【深町純、10月27日にサントリー・ホール出演へ】

濃密。

孤高の即興ピアニスト、深町純が今度の土曜日10月27日、サントリー・ホール・ブルー・ローズ(旧・小ホール)に登場、同ホールのスタインウェイを弾く。ここはサントリー・ホールの正面入口から入ってすぐ左側にあるホール。ホール入口の上に、つい最近開発され話題になったブルー・ローズ(青い薔薇)が一輪飾られている。天井も高く、木目の高級感あふれる格調高い会場で、そこに世界三大ピアノのひとつスタインウェイをいれ、即興演奏を行う。元々クラシック系の音を響かせるようにできているホールで、もちろんPA(アンプなど)なしで、十分「生音」が会場全体に響く。彼がサントリー・ホールに登場するのは今回が初めて。クラシックでもない、ジャズでもない、ポップでもない、イージーリスニングでもない。深町純独自の深町ミュージックというジャンル。果たしてあの豪華なホール、立派なピアノでどのような音が紡ぎだされるのか興味はつきない。

『深町純ピアノソロ即興演奏』
日時 2007年10月27日(土曜)開場19時、開演19時半
場所 サントリーホール・ブルーローズ(旧・小ホール)
チケット 5000円
問い合わせ先 POCOAPOCO 03-3425-7740
DNA 03-5413-6361

(深町さん本人のメッセージ)
「僕にとって初めてのサントリーホールです。
本当の即興演奏というものをお聴かせできればと願っています。
商業化された音楽でない、かつて僕達が「音楽」とよんでいたもの、
そんなものをお聴かせできればと思っています。」

(チケットはローソンチケットで取り扱っていましたが、公演1週間を切ったためにすでに取り扱い終了になりました。ただしFJsで販売しています。また、当日券が6時ごろからサントリー・ホールで発売されます)

今週木曜付け(10月25日付け)毎日新聞・夕刊の「楽庫」で深町さんインタヴュー、語録を中心にした記事を書いた。お時間ある方はごらんください。とはいっても、毎月深町さんが定例会で言っていることを、コンパクトにまとめただけなので、このソウル・サーチンの読者にはすでにおなじみの語録かもしれない。

さて、定例会第82回は、毎月最終月曜のものが翌週サントリー・ホールがあるために一週前倒しになった。それゆえか、若干淋しい感じの客入り。みんな来週に余力を溜め込んでいるのかな。(笑) CP80というヤマハの電子ピアノの音は、さまざまな表情を見せる。

恒例・御題拝借のときに、お客さんからもらったほんのちょっとしたメロディーから一曲を仕上げる遊びは、俳句を即興で作っていた時代とあい通じるものがある、といういつもの説を披露。そのときの例としてだしたのがこれ。俳人・加賀千代女が、○△□(まる・さんかく・しかく)をテーマに一句詠めと言われ作った俳句。

蚊帳のすみ 一つはづして 月見かな

な〜るほど。蚊帳は四つ角、一つはずすと、三角に、そして、そこから月見をすれば月はマルだ。お見事。

また最近深町さんが読んで面白かったという本が『音楽と生活』(兼常清佐・著=かねつね・きよすけ=1885年〜1957年=音楽学者・批評家、杉本秀太郎・編、岩波文庫=1992年発売)というもの。この本の中で兼常は「ピアニスト不要論」という説を展開している。

そこの話から発展してこう宣言した。「僕は、クラシックも弾かないし、ジャズ(という形態の音楽)もやらない。ブルースもやらない。僕は自分の音楽しかやらない。だから、お客さんが少ない。しょうがない! こういう図式なんだよ(笑)」 

さて、いよいよ今度の土曜日はファースト・クラスのグランド・ピアノで「自分の音楽だけ」の濃密な2時間だ。どんな奇跡が起こるのか、起こらないのか、それは演奏者本人にさえもわからない。シナリオのないドラマの幕が切って落とされる。純白のキャンヴァスには何色の絵が描かれるだろうか。サントリー・ホールで目撃者になってください。

■深町純オフィシャル・ウェッブ
http://www.bekkoame.ne.jp/~cisum/
■FJ’ズ オフィシャル・ウェッブ
http://fjs.fukamachi-jun.com/
■Setlist: Fukamachi Jun #82 @ FJ’s, Yutenji, October 20, 2007 (Saturday)
セットリスト 深町純 キーボードパーティー第82回(第5回)

First Set
show started 19:44
01. 2007年10月20日19時44分の作品 (12:19)
02. 2007年10月20日20時00分の作品 (11.13)
03. 2007年10月20日お題拝借作品1(3:22)
04. 2007年10月20日お題拝借作品2(2:22)
05. 2007年10月20日20時32分の作品 (14:08)
show ended 20:48

Second Set
show started 21:20
01. 2007年10月20日21時44分の作品 (8.45)
02. 2007年10月20日21時54分の作品(9.36)「時津風部屋」
03. 2007年10月20日22時03分の作品(8.16)
show ended 22:14

■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します)(単位は%)

2005年11月 第一部 41.70 第二部 51.82
2005年12月 第一部 39.86 第二部 58.91
2006年01月 第一部 58.81 第二部 67.23
2006年02月 第一部 38.4  第二部 49.7
2006年03月 第一部 50.9  第二部 92.7
2006年04月 第一部 53.1   第二部 57.3
2006年05月 第一部 45.15 第二部 82.08
2006年06月 第一部 52.16 第二部 59.02
2006年09月 第一部 47.77 第二部 77.63
2007年01月 第一部 65.53 第二部 54.97
2007年02月 第一部 53.88 第二部 49.33
2007年04月 第一部 65.26 第二部 68.58
2007年05月 第一部 40.89 第二部 58.19 【恵比寿・アートカフェ最終回】
2007年06月 第一・二部(通し)64.78 (2時間50分)【祐天寺FJ’s1回目】
2007年07月 第一部 66.23 第二部 66.45
2007年08月 第一部 67.03 第二部 68.04
2007年09月 第一部 71.16 第二部 67.30
2007年10月 第一部 67.81 第二部 49.29

(2007年10月20日土曜、祐天寺FJ’ズ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2007-136
【学芸大学に「レトロ・ミュージック・バー」カッキーズ・オープン】

活気。

昨日(18日)中等部の同級生だった友人柿沼くんが突然、それこそ10年ぶりくらいに電話をくれた。なんと学芸大学でバーを始めたから、こんど遊びに来てくれ、という。そこでさっそく、住所をもとに今日訪ねた。学芸大学駅・東口から線路沿いに自由が丘方向へ242メートル、徒歩約3分という抜群の立地にできた店の名前は「Kacky’s(カッキーズ)」。

僕はいつも彼のことを普通に「柿沼」と呼んでいたので、カッキーという愛称に違和感を覚えた。「え、なに、柿沼、最近、カッキーって呼ばれるの?」「そうだよ」「へえ、誰がカッキーって呼ぶの?」「世界中のみんながさ」(横に座っていたお客さんに受ける)

以前ワンショットバーだったところを、「居抜き」で入って10月3日にプレオープン。13日に正式オープンしたという。なんと同じく同級生ハセヤンが火曜(16日)に一人で来たそうで、「前の日、吉岡に会った、って言ってたから電話番号聞いたんだ」とのこと。ぐあ〜〜ん、ハセヤンに先を越されたではないか! う〜む。

7坪10席ほどの、カウンターだけの「レトロ・ミュージック・バー」。初めて聴くキャッチだが、そう銘打つだけあって、1960年代から1970年代にかけての「ロック、ソウル、ディスコ、日本の歌謡曲、ニューミュージック、グループ・サウンズ、ラヴ・サウンズ、スクリーン・ミュージック、さらには演歌まで」、オールジャンルをかける。カウンター向かいの壁には、17センチ・シングル盤のジャケットが全面に張られ、音楽好きならいやがおうでも、ここに目が行く。ただ、まだターンテーブルは1台だけ、ミキサーがないので、一枚一枚シングルの場合、かけなおす。また、アンプとスピーカーが前の店のもので、若干音がしょぼいので、これはおいおいオーディオをグレイドアップする予定だ。

シングル盤がカウンターに雑然と置かれていたが、いくつか見ている中に僕がライナーノーツを書いたものがでてきた。グロリア・ゲイナーの「恋はサヴァイヴァル」や、シーラB&デヴォーションの「シンギング・イン・ザ・レイン」だ。お〜〜、ハズカシ。前者は1979年1月。自分でも覚えてません。(笑) カッキーも気付いていなかったという。

彼は中学時代から音楽が大好きで、しかも、そのカヴァーする領域が僕のように狭く特化していないので、いろいろと知っている。フライアーには、「浅く広くがポリシーです」と書かれているが、まさにその通り。

1978年にベータの録画機を入手、その頃からたくさん音楽や映画をビデオテープに録画していた。そんなベータのテープを業者に頼んでDVDに落としてもらい、貴重な映像もテレビモニターで流していたりする。ちょうど、この時は1978年のNHK「紅白歌合戦」を流していた。

柿沼は、昔から絵が上手で、今回のフライアーにも8人のミュージシャンが彼の絵で描かれている。本物をそのまま描くと肖像権がうるさいので、わざと似せないで描いているというが、じっくりその絵を見ていると、これは誰かなあ、などと思いが巡る。

ソウルバーではないのだが、1970年代から1980年代にかけての音楽談義(邦楽・洋楽問わず)をしたい方にはお勧めだ。

せっかくなので、「吉岡のソウル・サーチン・ブログを読んで来た」と言えば、2007年11月いっぱい、ビール1杯(もしくはソフトドリンク)サーヴィスしてもらっちゃいましょう。まだまだ知り合いしか来てないようなので、たくさん人が来て、活気がでるといいね、カッキー。

■Kacky’s (Retro Music Bar)
東京都目黒区鷹番3-4-13笹崎ビル1階 
電話 090-9960-2759
営業 19時から24時30分まで(月曜〜土曜)
休業 日曜・祝日
チャージ300円。ドリンク500円から
(2007年12月から、チャージ300円となりました)

