【フィリップとマクサンのライヴ】

適材適所。

東京一ファンキーなキーボードプレイヤー、フィリップ・ウーがいつものバンドでおよそ2ヶ月ぶりにブルース・アレーに登場。ジェイ・スティックス(ドラムス)、クリフ・アーチャー(ベース)、ハンク西山(ギター)、そして、フィリップのキーボード。これに、ゲストで小林香織ちゃんがサックス、もうひとりキーボードでガクシくんという若手が参加。フィーチャード・ゲスト・シンガーがマクサン・ルイス。

マクサンは比較的長い時間のライヴをするのはかなり久しぶりということで、若干最初は固めだったが徐々に暖まった感はあった。フィリップが言うように、彼のライヴは「常にジャム・セッション。時間と予算があれば、何度もリハーサルができるが、それがない中、ぎりぎりでやらなければならないので、ある意味で完全なライヴ・ショーというよりジャム・セッションという感じになってしまうんだ」というもの。

そういうわけで各セット冒頭の2曲は彼の好きなアーティストのインストゥルメンタル曲を配置する。バンドは本当にタイトでかっこいい。しかし、1曲が若干長すぎる嫌いはある。2曲でだいたい30分近い。

ファースト3曲目でマクサン登場。いきなりアン・ピーブルスの作品を。彼女にはこういう南部ソウル系、あるいはオールド・スクール系のものがあっている。またここから入ったキーボード奏者のガクシ(藤川学史)くんは初めて見たが、体でパフォームする実にファンキーなキーボード奏者で一目見てとても気に入った。帽子をかぶって、一見ラッパーのようないでたちで、頭を思い切り振りながらキーボードでリズムを刻む。ソウル系にはもってこいのキーボード奏者だ。

マクサンが歌った中で圧巻だったのは、セカンドセット5曲目の「アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー・トゥー・ロング」。フィリップは「この曲は、僕には涙が思い浮かぶ」と言った。マクサンはこう前置きした。「私 はたくさんのシンガーに影響を受けてきました。これから歌う曲は、私が影響を受けたシンガーのひとりの作品です。オーティス・レディング。彼に捧げます」と言って歌い始めた。さすがに歌いこんでるだけあって見事。この日彼女が歌った作品の中では一番の出来だった。途中、観客からもやんやの喝采を浴び、歌い終わるとスタンディング・オヴェーションまで。こういうディープな曲が彼女には絶対にあっている。この日の中ではレイラ・ハザウェイ、ブレンダ・ラッセル、シャーデーの曲などはちょっとあっていない。もちろん逆にそういう曲があうシンガーもいるのでシンガーにはそれぞれ向き不向きの曲があるということだ。適材適所だ。マクサンの歌で、アレサやグラディス、シャカ、パティー・ラベル、エタ・ジェームス、ミリー・ジャクソンあたりの作品を聞いてみたい。あるいは『ドリーム・ガールズ』の「リッスン」や「アンド・アイム・テリング・ユー・・・」あたりもどんぴしゃだろう。

さて、本編最後の曲をやる前にフィリップは言った。「この曲は僕が書いた曲です。この前シアトルで父に会いました。今夜を父、お父さんに捧げます。彼はこの地球上で最高の人です! (拍手) 今夜、この曲をお父さんに捧げます」 そして「ロード・トゥ・ゼア」。途中でフィリップは泣いていたようだ。後で聞くと「お父さんは86歳で、今病気で、とても心配しているから」とのこと。「じゃあ、今日の同録をお父さんに送ったら」と言うと「はずかしいから嫌だ」と言う。「いや、恥ずかしくても、絶対に送りなよ。Don’t be shy! 後悔するよ」と押す。「ちょっと考える」とフィリップ。フィリップは5人兄弟の末っ子。お母さんは30年くらい前に亡くなり、ステップマザーに育てられたそうだ。彼女はまだ元気だ。

■ フィリップ・ウー・バンド・フィーチャリング・マクサン・ルイス次回ライヴ

"FLASH Disc Ranch presents 25th Anniversary Party"
『フラッシュ・ディスク・ランチ・プレゼンツ 25周年記念パーティー』
日時 2007年12月4日(火曜) 開場18時30分 開演19時00分
会場 クラブ251(下北沢)〒155-0032 東京都世田谷区代沢5-29-15 SYビルB1/電話:03-5481-4141/
http://www.club251.co.jp/index2.html
料金2500円(前売り) 3000円(当日)
出演 Philip Woo Band feat. Maxayn Lewis/FLASHつばき Allstar Revue feat. Shoko & Wonderbabies/ゲストDJ:Rafael Sebbag/ゲストpainter:勝股秀之,他
問い合わせ先 フラッシュ・ディスク・ランチ 電話03-3414-0421 flash@mx5.nisiq.net

■ メンバー(@ブルース・アレー)

Philip Woo (HAMMOND B-3/Harp),  Maxayn(Vo),  Hank Nishiyama (G/Vo), Cliff Archer(B),  Jay Stixx(Ds),  Gakushi Fujikawa(Key)
★Special Guest小林香織 (Sax)

Setlist : Philip Woo Band Featuring Maxyan Lewis, @Blues Alley, November 8, 2007
セットリスト フィリップ・ウー・フィーチャリング・マクサン

First set
Show started 19:42
01. City Country City (Instrumental) [War]
02. Powerhouse (Instrumental) [Chester Thompson]
03. Come To Mama [Ann Peebles] (Maxayn + Gakushi)
04. Make It With You [Bread] (Maxayn + Gakushi)
05. One Day I’ll Fly Away [Joe Sample, Lahla Hathaway] (Maxayn)
06. Fingertips [Stevie Wonder] (Maxayn + Gakushi)
Show ended 20.49

Second set
Show started 21:20
01. There Are Many Stops Along The Way (Instrumental) [Joe Sample]
02. Watermelon Man (Instrumental) [Herbie Hancock]
03. Never Can Say Goodbye [Jackson Five] (Maxayn)
04. Kiss Of Life [Sade] (Maxayn)
05. I’ve Been Loving You Too Long [Otis Redding] (Maxayn)
06. Piano In The Dark [Brenda Russell] (Maxayn)
07. Lover’s Concerto [Sara Vaughn] (Maxayn)
08. Road To There [Philip Woo] (Maxayn)
Enc. Put Your Records On [Colin Bailey Rae] (Maxayn)
Show ended 22.52

(2007年11月8日木曜、目黒ブルース・アレー=フィリップ・ウー・バンド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Woo, Philip / Maxayn
2007-151
【エルヴィスを受け継ぐジェイミー・アーロン・ケリー、週末に日本公演】

エルヴィス。

日曜日『ソウル・ブレンズ』(インターFM76.1mhz、15時〜17時)に今週ライヴのために来日したシンガー、ジェイミー・アーロン・ケリーがゲストとしてやってきた。ジェイミーは、あのエルヴィス・プレスリーの物真似パフォーマンスをしてアメリカで人気となったシンガーだ。入口で迎えると、皮ジャンを来たジェイミーはどことなくエルヴィスに似ていないこともないが、とてもいい雰囲気のアメリカンな若者だった。

本番になるまで雑談をしていたのだが、彼はアイオワ州の1万2千人ほどのアメリカ人でも誰も知らないような小さな街出身。アイオワというと思い浮かぶのが世界的ベストセラーとなった小説『マディソン群の橋』だが、その舞台となったところは車で1時間半くらいらしい。両親が音楽好きで、特にお父さんちょっとしたエンタテイナーで、ステージで歌ったりしていたが、エルヴィスの大ファンだった。

何年生まれか聞くと「1980年、2月」との答え。「日にちは?」「シックスティーン(16)」。「エエエエエッ???」 「同じなのかい?」とジェイミー。「同じだ!」
そして、例によって、「この日はね、ジョン・マッケンロー知ってる? テニスの。同じ日。ジェームス・イングラム、ソウル・シンガー、同じ日」 「ジェームス・イングラム? う〜ん、わからない・・・」「マーヴィン・ゲイの『アイ・ウォント・ユー』知ってる? あれを書いたレオン・ウェア」「おお、その曲は知ってる・・・」「あと、北朝鮮のキム・ジョン・イル・・・」「(怪訝そうな顔)??」 一緒にいた今回の来日をコーディネートされているNさん(日本人)に「他に、日本では高倉健とか、逸見正孝さんとかいます」と伝える。彼は言う。「エルヴィスの誕生日は、1月8日、それをダブルにすると、僕の(誕生日)になるんだ。1−8が2−16ね」「おおおっ」 ひとしきりあった後、僕は彼に言った。「僕は君の誕生日は決して忘れないよ!」(当たり前だが・・・)

さて、ジェイミーのライヴは今週末2日間ある。初日は、比較的オリジナルを中心に、そして、2日目はエルヴィスの1969年8月のラスヴェガス・ショウのライヴパフォーマンスをそっくりそのまま再現する。

ジェイミーによれば「これは、それこそ、衣装、エルヴィスがしゃべった台詞(セリフ)、動き、歌はもちろん、マイクなどもそのときのものを使って再現するんだ」という。彼にとってエルヴィスは「さまざまなタイプの音楽をやってきた人。ロックン・ロール、ソウル、カントリー、ゴスペル、ブルーズ・・・。だから、エルヴィスをそっくりそのままやることも大事だが、自分のオリジナル作品にも、そうしたあらゆるジャンルの音楽を取り入れていこうと思っているんだ」と語る。

『ソウル・ブレンズ』では、マーヴィンとジェイミーのちょっとしたエルヴィス物真似対決なども起こり、けっこう盛り上がった。

ジェイミーのミドルネーム「アーロン」はエルヴィスと同じだ。「そうなんだよ。本当は父は、ミドルネームにエルヴィスとつけたかったらしい。(笑) ジェイミー・エルヴィス・ケリー、ってね。でも母がそれは『トゥ・マッチ(やりすぎ)』だと言って、結局、エルヴィスのミドルネームに落ち着いたんだ」と笑う。もちろん、ジェイミーが生まれたときには、すでにエルヴィスは故人であった。

今回はディナー・ショー・スタイルになるので、ちょっと値段が高いが、主催者によるとそれでも赤字だそうだ。熱心なエルヴィス・ファンの方は、チェックされてみてはいかがだろう。

■ ジェイミー・アーロン・ケリー・ライヴ

日時 2007年11月9日(金)開場18時、開演19時30分
日時 2007年11月11日(日)開場17時30分 開演18時50分
料金 VIP席 21000円、S席 18000円 (ディナー付き)
場所 スイートベイジル139電話03-5474-0139
http://stb139.co.jp/139/map.html
東京都港区六本木6-7-11(地下鉄日比谷線「六本木」3番出口徒歩2分)
主催・問い合わせ先 「える」 電話 03-5798-4640
http://www.el-inc.co.jp/

ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT>Kelley, Jamie Aaron
【マル、ブルース・アレー・デビュー】

堂々。

これまで『ソウル・サーチン』などのゲストで目黒ブルース・アレーのステージには何度か立っているR&Bシンガー、マルが初めて同地で単独でライヴを敢行した。バンドはこのところすっかり固まってきているメンバー、そして、若干の新曲を加えマルの小気味よいステージ・パフォーマンスが繰り広げられた。観客は6−4くらいで女性が多い感じ。マルによれば「6.5対3.5くらいじゃないですか」とのこと。

