouchi, May 18, 2007
セットリスト 木下航志 丸の内・オアゾ 2007年5月18日(金)

1st
01. Ribbon In The Sky
02. Love Is Everywhere
03. 遠い街
04. たからもの
05. 通り雨
06. 絆

2nd set
show started 19:05
01. Bridge Over Troubled Water
02. Love Is Everywhere
03. 遠い街
04. たからもの
05. 絆
06. 竹田の子守唄
show ended 19:40

(2007年5月18日金曜、丸の内・オアゾ・ビル・OO広場(おおひろば)=木下航志・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kishita, Kohshi
2007-63

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