(地図)
http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=35.624105&;;;lon=139.68788583&p=%CC%DC%B9%F5%B6%E8%C2%EB%C8%D63-4-13
東急・東横線・学芸大学駅東口から線路沿いを自由が丘に向かって左側を歩き3つ目の角を左折してすぐ左側。徒歩3分。

ENT>MUSIC>SOULBARS>Kacky’s
【耳占い登場】

耳占い。

友人の売れっ子放送作家、いや、ちがう、「超」売れっ子放送作家、金森匠氏から「ラーメンをおごるよ」と深夜呼び出された。ちょうど小腹もすいていたのでほいほい彼の家まで迎えに行く。彼のところは車で5分なので、町内会はちがうが、ま、ご近所さん。

で、道すがらこう言われる。「ねえ、ねえ、去年、耳占いの話したの覚えてる?ほら、耳の形って人それぞれで、千差万別なんだけど、その形を見るだけで、その人の性格やら、くせとかがわかっちゃうっていう話」 おお、おお、確かにそんな話もあったな。「その耳占いの先生が、本を出したのよ。これこれ」と言っておもむろに赤い表紙のかわいらしい本を出すではないか。彼プロデュースで、その耳の占いの先生の本を出した、というのだ。

タイトルは、『6つの耳タイプでわかるほんとうのあなた〜耳占い』(中谷ミミ・著=日本文芸社=1050円)。耳の外形を『満月耳』、『三日月耳』、『真四角耳』、『長方形耳』、『三角耳』、『逆三角耳』に分け、さらに耳のパーツを上下左右で4つに分けて占う。34歳までの人は左耳を見て、35歳以上の人は右耳で見るという。

著者の中谷ミミさんは、すでにウェッブを出している。
http://mimiuranai.blog76.fc2.com/

金森氏曰く、「ほら、手相って見せてもらわないとだめでしょ。でも、この耳なら、初めて会った人でも何気に見ることができるでしょう。それで、性格とか当てたら、よくない?」。そういいながら、「おお、君の耳はいい耳だねえ。小金が貯まる耳だよ」。当たってないよ。(笑) 確かに、音楽を聴く部分では、「かなりいい耳」だとは思うけど。(笑) 

彼曰く、「これ、絶対、これから来るから。ブログで紹介して! 10万部売れたら、またおごるよ」。みなさんも、ぜひ、一度お試しあれ。

『6つの耳タイプでわかるほんとうのあなた〜耳占い』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4537255242/soulsearchiho-22/ref=nosim

ENT>BOOK>
【カール・トーマス最新作『ソー・マッチ・ベター』と来日・・・】

偶然。

11月に来日するカール・トーマスについての打ち合わせをするために恵比寿ウェスティンのコーヒーハウスで、レコード会社の方と待ち合わせ。カールは、以前バッドボーイ・レーベルから2枚のアルバムを出し、3作目が日本で5月に出た『ソー・マッチ・ベター』(フォーミュラ・レコーディングス)。最初のアルバム『エモーショナル』がリリースされたのが2000年だから、もう7年も前のこと。ここに入っていた「アイ・ウィッシュ」は個人的にひじょうに好きだった。

横浜に、この「アイ・ウィッシュ」をうまくカヴァーするブラックのシンガーがいて、よくピアノバーで彼にリクエストした。というより、彼自身がその曲が大好きで歌っていて、それが僕も気に入っていたのだ。あの彼は今、どこに? (笑) 

この新作は、元MCAレコードのエグゼクティヴであり、元モータウン社長でもあったジェリル・バズビーがアメリカで興したアンブレラ・レコードからの作品。アメリカではユニバーサルが配給しているが、日本はフォーミュラ・レコーディングスがライセンス契約しリリースしている。このフォーミュラからは昨年一足先にケイシー&ジョジョのケイシーのソロアルバムが出た。

来日前に電話インタヴューして、新聞に掲載という話もあったのだが、紙面の都合がつかず、結局ライヴ評を書くということで落ち着いたところだった。来日時にインタヴューでもしましょうか、あるいは、レコード会社ではラジオ・プロモーションを考え中といった話だった。個人的には、キース・スゥエットに続いての来日男性ソウル・シンガーで期待もしていた。

彼のファースト・アルバム『エモーショナル』は、プラチナム・ディスクに輝いた。しかし、まったく予期せぬ悲劇が襲う。2004年10月31日、彼の2歳年上の兄が急死するのだ。兄は、地元イリノイ州で、十代の若者たちによる車からの無差別銃撃の銃弾に倒れ、亡くなったのである。

この兄の死で彼は決定的に落ち込み、そして人生について深く考えたという。このときバッドボーイは、そのニュースをカールのファンに知らせることもなかった。さらに2作目の制作課程で、作品への介入が前作に比べ著しく大きくなり、カールはレーベルと対立。2作目は完成させ、結局ヒットになるが、その後、バッドボーイと袂を分かつことになった。

兄の非業の死を知ってアルバムを見ると、兄の墓石に手をかけるカールの写真が胸を打つ。アルバムは彼へのトリビュートになっており、各曲を見ていくと、その亡き兄を思う作品がいくつも収録されている。インタールードの「アイ・ミス・ユー」など、まさに兄へのメッセージだ。アルバムの内容はなかなかいい。

さて、その担当者Sさんが実は1980年代に僕がアドリブという雑誌で連載していた「プリンス物語」を熱心に読んでいて、それでプリンスとか、ジャム&ルイスとか、ミネアポリスもの、ひいては当時のブラック・コンテンポラリー系のレコードにのめりこんだ、という話になった。あれを読まれていた方、けっこういるんですねえ。ツナさん。(笑) カール・トーマスの最新作にもジャム&ルイスのてがけた曲が入っている。

で、ミネアポリス雑談などをしているとSさんの携帯にメールが入った。みるみるうちに表情が激変。「カール・トーマス、来日中止のメールが転送されてきました・・・」 おおおっ。じゃあ、この打ち合わせは、水泡に帰す? (笑) 

ところで、カール・トーマスの日本盤発売レーベルは先ほどから書いているが「フォーミュラ・レコーディングス」という。カールの歴史を紐解くと、彼はバッドボーイと契約する前に、エピックレコード所属のグループに参加していたという。そのグループの名前が、なんと「フォーミュラ」というものだった。偶然! 

■カール・トーマス 最新作『ソー・マッチ・ベター』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000KZRNTQ/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『エモーショナル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005EG2T/soulsearchiho-22/ref=nosim/
やっぱり、「アイ・ウィッシュ」は傑作。

ENT>MUSIC>ARTIST>Thomas, Carl
【ハービー・ハンコックそして、ザ・カルテット、VSOP蘇る】

熟練唯一。

かつてマイルス・デイヴィスという巨星の元に若き血を滾(たぎ)らせたミュージシャンたちが、それから40年を経て、集う。1960年代にマイルス門下生だったハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーターらは、1977年に同窓会的にライヴを行った。それが、VSOP(すなわち、ヴェリー・スペシャル・ワンタイム・パフォーマンス、ただ1回だけのパフォーマンス)と題されたライヴだった。そのときは5人が集まったが、その後ドラムスのトニー・ウィリアムスは死去、トランペットのフレディ・ハバードは健康問題で現役を退いている。

そこで、ドラムスにジャック・デジョネットを加え、4人でこのVSOPを再結成、グループ名をシンプルに「ザ・カルテット」として、そのライヴが国際フォーラムで10月15日(月曜)に行われた。確かに会場が大きすぎるきらいはあるが、これだけの人たちが集まってしまうとなると、こういう会場でやらざるを得ないということになる。

一言で言えば、グレイトなパフォーマーたちのプレイがこのユニークなバンドを生かし続けているという感じだ。それぞれの楽曲の中で、それぞれが思い切り十分なソロを演じる。熟練たちの円熟のソロ。ジャックのドラムは若い感じがしたが、一番若いといっても65歳。ウェイン・ショーターのサックスがかなり枯れた感じがしたが、これも最長老という実年齢からすると当然か。

ハービー(1940年4月12日生まれ=67歳)のピアノはさえずり、ウェイン(1933年8月25日生まれ=74歳)のサックスは泣き、ロン(1937年5月4日生まれ=70歳)のベースは歌い、そして、ジャック(1942年8月9日=65歳)のドラムスははしゃいだ。平均年齢69歳の今宵のカルテット(4人編成)には、定冠詞の「ザ」が付く。「ザ・カルテット」。熟練にして唯一の4人組だ。

■メンバー

Herbie Hancock (Keyboards)
Ron Carter (Bass)
Wayne Shorter (Sax)
Jack De Johnette (Drums)

■セットリスト
Setlist : The Quartet; Herbie Hancock, Wayne Shorter, Ron Carter, Jack De Johnette @ Kokusai Forum Hall A, October 15, 2007

show started 19:12
01. So What [Miles Davis]
02. Maiden Voyage [Herbie Hancock]
03. Seven Steps To Heaven [Miles Davis]
04. I Thought About You [Johnny Mercer/James Van Heusen, Miles Davis]
05. Aung San Suu Kyi [Wayne Shorter]
06. Someday My Prince Will Come [Frank Churchill, Public Domain, Miles Davis](From "Snow White")
07. 81 [Miles Davis]
08. A Riff Of "Take Me Out To The Ball Game" (Ron Carter bass adlib) -- Nefertiti [Wayne Shorter]
Enc. Footprints [Wayne Shorter]

(2007年10月15日月曜、東京国際フォーラム・ホールA=ザ・カルテット〜ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、ジャック・デジョネット・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>The Quartet, Hancock, Herbie / Shorter, Wayne / Carter, Ron / De Jonette, Jack
2007-132
【ベイビーフェイス、90分余でヒット曲30曲を歌う】

ジュークボックス。

ベイビーフェイスの1994年12月(初来日)、2001年8月(プロモーション)、2001年10月、2004年11月、2005年9月(プロモーション)以来通算6回目の来日、4回目の一般公演。