安定感もあり、堂々とした歌いっぷり。ステージ裁き。ファーストで圧巻だったのは、バックコーラスの長谷川雅洋(はせがわ・まさひろ)くんとのデュエットで歌ったスティーヴィー作品「ノックス・ミー・オフ・マイ・フィート」。前回は彼女がひとりで歌い、ずいぶんと彼女にあっているという印象だったが、雅洋くんの声が、超ユニーク、ソウルフルで、実にいい出来だった。それにしても、この声は『声だけで顔になる』、相当すごい個性がある。前にも思ったが、バックシンガーとしては目立ちすぎるほどだ。22歳の現在大学生。

彼はセカンドの「カム・インサイド」でも歌を披露。どこかそのソウルフルな歌声がアンソニー・ハミルトンを彷彿とさせた。マルのお得意のマリーナ・ショウの2曲は、もうこれは毎回、笑いもとれるトークと抜群の歌で、すっかり自分のものにしている。メロディーをつけたMCは、ますます磨きがかかっている。また、今回初めて披露されたアース・ウインド&ファイアーの「シャイニング・スター」はどこかシャカ・カーンを思わせるアレンジでひじょうにマルにあっていた。シャカっぽいな、と思ったら春先に出た『アース・ウインド&ファイアー・トリビュート』のCDでのシャカのヴァージョンを元にしていた。今までありそうでなかったが、この1970年代ファンク風もマルにはかなりあっている。

マルは『日本のジル・スコット』とよく表現されるが、こういう曲を聴いていると『日本のシャカ・カーン』と言ってもいいかもしれないとも思う。マルはジャズもソウルもファンクもシャウト系コテコテも歌うしね。

「オーディナリー・ピープル」もいい表現力で、ジョン・レジェンドとは違う味わいを出す。うまい。そして、観客にtake it slow, babyを何度も歌わせる。観客も覚える。

そして、彼らが一旦ステージを去ると、観客の中からどこからともなくそのメロディー(take it slow, baby)のところが、「アンコール、アンコール、ベイビー」となって歌われ始めた。いやあ、びっくり。

さて本日のサプライズ。アンコールになってシークレット・ゲストがいるとマルが発表。なんと、マルがこの秋ソロ・ライヴでバックをつけたゴスペラーズの黒沢薫さんが、サプライズで登場。2007年7月1日の『ソウル・サーチン〜ルーサー・ヴァンドロス』の回で黒沢さんとマルがデュエットした「ソー・アメージング」を歌うではないか。2人のデュエットは、スティーヴィーとビヨンセのヴァージョンを元にしているが、デュエット得意の黒沢さんとマルのコンビネーションはいい感じだ。さすがに黒沢さんはまずはトークで客をつかみ、そして歌で観客の心をぐっとわしづかみにした。曲最後のところでは、観客に『小さな声でマ〜〜〜ル』(マ〜〜ル) 『今度は大きな声でマ〜〜ル』(マ〜〜ル!)と歌わせ、見事にコール・アンド・レスポンスを成立させた。しかも、これがリハもなし、その場で突発的にやったというのだから恐れ入る。

実は黒沢さんとセカンドを一緒に見ていたのだが、彼もバックコーラスの雅洋くんが気になったようで、「あれは、誰、何者?」とさかんに興味を持っていた。ということで、ライヴ後黒沢さんに雅洋くんを紹介し、今回は彼とゆっくり話をした。

マルは結局、ファーストとセカンドをあわせると2時間以上歌ったことになり、客席もほぼいっぱいになり、彼らを満足させ、十分第二回ができそうだ。歌うマルのほうも、観客との距離感が近すぎることもなく、でも、ちょうど近くて、またPAの音響もよくひじょうに歌いやすいということで、このブルース・アレーの会場を大変気に入った、という。マル、堂々のブルース・アレー、デビューだ。

■マル過去関連記事

September 13, 2007
Maru Will Write New Song With Each Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002023.html
(前回ライヴ評)

May 15, 2007
Maru Live; Takeo & Mana Live
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200705/2007_05_15.html(前々回ライヴ評=ここに過去記事一覧があります)

■MARU バンドメンバー

林田“pochi”裕一(key)
渥美幸裕(guitar)
坂本竜太(bass)
岸田容男(drums)
Olivia(vocal)
長谷川雅洋(vocal)

■マル・オフィシャル・ページ
http://www.marudiva.com/

■セットリスト
Setlist : Maru live at Meguro Blues Alley, November 7, 2007
セットリスト マル 

First Set
show started 19.50
01. Jewels (新曲)
02. Musiq [Musiq]
03. Hiding
04. Knocks Me Off My Heart [Stevie Wonder] (With Hasegawa Masahiro)
05. Shinig Star (Original)
06. The Way
07. 少しだけ
show ended 20.48

Second set
Show started 21.19
01. Can’t Stop Loving You
02. Loving You Is Like A Party [Marlena Shaw]
03. Come Inside
04. Street Walking Woman [Marlena Shaw]
05. Mr.PPB (嘘)(新曲)
06. Shining Star [Earth Wind & Fire]
07. Ordinary People [John Legend]
Enc1. So Amazing [Luther Vandross] (With Kurosawa Kaoru)
Enc2. 守りたいから
Show ended 22.42

(2007年11月7日水曜、目黒ブルース・アレー=マルmaruライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>maru
2007-150
【高山広、アウェイで大奮闘する】

ホーム。

一人芝居とは、一人でさまざまな人格、物格(物の人格のようなもの)を演じるパフォーマンスだ。特にこの高山広は、地球上の、いや、地球のみならず宇宙中のあらゆる物になりきれる。そして、言葉遊びと状況設定が抜群にうまい。すでにネタ数は600とも700とも言われる彼のパフォーマンスは、どこをとっても観察力と想像力の見事な集大成だ。

イタリアン・ピッツエリア「マルターノ」で行われた高山広の『おキモチ大図鑑』では、例えば、彼はテレビになったり、傘立てになったり、体の臓器になったり、星になったりした。若干、最初のあたりは、観客との距離感がつかめなかった感もなきにしもあらずだが、徐々に観客を「高山広の世界」に引きずりこんだ。

見どころはいくつもあったが、『TV MAN』でのチャンネルのザッピングをものすごい勢いでやって、そこに映し出される作品が時間を追って、次々とでてくるところなど、見事。最後はちゃんとNHKの「君が代」で終わっている。

僕が個人的にもっとも気に入ったのは、『機械(メカ)に強い男』。スイカの料金が80円足りなかったばっかりに、ゲートが開いてもらえず、当り散らす酔っ払いから、自販機に向かってごねる男まで、機械に対して強く物申すところが実におもしろい。高山さんによれば、これは十年くらい前に一部ができて、徐々に増やしたりして完成してきている、という。この日は演じなかったが、携帯電話とのやりとりのシーンもあるそうだ。

唯一、ちょっと気になったのが音響関係。やはり会場が若干広いので彼の声が後ろのほうにいると聞き取りにくかった。ただ、これは、例えばマイクをピンマイクにするなり、PAをしっかりすればすぐに解決する問題なので、次回以降はぜひ。

それにしても滑舌が実にいい。1時間半以上、ほとんどいい間違えなどもなかった。返ってきたアンケートによると概ね好評だったようだ。彼はまた、この「アウェイ」の場も、最後には「ホーム」にしてしまったようだ。

Setlist : Takayama Hiroshi @ Martano, November 6, 2007
セットリスト 高山広

Show started 20:14
00. “前菜”益田部潤氏による前説
“メイン”
01. 『しつれんレストラン』
02. 『絶倫不倫アナウンサー』
03. 『繰り言慎一郎』
04. 『TV MAN』
05. 『カサタテとカサなカンケー』
06. 『Gift〜ココロをこめて・・・。〜』
07. 『機械(メカ)に強い男』
08. 『バッテリーギレ・・・』
09. 『遠くから・・・遠くから・・・☆星が祈りを』
10. 『ラストオーダーをもういっぱいっ!』
“デザート” (スマイル)
show ended 21:55

(2007年11月6日(火曜)、藤が丘マルターノ=高山広ライヴ)
ENT>ONE MAN PLAY>Takayama Hiroshi
2007-149
【エイメリー・ライヴ@ビルボード・ライヴ】

見栄え。

韓国とアメリカのハーフであるR&Bシンガー、エイメリー、過去2回プロモーションで来日。今回は3度目の来日だが、一般公演は初。バンドは、ドラムス、ギター、ベース、キーボード、ダンサー2人という編成。約62分、次々とヒット曲やアルバム収録曲を見せた。

最近のR&Bバンドの典型なのか、キーボードがほとんどの音をつかさどる。おそらく、ドラムスやベースの音などもキーボードからの打ち込み音が主体。一応ドラマーもいて、一見叩いているが、打ち込みの音にキモチかぶせるという感じ。女性コーラスもそこにいなくてもどこからか出てくる。最近、シンガーはいないのにコーラスが出てくることがとても多い。これは個人的にはビミョー。

そうしたことはさておきエイメリーはスタイルもよく、かわいい。最近のタイトなR&Bサウンドはいかにも今風。ダンサー3人と一緒に踊ると、見栄えはする。それと曲が次々と小気味よく代わっていくのがいい。観客は、さすがに若い人が多かった。

■エイメリー最新作

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000RG1DFI/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ 過去ライヴ評

April 12, 2005
Amerie: Live Show Case At Xross
http://blog.soulsearchin.com/archives/000032.html

■ セットリスト
Setlist : Amerie Live At Billboard Live, November 5, 2007
エイメリー ライヴ ビルボード 

Show started 21:54
01. Intro/Forecast
02. Talkin’ To Me
03. That’s What U R
04. Come With Me
05. Rolling Down My Face
06. Why Don’t We Falling In Love ( Remix)
07. Hate 2 Love U
08. You’re A Star
09. Crush
10. I Just Died
11. Nothing Like Loving You
12. All I Have
13. Paint Me Over
14. Can’t Let Go
15. (Band Break: Instrumental) Make Me Believe
16. Take Control
17. Gotta Work
18. Talkin’ About
19. 1 Thing
show ended 22:56

(2007年11月5日月曜、六本木・ビルボード・ライヴ=エイメリー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Amerie
2007-148
【ソウル・サーチャー関連ライヴ、今週まとめて3本】

続々。

これまでに『ソウル・サーチン』のイヴェントに出演してくれたソウル・サーチャー関連のライヴが、今週あいついで行われる。簡単にまとめてみた。高山広、マル、そして、フィリップ・ウーだ。

■ 高山広

『ソウル・サーチン〜ルーサー・ヴァンドロス』(2006年7月1日)で、ルーサーの一人芝居を演じて大好評を得て、その後、『ソウル・サーチン〜アレサ・フランクリン』でもアレサについての一人芝居を演じた高山広さんが、今週11月6日(火曜)、東急田園都市線「藤が丘」駅前のイタリアン・ピッツェリア「マルターノ」で一人芝居を演じる。

October 01, 2007
Takayama Hiroshi Will Be At Martano November 6th
【高山広〜マルターノに登場】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002055.html
↑高山広・ライヴの告知

◎高山広の一人芝居「おキモチ大図鑑」@マルターノ
日 時:2007年11月6日(火曜) 18時開場 20時開演(ライヴは90分程度の予定)
会 場:ピッツェリアバール・マルターノ(藤が丘店)
TEL & FAX 045-973-5844 
神奈川県横浜市青葉区藤が丘1-29-2-2F (東急・田園都市線・藤が丘駅前東側・徒歩1分)
メールアドレス info@martano.jp
料 金:2,500円(税込み)(この他にご飲食代がかかります)
出 演:高山広
ご予約:マルターノへ直接お電話、メールなどでしてください。

◎ 高山広の一人芝居「おキモチ∞HANJOH」
日時: 2007年11月7日(水) 19時開場 20時開演
会場: 武蔵小山イベント・カフェ・アゲインvol.7 Tel: 03-5879-2251 
東京都品川区小山3-27-3            
入場料 2,000円
お席は早い方順。 (当日券も若干ご用意予定)

高山広・公式ウェッブ
http://schop.air-nifty.com/takayama/

■ MARU(マル)ライヴ@目黒ブルースアレー

同じく『ソウル・サーチン』でマーヴィン・ゲイ、ルーサー・ヴァンドロス、そして、アレサ・フランクリンと3回連続で出演中の和製R&Bディーヴァ、maru(マル)が、ブルース・アレーに11月7日(水曜)に単独では初登場する。そして、マル・バンドとしては今年最後の単独ライヴになる予定。「最近はちょっとジャズ系のものもよく聴いています」というマル。果たしてどんなものになるだろうか。

September 13, 2007
Maru Will Write New Song With Each Live
【マル、ライヴごとに新曲1曲を課す】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002023.html
↑マル、前回ソロライヴ、ライヴ評

◎ MARUバンド
日時 2007年11月7日(水曜) 開場6時、開演第一部7時半、第2部9時15分(入れ替えなし)
料金 4000円(前売り)、4500円(当日券)
会場 目黒ブルースアレー・ジャパン
http://www.bluesalley.co.jp/
住所  〒153-0063 東京都目黒区目黒1-3-14
ホテルウィング・インターナショナル目黒B1F
電話  03−5740-6041(予約専用電話)当日のお店の番号03-5496-4381
行き方  JR山手線・目黒駅西口を降りて、恵比寿方向へ進み目黒通り(一方通行)を左折、100メートル弱・坂を降りた右側。地下一階。駅から徒歩3分。
出演:MARU(vo) 渥美裕幸(g) 林田ポチ裕一(key) 坂本竜太(b) 岸田容男(ds) 長谷川雅洋(cho)Olivia(cho)

Maru公式ウェッブ
http://www.marudiva.com/

◎ フィリップ・ウー・ライヴ・フィーチャリング・マクサン・ルイス

日本のR&Bシーンでもナンバーワンを競う人気を誇るファンキーなキーボード奏者、フィリップ・ウーが自らのバンドでのライヴを2007年11月8日目黒のブルースアレーで行う。今回の最大の目玉は、リード・シンガーに東京在住のヴェテランR&Bシンガー、マクサン・ルイスをフィーチャーする点。

マクサン・ルイスは1970年代初期に、スライ&ファミリー・ストーン的なロック、ファンクを混合させたグループ、「マクサン」(グループ名)のリード・シンガーとして活躍。グループ「マクサン」はカプリコーン・レコードから3枚のアルバムを1972年から1974年にかけてリリースした。一部で熱狂的なファンを獲得したが、一般的にはブレイクせず、一度解散。グループの核となっていたメンバー、アンドレは、モータウンと契約し、グループ名を「マンドレ」と変更し、アルバムをリリースした。マクサンはその後、ロスのスタジオ・ミュージック・シーンで活躍、ギャップ・バンドのバックコーラスなどをしていた。1980年代に日本に一時期住んでいたこともあるが、1年程前に再び来日、現在東京を本拠に活動している。

2007年3月に行われた『ソウル・サーチン〜アレサ・フランクリン』でもアンコールの「フリーウェイ・オブ・ラヴ」で飛び入りで歌っている。ゴスペルに根付いた迫力あるヴォーカルが最大の魅力だ。今回はマクサンの歌がたっぷり聞けそうで楽しみだ。

October 02, 2007
Philip Woo Live At Blues Alley
【フィリップ・ウー・ライヴ】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_10_02.html

June 06, 2007
Philip Woo: A Tribute To Billy Preston Live
【フィリップ・ウー、ビリー・プレストンへ捧げる】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001815.html

フィリップ・ウー・ライヴ
日時 2007年11月8日(木)開場午後6時、開演第一部7時半、第2部9時15分
料金 4000円(前売り)、4500円(当日券)
会場 目黒ブルースアレー・ジャパン
http://www.bluesalley.co.jp/
住所  〒153-0063 東京都目黒区目黒1-3-14
ホテルウィング・インターナショナル目黒B1F
電話  03−5740-6041(予約専用電話)当日のお店の番号03-5496-4381
出演(HAMMOND B-3/Harp)Philip Woo (Vo)Maxayn (G/Vo)Hank Nishiyama (B)Cliff Archer (Ds)Jay Stixx Special Guest (Sax)小林香織

ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT>
【ドキュメンタリー『キシタコウシ』、11月17日から公開】

続き。

吉本興行が若手の映像作家だけでなく、所属のタレントなどに映像を作るチャンスを与えようと、「Yoshimoto Director’s 100(ヨシモト・ディレクターズ100)」という企画をスタートさせている。基本的には作品はドキュメンタリーであれ、映画であれ、小ストーリーであれ、ギャグであれ、なんでもいいのだが、監督が30分程度の映像作品を100本作る。そしてできた作品は順に吉本が持つ小映画館で公開するというもの。すでに初期の作品の公開が始まっている。

そんな一本に木下航志くんのドキュメンタリー、その名も「キシタコウシ」があり、これが完成、都内の「神保町・花月」、渋谷の「ヨシモト∞ホール(渋谷)」で2007年11月17日から公開される。

試写版を見た。作品は31分程度。カメラは、8月に品川教会で行われたライヴのシーン、そのリハーサル・シーン、ニューヨークの教会に行って歌った模様、ネパールで歌った様子、さらに母、周囲の関係者のインタヴューを交えて構成している。30分という短い時間なので、ここ半年ほどの木下航志の映像日記といったところか。音楽家木下航志の18年の序章という雰囲気だ。

だから一言で言えば、もっと続きを見たい、ということに尽きる。周囲のインタヴューも、そして、ライヴ・シーンも。特に品川教会でのライヴ・シーン(今回は「アメージング・グレイス」「テル・ミー・ライズ」「竹田の子守唄」など)の映像は美しく、もっとじっくりライヴ映像を見たいと感じた。

■ 上映会場 (スケジュール・時間などはこちらをご覧ください)

「神保町花月」
http://www.fandango.co.jp/jimbocho/index.html
「ヨシモト∞ホール(渋谷)」
http://www.fandango.co.jp/mugendai/
『キシタコウシ』2007年11月17日(土)〜11月23日(金)まで上記劇場で公開。その後、大阪での公開もあります。

■ 木下航志・過去関連記事 インタヴューのときの様子

August 31, 2007
Kishita Kohshi Live At Shinagawa Church: Can I Get A Witness? (Part 2)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_08_31.html
August 30, 2007
Kishita Kohshi Live At Shinagawa Church: Can I Get A Witness?
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_08_30.html

■「ヨシモト・ディレクターズ100」の公式ホームページ

http://www.yoshimoto.co.jp/yd100/
http://www.yoshimoto.co.jp/yd100/program/index02.html#39

ENT>MOVIE>Kishita Kohshi
ENT>ARTSIT>Kishita Kohshi
【もっとサム・ムーア〜ソウル大爆発の夜(パート2)】

幸運。

サム・ムーアの熱いステージが終わった後、しばらくしてマネージャーであり奥さんでもあるジョイスさんと少し話をした。サム本人は雑誌かなにかの取材で手が離せなかった。ジョイスさんとは昨年、インタヴューの席などで挨拶をしていたが、彼女からこんごのサムの情報をいくつかきいた。

それによると日本の後、一度ホームに戻り、その後月末にイギリスで、「アーメット・アーティガン・トリビュート」のライヴのアフター・パーティーにでる、という。これはアメリカで今年春に行われたもののイギリス・ヴァージョンになり、レッド・ゼッペリンなどイギリスのアーティストばかりがでる。その本編にはでないが、アフター・パーティーのライヴがあり、そこで7−8曲のセットを歌うそうだ。また、レコーディングでは、ディズニーから声がかかり、現在ディズニーが計画中の『ソウル・オブ・ディズニー(仮題)』というコンピレーション・アルバムに1曲提供する。これはさまざまなソウル・アーティストがディズニー作品を歌うという企画で、現在選曲中。サムは「ホエン・ユー・ウィッシュ・アポン・ア・スター(星に願いを)」ほか2曲程度(「ディガ・ディガ・ドゥ」?)が候補になっている。それにしても、ソウル・アーティストのディズニーとは考えたものだ。すばらしい。その後2008年になってから、自分の新作のレコーディングに入る予定だそうだ。前作のリリースが2006年だったので、2008年以内にでれば2年ぶりくらいになる。

木曜日、忌野清志郎さんやトータス松本さんらが飛び入りしたことについて、「サムの音楽が、彼らのルーツの一部になっているのね。彼らがサムを慕ってやってきてくれるのは、本当に素晴らしいことだわ」という。特に清志郎さんについては、「彼はまったく無名だったころにサムのところにやってきていて、もう30年以上、40年近くの付き合いなのよね」と目を細める。もちろん、サムは清志郎さんの病気のことは知っていて、一年ぶりに会って元気になっている様子を見てことのほか喜んでいるそうだ。

またこの日は衛星放送「BSフジ」で2007年10月から放送が始まったブルーノートのライヴを紹介するテレビ番組『スピーク・イン・ミュージック』(毎週土曜23時30分〜24時00分)の収録が入っていた。飛び入りした2人の了解もとったそうなので、オンエアー上でも、この飛び入りの様子が映し出されることだろう。

ステージ中央のところにリモコンカメラ、また、ドラマーのトニーの正面を狙うカメラなどステージにも何台かあり、かなりの数のカメラで撮影していたのでオンエアーが楽しみだ。(とは言っても、うちのテレビではBSフジが入らないので、誰か友人に頼むことになるのだが・・・(笑))

ライヴ後、テーブル席に清志郎さんご一行がいるのを発見した。去年も楽屋で一瞬すれ違っていたのだが、お声がけできずにいたので、今度は勇気を奮って挨拶にいった。これこれしかじかと名乗って名刺を渡すと、暗いテーブルでそれが見にくかったのだろう、じっくり見て、「あ、知ってますよ。ブログ読んでますよ」と言われた。「ほんとですか」と言いながら膝が抜けそうになった。(笑) 確かに昨年、サム・ムーアのライヴ評を書き、清志郎さんの飛び入りについてふれ、清志郎さんファンのアクセスが増えたらしかったが、まさかご本人がとは思ってもみなかった。

ライヴももちろんよかったのだが、それ以上に清志郎さんとお話ができたのが嬉しかった。聞けば、サム・ムーアのライヴ4日間あるうち、スケジュールの都合でこの日しか来れないという。ラッキーっ! 