今回はビルボード・ライヴという小さな会場だけに、アーティストに圧倒的に近くひじょうに盛り上がる。97分にわたって、ベイビーフェイスはメドレーにして短い曲もあったが、30曲を歌った。そして、どれもがヒット曲。ヒット曲製造マシンだけのことはある。どこをとってもベイビーフェイス節が聴かれ、次々ヒットを歌う様は、人間ジュークボックスさながらだった。

「僕は女の子を好きになるたびに曲を書いてきた。僕は幼稚園の頃から恋してきたんだ。小学校1年のときに、曲を書いた。そのときの相手はデビーだった。ギターを弾きながら、どうやったらラヴソングがかけるのか研究したんだ。コード進行を覚えたり、どんな風にメロディーができているのか、とか。6年生のときにもラヴソングを書いた。そのときの子の名前は・・・」 ベイビーフェイスは、雄弁だった。

ドラムス、キーボード、ギター、ベースの4人編成のバンド。ベイビーフェイスの魅力たっぷり。下記セットリスト7〜9は最新作『プレイリスト』から。ジム・クローチの「タイム・イン・ア・ボトル」など、ベイビーフェイスにあった1曲だ。

メドレーは前半がガイズ(男性シンガー)のヒットメドレー、後半がガールズのヒットメドレー。ここらあたりは圧巻。

ただひじょうに残念なのは、ベイビーフェイスを支えるバンドが弱く、聴きづらいということ。特にドラムスはプレイがひどく、音がうるさいために、ときにベイビーフェイスの声さえかき消してしまう。こうしたB級バンドではなく、やはりリッキー・ロウソンのドラムス、ウェイン・リンゼイのキーボード、ちゃんとしたコーラス隊などのA級バンドで聴きたい。ジェイ・スティックス(ドラムス)&ソウル・サーチャーズにバックをつけてもらったほうがよほどいい。ドラムスが最悪なために、それがあまり出てこないアコースティックな曲は逆に引き立った。

「僕は自分が書いた曲がラジオから流れてきても、すぐにスイッチを消してしまうんだ。だって、それを聴いていたら、粗を見つけてもう一度プロデュースしたくなってしまうから。でも、僕が作った曲があなたたちにいい影響を与えるのであれば、それは嬉しいことです」

下記セットリスト22「スーパーウーマン」から、ベイビーフェイスがプロデュースするという新人女性シンガー、サッシャが登場。彼女はなかなか歌もうまく、いい感じだった。

ベイビーフェイスは1958年インディアナ州生まれ。インディアナを通るインターステート(州道)65の一部は現在「ケニー・ベイビーフェイス・エドモンズ・ハイウェイ」と名づけられているそうだ。

■ベイビーフェイス最新作『プレイリスト』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000TLYEDY/soulsearchiho-22/ref=nosim

■ベイビーフェイス・ライヴは今週いっぱいビルボード・ライヴで。
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&;;;;event=6019&shop=1

■過去ベイビーフェイス関連記事

ベイビーフェイスのインタヴュー記事(2001年8月)
「ベイビーフェイスを育んできたもの」
http://www.barks.jp/feature/?id=52256021
(ベイビーフェイスのルーツがよくわかるインタヴュー記事、お勧めです)

2004/11/11 (Thu)
Babyface; Just Another One Night Gig: You Owe Me One, ’Face
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041111.html
(前回の一般ライヴの評)

September 16, 2005
Babyface Live: When Can I See You Again?
http://blog.soulsearchin.com/archives/000518.html
(前作発売時のプロモーション来日時におけるショーケース・ライヴ)

August 08, 2007
Babyface’s New Album Will Be Covers Of 70s Pop Songs
【ベイビーフェイスの新作は、70年代カヴァー曲集】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001939.html

■メンバー 
ケニー”ベイビーフェイス”エドモンズ /Kenny "Babyface" Edmonds (Vocals/Guitar)
ロブ・ルイス/Rob Lewis (Keyboards)
イーサン・ファーマー/Ethan Farmer (Bass)
マイケル・リポル/Michael Ripoll (Guitar)
ブライアン・フレイジャー・ムーア/Brian Frasier Moore (Drums)
サッシャ/ Sacha (Vocal)

■セットリスト
Setlist : Babyface @ Billboard Live, October 15, 2007
セットリスト ベイビーフェイス ビルボード・ライヴ
[ ] indicates the artist who made the song hit, otherwise Babyface’s hits

show started 21:35
01. Grown And Sexy
02. For The Cool In You
03. Every Time I Close My Eyes
04. What If
05. Never Keeping Secrets
06. Whip Appeal
--
07. Fire And Rain [James Taylor]
08. Time In A Bottle [Jim Croce]
09. Wonderful Tonight [Eric Clapton]
--
10-18. Boys Hit Medley: Two Occasions [Deele]
11. Don’t Be Cruel [Bobby Brown]
12. Every Little Step [Bobby Brown]
13. Rock Witcha [Bobby Brown]
14. Roni [Bobby Brown]
15. Can We Talk [Tevin Campbell]
16. My, My, My [Johnny Gill]
17. I’ll Make Love To You [Boys II Men]
18. End Of the Road [Boys II Men]

19-26. Girls Hit Medley: Baby, Baby, Baby [TLC]
20. Diggin On You [TLC]
21. Red Light Special [TLC]
22. Superwoman [Karyn White]
23. Not Gon’ Cry [Mary J. Blige]
24. Breath Again [Toni Braxton]
25. Another Sad Love Songs [Toni Braxton]
26. You Mean The World To Me [Toni Braxton]

27. Take A Bow [Madonna]
28. Count On Me [Whitney Houston & Ce Ce Winans]
29. Exhale (Shoo Shoo Song) [Whitney Houston]
30. Change The World [Eric Clapton]
Enc. When Can I See You Again
show ended 23:12

(2007年10月15日月曜、六本木ミッドタウン・ビルボード・ライヴ=ベイビーフェイス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Babyface
2007-133

Nakata Hidetoshi Talks 

2007年10月15日
【中田英寿インタヴュー】

選別。

もう一週間前の話で恐縮なのだが、原稿を書いたものの、アップするタイミングを逸していた中田選手のインタヴューの感想をちょっとだけ。

元サッカー選手の中田英寿がフジテレビの情報番組『新報道プレミアA』(毎週日曜22:00-23:15)に10月7日衛星生中継で出演していた。テレビ番組のキャッチフレーズによれば、なんと彼は昨年引退した後、約1年、世界を見ながら自分探しの旅に出ている、という。びっくり、じゃあ、ソウル・サーチンでもしているのだろうか。

僕はたまたまチャンネルを回していたら、ヒデがでていたので、なんだろう、と思ってみたのだが。テレビ画面に映った中田を見た瞬間、表情がやわらかくなっているなと思った。この1年、何があったんだろう。

中田は中東ドバイにいて、その砂漠から生中継だった。(ホテルからの中継ともでていたが。ホテル内の砂漠かな) この絵がよかった。砂漠にじゅうたんのようなものを敷いて、そこにソファを置き、滝川クリステルの質問に答えている。ときどき、コブのついたらくだが後ろを歩いていく。あれは演出なのだろうか。演出としたら、なかなかいい演出だ。夕陽が大きく地平線に落ちていくあたりの絵もいい。

テレビなので、おもしろい質問はでてこなかったが、しいて言えば、「世界の30歳と日本の30歳の違いは」という質問(中田も30歳)に対して、「(世界で)人と会うとき、その人が何歳かということを聞いたりしないので、何歳かわからない。だから、この質問には答えられない」と答えた。「政治家には興味はないが、政治には興味がでてきた」 あるいは、「世界はパズルのようなものだと思う。あるところに足りないものも、別のところには余っていたりして、それをこううまくつなげば、いいものが生まれるかもしれない・・・」といった発言は、旅をして、世界を知ったからでこその言葉か。朝青龍問題についても、「巡業でサイン会などのファン・サーヴィスもできる」などといいアイデアを語っていた。

中田は基本的には一般メディアのインタヴューを受けないで、唯一受けるのがテレビの生放送だそうだ。対メディアに対して不信感があるそうで、それでこの日、生放送だから受けたのかもしれない。

このあたりのメディア選別の方向性は、古くはマイケル・ジャクソン、最近ではイチロー選手などと相通じる。スポーツ選手だと、やはりこの中田のインタヴュー、イチローのインタヴューはひじょうにおもしろい。

ESSAY>

Jennifer Batten Showcase

2007年10月14日
【ジェニファー・バトゥン・ショーケース】

ギター。

ジェニファー・バトゥンというギタリストがいる。女性ギタリストだが、ご存知の方は、ギターマニアかな。彼女が有名になったのは、1987年のマイケル・ジャクソンの世界ツアーに参加したことから。このツアーはご存知の通り、ここ日本から始まった。そのときに、光るギター、そして、逆立ったヘアで大いに注目されたのが、ジェニファー・バトゥンである。とは言ってももう20年も前のことだ。

僕はマイケル・ジャクソンの1987年の初のソロ・ツアーを取材したので、そのときに初めてジェニファーに会った。その彼女に、20年ぶりに会った。ジェニファーはその後も、マイケルの「バッド・ツアー」「ヒストリー・ツアー」などにも参加、さらに、同じくギタリストとして最高峰のジェフ・ベックのツアーに誘われてワールド・ツアーに帯同している。

ちょうど、彼女の新作で通算3作目のアルバム『ホワットエヴァー』がこの9月に日本先行で発売され、そのプロモーションの一環で来日、話を聞くことができた。インタヴューの内容はまた後日お送りするとして、彼女のショーケース・ライヴが9日(火曜)に渋谷の東京スクールオブミュージック専門学校で行われた。

この日登場したのは、ジェニファーひとりなのだが、コンピューターに事前にプログラムした音と映像とシンクロさせてギターをプレイした。その映像がけっこう凝ったものでおもしろく、しかも、ギタープレイと同調していて、なかなか興味深かった。基本的には、ロックの世界なのだが、こういうライヴ形式もあるのか、と思った。

■ジェニファー・バトゥン 最新作『ホワットエヴァー』(ウッドベル)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000UJJCEG/soulsearchiho-22/ref=nosim/