■ サム・ムーア 今回のセットリストなど

November 02, 2007
Everybody Loves Sam Moore: A Night Of Soul Explosion (Part 1)
http://blog.soulsearchin.com/archives/002119.html

(2007年11月1日木曜、東京ブルーノート=サム・ムーア・ライヴ)
ERNT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2007-146
(サム・ムーアのライヴ評です。これからご覧になる方で内容を事前に知りたくないという方はあなたのリスクにおいてお読みください。ご覧になる予定で事前にある程度知っておきたいかた、また、ご覧になる予定のない方、見ようか見まいか迷い中の方は存分にお読みください。)

【ソウル大爆発の夜】

ソウル・パワー。

本当は水曜日の初日に行く予定だったが、急遽都合により木曜に変更したサム・ムーアのライヴ。行く道すがらたまたま最近番組選曲で使ったボビー・ウーマックのベストアルバムのCDが車で流れている。前回来日から1年経たずしての来日。会場はすでに熱きソウル・ファンで膨れ上がっている。若干年齢層も高い。7インチのシングル盤を持ってきている女性ファンもいた。若い頃に赤坂のムゲンあたりに通っていた人たちかもしれない。

3曲のインストゥルメンタルで観客を十分に暖めてから、サムがワイアレスマイクで歌いながら黒のスーツに赤のシャツといういでたちで登場。昨年同様「ノック・オン・ウッド」からスタートした。しかし、あの強力な声は、なんと素晴らしいものか。72歳とは思えぬサムが「ア〜〜」と声を出すだけで、ブルーノートは瞬時にアポロになる。イエ〜 ソウル・ダイナマイト。

セットリストは日によって若干入れ替えているようだが、この日ノックダウンさせられたのは、スロー・バラード「アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー・トゥー・ロング」だった。(初日は、ブルーノートのホームページのセットリストによると歌われなかったようだ) これは、サム・ムーアと同じアメリカの名門ソウル・レーベル、スタックス・レコード所属のもうひとりの天才ソウル・シンガー、オーティス・レディングの名唱で知られるソウル不朽の名作だ。ただ普通のR&Bシンガーがカヴァーするのとはわけが違う。まさかこの名作を、レーベルメイトのサムの歌で聴けるとは夢にも思わなかった。イエ〜 ソウルの体現者。

サムよりも6歳年下だったオーティスのボディーはここに来ることはできないが、オーティスのソウルは、サムのボディーを借りてこの夜舞い降りてきたかのようだ。サムはさらに続けて毎度おなじみのオーティスの「アイ・キャント・ターン・ユー・ルーズ」になだれ込む。奇しくもオーティス・メドレーだ。26歳でこの世を去ったオーティスの作品を、72歳のサムが歌う。メンフィス・ソウルは永遠なり。イエ〜。

この2曲のオーティス・メドレーが終わった後、サムの妻でありマネージャー、ジョイスさんがステージにでて、「今日はとてもとてもサプライズ・ゲストがいます」と言って一人のシンガーを紹介した。また、忌野清志郎さんかと思ったら、登場したのはなんとトータス松本さん。おおおっ。これは意外だが、よく考えてみたら、意外ではない。彼は2003年にソウル・カヴァー・アルバム『トラヴェラー』を出していて、一時期よく僕も聴いていた。

紹介されてトータスさんは言った。「今日は本当にサムの歌が聴きたくて来たんだけど、ここに来る直前に電話でサムに一緒に歌わないかって言われて。だから酒も一滴も飲まないで・・・。でも、こんなこときっともう僕が生きてるうちにないと思ったんで、一生懸命心をこめて歌います」そして始まったのが、サムも最新作『オーバーナイト・センセーショナル』でカヴァーし、トータスさんもカヴァーしていたボビー・ウーマックでおなじみの「ルッキン・フォー・ア・ラヴ」だ! これはまちがいない。いやあ、一生懸命歌うトータスの声もなかなかソウルフルだ。途中歌詞を「愛を探して〜」と変えてソウルフルに歌ったりした。こういう曲調、実にあっている。一挙に会場も熱くなった。サムからすれば、かわいい息子のような存在だろう。2人の熱いハグもよかった。ソウル・サプライズ、イエ〜。

そして、「僕のベイビーに何か」「アイ・サンキュー」の後「ソウル・マン」のイントロが流れると、会場のソウル度は大爆発。すると、またまたジョイスさん登場。う〜〜ん、なんだ? 「今日は、もうひとり、スペシャル・ゲストを紹介しましょう! キヨシロー!!」 おおおっ、やっぱり来てるではないか!! 

ステージに上がった忌野清志郎さんは、一年前のサム・ムーア・ショーへの飛び入りとは打って変わっての、まさにスター忌野清志郎だった。つまり、髪の毛がしっかり生えていて、一見化粧もしているかのような、しかもステージ衣装まで着ているスターだ。

彼は叫んだ。「一年前、サム・ムーアさんは僕をステージにひっぱりあげてくれました。そのおかげだかなんだかしらないけどよ、すっかり元気になっちゃいました!!」(大歓声) 「ありがとう! I thank you! ミスター・サム・ムーア!! 髪の毛、伸びたんだよ(笑)」 ほんとにすっかり元気そうだ。サム・ムーアのソウル・パワーが清志郎さんが言うように病気も吹っ飛ばしたのかもしれない。サムもドラッグから立ち直り生き残った。そして、清志郎さんも病気を克服し生き残った。2人のソウル・サヴァイヴァーの熱いハグだ。祝ソウル・パワー。イエ〜。

トータス松本、忌野清志郎などをどんどんとステージにあげてしまうサム・ムーア。みんな自分たちが影響を受けたサム・ムーアを愛してるのだ。年齢も人種も国籍も貧富も関係なくソウル・ミュージックのもとにひとつになる、それもまたソウル・パワーなり。ソウル大爆発の夜であった。それにしても、昨日の予定を今日に変えて、本当によかった。ラッキーっ! 

(この項続く)

■ 過去関連記事

November 15, 2006
We Want More Moore, Not Some Moore
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_15.html
(前回来日ライヴ評) (ここに過去記事一覧も)

November 18, 2006
Sam Moore With Surprising Finale: Sam, You Are So Beautiful
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_18.html
(前回来日ライヴ評)

■ サム・ムーア・ショウ
2007年10月31日(水)から11月3日(土)まで、毎日9時、3日のみ8時スタート。東京ブルーノート

■ メンバー

Sam Moore(vo.)サム・ムーア(ヴォーカル)
Christine Poland(vo)クリスティン・ポーランド(ヴォーカル)
もうひとり女性ヴォーカル
Larry Etkin(tp)ラリー・エトキン(トランペット)
Crispin Cioe(sax)クリスピン・シオー(サックス)
Kiyoshi Ohno(bsax)大野清(バリトン・サックス)
Taisei Aoki(tb)青木タイセイ(トロンボーン)
James Dower(key)ジェイムス・ダウナー(キーボード)
Mark Newman(g)マーク・ニューマン(ギター)
Ivan Bodley(b)イヴァン・ボドリー(ベース)
Tony Lewis(ds)トニー・ルイス(ドラムス) 
Omar Martinez(per)オマー・マルティネス(パーカッション)

サプライズゲスト 忌野清志郎 トータス松本

■Setlist : Sam Moore @ Blue Note Tokyo, November 1st, 2007
セットリスト サム・ムーア
(transcribed by Yoshioka Masaharu;The Soul Searcher)
( ) indicates the original artist or the artist who made the song hit

Show started 21:02
01. Intro: Soul Finger (Instrumental) (Bar Kays)
02. Peter Gun (Instrumental) (Henri Mancini, Blues Brothers)
03. Hold On I’m Coming (Instrumental) (Later of this song, Sam came on the stage)
04. Knock On Wood (Eddie Floyd)
05. Money (Barrett Strong)
06. Ain’t That A Lot Of Love (The Band)
07. Get Out Of My Life, Woman (Allen Toussaint)
08. I Can’t Stand The Rain (Ann Peebles, Graham Central Station, Tina Turner)
09. Blame It On The Rain (Milli Vanilli) (female singer right & Sam)
10. Signed, Sealed, Delivered And I’m Yours (Stevie Wonder) (female singer left)
11. Gimme Some Lovin’ (Spencer Davis Group) (percussion player sings)
12. Plenty Good Lovin’ (Sam Moore, released 2002, recorded 1970)
13. Don’t Play That Song (Ben E. King)
14. I’ve Been Loving You Too Long (To Stop Now) (Otis Redding)
15. I Can’t Turn You Loose (Otis Redding)
16. Lookin’ For A Love (With Tortoise Matsumoto) (Bobby Womack)
17. When Something’s Wrong With My Baby (Sam & Dave)
18. I Thank You (Sam & Dave)
19. Soul Man (With Imawano Kiyoshiro) (Sam & Dave)
20. Dance To The Music”(Sly & Family Stone) (With Imawano Kiyoshiro)
21. You Are So Beautiful (Joe Cocker, Billy Preston)
Show ended 22.49

(2007年11月1日木曜、東京ブルーノート=サム・ムーア・ライヴ)
ERNT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2007-146
【シャンティ、アコースティック・トリオでハロウイーン】

勉強。

シャンティとよく一緒にプレイするギタリスト、「ハンク西山」こと西山“はんこ屋”史翁(よしふみ)さんと、別のギタリスト木原良輔さんのツイン・ギターにシャンティというアコースティック・トリオのライヴ。こういう編成もシンプルでなかなかおもしろい。この日は、四谷メビウスが満席。大きな一テーブルがヘアとメイクの人たちの軍団で、シャンティはセットごとにヘアスタイルを変えていた。

できたてほやほやのデビュー作『シェア・マイ・エア』のフランス・パリ盤が到着、いよいよ11月中には輸入盤店などに並ぶことになるが、この日のセットリストはその新作からは1曲だけ。もともと、木原さんとはずっと一緒にやってきて、中目黒・楽屋(らくや)から発売されたコンピレーションCDでもレコーディングしてきた。その木原さんとの作品「ウェイク・アップ・トゥ・ザ・サン」が唯一アルバム収録曲だ。

新作のレコーディングのために、シャンティはパリに何度か出向いたが、パリへの飛行機の旅について書き下ろした作品「フライト・トゥ・パリス」が披露された。あるいは、ジョニ・ミッチェルの「ア・ケース・オブ・ユー」ではなく、「イン・フランス・ゼイ・キス・オン・メイン・ストリート」を歌ったり、彼女がジャズ・フュージョン・グループ、TKYに詞を提供した「トーキング・ロウ」を歌ったり、これまでのライヴとは違ったセットリストで楽しめた。

印象に残ったのは、セカンド2曲目の前に、彼女が英語の文章を朗読したところ。これはエックハルト・トールという作家が書いた『スティル・スピークス(静寂は語る)』という本の第9章「デス・アンド・エターナル(死と永遠)」の一節だった。シャンティによれば「これ(この本)は私の宝物」だという。ちょっと最初の部分はわからなかったが、最後は「死(デス)の反対語はライフ(人生=生きる)ではない。死の反対語とはバース(誕生)だ。人生(ライフ)とは永遠のものなのだ」という意味だった。この人のことは知らなかったので、帰ってきてすぐに調べた。そうしたらたくさんスピリチュアル系の本を出している人だと知った。

そして、楽曲でひじょうに印象に残ったのがサード・セット2曲目の「サイレント・ムーヴィー」という曲。もちろん、初めて聴く曲。ステージで彼女は言う。「たぶん、誰も知らない曲だと思う。私は誰もが知ってる曲ってあんまりやらなくて(笑)、マイナーな脇役みたいな曲が好きなんでね。地味ですねえ、という感じなんですが、ほんと地味ですねえ。 (笑) 次の曲はハース・マルティネスというアメリカの人の曲です。私もプロフィールとかはよく知らないんです」 だが、これが実にシャンティにあっていてひじょうによかった。ちょっとノラ・ジョーンズ的な部分もあり、もしノラが歌ったら大ヒットしそうだな、とも思った。

で、ハース・マルティネス、当然知らないので、帰ってきてすぐに調べた。そうしたら1975年にこの曲が入っている『ハース・フロム・アース』というアルバムでシーンに登場しアルバムを計5枚ほど出している、いわゆるシンガー・ソングライターだということがわかった。ウェッブがあったが、そこに映っていた写真を撮っていたのがクレジットから長門芳郎さんだということがわかった。そして、長門さんが日本でのライヴコンサートをやったらしいこともわかった。さらに、この『ハース・・・』のアルバムは日本では紙ジャケットでつい最近リリースされていた。ということは、次のシャンティ・ライヴは長門さんもお誘いしよう。

木原さんから趣味趣味のブログがあって、「木原良輔」で検索すると出てくると言われたので、帰ってきてすぐに調べた。するとでてきて、もう昨日のシャンティのライヴのことが書いてあった。そうしたら、来週月曜日(11月5日)に銀座の山野楽器でハーモニカ奏者のリー・オスカーと一緒にプレイする、なんて書いてあるではないか。な、な、なんと。ナンデ、リー・オスカー来てるの? と思ってすぐに調べた。そしたら、なんとリー・オスカー・モデルのハーモニカが売り出されていた。たぶんそのプロモーションなんかもあるのかもしれない。それと、新宿ピットインで11月6日、7日にライヴもあるようだ。

いろいろ知らないことをたくさん勉強しました。(笑) I studied a lot.

■ シャンティ・ライヴ

11月19日月曜 目黒ブルースアレー サックス・ナオ、イカボールなどとともに。
11月30日金曜、丸の内コットン・クラブ シャンティ・ライヴ
(シャンティがコットン・クラブに登場。新作『シェア・マイ・エア』発売記念ライヴ)(この日はフランス・パリ盤のCD即売とサイン会を行います)

■ シャンティ過去関連記事

September 28, 2007
Shanti Live At Blues Alley: Shows Sacred Soul
http://blog.soulsearchin.com/archives/002052.html

September 16, 2007
Shanti Will Showcase Her Newest Album "Share My Air" At Blues Alley
http://blog.soulsearchin.com/archives/002026.html
(↑ここにシャンティ関連過去記事一覧があります)

■ メンバー

シャンティ
西山“はんこ屋”史翁(よしふみ)
木原良輔

■Setlist: Shanti @ Mebius, October 31, 2007
セットリスト シャンティ メビウス
(All songs written by Shanti otherwise indicate)

First set show started 20:04
01. Beyond (Instrumental) (Hank Nishiyama)
02. Yuyake
03. Admission
04. In France They Kiss On Main Street (Joni Mitchell)
05. Narrow Days
Show ended 20:43

Second set show started 21:20
01. Maria (Instrumental) (Hank Nishiyama)
02. Formentera Sea
03. Dancing With The Shadows
04. Talking Low (TKY)
05. Spooky (Classics Four, Dusty Springfield version)
Show ended 22:02

Third set show started 22:31
01. Journey (Instrumental) (Hank Nishiyama)
02. Silent Movies (Hirth Martinez 1975 Album “Hirth From Earth”)
03. Flight To Paris
04. Wake Up To The Sun (with Kihara Ryosuke)
05. Fields Of Gold (Sting, Eva Cassidy version)
Show ended 23:11

(2007年10月31日水曜、四谷メビウス=シャンティ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shanti
2007-145
【キース・スウェット、女性のためだけに歌う】

眼中。

キース・スゥエットが17年ぶりの来日を果たして、ブラコン・ファンの間ではちょっとした話題になっている。昨日のライヴ、ファーストとセカンド、微妙に曲順などが違うようだ。また、今日のセットリストとも少し違うらしい。ちなみに、月曜のファーストはアンコールがなかったが、僕が見たセカンドはアンコールありだった。ところが、火曜(2日目)セカンドでは、なんとあろうことか、「アイ・ウォント・ハー」をやらなかった、というではないか。まじか。

昨日はキース作品をどっとCD棚から取り出し、すっかりキース・モードになった。月曜の深夜には、Jウェイヴの松尾潔さんの『ユニヴァース』でキース・スウェット特集2時間をやっていた。それを聴きながら昨日はブログの原稿を書いたが、番組中で僕が書いた8作目『ディドント・シー・ミー・カミング』のライナーノーツが紹介された。

僕もさすがに昔書いた原稿だと、書いたことさえ忘れているが(笑)、改めて読んでみて、ライナーに書いたドン・トレイシーとのことをまたまた思い出した。1987年12月にロスにいったときに、ドンと会い、彼の運転するホンダのシビックでLAのフリーウェイを走っているときに、ちょうどキースの「アイ・ウォント・ハー」がかかって、「これが今、すごくはやってる」と教わった。僕は個人的にあのシーンは、ほんとに昨日のようにフラッシュバックする。夕方だったと思う。でも、僕がなぜ彼の車に乗っていたのかが、今となっては思い出せない。LAに行ったときはまず僕もレンタカーを借りる。車社会なので、車なしだと動きが取れないからだ。だから、誰かと待ち合わせても、どこかに移動するときは、車2台で移動することが普通だ。

いずれにせよ、あのときのロス・アンジェルスのラジオでは、本当にひんぱんに「アイ・ウォント・ハー」がかかっていた。これを聴くと、この曲はニューヨークのサウンドなのに、そういうわけで、LAのフリーウェイが思い出される。

僕も2000年10月に彼に電話インタヴューをしたことがある。その様子もライナーノーツに書いたのだが、低音のものすごくいい声の持ち主で、かっこよかった。だが、質問に対する答えは短く、インタヴュー自体は盛り上がらない。ラジオ番組で松尾さんも言っていたが、「この人ほどインタヴューが盛り上がらない人はいない(苦笑)」というほどなのだ。

月曜もエロエロのステージを見ていて、このキースは女性のためだけに歌っているということを痛烈に感じた。「レディ〜〜〜〜〜ス!!」とは言うが、決して「ボ〜〜〜イズ」とか「ジェントルマン」とか言わない。深町さんも、自分は女性のためだけにピアノを弾いてきたと公言してはばからないが、キースもそのスタンスは「俺は女のためだけに歌ってるんだ」。そんなキースに男が話を聴いても、これは盛り上がらなくてもいたしかたない。男は眼中になしだ。いや、これぐらい徹底すればいいじゃないでしょうか。(笑) 

(2007年10月29日月曜、六本木・ビルボード・ライヴ=キース・スウェット・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sweat, Keith
2007-143
【17年ぶりキース・スウェットのエロエロライヴ】

スウェット。

彼のデビュー作「アイ・ウォント・ハー」が大ヒットし、「ニュー・ジャック・スウィング」の幕が切って落とされたのは、ちょうど今から20年前の1987年のことである。キース・スウェット、そして、彼をコ・プロデュースしたテディー・ライリーはまもなく一世を風靡、全米の音楽業界を席巻する。その勢いで1990年10月、キースは初来日。国立代々木体育館と翌日横浜文化体育館という大きな会場(前者が約1万3000人、後者で5000人=後者は半分くらいの入り)で行われたライヴでは、のりのいいリアルな「ニュー・ジャック・スウィング」のシンガーと思いきや、それ以上に、セクシーなR&Bシンガーだということを見せ付けていった。

それからちょうど17年ぶりの来日は、小さなビルボード・ライヴ(収容300人)。5層目まで満員だ。さすが客層の主流は1980年代後半から1990年代前半のバブル時代を経験してきたおそらく現在30代後半から40代だった。

1曲目の「サムシング・ジャスト・エイント・ライト」のイントロが始まるなり、全員総立ちになる。ニュー・ジャック系のリズムのいい作品とスロー・バラードとが適度に混ざり合い、ブラック・コンテンポラリーな色を徹底して出す。先日来日したテディー・ライリーのときもかなり観客から受けていた印象をもったが、「ニュー・ジャック・スウィング」人気、根強い。

僕の席からはドラムス、ベースとキーボード兼任、もうひとりキーボード、コーラス2人(1人はラッパー)の5人編成に見えたが、ビルボード・ライヴのウェッブでは7人編成と書かれている。はて。いずれにせよ、極端な話、ドラムスとキーボード、ベースだけで「ニュー・ジャック・スウィング」は生まれる。けっこう打ち込みっぽく聴こえた。女性コーラスもキーボードからでてきた。

バラードでの女性を煽るいやらしさぶりはさすがだ。こういうエロエロさ加減はどうしても日本人では出せない。ニュー・ジャックもエロエロ・ソウルバラードもいいし、キース・スウェットのライヴを見ていると、何でもイケイケだったバブル時代がフラッシュバックしてくる。ヒット曲が多いだけあって、さすがに次々と曲が始まると観客の歓声も大いにあがる。スローでは通路でチークダンスを踊るカップルも。このあたりのアーティストって今でも十分受けるんですねえ。

しかし、「アイ・ウォント・ハー」のヒットなんか、ついこの前のように思える。キースのアルバムは1枚目から3枚目と8枚目の日本盤ライナーノーツを書いた。久々に読み返してみた。4枚目から6枚目までは松尾潔さんが書いている。(7枚目がなぜか手元になかった) 1枚目ではまだ「ニュー・ジャック・スウィング」という言葉はなかったものの、そのリズムについて説明していた。それにしても20年も歌い続けて、またライヴハウスにやってくるというのはすごいな。継続は力なり。

アンコールを終えてキース・スウェットが舞台から降りてくると体中スウェット(汗)いっぱいだった。彼ほど能書きなど不必要で、体で愛とセックスを歌うシンガーはいない。まさに究極のシンガー・オブ・セックス・アンド・ソウル。

■ キース・スウェット最新作『ベスト・アルバム』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000UYGCB2/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ キース・スウェット・ライヴは今日10月30日、東京・ビルボード・ライヴ、その後大阪、福岡へ

■ メンバー(ビルボード・ライヴ、オフィシャル・ウェッブによる)

キース・スウェット/Keith Sweat(Vocals)
テレンス・カーター/Terence Carter(Back Vocals)
カランドラ・グレン/Calandra Glenn(Back Vocals)
ルイス・ヒル/Lewis Hill(Back Vocals / Rapper)
ディヴィッド・エヴァンス/David Evans(Keyboards / Musical Director)
アダム・レジスター/Adam Ledgister(Keyboards)
アンドレ・ハリス/Andre Harris(Bass)
ランディー・ハッチンソン/Randy Hutchinson(Drums)

■ Setlist: Keith Sweat Live At Billboard Live, October 29, 2007
セットリスト: キース・スウェット 

Show started 21:31
01. Something Just Ain’t Right
02. Don’t Stop Your Love
03. My Body
04. Keep It Coming
05. Make It Last Forever
06. Make You Sweat
07. I’ll Give All My Love To You
08. Just Got Paid
09. I Want Her
10. (There You Go) Tellin’ Me No Again
11. Nobody
Encore. Twisted
Show ended 22:45

(2007年10月29日月曜、六本木・ビルボード・ライヴ=キース・スウェット・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sweat, Keith
2007-143
【ブルー・ローズに起こる奇跡】

奇跡。

10月27日(土曜)は、この時期には珍しく関東地方に台風がやってきた。まさか台風とは。これでは当日券に影響があるに違いない。とは言うものの、ふたをあけてみれば、8割方席は埋まった。

ステージのピアニストは緊張しているのだろうか。第一部はほとんどおしゃべりはなく、音楽比率はかつてない96パーセントを記録。まさに「ピアノ・コンサート」になった。普段半分近くしゃべる深町さんにとっては、これこそ、奇跡だった。

即興演奏は、すなわち一期一会(いちごいちえ)。二度と同じ演奏はない。本人さえ同じようには弾けない。となると、この感動や感激をなんとしてでも記録に残しておきたい。そこで『ソウル・サーチン』関連の映像を記録しているレムTVのチームに収録をお願いした。今回は6台のカメラでたったひとりのピアニスト深町純を追った。一体どんな映像になるか今から楽しみだ。

しかし、いくら映像も音も記録したとしても、この演奏そのものは決してデジタル化することはできない。この場にいて、深町ピアノが共振させる空気を吸い、そのピアノの振動を五感を使って体全体で体験すること、それこそが最大の贅沢だ。この日、このブルー・ローズにやってきた300人の人たち、この時間を体験した人だけに残る「記憶」「思い出」「感触」、それがプレシャス(貴重)なものなのだ。そこにライヴ・パフォーマンスの醍醐味がある。