最新作は、DVDとCDの2枚組み。非常に実験的なアルバムだ。

ENT>ARTIST>Batten, Jennifer
【東京ディズニー・シー「ビッグ・バンド・ビート(BBB)」に松下奈緒】

スペシャル。

東京ディズニー・シーの中にあるブロードウェイ・シアターで毎日数回行われている出し物に「ビッグ・バンド・ビート(略してBBB)」というものがある。ホーン・セクション9名、ピアノ、ドラム、ベース、後半でもう一匹ドラム、シンガー8人、ダンサー12人、総勢約33名のエンタテイナーたちが1940年代から1950年代にかけてのスタンダードをビッグバンドで奏でるというもの。これが約30分のショーなのだが、実によく出来ている。13−4曲を次々と歌い、演奏し、踊り、観客を楽しませる。最後にはミッキー・マウスやミニーも登場(この日はミニーは不参加)、ミッキーはドラムを叩いたり、タップ・ダンスまで見せる。ホーンセクションなども、ちゃんと右左、前後左右に振ったり、軽く踊ったり、見せる。

そして、そのBBBに、新進気鋭の女優兼ピアニスト松下奈緒がこの日一日だけ特別参加、スペシャルなプログラムを見せた。なにより楽しんだのは、松下さん本人だろう。なんといったって、ミッキー・マウスとドラムとピアノで共演し、しかも、バックにはビッグバンド、ダンサーなどがステージ狭しと動いていたのだから。

ま、松下さんにキスをせがみ、見事ほっぺたにチュッとされたミッキー・マウス君は、大張り切りしてドラムプレイもものすごくはしゃいでいたので、一番喜んだのはミッキー君かもしれない。

ライヴ後、ご本人とちらっとだけ会うことができたが、背が高く、スラリとしていたので驚いた。しかも綺麗でかわいい。海外に行ってモデルでもできるのではないだろうか。

Setlist : Broadway Music Theater, Tokyo Disney Sea, October 12, 2007
セットリスト BBB・松下奈緒 

show started 20.48
01. Starlight Jazz
02. わんこ (Matsushita Nao)
03. 木漏れ日 (Matsushita Nao)
04. Jazz Chocolat (Matsushita Nao)
05. Princes Medley: 1) So This Is Love -- 2) Someday My Prince Will Come -- 3) Beauty And The Beast  (Matsushita Nao)
06. Medley: 1) Diga Diga Doo -- 2) Caravan -- 3) Sophisticated Lady -- 4) Take The "A" Train -- A Riff Of "Minnie The Moocher"
07. Sing Sing Sing
Enc.1. Wish Upon A Star (Matsushita Nao)
Enc.2. Starlight Jazz
show ended 21.32

(2007年10月12日金曜、東京ディズニー・シー・ブロードウェイ・ミュージック・シアター=ビッグ・バンド・ビート(BBB)&松下奈緒ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Big Band Beat & Matsushita Nao
2007-131
【ブレンダ・ヴォーン・ライヴ】

目的意識。

われらが東京レディー・ソウル・ナンバー・ワン、ソウル・サーチャーでもあるブレンダ・ヴォーンの約1年ぶりの単独ライヴ。結論から言うと、前回よりもさらにグレイドアップ、充実の2時間半余だ。見所たくさん、あったなあ。観客は男女比5:5くらいか。年齢層もばらばらでいい感じ。

40年以上ソウル・ミュージックを聴いてなかなか普通のソウル・シンガーは誉めないソウル愛好家安井さんも、「ブレンダは最高にいいね。日本でこういうのが聴けるというのがすごいね。みんな(ソウル・ファン)、これは聴くべきだよ」と高い評価。安井さんの「お褒め」は、僕が誉めるより、はるかにレベルが高いのだ。(笑) 

ファーストこそ54分だったが、セカンドは1時間42分。ものすごい充実ライヴだ。特にセカンドのトップには木下航志くんがゲストで登場。『ソウル・サーチン:ザ・セッション〜アレサ・フランクリン』で歌った「グルーヴィン」をほぼ単独で、そして、ブレンダとともに「ワイルド・ホーセス」を堂々歌唱。それまでの中で最大級の拍手を得た。航志くんに関して、3人の観客から「航志くん、前回(ソウル・サーチン)より、また歌がうまくなってるね」と声をかけられた。そして「若いって、いいね」とも。成長著しいとはこのことだろう。そういえば月曜の「ゴールド・コンサート」でも、同じことを誰かから言われた。

バックは、フィリップ・ウー、クリフ・アーチャー、ケイリブ・ジェームスとまさにソウル・サーチャーズそのままの再現。ここに僕は初めて見るドラムス、ローリーとギターのジェロームが参加。彼ら2人は、現在名古屋を本拠に活躍するミュージシャンだ。名古屋のゲイリーズというライヴ・ハウスでハコバンドとして活躍していた後、日本に残った、という。ライヴ冒頭に流れたブレンダが歌うCMは、実は名古屋のパチンコ店のもの。とてもかっこいい。

ブレンダの冒頭3曲はアレンジも斬新でスターターとしては完璧だった。特にサム・クックの「ユー・センド・ミー」のアレサ・ヴァージョンは聴きもの。また、第2部ではステファニー・ミルズでおなじみの「フィール・ザ・ファイアー」が圧巻だった。この曲を聴くと、ブレンダにものすごくあっている感じがした。しかも、声質もステファニー的なものを感じた。アレサの作品はどれも圧巻だが、「ナチュラル・ウーマン」もかなり魂がこもっていた。

また、セカンドで「オールライト」という曲を歌ったが、途中にケイリブ、飛び入りのメロディー・セクストンらとアドリブをいれて歌った。これは、ブレンダの親友でもあるレデシーの最新作からのヒット。いわゆるオールド・スクールのアレサ・フランクリンも歌えば、こうしたニュー・オーガニック・ソウルのレデシー楽曲などもいかにも今風に歌えるというあたりが、芸幅の広さを見せる。

ブレンダの生きるモットーは、「living on purpose」。しっかりと目的意識を持って生きる、ということ。2時間半余のステージからは、その意識が十分に感じられた。彼女自身のライヴは、また来年かな。これだけのソウル・ショーが見られるなら、たとえば、年3−4回ともう少し多くてもいいかもしれない。オーガナイズするのはとても大変ですが・・・。(笑) 

■過去関連記事

September 04, 2007
Brenda Vaughn’s Own Second Show Will Be In October
http://blog.soulsearchin.com/archives/001991.html
(ここにブレンダ関連過去記事一覧も)

September 20, 2006
Brenda Vaughn: Lady Soul Is Here To Stay
【ブレンダ・ヴォーン・ソロ・ライヴ〜「レディー・ソウル」の語彙が蘇る】
(前回のブレンダの初ソロ・ライヴ評)
http://blog.soulsearchin.com/archives/001273.html

■メンバー

(Vo)Brenda Vaughn (HAMMOND B-3/Key)Philip Woo (Key/Vo)Kaleb James
(B)Clifford Archer (Cho)Melodie Sexton (G)Jerome McInnis (Ds)Rory Johnson
特別ゲスト 木下航志 

■Setlist : Brenda Vaughn @ Meguro Blues Alley, October 11, 2007
セットリスト ブレンダ・ヴォーン
[ ] indicates original artist

First set
show started 19:42
00. CM Video: When The Saints Go Marchin’ In (Brenda)
00. When The Saints Go Marchin’ In (A Cappella)
01. God Bless The Child [Billie Holiday]
02. Good Morning Heartache [Billie Holiday]
03. You Send Me [Sam Cooke, Aretha Franklin]
04. Going Up Yonder [Tramaine Hawkins]
05. Dr. Feelgood [Aretha Franklin]
06. Hey Mr. DJ [Zhane]
show ended 20:36

second set
show started 21:13
performance started 21:18
01. Groovin’ (With Kishita Kohshi) [Rascals, Aretha Franklin]
02. Wild Horses (With Kishita Kohshi) [Rolling Stones, Alicia Keys]
03. Feel The Fire [Peabo Bryson, Stephanie Mills]
04. Always There [Side Effect]
05. Alright [Ledesi]
06. Ain’t Nobody [Rufus featuring Chaka Kahn]
Enc.1. You Make Me Feel Like Natural Woman [Carol King, Aretha Franklin]
Enc.2. Lean On Me [Kirk Franklin]
show ended 22.55

(2007年10月11日木曜、目黒ブルース・アレー=ブレンダ・ヴォーン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Vaughn, Brenda
2007-130

Movie "La Vie En Rose"

2007年10月11日
(映画のねたばれがあります。これからご覧になる方はご注意ください)

【映画『エディット・ピアフ〜愛の賛歌』を見て】

余地。

次の「山野ミュージック・ジャム」(10月14日放送分)でエディット・ピアフの映画『エディット・ピアフ〜愛の賛歌』を紹介することになり、現在公開中のその映画を見てきた。これは1950年代から1960年代にかけて世界中で人気を集めたシャンソン・シンガー、エディット・ピアフの生涯を描いたもの。ピアフは日本でも大変人気の高いシンガーだ。

ピアフは、1915年(大正4年)12月19日パリ生まれ。3歳の頃から祖母の娼婦の館で過ごすという劣悪な環境に育った。20歳の頃、クラブオーナーに認められ、その店で歌いだしたところ人気が出始めた。その後、さまざまな人生の紆余曲折があり、スターの座にのぼりつめる。麻薬中毒、激しい性格、恋、周囲で起こる不幸などなど、多くの出来事がピアフを悩ます。

さすが、ピアフの映画だけあって、映画館に来ている人たちはかなり年齢層が高かった。以降は見ての感想なので、これからご覧になる方は、ご注意ください。

主演ピアフ役のマリオン・コティヤールの演技が見事だ。麻薬中毒患者でわがままで周囲を困らせるピアフの性格をうまく演じている。特にマリオンが演じる晩年は、46歳、47歳とは思えぬ、もう60−70歳の老婆かと思わせられるほど。そして、それを31歳ほどのマリオンが演じているというのもすごい。(マリオンは1975年9月30日生まれ。撮影時は31歳) ピアフ役は5歳までの子役と、10歳までの子役、そして、マリオンと3人が演じるが、子役たちもかわいい。

しかし、映画全編の編集が、あまりに時系列が交錯するので、僕にはわかりづらかった。なんで、こんなにごちゃごちゃにするのだろう。僕は
ピアフの人生そのものが劇的なので、それを正確に時系列に沿っていけば、それだけで感動できるものができると思うが、どうも映画人というのは、さらにそれだけでは物足りなくなり、なにかひとひねりしてみたくなってしまうのだろう。重要なポイントは、素材がよければよいほど、小細工するな、ということだ。単純に「かわいそう」とか「幸せそう」といった見てる側の感情起伏が、あちこちで寸断される。

たとえば、冒頭で死の淵を出し、そこからフラッシュバックで3歳の頃に戻し、徐々に時系列に沿って物語を展開し、ところどころに、その時点よりも前のことをフラッシュバックでいれる、というシンプルな構成にしたら、もっと最後盛り上がると思う。なので、DVDが出たら、すべてきっちり時系列を正したヴァージョンでも自分で編集して見てみたいとさえ思った。

映像に関して言うと、全編パリの、そして、ピアフのどんよりとした陰鬱なイメージをうまく撮影していると思う。一方、一部でカリフォルニアに行ったときのシーンがでてくるが、ここでの映像が太陽と空があまりに対照的に明るくなっていて、その映像のコントラストに、ピアフの光と影が重なった気がする。撮影監督は永田鉄男さんというパリ在住の日本人だそうだ。

ピアフの人生は、まさにソウル・サーチンの連続だった。そうした苦悩と成功の喜び、光と影を、これでもそこそこは描けているとは思うが、もっと脚本に書き込めるような気がした。なぜ自分は麻薬に溺れるのか、なぜ自分の周りには不幸が起こるのか、なぜ彼女は孤独を嫌うのか・・・。僕はこの映画でしかピアフのことは知らないが、ある意味凝縮されたこの映画の中からでもそれだけのテーマが拾える。おそらく2時間余で47年間は難しいのだろう。それでも、たぶんクリエイティヴに更なる高みに上げられる「余地」があるような気がした映画だった。やはり、消化不良感はぬぐえない。

エディット・ピアフは、1963年10月11日、リヴィエラで死去。47歳だった。つまり今日が命日である。

■エディット・ピアフ『愛の賛歌』(サウンドトラック)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000TLYFTM/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■「山野ミュージック・ジャム」(毎週日曜・16時30分〜16時50分、インターFM76.1mhz『ソウル・ブレンズ』内)

ENT>MOVIE>La Vie En Rose
【フィラデルフィア展・今日から】

解説。

『フィラデルフィア美術館展』東京展が10月10日から始まる。その内覧会が9日、上野の東京都美術館で行われ、今回は「フィリー・ソウル・サーチャーズ」の関係もあって、足を運んだ。

上野の森は、いくつか博物館があって、徳川展をやっている国立博物館に行ってしまった。少し遅れて入るとものすごい人だかり。司会者と美術館関係者がいくつかのやりとりをした後、今回のイメージキャラクター、檀れいがマティスの「青いドレスの女」を彷彿とさせるドレスで登場。

その後、「ソウル・サーチン」でコメンテーターも務める岡伸昭さんとともに作品を見る。音声ガイドも借りて、それを聴きながら行こうということになった。岡さんは、自分が絵を書いたり、デザインをしたりするアーティストでもあるが、とあるカルチャー・センターで美術史などを教えている先生でもある。

そこで、順路にしたがって、作品を見始めると岡さんがいろいろと説明してくれる。それがけっこうおもしろい。

たとえば、ある時期から絵の具がハンディになって、外に持って出られるようになった。それによって画家はそれまで室内でしか描けなかったが、外に出て描けるようになった。「つまりウォークマンが登場して音楽が戸外に出たのと同じことが起こったんですね」とか、画家の誰と誰が仲がいい、とか、仲が悪い、とか。この画家は金持ちからの支持が厚くけっこう裕福な生活ができた、とか、逆にこの画家は画家仲間からはものすごく評価されていたが、一般からは全然評価されていなかったので貧しかった、とか。これはその後のキュービズムに影響を与える原点になった、とか。彼はオリジナルだが、そのフォロワーの彼のほうが人気がでてしまった、とか。彼らは、当時の絵の世界ではかなり異端で、けっこうプリンスみたいな存在だったんですよ、とか言われると、急に親しみがわく。

そんな解説を受けながら、見ていると「フィリー・ソウル・ナイト」でお世話になったメトロS氏登場。これこれしかじかと説明すると、「じゃあパワーポイントとか使って、一点に一口キャッチかなんか言ってもらって、紹介するなんて、イヴェントの合間にいいかもしれませんね。『これは、だれそれの最高傑作、必見!』とか」。う〜〜ん、いいアイデアかも。

近代絵画史みたいなものが、ひじょうにおもしろく解説された。こういう話を聴きながら、絵画を見ると興味も広がる。あるいは、「岡先生と見る『フィラデルフィア美術館展』」なんていうのもおもしろいかもしれない。(笑) 歩き始めて閉館の6時すぎまでに、2時間弱、作品点数の半分くらいまでしか進まなかった。この続きは、また後日、ということになった。

■「フィラデルフィア美術館展」オフィシャルサイト
http://www.phila2007.jp

ENT>ART>Philadelphia Museum of Art Exhibition
【チャレンジド(障がい者)ミュージシャンの競演】

チャレンジド。

「音楽を通じてバリアフリーを」というテーマで全国から集まった障がい者ミュージシャンの年一度行われる全国大会の第4回が2007年10月8日(月曜・体育の日祝日)、東京有楽町の国際フォーラム・ホールCで行われた。ライヴ・タイトルは『ゴールド・コンサート』で、これはデンマークの同様の『グリーン・コンサート』をヒントに制作されている。

縁あって今年は、木下航志くんがゲストで出場することになり、それに伴い僕も審査員という役を仰せつかり、会場に足を運んだ。ここに登場するためには、いずれも何らかの障がいがある人が、1ユニット内に半分以上(4人組みの場合2人以上、障がい者が入る)参加していることが条件で、テープ審査などで選ばれた11組がフォーラムのステージにあがった。

この中から、和太鼓の4人組「The J.B.’f(ザ・ジェー・ビー・エフ)」が「グランプリ」を獲得した。

11組のアーティストのライヴを見て、審査員が審査をしている間、特別ゲストの木下航志くんのライヴが行われた。最初は昨年のこのコンサートの優勝者とのデュエットで、「リボン・イン・ザ・スカイ」を歌い、その後オリジナル曲を4曲歌った。

圧巻は最後の「竹田の子守唄」だった。特に同曲の最後の部分、それまでピアノの弾き語りでマイクで歌っていた航志くんは、マイクから離れ、オフマイクでつまり「素の声」で、約1500人の会場に熱唱した。いや、これは驚いた。こんな子守唄を聴かされたら、みんなしゃきっと目が覚めるにちがいない。(笑) そして、寝られなくなる。

この日は審査員の中に湯川れい子さんがいらっしゃって、久々にお会いできた。「この前、8月にメンフィスに行ったのよ。命日(8月16日)のお墓参り。そこで向こうでいろいろコーディネートしてくれた人がいたんだけど、その人が誰をつれてきたと思う?」 「さあ、見当つきません」 「デイヴィッド・ポーターよ!」 「へええええっ、すごい。なんでまた」 「さあ、それはわからないんだけど、彼は自分はまだ一度も日本に行ったことがないから、行きたいって言ってたわ(笑)」

デイヴィッドは、もちろんメンフィス・ソウル界の重鎮である。アイザック・ヘイズとともに、「ソウル・マン」「アイ・サンキュー」など多数のヒットを書いているソングライター、ミュージシャンだ。そうか、確かに来ていないかもしれない。

控え室で、いろいろな審査員の方とお話をさせていただいたのだが、大変興味深く勉強になるお話が多かったので、いずれご紹介するかもしれない。

Setlist: Kishita Kohshi @ Kokusai Forum Hall C, October 8, 2007
セットリスト 木下航志 国際フォーラム ホールC

1. Ribbon In The Sky
2. 遠い街
3. Love Is Every Where
4. 絆
5. 竹田の子守唄

ENT>MUSIC>LIVE>Gold Concert Vol.4
ENT>MUSIC>LIVE>Kishita Kohshi
2007-128
【『フィリー・ソウル・ナイト』ショーが終わって】

3枚。

メトロ・ミュージック・オアシス第13回『フィリー・ソウル・ナイト』が終わって、その現場では、「フィラデルフィア美術館展」の前売り券の販売と、アーティスト3人のCD販売がなされた。お客さんが一番聞いてくるのが、「彼らのもので、今、歌った曲が入っているCDをください」というもの。しかし、フィリー・ソウル・サーチャーズのCDはない。しばらく前に主催者メトロから、打ち合わせで、ここでいいライヴを見せるとアーティストのCDが飛ぶように売れますよ、と言われていたので、これはなんとかしないとと思っていた。

そこで、妙案を思いついた。前日に7時間ほど全員でリハーサルをするが、その中からいい出来のものを8曲くらい録音して、一晩でCDを焼いて現場で売る、というアイデアだ。100枚限定盤。もちろん、5人全員の合意がなければやらないが、それぞれに聞くと、「いい出来なものをやるなら、それも悪くないか・・・」くらいの反応が戻ってきた。

そのためには、事前にジャケットデザイン、CD盤面印刷をしておかなければならない。それは一週間前に終わらせておくとして、リハからいいテイクだけのマスターが出来るのは前日の夜10時だとすると、帰ってから、1時間に10枚CDを手作業で焼いたとしても100枚焼くのに10時間かかるではないか。その計算をしたところで、これは絶対無理だということになって、あえなく没になった。1週間くらい前に、マスターができていれば、業者に頼むこともできたのだが・・・。ま、リハをCDにしてしまうというのがそもそも無理な話だが・・・。(笑) 