やはり、いい演奏家、いいピアノ、いい音、いい響き、いい環境での音楽は、格段においしい。年に一度とは言わず、半年に一度くらいの割合でいい音を響かせてはいかがだろうか。深町さんにとっては、そんなに難しいことではない。

第2部の冒頭は17名の子供たちのコーラスとの共演となった。これは、今回のライヴを企画立案した小野布美子さんが普段子供たちに音楽を教えていて、その生徒たちがみんなで作った自作曲を舞台で歌うというものだった。これまでに深町さんと子供たちは何度か一緒にやっていた。僕は正直、リハのときにこれを見て、「なんだこれは」と思った。学校の発表会という感じのものだったからだ。

4曲を歌ったが、途中のMCで深町さんが計らずも言った。「まあ、稚拙(ちせつ)な歌ですが・・・。でも音楽って不思議だよね。稚拙でもでもこうやってひたむきに歌っているっていうのはいいよね。(拍手) 僕は子供って嫌いなんですよ。(笑) だって子供がいたらこんな音楽会は台無しになっちゃうでしょ。(笑) これらの曲は彼らが自分たちが作った曲で、誰か大人から歌えと言われて作ったものではありません」 

サントリー・ホールは基本的にはクラシックにしか貸さないという。また、貸し出しに際してさまざまなチェックリストがある。曲演奏中に客入れをしていいか、写真撮影許可するかしないか、花束はどうするか、お子さんは入場可か、などなど。ま、この日もかなり小さな子供を連れてきた人がいて、その赤ん坊が演奏中に泣くというか、声をだすので、やはりさすがに迷惑だなと感じた。以降は6歳以下はご遠慮願いましょうか。打ち合わせのときにおもしろかったのが、「演奏曲目は何ですか」というもの。どうやらクラシックの演奏会では事前に演奏曲目を出すことが多いらしい。もちろん深町さんは即興なので、何曲やるか、何分やるか、もちろんタイトルさえわからない。「曲目は事前にはわかりません」「では終わった後、演奏曲目は張り出されますか?」「・・・」。(苦笑)(僕がいつも作ってるセットリスト、張り出せばよかったかな=(笑)) 

それにしても、この空間に漂うピアノの響きは格別だ。ヨーロッパの昔の貴族たちは、こうした即興演奏みたいのを毎日のようにやっていたのだろうか。サントリー・ホールの担当の人が、ふだんはいつも同じクラシックの作品ばかりを聴いているらしく、この深町さんのような演奏に「新鮮さ」を覚え「こういうのが聴きたかったんですよ」と言って即売でCDを買っていったそうだ。

ふだんやっているFJズや、かつてやっていた恵比寿アートカフェでのパーティーで聴く音と、このブルー・ローズで響く音は天井の高さも、反響も、またピアノ自体の音も違う。そういう違いによって、演奏家のモチヴェーションは高まるのでしょうか。「それは(もちろん)あると思うね。当然、演奏家にもそこの音が入ってくるからね。やはり、(演奏家が)集中していると、いい演奏ができるとはよく言われる。ただね、自分がものすごく集中していい演奏ができたと思っても、意外と聴いている人は違って受け取っていたりしてね。逆に、僕があんまり集中できずに楽に弾いたときに、『力抜けてて、よかってね』なんて言われることもある。一概にはなんとも言えないな」 (深町・談)

1曲終わるごとに、もちろん観客からは拍手が来るのだが、いつもよりも、あたりまえなのだが、格段に拍手の時間が長かった。観客の満足度もいつもとは違うのだろう。

そして、最後の曲が終わり万雷の拍手に迎えられ彼は再びステージに登場した。「僕の人生の信条のひとつに・・・、決してアンコールはしない、というものがあるんですが・・・。(笑) でも、1曲弾きます」 

何曲も演奏されたこの日のステージだったが、そこにはまちがいなく深町純の小宇宙があった。それは、決してアートカフェやFJズでは感じられないものだった。ひょっとしたらアートカフェなどでは「小国」があったのかもしれない。普段、人が動き、ドリンクのカップや食べ物が行き交う中で聴く音楽と、シーンとほぼ全員がステージ中央のひとりの演奏家に対して集中しているのでは、まったく空気が違う。僕も背筋を伸ばして聴いた。

小宇宙からは、きっと宇宙に人類誕生という奇跡が起きたように、何か違う小さな奇跡が起こるに違いない。舞台はブルー・ローズ、不可能が可能になった部屋なのだから。

(2007年10月27日土曜、サントリー・ホール・ブルー・ローズ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2007-142
【深町純サントリー・ホール・ブルー・ローズでスタインウェイを弾く】

体内時計。

音が違う。響きが違う。空気が違う。ふだんのキーボード・パーティーとはすべてが違っていた。恵比寿アートカフェでのピアノの即興演奏、そして、祐天寺FJズでのヤマハのCP80を使ったキーボード・パーティーで聴きなれたはずの深町サウンドが違っていた。アンプ増幅なしに、生ピアノの生音が会場の一番後ろの席に座っていてもしっかりと体に響いてくる。天井も高く、全面木目でできていて、よくピアノが鳴っている。

即興演奏の魔術師深町純が、サントリーホールの小ホールに初登場。この小ホール、今は「ブルー・ローズ」という。ブルー・ローズとは青いバラ。サントリーがオーストラリアのバイオ企業とともに十余年の歳月と30億円の費用をかけて作り上げたという奇跡の花だ。英語では「ブルー・ローズ」とは長い間、「決してできないこと」「不可能なこと」を意味する言葉として使われていたという。まさにその名にふさわしい演奏を繰り広げた。

この日使われたのはスタインウェイのピアノ。調律が終わり、サウンドチェックのために座り、彼の指が鍵盤に触れた瞬間、すでにストーリーは始まっていた。素人目(耳)にもわかるこのピアノの響きのよさ。会場のどこで聴いてもしっかり生音が入ってくる。

演奏が始まる前にビデオ収録用にほんの数分インタヴューした。「いいピアノとそうでないピアノの違いを普通の人にもわかるように説明していただけますか」 「それはたとえば、自分が弾いていて、『お、うまいじゃない』なんて、自分自身がうまくなったように思わせてくれるようなピアノと言えるんじゃないかな。ピアノにまったくの素人が弾いてもわからないかもしれないけれど、ある程度のレベルのピアニストが弾くと、引き立つピアノ、演奏がよく聴こえる、よく響くピアノ、そういうのは確かにあって、そういうのがいいピアノだと思う。僕も過去の経験で何度かそういうピアノに遭遇したことがある。東京芸大のピアノはそうだった。ここのスタインウェイも、きっと値段は1500万とかするかもしれないけど、いいピアノなんじゃない」

カメラマンが「自分は、今日初めて即興演奏を(リハーサルで)聴いたんですけど、即興演奏は、どのように終わるのですか」と尋ねた。「いい質問だね。あまりその演奏がよくないと、なかなか終われないんだ。お客さんがそろそろ終わりそうだな、って感じてるというのがわかったりすると、それを裏切ってまた続けたりすることもある。でも、基本的にはまあ、自分がそろそろ終わろうかと思ったら、徐々に終わるように演奏を整えていくんだ。あ、そうそう、僕は体内時計というのを信じていて、たとえば営業とかで(即興を)5分でやってくれ、と言われたらだいたい5分で演奏を終えられるんだよ。1秒が60集まって1分、1分が60集まって1時間。なんかそういうのを無意識に持ってるんだと思う。僕は目覚し時計使わないんだ。何時に起きなければならないと思うと、だいたいその時刻に起きられる。ま、ときどき演奏中も時計を見ることがあるけど、そういう時っていい演奏になってないことが多いかな(笑)。時間の概念で言うと、いい即興演奏の時って、始まったと思ったら、もう終わってるんだよ。ほら、なんでもマージャンでも遊びでも、楽しい時間はあっという間に過ぎるでしょう、それと同じ」

この日、ファーストセットは7時半スタートの8時10分までの予定で、10分の休憩をはさんで8時20分から1時間くらいということになっていた。下記セットリストの4曲目が静かに着地し演奏を終えた時、時刻は8時10分丁度だったのだ。これには僕も思わず「うそだろ」と驚嘆した。究極の体内時計ではないか。ところが深町さんは、拍手をもらいながら、時計をちらっと見て、もう1曲4分弱の小品を演奏した。あれれれれ。(笑)

(この項、続く)

■深町純オフィシャル・ウェッブ
http://www.bekkoame.ne.jp/~cisum/

■FJ’ズ オフィシャル・ウェッブ
http://fjs.fukamachi-jun.com/

■Setlist: Fukamachi Jun @ Suntory Hall Blue Rose, October 27, 2007 (Saturday)
セットリスト 深町純 サントリーホール・ブルーローズでスタインウェイを弾く

First Set
show started 19:30
01. 2007年10月27日19時30分の作品 (7.34)
02. 2007年10月27日19時38分の作品 (9.19)
03. 2007年10月27日19時47分の作品(9.22)
04. 2007年10月27日19時57分の作品(13.30)
05. 2007年10月27日20時10分の作品 (3.56)
show ended 20:15

Second Set
show started 20.25
01. 奇跡 (3.14) 
02. 君のなかま (2.35)
03. 悲しみのあとに(2.05)
04. サファイア(3.02)
05. 2007年10月27日20時47分の作品 (6.20)
06. 2007年10月27日20時54分の作品 (9.45)
07. 2007年10月27日21時03分の作品 (12.44)
Enc. 2007年10月27日21時17分の作品 (2.48)
show ended 21.22

■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します)(単位は%)

2005年11月 第一部 41.70 第二部 51.82
2005年12月 第一部 39.86 第二部 58.91
2006年01月 第一部 58.81 第二部 67.23
2006年02月 第一部 38.4  第二部 49.7
2006年03月 第一部 50.9  第二部 92.7
2006年04月 第一部 53.1   第二部 57.3
2006年05月 第一部 45.15 第二部 82.08
2006年06月 第一部 52.16 第二部 59.02
2006年09月 第一部 47.77 第二部 77.63
2007年01月 第一部 65.53 第二部 54.97
2007年02月 第一部 53.88 第二部 49.33
2007年04月 第一部 65.26 第二部 68.58
2007年05月 第一部 40.89 第二部 58.19 【恵比寿・アートカフェ最終回】
2007年06月 第一・二部(通し)64.78 (2時間50分)【祐天寺FJ’s1回目】
2007年07月 第一部 66.23 第二部 66.45
2007年08月 第一部 67.03 第二部 68.04
2007年09月 第一部 71.16 第二部 67.30
2007年10月20日 第一部 67.81 第二部 49.29(通算82回)
2007年10月27日 第一部 96.00 第二部 74.65 (サントリー・ホール・ブルー・ローズ)

(2007年10月27日土曜、サントリー・ホール・ブルー・ローズ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2007-142
【深町純サントリーホール〜ソウル・サーチャー動向】

もろもろ。

某DJと話をしていたら、「もう今年も終わりですよ〜〜」と電話のむこうでトロトロいまにも昼寝をしそうな声で言う。いろいろ予定をいれていると、もう入れられるのが12月になってしまい、今年も終わりだという感触を持つそうだ。みんなそんなに忙しいんだ。(笑)

さて、今日は深町純@サントリー・ホール。今回は『ソウル・サーチン』を撮影しているビデオチームが撮影をしてくれることになり、一夜限りの即興演奏が記録に残される。サントリー・ホール、スタインウェイというコンビネーションは一夜だけ300人だけの体験で終わらせておく手はない。