というわけで、フィリー・ソウル・サーチャーズの即席CDは幻に終わったのだが、ケイリブ、ゲイリー、グリニスがそれぞれ自分のCDを出しているので、それらを即売することになった。グリニスのは8月にできた『ブラック・アイス』、ゲイリーのはほんの数日前にプレス工場から来たできたてホヤホヤの最新作『ゴッド・イズ・エヴリホエア』。(いずれ、どちらも改めて紹介します) ケイリブは2−3年前に作ったものが再び登場。各2500円。グリニスはちゃんと、CDをいれるケースもあり、自分の写真も盾にいれてディスプレイも完璧。う〜〜ん、これはアピールする。

買った人には、3人がサインをするのだが、すぐに人だかりができた。おそらく普段はCDショップに行かないような人も多かったのだろう。

そして、こんなやりとりは、普段は絶対に聞かれない。最高におもしろかった。気のいいおばちゃん風が尋ねた。「このCDはおいくら?」 係りの者が答える。「2500円です」 おばちゃん。「3枚で?」 スーパーの安売りじゃないぞ。(笑) 

しかし、今度即売会をするときには、3枚全部買ったら7500円のところを6000円にします、とかしたりしたほうがいいのだろうか。(笑) 一説によると、おばちゃん向けには1980円とか、2480円とかがいいらしい。売るほうは小銭の清算がめんどうになるのだが・・・。

即売会が続く中、会場は撤収作業が続いている。お客さんからは、彼らは定期的にライヴをやっていないのか、次はどこで見られる、といったことを何度も聴かれた。ミュージシャンたちはサインなどが終わると控え室に戻る。そして、一息ついて軽い打ち上げをしようということで、近くに移動。

その移動途中、構内のポスターに沢尻エリカが映っているものがあった。それを見たケイリブが声をあげた。「彼女、彼女の記者会見のコメント、最高だよ。あんなにすばらしいコメントは聞いたことがない。『特にありません』(nothing special)『別に(nothing)』 僕は大いに気に入ったよ」 「あ、でも、あれその後、彼女は謝罪したんだよ」 「ほんとか、嘘だろ。あれでいいじゃないか」

僕はあのやりとりを見て、プリンスのディック・クラークとのやり取りを思い出した。プリンスは、そのときは、司会者クラークの「よりによって(of all places)」ミネアポリス出身という一言にカチンときて、受け答えもぶっきらぼうになり、一言返事になった。そういえば、あのとき、プリンスも21歳か22歳くらいだったはず。ちょうどつっぱりたくなるお年頃なのかもしれない。それとも、ひょっとして、エリカも司会者の何かが気に入らなかったのかな。(笑) 僕も、この一連の騒動は別に謝らないほうがおもしろいと思ったクチだ。プリンス好きのケイリブらしいなと思った。

(2007年10月5日金曜、東京メトロ・ミュージック・オアシス、銀座駅コンコース内オアシス=ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ・ライヴ)
2007-127
Philly Soul Night Live At Ginza (Part 2): Behind The Scene
【『フィリー・ソウル・ナイト』舞台裏にて】

仲間。

フィリー・ソウル・サーチャーズは前日にじっくりリハーサルをしたが、確認の意味も含めて、当日のリハーサル後、彼らは楽屋控え室に入るや、携帯用のくるくる巻けるシート様になっているキーボード(カシオ製)を広げ、軽くそれを弾きながらハーモニーの練習をし始めた。小さなテーブルに下敷きのような、まるでおもちゃのキーボード(鍵盤)を置いて、そこに小さなスピーカーが接続され、一応ちゃんと、しょぼい音(笑)だが、音がでる。僕は初めて見たが、これは笑えた。楽しい。これで練習か。さすが。

大きなケイリブがこのおもちゃのキーボードを操り、コードを弾きながら「誓い」(You Make Me Feel Brand New)を5人が歌う。コーラスをつけながら、ゲイリーは膝やテーブルを叩いて、パーカッションを演奏。
歌が好きな仲間たちが、5人集まって好きな曲を歌っているその様はまさに、これぞ「ストリート・コーナー・シンフォニー」。僕はこの様子にミニ感激した。

ガッツビーでおなじみの「愛がすべて」も全員コーラスで練習。ちょうど、軽いスナック、チキンなどが到着し、それらをもぐもぐしながら、しっかり歌う。これを聴きながら、1曲くらい、全員ステージ・センターに立ってマイクスタンドを囲みアカペラの曲をやってもらってもよかったかもと思った。まあ、「エンド・オブ・ザ・ロード」の最後の部分は、手拍子だけでアカペラになって、受けたが。もっと出来ただろう。

「誓い」は本番になると、彼らはちゃんと振りをつけ、ゲイリーは最近流行りのカフーンというドラムのような音が出るパーカッションを叩いてリズムを作る。さすが。

「次の曲はハロルド・メルヴィン&ブルーノーツというグループがヒットさせた曲だ。だが、おもしろいことに、ハロルド・メルヴィンはリード・ヴォーカルを歌っていない。リードを歌っているのはテディ・ペンダーグラスというシンガーです」 こう説明されてグリニスが「二人の絆(If You Don’t Know Me By Now)」を歌う。グリニスは、「never, never, never」の部分を思い切りアドリブを効かせ熱唱。観客からもやんやの喝采が集まった。こんなのは、リハではまったく見せなかった。さすが。

ケイリブのMCはなかなか冴えていた。いくつか曲の解説をしながら、曲に進む。「この曲は、夫Aと妻Bの話。でも、夫Aと妻Bには、別にそれぞれ妻Aと夫Bがいる。曲の主人公の男の名前はわからないが、女性の名前はジョーンズです・・・」。そして、「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」が始まる。途中で、ミー・ア〜〜ンド・・・ミセス、ミセス・・・カワサキ・・・なんてアドリブをいれて受ける。いじりかた最高だ。さすが。

今回のメドレーを含めて12曲のセットリストに最初は、ガッツビーの「愛がすべて」と「ユー・レイズ・ミー・アップ」は入っていなかった。「愛がすべて」は、日本で人気があることを説得していれてもらった。(笑) ケイリブにとっては、「これは(フィリー・)ソウルではない」という感覚らしい。それはそれでわかる。彼はこれを「ポップ・ソング」と呼ぶ。

しかし、そんなことを言っていたケイリブのMCはガッツビーをネタに大いに笑いを取るものにしていて、客席からも超受けていた。さすが。

「ユー・レイズ・ミー・アップ」は、もちろんフィリー・ソウルではないのだが、この「フィラデルフィア美術館展」のイメージ・テーマ・ソングになっていたので、主催者から「どうしても、これだけは」というリクエストをもらっていた。最初ケイリブに言うと「ジョッシュ・グローヴァン? 知ってるけど、フィリー・ソウルじゃないぞ。マジか?(笑)」との返事。紆余曲折あり、いろいろ話して説得。最終的にセットリストのどこに置くかかなり悩んだが、アンコールにすることにした。

彼らはレコード(ジョッシュ・グローヴァンのもの)にあわせながら、何度か歌ううちに、どのラインを誰が歌うか決め、結局5人でリードをまわすことにした。この5人リード回しは、「サイドショー」でも行われたが、これが実にヴォーカル・グループとしての魅力の幅を出すことになった。そして、彼ら自身は若干不満はあったようだが、セカンドのアンコールでこれが歌われると、多くの観客を感動させてしまったのだ。恐るべしフィリー・ソウル・サーチャーズ。(笑) さすが。

通りすがりの人が、最初は興味本位でコンコースに立ち止まる。しかし、耳慣れた曲が歌われていると、通路に張られたロープの内側に入ってライヴを楽しんでいく。無料ライヴならではだ。

なお、フィリー・ソウル・サーチャーズのメンバーの立ち位置は、舞台向かって左キーボード担当がケイリブ・ジェームス、その右がアージー・パイン、歌・センター・男性がグリニス・マーティン、左がポーラ・ジョンソン、そして、一番右パーカッションがゲイリー・スコットだ。

(フィリー・ソウルについて、もう少し続くかも)

■Setlist : Metro Music Oasis Vol.13 〜 Philly Soul Night In Ginza @Ginza Station, Metro, Concourse, Oasis : October 5, 2007
『メトロ・ミュージック・オアシス VOL.13〜フィラデルフィア美術館展・開催記念コンサート』

セットリスト : フィリー・ソウル・ナイト 〜 ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ

second set show started 18:33
live started 18:36
1. Mighty Love [Spinners 1974]
2. When Will I See You Again [Theree Degrees 1974]
3. If You Don’t Know Me By Now [Harold Melvin & Bluenotes 1972]
4. (Philly Vocal Group Medley)
--. You Make Me Feel Brand New [Stylistics 1974]~
--. Sideshow [Blue Magic 1974] ~
--. La La Means I Love You [Delfonics 1968]~
--. Betcha By Golly Wow [Stylistics 1972]
5. Can’t Give You Anything But My Love [Stylistics 1975]
6. Me & Mrs. Jones [Billy Paul 1972]
7. End Of The Road [Boys II Men 1992]
8. Ain’t No Stoppin’ Us Now [MacFadden & Whitehead 1979]
Enc. You Raise Me Up [Josh Grovan 2004]
show ended 19:48

(2007年10月5日金曜、東京メトロ・ミュージック・オアシス、銀座駅コンコース内オアシス=ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ・ライヴ)
2007-127
【フィリー・ソウル・ナイト〜超満員御礼感謝】

超超満員。

5日、メトロ銀座駅コンコースで行われた『メトロ・ミュージック・オアシス第13回〜フィリー・ソウル・ナイト』は、2回でおよそ1000人の観客を集め大盛況のうちに終わった。ソニービル地下一階のコンコースに作られたステージと客席。ふだん何気なく、通路として使われている場所が、ライヴハウスになった。ステージ前に約60席を作り、その回りを立ち見の人々が囲む。かなりの後部では音は聞こえど、姿は見えずみたいな状況だったが、通りすがりの人も流れずにその場に留まっていく人がひじょうに多かった。