10月25日(木)付け毎日新聞夕刊に記事を書いた。
http://mainichi.jp/enta/music/news/20071025dde012070003000c.html

さて、このところなんだかいろんな打ち合わせばっかりな感じ。『ソウル・サーチン』読者だけに、耳よりニュースを。来週にでも正式に発表しますが、10月5日に銀座駅で行った『フィリー・ソウル・ナイト』が大変好評で、急遽、もう一度行うことになった。それまで13回行った中で、最大の観客動員になったそうで、どうしてももう一度やって欲しいという熱いリクエストがでてミュージシャンなどの調整をしていた。

日時は12月7日(金)。場所、時刻は同じになる予定。登場シンガーは、ケイリブとサックスのゲイリーは同じだが、3人のシンガーがスケジュールの都合などで変わる。なんと、東京レディー・ソウル・ナンバー1、ブレンダ・ヴォーンの参加が実現。さらにキムタクのギャッツビーを歌うゲイリー・アドキンスが参加し「愛がすべて」を歌う。もちろん、サビのところは「ギャッツビー」になりそうだ。そして、もうひとりはギターと歌のアル・マーティン。前回参加のグリニスの兄である。ギターが加わりサウンドにも幅がでそう。無料イヴェントなので、前回以上の人が集まってしまいそうな気配だ。

告知ばかりになってしまうが、ソウル・サーチャー関連では、一人芝居の高山広のライヴが11月6日(火曜)藤が丘マルターノで、ソングバード、シャンティのライヴが急遽11月30日(金曜)に決定。今回はなんと丸の内コットンクラブ。デビューアルバムのパリ盤がそれまでには到着しているので、店頭販売もできそう。さらに、ソウル・サーチャー、ゲイリー・スコットのグループ、ザ・サード・ウェイヴのライヴが同じく藤が丘マルターノで11月22日(木曜=休日前日)に行われる。これは木下航志くんのバックを勤めたソウル・サーチャーズのひとりでパーカッションのアンディマツカミらとのグループ。

その前に11月7日(水曜)にはブルースアレーでマルのライヴ。マルはブルースアレーでは『ソウル・サーチン』で歌っているが、単独ライヴは初。『ソウル・サーチン』でのライヴなどが認められて単独ライヴへ進んだ。気心しれたバンドなので、かなりタイトなサウンドになるだろう。さらにブルースアレーでは翌日はフィリップ・ウーのライヴ。この日の最大の目玉は、マクサン・ルイスがフィーチャード・シンガーで登場する点。これも見ものだ。

今からみなさん、カレンダーにマークをよろしくです。(笑)

ENT>MUSIC>LIVE>ANNOUNCEMENT
【日本一のファンキー・ベースマン】

スペース。

それにしても、いつ見ても、聴いてもジーノのベースはファンキー。日野賢二のライヴ。この日はちょっと遅れてしまい、セカンドの途中から。ジーノのライヴは、いつも参加するミュージシャンに「スペース」を与えるのが大きなポイント。常にミュージシャンたちにやりたいようにやらせて、そのミュージシャンたちの個性を出させようとする。これって、素晴らしい。この日は、ギターにジューン・ウスバ、さらにベースにちょうどベイビーフェイスのライヴでやってきていたイーサン・ファーマー、サックス奏者(ジョー・・・=名前聞き取れず)が飛び入りという豪華ラインアップ。イーサンはちょうどこの日がベイビーフェイスのギグがオフということで、遊びに来ていた。

最後はいつもの「チキン」、その前の「ティーンタウン」もジャコの曲。「チキン」ではその踊り方を教えてくれる。この日は歌のゲストがいなかったので、ヴォーカル曲は「カム・トゥゲザー」だけになったが、ベースでメロディーも弾くと、ファンクとメローが重なり合って独特の世界が浮かび上がる。

最近、ジーノは他のアーティストへの作品提供や、プロデュースなどで忙しく、自作アルバムを作るまでの時間がないという。ま、ひとつがんばってもらいましょう。

ところで、ベイビーフェイスのベース奏者、イーサンが隣に座っていたので、声をかけてちょっと話をした。彼は前回来日時にも来ているという。「なぜ、今回のドラマーはリッキー・ロウソンじゃないの?」「いやあ、彼はものすごく忙しいだろう。今回のツアーは東京、大阪、福岡って行くからかなり長期になる。それだけ長い間リッキーのスケジュールを押さえられなかったんだろう」 なるほどねえ。

ちょうど2年前のジーノのライヴ評を読み返していたら、彼に「愛のコリーダ」かブラザース・ジョンソンの「ストンプ」をやって欲しいと書いていた。う〜む、もう一度、リクエストしておこう。絶対、ジーノにあうと思うな。ケイリブあたりの歌で、ギターはチャーで、ベースがジーノ。よろしく。

May 30, 2007
Jino Hino Kenji Live At Cotton
http://blog.soulsearchin.com/archives/001794.html

September 23, 2006
Jino Jam Featuring Maru: One Thing Leads To Another
http://blog.soulsearchin.com/archives/001276.html

October 27, 2005
Jino Jam Live: Mr. Bass Man Is Sooo Funky
http://blog.soulsearchin.com/archives/000605.html

■メンバー

(B)日野“JINO”賢二 (Ds)J-Stixx (Key)Penny-K、Nobu-K (G)Masa Kohama (Guest) 臼庭潤(Guitar), Ethan Farmer(Bass)

セットリストは、ファーストの分もジーノがくれました。

Setlist : Hino Kenji Live @ Blues Alley, October 17, 2007
セットリスト 日野賢二 

First set
01. Diggin’ U
02. Deep
03. Window Shopping
04. Aaliyah
05. Summertime
06. Nite

Second set
01. Intro
02. Season (Kirk Whalum)
03. Jabane (4 Da Foundation)
04. Face Da Funk
05. Meditation (4 Da Foundation)
06. He Had A Hat (Jeff Lorber)
07. Come (Beatles)
Enc. Teen Town (Jaco Pastorious)
Enc. Chicken (James Brown, Jaco)
Show ended 22.43

(2007年10月17日水曜、目黒ブルースアレー=日野賢二ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hino, Kenji
2007-134
【ロイ・エヤーズ・ライヴ、ビラルがオープニング】

七変化。。

ひとつ間違えば、下手なディスコバンドにさえなってしまいそうなバンドだが、これが思いのほか強力なメンバーだった。ドラムス、ベース、キーボードの3人をバックにまずビラルが3曲歌い、その後、ロイ・エヤーズ御大が登場。ロイ・エヤーズとしてのライヴは2006年10月コットンクラブ以来約1年ぶり。

ロイ・エヤーズのライヴは今までも何回か見ていたが、今回は予想以上にすばらしいライヴだった。各ミュージシャンの力量がソロを取ったときにすばらしく、実力が如何なく発揮されたためだろう。特に圧巻だったのは、ディージー・ガレスピーの「ナイト・イン・チュニジア」。18分余にわたって繰り広げられたこの曲ではベース、ドラムス、キーボード、サックス、もちろんロイなど全員がソロを担当、思い切りミュージシャンたちが力を出していた。

ベース奏者がものすごい早弾きでベースを弾いているかと思えば、それが一瞬休んだ隙に、残りのミュージシャンがやってきて彼の汗をおもしろおかしく拭いたりする。あるいは、サックス奏者が一音ずつ下げるのと同時にミュージシャンも全員一段ずつ立ち位置を下げていったりして、思い切りエンタテインメントになっていた。このあたりの動きは、実に楽しい。そうした面白系の動きも、彼らにしっかりと演奏できる技術があるから映えるというもの。キーボード、サックスの両方を担当するレイはヴォーカルも少しやるが、驚いたのはサックスを片手で持って吹きながら、もう一方の手でキーボードを弾いたシーン。いやあ、器用器用。

ロイ・エヤーズは電子ヴァイヴラフォンを使用。これが、まさに音の七変化。キーボードみたいな音さえ出る。ロイはとても67歳とは思えぬほど、元気。他のミュージシャンがソロを取っているときには、なにか別の楽器で遊んでいたりする。ステージの上での人生を十分に楽しんでいる。これだけの年齢になっても、若いミュージシャンを適材適所に配置することによって、若々しく生き続けるまさにソウル・サヴァイヴァーだ。

■ ロイ・エヤーズ過去関連記事・ライヴ評

October 08, 2006
Philip Woo Will Be At Cotton Club With Roy Ayers: Reunion First In 28 Years : Philip Reveals His First Encounter With Roy (Part 1)
http://blog.soulsearchin.com/archives/001312.html
フィリップ・ウーはロイ・エヤーズのバックを務めたところから、音楽業界に足を踏み入れた。

November 06, 2006
Philip Woo And Roy Ayers Live: After 28 Years...
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_06.html

November 07, 2006
Keyboard Wizard Meets Vibraphone Master: Philip & Roy
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_07.html

2003/08/21 (Thu)
Roy Ayers Live At Motion Blue: Music Makes Him Young
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20030821.html

2004/03/11 (Thu)
Roy Ayers Live At Blue Note: Music Is My Lady, My Mistress
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040311.html

■ メンバー

ロイ・エアーズ/Roy Ayers(Vibraphone,Vocals)
ビラル/BILAL(Vocals)
マーク・アダムス/Mark Adams(Keyboards)
ドナルド・ニックス/Donald Nicks(Bass)
リー・“ビーバ”・ピアソン/Lee’Beava’Pearson(Drums)
レイ・ガスキンス/Ray Gaskins(Saxophone)
ジョン・プレスリー/John Pressley (vocal)

Setlist : Bilal, Roy Ayers @ Billboard Live, October 24, 2007

Bilal
Show started 21:32
01. Love Poems
02. Queen Of Sanity
03. High And Dry (Radiohead)
show ended 21:53

Roy Ayers
Show started 21:54
01. Searchin’
02. Baby You’ve Got It
03. Night In Tunisia including a riff of “My Favorite Things”
04. (Instrumental)
05. Everybody Loves The Sunshine
Enc. Let Me Be Your Sugar
Show ended 22:53

(2007年10月24日水曜、ビルボード・ライヴ=ロイ・エヤーズ、ビラル・ライヴ)
ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT>Ayers, Roy / Bilal
2007-140
【吉岡耕二・個展】

衝撃色。

銀座ソニービルの近くで打ち合わせが終わり、ソウル・サーチャー岡さんに電話をすると、なんとすぐ近くの画廊でお知りあいの先生の個展のレセプションに来ているので、いらっしゃいませんか、というお誘い。言われるがままに行くと、徒歩2分のところにあった「ギャラリー桜の木」での画家吉岡耕二さんの個展だった。先生と岡さんは家が近いことで親しくさせていただいている、という。そういえば、以前にその話をきいたことがあった。

■吉岡耕二展
http://www.sakuranoki.co.jp/ginza/071019/index_071019.htm#

http://www.ginzastreet.com/yoshioka_koujiten.html

さすが、銀座の画廊でやる個展はちがう。初日ということで、ケータリングなども入り、ゆったりと作品を見つつ、お得意様たちが絵を囲みながら談笑している。基本は油絵で、いくつかリトグラフもあるが、次々と「売却済み」の札がかかっていく。ブルー、イエローなど鮮やかな色彩が目に飛び込んでくる作品群だ。帰ってきて調べてみると、「色彩の魔術師」と呼ばれているそうだ。まさに色の衝撃という感じだ。1967年から14年間ほどフランスに住んでおられたそうだ。

岡さんに紹介されて名刺を交換すると「僕も吉岡です」と、吉岡・吉岡のあいさつになった。

僕なんか絵について素人なので、すぐに「これは、ジャンルでいうと何になるんでしょう」なんていうバカの質問をしてしまった。「まあ、ジャンルなんて売る側(見る側)が決めることだからねえ。でもしいて言えば、心象、具象(絵画)と言えるかな。抽象画に対しての具象絵画なんだが、僕は自分ではその中間あたりの『半具象』って言ったりするね」とやさしく解説していただいた。

吉岡さんは、世界中を旅してそこで印象に残った風景などを絵に描く。「どこかでものすごく綺麗な夕焼けを見るでしょう。それを絵にしたいと思う。でも、帰ってきてアトリエでそれを描こうと思っても、もうそのときの瞬間というのは変わっている。時間が経てば変わるのはあたりまえのこと。心象とは変わるものなんだ」 外で写生をするようには描かないという。その風景を頭に焼き付けて、ゆっくりアトリエで描く。「ということは、写真はかなり撮られる?」と尋ねると「たくさん、撮りますね。それも、モノクロで」とのお答え。な〜〜るほど。描くときに描く本人もイマジネーションを広げられる。

一作品を書き上げるのに大変な時間がかかるという。特に、絵の具を何回も重ね合わせて描くためには、毎回最初の絵の具を乾かさないとならない。いろいろな絵の具を乾かし、次の色を塗り、また乾かしという作業をしているとものすごく時間がかかってしまう。そこで、同時に何点も並行して描くという。

ところで、吉岡さん作品の何点かに、四角の窓枠のようなものが描かれていることに気付いて、これは何ですか、と尋ねた。すると、「まあ、僕のクセみたいなもんですかねえ」と簡単なお答え。「カメラのファインダーを覗くと映る枠とか、窓から外を眺めて、そのときの窓枠とか、そういうものかなと思ったんですが」と言うと、「それは見る人の自由ですよ、それでいいんですよ」と言われた。最初に下書きのときに、書いて、それが残っていたりすることもあるそうだ。消えてしまうものもあるが、また後から書き足したりすることも。

「日本人の絵の見方っていうのは、その絵を見たらまずタイトルを見る。これはどこで、いつ頃で、夕方なのか朝なのか、そういうことを気にするんですよ。でも、フランス人はちがう。フランス人のおうちに行ったことありますか。古い家なんか行ったら家の壁という壁すべてに何らかの絵が飾ってあります。本当に子供の頃からそういう風に絵に囲まれて育ってるんですね。それに比べると日本は、ふすまと障子で、掛け軸が床の間に一点かけられているくらいです。(日本の家には)絵がないんですよ。特に油絵みたいなものは、(日本には)歴史がない。フランスの家にあれだけ絵が飾られているというのは、ひとつには地震がないからということもあるんですけどね。だから、本当に築何百年という家が普通にあって、古い絵がいくらでも飾られている。オーチャードとかで個展をやると、男の人は順路に従って絵を見ていく、でも、女性はぱっと見て(たとえば)黄色が目立つような絵とか、ぱっと気に入った絵の前に直行する。(日本人男性は)色彩に関する目というのがないんだね。ネクタイをいまだに奥さんに選んでもらったりしてるくらいだからね(笑)」

なるほど。確かに僕も、文字情報というか周辺情報、求める嫌いありますねえ。音楽もですが。(苦笑) 

いろいろ調べてみると、2005年に行われた展覧会では「魂の詩」というタイトルがついていた。またまたソウルつながりですね。岡さんが、「吉岡さん・・・」と、話始めると二人が同時に「はい」とばかりにうなずく。そして吉岡さんが、岡さんに「今、うちの庭に柿がたくさんなってるから、一度早いうちに来て、とってって」と言っていたのが印象的だった。

■ 関連ウェッブ

http://www.bunkamura.co.jp/gallery/event/yoshioka04.html
(少し古いですが、2004年文化村で行われたときの作品など)

■ギャラリー桜の木 銀座

東京都中央区銀座5−3−12 壹番館ビルディング3階
午前11時から午後7時 日・祝休廊
電話 03-3573-3313
○吉岡耕二展は10月19日(金)から10月31日(水)まで。
http://www.sakuranoki.co.jp

ENT>ART>EXIHIBITION>Yoshioka, Kohji
【エボニー・フェイ・ライヴ〜歌とトークでコージーな夜】

フレンドリー。

「えぼちゃん」こと日本在住アメリカンR&Bシンガー、エボニー・フェイがトリオを従えて比較的ジャズっぽい作品を小さなジャズバーで歌うというので出向いた。場所は六本木ハリントン・ガーデンの地下一階。2005年12月にできた「クール・トレイン」という30人も入ればいっぱいになる店が30人も入って超満員だった。グランドピアノ、ドラムセット、そしてアコースティック・ベースがあり、このトリオをバックにエボニーがスタンダードを中心に歌った。

エボニーをじっくり見るのは昨年10月以来ちょうど1年ぶり。前回はフィリップ・ウーとのメビウス・セッションだった。その後、チューチュー・パピコのCMが彼女だったことが判明したりしていた。そのことを尋ねたら「たくさん、CMやってるの、だから全部は覚えてない・・(苦笑) ○社、△社、□社、いろいろやったわ」。(会社名を立て続けに言われたが、忘れてしまった)

ジャズを中心に歌うエボニーはなかなか大人っぽい。MCも絶好調。「今日はまだ月曜なので、静かにクールにすごしたいでしょ。今日のテーマはジャズ・ナイト。だから、R&B、ソウルを聴きたいという人もいるかもしれないけれど、なにか問題ある、ヨシオカさ〜ん」 いきなり振るな。(笑) 「ノー・プロブレム!」と言ったさ。

観客の中に、仲良し2人組みディーヴァ・グレイとマクサン・ルイスがいた。エボニーがセカンドでロバータ・フラックの「キリング・ミー・ソフトリー」を歌う。すると後半、「ララララララ〜」というコーラスを客席のディーヴァとマクサンがコーラスを歌いはじめた。小さい店なのでマイクなしでも十分コーラスが聴き取れる。「レディース・アンド・ジェントルマン、ミス・ディーヴァ・グレイ、ミス・マクサン・ルイス!!」 エボニーが彼女たちを紹介した。おなじみソウル・サーチャー、ジェイ・スティックスが叩くジャズ曲を初めて聴いたが、やっぱりセンスある。なんかはたから見ているとまるで簡単にプレイしているのだが・・・。

会場の雰囲気は、エボニーのファン、友人たちが訪れていたせいかひじょうにアットホームでフレンドリーになっていた。帰り道に、なんとタトゥー・東京がなくなっていたのを発見した。今や更地。次には何ができるのかな。

□過去関連記事
August 01, 2007
Who Sings On "Papico" CM?
http://blog.soulsearchin.com/archives/001932.html

October 26, 2006
Philip Woo Featuring Ebony Faye And Ishinari Masato
http://blog.soulsearchin.com/archives/001346.html

□ メンバー
エボニー・フェイ / Ebony Faye (Vocal)
ジェイ・スティックス / Jay Stixx (Drums)
吉田賢一 (ピアノ)
山村隆一 (ベース)

□セットリスト
Setlist : Ebony Faye Live At Cool Train, October 22, 2007/10/23
セットリスト エボニー・フェイ 

First set
Show started 19:02
01. (Instrumental)
02. (Instrumental)
03. Our Love Is Here To Stay
04. This Can’t Be Love
05. Someone To Watch Over Me
06. Just The Way You Are
07. One Day I’ll Fly Away
Show ended 19:45

Second set
Show started 20:42
01. (Instrumental)
02. Nearness Of You
03. Killing Me Softly With His Song
04. Thou Swell
05. Fly Me To The Moon
06. God Bless The Child
07. You’d Be So Nice To Come Home To
Show ended 21:23

(2007年10月22日月曜、六本木・クールトレイン=エボニー・フェイ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Faye, Ebony
2007-138
【フィリップ・セス・トリオに伊東たけし】

多国籍。

ステージの上の3人はユニークだ。一人は、マルセイユ出身パリ育ちのフランス人、一人はデンマーク人、そしてもう一人はアフリカン・アメリカン。国籍も人種も違うが、音楽のもとにひとつのユニットになる。そして、このトリオにゲストが登場、それが日本人伊東たけしだ。全員国籍が違うというところがおもしろい。

ニューヨークの音楽シーンで大活躍を続けるキーボード奏者、フィリップ・セスのトリオによるライヴ。基本は昨年(2006年)にリリースされた最新作『ボディー・アンド・ソウル・セッションズ』を中心にプレイ。この日のセット冒頭3曲は、同アルバムの冒頭3曲をそのまま演じた。

感じたのは、フィリップのピアノタッチの強さだ。この人はこんなに強く弾くとは思わなかった。もうひとりのフィリップ、フィリップ・ウーのタッチも異様に強いのだが、同じように強力だ。そして、アコースティック・ベースのクリスミン・ドーキーのベースプレイも相変わらず見事。僕はアコースティック系のベースでは近年彼が一番好きだ。本来であれば、レコーディングに参加したデイヴィッド・フィンクが来日のはずだったが、それがかなわずクリスになった、という。ドラマーはアルバムでも叩いているスクーター・ワーナー。最初、ちょっと叩きすぎという感じがしたが、だんだん慣れた。特に後半、スティックがもう折れそうになり、木の破片が薄く飛び散り始めたときには、驚いた。

そして20年以上前に、フィリップ・セスを迎えてレコーディングした日本のサックス奏者伊東たけしがスペシャル・ゲストとして登場。伊東たけしはソロアルバム2作目『L7』(1985年)で、フィリップたちとニューヨークでレコーディングしていた。(その後ももう一枚作っている) 彼がこの強力トリオをバックにサックスを吹いた。それまで3人だったステージにひとりサックス奏者が入るだけで、ぐっと音楽的にも幅が広くなる印象だ。まさにこの4人は多国籍バンドだ。

実は、伊東たけしさんの次の新作『メロウ・マッドネス』は、ソウル・ヒットのカヴァー集。スタイリスティックスやスティーヴィー・ワンダーなどの曲をカヴァーしていて、12月5日にリリースされる。それに関連して一足先にインタヴューをしたのだが、近いうちにここでも紹介しようと思っている。

ライヴを見ていたら、後ろから肩を叩かれた。振り向くとサックス奏者アンドレ・ピエールだった。なんとドラムのスクーターと昔からのなじみで、ルームメートだったという。わお。アンドレは数ヶ月前ニューヨークからこっちに引越し、やっと家が決まったそうだ。これを機に本格的にミュージシャン活動をするという。彼はここコットンでジーノ(日野賢二)バンドでプレイしていた。

□ 過去関連記事
クリス・ミン・ドーキー・インタヴュー
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/interview/chris20020810.html
(2002年8月)

□メンバー
フィリップ・セス・トリオ
Philippe Saisse(p,key), Chris Minh Doky(b), Skoota Warner(ds), special guest:伊東たけし(sax)

□ Setlist: Philippe Saisse Trio @ Cotton Club, October 21,2007
セットリスト フィリップ・セス・トリオ 

Show started 20.01
01. Do It Again
02. September
03. Lady Madonna
04. Dolphine
05. Home Sweet Home
06. Body & Soul (+Itoh Takeshi)
07. Moanin’  (+Itoh Takeshi)
08. Constant Rain (+Itoh Takeshi)
09. Minds Alike (+Itoh Takeshi)
Enc. Roppongi Blues (including a riff of “Chicken”) (+Itoh Takeshi)
Show ended 21.37

(2007年10月21日日曜、丸の内コットン・クラブ=フィリップ・セス・トリオ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Saisse, Philippe Trio
2007-137

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