ケイリブ&フィリー・ソウル・サーチャーズは、フィリー・ソウルのヒットを次々と演奏・歌っていく。リードを取るのは全員。グリニス、ポーラ、アージー、ケイリブ、ゲイリーも曲によってリードを取るので、ちょっとしたヴォーカル・グループなみ。一番受けていたのは、スタイリスティックスのヒット「誓い」や、なんといっても「愛がすべて(キャント・ギヴ・ユー・エニシング」だ。

ケイリブがMCでこう言った。「いやあ、暑い! これぐらい暑いと僕のヘアに何か必要だ!」 ゲイリーが相槌を打つ。「何が必要なんだ?」
「何か、ヘアスプレーのようなものが必要だ」 「どんな」 「ガッツビーのような」 (ここで一気に受ける) そして、イントロが始まり、観客からいっせいに歓声があがった。

僕が個人的におもしろいと思ったのは、下記セットリストでのフィリー・メドレーの1曲「サイドショウ」。ブルー・マジックの1974年のヒット・ヴァージョンではファルセットのテッド・ミルズが歌う。これをこのフィリー・ソウル・サーチャーズは、5人のリードが一行ずつ歌い回す。ヴォーカル・グループの妙みたいなものが、計らずも生まれた。

階段には、通路を行き交う人のために、ロープが張られ、ロープ内は立ち見で牛詰。おそらく後ろの人たちはほとんど見えなかったと思う。座れた方々はかなりラッキーだ。

前日のリハで、ケイリブといろいろ話ているうちに、おそらく予定した曲数では当初の演奏時間45分を大幅に越えるだろうということで、2曲をカットして本番に臨んだ。ところが、実際に歌い、MCをいれるとやはりそれでも足りなくなり、1部は2部の始まりを遅く出来ないために急遽1曲カットになった。

『メトロ・ミュージック・オアシス』のイヴェントでは基本的にこれまで入れ替えをしていなかったが、今回から入れ替えることにした。1部本編が終わり、大歓声のうちにアンコールをもらい、終了後、一度清掃をいれ観客出しをしたのだが、すぐに第2部に入るためものすごい行列が出来てしまった。どうもファーストを立って見た人がセカンドに残ろうとしたようだ。

第1部はなんとか60分(それでも15分押し)で押さえたが、第2部は1時間15分超となった。この長さは同イヴェントで最長になった。また、このイヴェントに関する問い合わせがメトロに多数来て、問い合わせの電話は昨日一日中ひっきりなしになり続けたという。さらに、人だかりをみて会場近辺からの問い合わせもあったらしい。

ライヴ後のCD即売会もけっこう売れた。一番聞かれたのは、「彼らの演奏のCDで、今日やった曲のものをください」というもの。残念ながらそれは用意できなかったのだが・・・。CD即売など手伝ってくれたAちゃん、Sちゃん、Oさん、オフィシャルカメラマン、長渡さん、木下さん、ありがとうございます。そしてもろもろ取り仕切っていただいたメトロ杉山さん、読売・中島さん、スタマック・永田さん、そして、ケイリブ&フィリー・ソウル・サーチャーズの全員に最大の感謝を。

ほんと、どこからこんな人が集まるんだ、という大観衆になりびっくりした。コンコース内は、若干エアコンがあるが、大変な暑さとなり、僕もすっかり汗だくになった。

(この項・続く)

■メンバー
Kaleb James & Philly Soul Searchers:

Kaleb James (keyboards, vocal)
Gary Scott (sax, percussion, vocal)
Glynis Martin (vocal)
Argie Phine (vocal)
Paula Johnson (vocal)

■Setlist : Metro Music Oasis Vol.13 〜 Philly Soul Night @Ginza Station, Metro, Concourse, October 5, 2007

セットリスト : フィリー・ソウル・ナイト 〜 ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ

first set show started 17:00
live started 17:05
1. Mighty Love [Spinners 1974]
2. When Will I See You Again [Theree Degrees 1974]
3. If You Don’t Know Me By Now [Harold Melvin & Bluenotes 1972]
4. (Philly Vocal Group Medley)
You Make Me Feel Brand New [Stylistics 1974]~
Sideshow [Blue Magic 1974] ~
La La Means I Love You [Delfonics 1968]~
Betcha By Golly Wow [Stylistics 1972]
5. Can’t Give You Anything But My Love [Stylistics 1975]
6. Me & Mrs. Jones [Billy Paul 1972]
7. Ain’t No Stoppin’ Us Now [MacFadden & Whitehead 1979]
Enc. You Raise Me Up [Josh Grovan 2004]
show ended 18:05

(2007年10月5日金曜、東京メトロ・ミュージック・オアシス、銀座駅コンコース内=ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズ・ライヴ)
2007-127
【フィリー・ソウル・ナイト、今日5時、銀座ソニービル前地下一階】

ヴォーカル・グループ。

ケイリブ・ジェームス&フィリー・ソウル・サーチャーズが出演する『フィリー・ソウル・ナイト・イン・ギンザ』が今日午後5時、銀座・ソニービル前、地下一階メトロのコンコース内に作られた特別ステージで行われる。ちょうど、ソニービルの前には、平山画伯の絵が展示されているが、その前にステージと客席を作ってライヴを行う。席は50程度なので、座れなかった場合は、通路に立ってみることになる。無料のイヴェントなので多いときには2−300人の人が集まることもあるという。

そのリハーサルが昨日あったが、フィリー・ソウルのヒットの数々が歌われた。興味深かったのは、今回のメンバー全員(ケイリブ、ゲイリー、グリニス、アージー、ポーラの5人)がヴォーカルを担当できるということ。

たとえば、フィラデルフィアのあるヴォーカル・グループの1974年のヒットでは、1行ずつ、5人がリード・ヴォーカルをまわすということもやってのける。これは、オリジナルではテッド・ミルズという素晴らしいファルセット・シンガーが全編歌うが、5人のリードまわしというのは、ひじょうに新鮮で面白かった。グリニスは甘い高い声、ゲイリーは洗練されるもちょっとハスキーな声、ケイリブはルーサーのような声、アージーはポップ・コンテンポラリーな声、ポーラはゴスペル系のソウル声ということで、五者五様。女性2人、男性3人という編成のソウル・ヴォーカル・グループで有名どころって誰だろう、などと考えてしまった。

どの曲も、『ソウル・サーチン・ダイアリー』をご覧になっている方にはおなじみの曲ばかりだと思うが、カヴァーも、いつも一ひねりあるケイリブのアレンジということで、たとえば、スタイリスティックスのある有名曲は、フィリス・ハイマン・ヴァージョンでやってみようということになっている。

なお、当日はライヴ終了後、グリニスの新作、ゲイリーの新作、ケイリブのCDなども即売する予定。ライヴリポート、セットリストなどは、明日・ご紹介します。

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『Metro Music Oasis Vol.13(メトロ・ミュージック・オアシス13)』

日時 2007年(平成19年)10月5日(金)
開場 16:00
1stステージ 17時00分〜17時45分
2ndステージ 18時30分〜19時15分
(入れ替え制、2セットとも同内容の予定ですが、その場に残ればセカンドも見ることができます)

場所 東京メトロ 銀座駅 日比谷線コンコース 銀座のオアシス
入場料 無料
出演者 ケイリブ&フィリー・ソウル・サーチャーズ
ケイリブ・ジェームス(キーボード、ヴォーカル)
ゲイリー・スコット(パーカッション、サックス、ヴォーカル)
グリニス・マーティン(ヴォーカル)
アージー・パイン(ヴォーカル)
ポーラ・ジョンソン(ヴォーカル)

ENT>MUSIC>LIVE>ANNOUNCEMENT>Philly Soul Night
【AIがホストを務め伊藤由奈らが登場】

企画。

ミュージック・オン・TVと小学館の女性誌オッジ(Oggi)が手を組んだ『ザ・ベイシックス』というイヴェントが3日、国際フォーラムで行われた。誰もが聴いたことがあるメロディーや名曲のカヴァーを基本にした音楽イヴェントということで、今回は出演者がそれぞれ思い出の映画音楽を歌った。客層は、オッジ読者を中心にした20代から30代のOL系女性。男女比は2:8くらいか。

ホスト役はAI。これに伊藤由奈、JUJU、ボニー・ピンク、一青窈が参加。AIがいろいろなシンガーをゲストに迎えるという形だ。音楽ディレクターは、ケイリブ・ジェームス。10日以上のリハーサルをしてのぞんだバンドは、ケイリブ率いるだけに強力なリズム隊、サウンド。

下記セットリストでの楽曲は、それぞれのシンガーが何らかの思い入れのある映画曲を選んで歌った。そんな曲が歌われる前には、その映画の映像が1−2分程度スクリーンに映し出された。なかなかいいアイデアだ。

AIは、司会進行とともに歌も歌うという大活躍ぶり。AIは歌のパフォーマンスも安定、安心してみていられる。10月からのドラマ『医龍・ティーム・メディカル・ドラゴン2』のテーマ曲となった新曲「One(ワン)」もなかなかいいメロディーのバラードで話題になりそう。

伊藤由奈の「スタンド・バイ・ミー」はいかにもケイリブがやりそうなアレンジだった。一方「タイタニック」が意外と彼女にあっていて、聴かせた。

JUJUは4曲歌い30分近くになった。オリジナル楽曲2曲もむずかしく、もう少しやさしい曲から始めれば彼女の個性が出るかもしれない。

ボニー・ピンクのオリジナル曲は、蛯原友里(えびちゃん)が出たCMに使われヒットした曲。

一青窈はかなりトークも歌もステージに「場慣れ」した印象で、うまくパフォーマンスをまとめる。彼女の歌からは日本語を大切にしているなという感じがした。

洋楽曲を歌うとなると、AIと伊藤由奈が英語ネイティヴというのは、やはり強い。

一番驚いたのは、「ドリーム・ガールズ」が歌われる前に、なんとビヨンセのビデオメッセージが紹介されたところ。会場では、映画『ドリーム・ガールズ』で実際に使われた衣装が展示されていた。どうせなら、3人とも衣替えして、ドリーム・ガールズみたいなドレスで歌って欲しかった。

全体的には、映画音楽を軸にした歌を女性シンガーだけでやるというのはおもしろい企画だ。また、5組のアーティストがでてくるが、バンドがハウスバンド的にひとつなので、セットチェンジの空き時間がないところがいい。

■メンバー

ケイリブ・ジェームス (音楽ディレクター、キーボード)
ペニーK (キーボード)
ロレンゾ・ブレイスフル (ドラムス)
パット・プライアー (ギター)
ローレンス・ダニエルス・ジュニア (ベース)
ユリ (コーラス)
オリヴィア・バレル (コーラス)
ピエール・アンドレ (コーラス、サックス)

■ セットリスト
Setlist : Oggi The 15th Anniversary "The Basics", Kokusai Forum A, October 3, 2007
(特記なきものは、各アーティストのオリジナル)

show started 19:14
01. Last Dance (AI) (映画『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』[2003])
02. I’ll Remember You (AI)
03. Endless Story (伊藤由奈)
04. Stand By Me (伊藤由奈) (映画『スタンド・バイ・ミー』[1986])
05. My Heart Will Go On (伊藤由奈)(映画『タイタニック』[1997])
06. The Way We Were (JUJU) (映画『追憶』[1973])
07. ナツノハナ (JUJU)
08. 奇跡を望むなら... (JUJU)
09. Calling You (JUJU) (映画『バグダッド・カフェ』[1987])
10. You Gotta Be (AI) (映画『私の愛の対象』[1997])
11. Brand New Day (AI)
--. Introducing members on 007Theme
--. 「嫌われ松子の一生」 (What Is Life)
12. Tiny Dancer (BONNIE PINK) (映画『あの頃のペニー・レインと』[2000])
13. A Perfect Sky (BONNIE PINK)
14. One (AI) (新曲)
15. My Favorite Things (一青窈)(映画『サウンド・オブ・ミュージック』[1965])
16. つないで手 (一青窈)
17. Dreamgirls (AI、伊藤由奈、Bonnie Pink)(映画『ドリームガールズ』[2006])
Enc. Lady Marmalade (AI、伊藤由奈、Bonnie Pink、JUJU)(映画『ムーラン・ルージュ』[2001])
show ended 21.35

(2007年10月3日水曜、東京・国際フォーラムA=AI、伊藤由奈、Bonnie Pink、JUJU、一青窈・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>AI, Ito Yuna, Bonnie Pink, Juju, Hitoto You
2007-126
【『リハブ』〜エイミー・ワインハウス・もう一度】

訂正。

9月9日付け、本ブログで新進気鋭のシンガー、エイミー・ワインハウスについて書いた。そのタイトルは【エイミー・ワインハウスはダニー・ハザウェイから学ぶことはないと言う】だった。この件に関して、「ちょっとニュアンスが違うのではないか」というご指摘をいただいた。

「ミスター・ダニー・ハザウェイからだって学べないんだから(That I can’t learn from Mr. Hathaway)」という歌詞のラインから、タイトルを取ったのだが、彼女はダニーから学べない、とは言っていないという指摘だ。そこでもう一度、歌詞をじっくり読んでみた。

う〜む、なるほど。その前後を訳すとこういうことだった。

「私はレイ・チャールズを聴きながら、うちにいるほうが、マシ。70日(のリハビリ)なんか、やってられない。だって、リハビリ・センターでは、ミスター・ハザウェイが教えてくれないことなんて、何も教えてくれないんだから」

(I’d rather be at home with Ray
I ain’t got seventy days
Cause there’s nothing
There’s nothing you can teach me
That I can’t learn from Mr. Hathaway)

つまり、歌の主人公は、リハビリに行くよりも家で、レイ・チャールズやダニー・ハザウェイのレコードを聴いて、そこから学んでいたほうがマシだと言っているのだ。その次の2行もおもしろい。

「とはいっても、学校のクラスでも別に大したことは学ばない。でも、グラスの酒をあびたところで、何にも学ぶことはないんだけどね」

そうだ、だって、ハザウェイに「ミスター」が付いてるわけだし。リスペクトがあるわけだ。ちょっと早とちりしてしまいました。

ということで、タイトルは【エイミー・ワインハウスは、リハブに入ったらダニー・ハザウェイやレイ・チャールズから学べなくなるから、入りたくないと言う】 に訂正します。

解釈まちがい、お詫びして訂正いたします。(9月9日付けのブログは、一部を手直ししました)

でも、このエイミーのキャラって、ひょっとして先日記者会見で3つしかコメントを言わなかった沢尻エリカとカブルかもしれない。

記者「エイミーさん、スタッフからリハビリに入れといわれたそうですが、どんな感想をお持ちになりましたか?」

エイミー「特にないです」

記者「エイミーさん、そのリハビリ入りを勧めたマネージャーをクビにしたそうですが、なぜですか」

エイミー「別に・・・」

■エイミー・ワインハウス過去記事

September 09, 2007
Amy Winehouse: A Star Is Born
【エイミー・ワインハウスは、リハブに入ったらダニー・ハザウェイやレイ・チャールズから学べなくなるから、入りたくないと言う】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_09_09.html

■エイミー・ワインハウス『バック・トゥ・ブラック』


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000J3FC0Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/

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ENT>ARTIST>Winehouse, Amy
Philip Woo Live At Blues Alley
【フィリップ・ウー・ライヴ】

セッション。

いやあ、久々にちょっとオールドスクールなソウルフル・ライヴだった。フィリップ・ウーのお友達セッション。フィリップのライヴは4月のブルース・アレイ以来。ゲスト・ヴォーカルには、『ソウル・サーチン:ザ・セッション〜アレサ・フランクリン』、最後の「フリーウェイ・オブ・ラヴ」でものすごい喉を聴かせたマクサン。さらに、ふだん教会などでゴスペル・オルガンを弾いているというグレッグ・ハーテッジ、そして、最近特にファンキーなサックスを聴かせる新進気鋭の小林香織まではいったバンド。香織ちゃんの参加は当日まで知らず、行ってみてびっくり。最近は彼女はストレートなジャズはライヴでもやらず、もっぱらファンキーなバンドでプレイしているという。

さて、今回のメイン・ヴォーカル、マクサンは古いブルース、ソウル、最近の作品などをいろいろと歌ったが特に素晴らしかったのは、オーティス・レディングの「アイヴ・ビーン・ラヴィン・ユー・トゥ・ロング」。こうしたサザン・ソウル、シャウト系の歌はマクサンにどんぴしゃ。ここまで盛り上がるとは思わなかった。さらにサプライズは、ステイプル・シンガーズの大ヒット「アイル・テイク・ユー・ゼア」で、今年1月に単独ライヴを行ったディーヴァ・グレイがステージに上がったこと。これも実に聴き応えがあった。

ハモンド・オルガンを2台ステージに置いたのは、ブルース・アレーでは初めてのことだという。2人の強力なオルガン・プレイヤーの、バトルなどもひじょうに楽しかった。マクサンは、シャーデーやアンコールのルーサー曲などより、圧倒的にブルース、南部ソウル系があっている。一方ディーヴァはルーサー曲などがあっている。それぞれ違う個性ということだろう。こうしたメンバーによるこれだけソウルフルなライヴが気軽に東京で見られるというのは、やはり嬉しい。

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フィリップはまた10月からかなりの数のライヴを行う。詳しくは、フィリップのウェッブに。
http://www.k5.dion.ne.jp/~p.woo/

♪10/5 DJ Recloose Japan Tour @Rockets in Osaka
♪10/6 DJ Recloose Japan Tour @IKISPARI
♪10/8 Event "Music to the Dance" @Club Citta(Hip Hop Dance Event featuring Philip Woo Band and Dance Groups)
♪10/10 DJ Recloose Japan Tour
♪10/11 Brenda Vaughn Live @Blues Alley
♪10/12 DJ Recloose Japan Tour @UNIT in Daikanyama
♪10/30 Live @IKISPARI(←New!!!)
♪11/8 Philip Woo Live @Blues Alley Japan(←New!!!)
♪11/27 Live @IKISPARI(←New!!!)

■Members: Philip Woo Special Organ Session

Philip Woo (Keyboards) (HAMMOND B-3, Leslie122, Rhodes)
Gregory Hartige(HAMMOND A-100, Leslie147, Vocal) 
Jay Stixx (Drums)
Hank Nishiyama (Guitar)
Keith Williamson (Bass)
Kobayashi Kaori (Sax)

Guest Vocal: Maxyan

■ Setlist: Philip Woo & His Friends @ Blues Alley, October 1st, 2007
セットリスト: フィリップ・ウー

First set
show started 19:41
01. Betty Boo (Instrumental) [Charles Earland] (+Kobayashi Kaori)
02. Sham Time (Instrumental) [Eddie Harris] (+Kobayashi Kaori)
03. Love The One Your With (Maxayn) [Crossby Stills Nash & Young]
04. Make It With You (Maxayn) [Bread, Aretha Franklin Version]
05. One Day I’ll Fly Away (Maxayn) [Joe Sample, Randy Crawford, Lalah Hathaway]
06. I Can’t Stand The Rain (Maxayn) [Ann Peebles]
show ended 20:44

Second set
show started 21:20
01. Loran’s Dance (Instrumental) [Grover Washington Jr.] (+Kobayashi Kaori)
02. Freedom Jazz Dance (Instrumental) [Eddie Harris, Miles Davis] (+Kobayashi Kaori)
03. Kiss Of Life (Maxayn) [Sade]
04. I’ve Been Loving You Too Long (Maxayn) [Otis Redding]
05. Blues Medley: Everyday I Had The Blues -- Drifting Blues -- Red Rooster -- Going To Chicago -- Kansas City (Maxayn)
06. I’ll Take You There (Maxayn & Diva Gray) [Staple Singers]
07. Tell Me Something Good (Maxayn) [Rufus Featuring Chaka Kahn]
Enc. If Only For One Night (Maxayn) [Luther Vandross, Brenda Russell]
show ended 22:46

(2007年10月01日月曜、目黒ブルース・アレー=フィリップ・ウー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Woo, Philip
2007-125

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