【盛りだくさんな東京ジャズ】
いっぱい。
昼間からやっていた東京ジャズ。ジャズと言ってもポップなインコグニートなどもラインアップに入っている音楽フェスティヴァル。2日目の夜の部を見た。アーティストは3組。個人的にもっとも興味があったのが、マーカス・ミラーとフランク・マッコムの組合せ。
これは、本当に意外な組合せで驚いた。フランクが堂々とマーカスやバンドメンバーとやりあい、そして、歌を歌っているのを見て、嬉しかった。2人は10年近く前に一度会っていたという。その後コンタクトはなかったが、今年のほんの何ヶ月か前にスタジオで再会し、連絡先を交換。彼から今回の東京ジャズへの参加を誘われた、という。フランクは言う。「マーカスほどの人物だったら、誰でも呼べるだろう。だが、その彼が僕を呼んでくれたということで、もちろん、すぐにOKしたよ」
続く上原ひろみ、チック・コーリアはグランドピアノを中央に向かい合わせで置き、お互いの目を見ながら、見事なインプロヴィゼーションを繰り広げた。ところどころに有名曲のフレーズなどもちりばめながら。これなど、リハーサルはあったのだろうか。何より印象的だったのは、上原ひろみの楽しそうなこと。その昔、彼女が無名時代に共演したことはあったが、このように堂々と名前をだしての共演は、夢のようなことであろう。彼女の素晴らしいところは、音楽を心底楽しんでいるところ。間違いなく音楽の女神が彼女の元に降りてきている。チックはやさしく愛弟子を見守る親のようだ。ピアノデュオとしては、ジョー・サンプル&ジョージ・デューク以来のもので楽しめた。
ザ・グレイト・ジャズ・トリオは、前者2組が若さだとしたら、まさに円熟味を全面に打ち出したパフォーマンスだった。圧巻は最後のアンコール。この日のピアニスト、上原、チック、オースティン・ペラルタ(昼の部に登場)、ハンクと4人が勢ぞろいして、2台のピアノを縦横無尽にプレイした。2曲目のアンコール「ブルー・モンク」では、一台に上原とオースティンが並び、もう一台にチックとハンクが並び連弾のダブルとなった。前者が若者代表、後者が年長組という対比が、そして、イーストとウエストの融合としてのニュアンスもあり、また時代的に21世紀と20世紀の古めのピアノという時代的な対比もあった。
1曲、曲とそのキーが決まれば、すぐに演奏できるミュージシャンたち。まさに音楽は世界共通言語だ。それは、場所も時間も、人種も年齢も超越する。
Setlist(Incomplete)
1) Marcus Miller With Frank McComb
show started 18:41
01. Higher Ground (Stevie Wonder)
02. Jean-Pierre (Miles Davis)
03. Cupid’s Arrow (Frank McComb)
04. Shine (Frank McComb)
Enc. Everything Is Everything (Donny Hathaway)
Enc. Come Together (Beatles)
show ended 19:39
2) Chick Korea & Uehara Hiromi
show started 19:54
01. (Improvisation #1)
02. (Improvisation #2)
03. (Improvisation #3)
04. (Improvisation #4)
05. (Improvisation #5)
enc. (Improvisation #6)
show ended 20:40
3) The Great Jazz Trio by Hank Jones With Watanabe Sadao
show started 20:58
01. Alone Together (Hank solo)
02. Au Privare (Charlie Parker)
03. Song For My Father
04. Stella By Starlight (With Watanabe Sadao)
05. Deep In A Dream (With Watanabe Sadao)
06. I’m Old Fashioned (With Watanabe Sadao)
07. Moose The Mooche (With Watanabe Sadao)
Enc. Someday My Prince Will Come (Chick, Watanabe, Uehara, Austin)
Enc. Blue Monk
show ended 22:19
(2006年9月3日日曜、東京国際フォーラム=東京ジャズ=マーカス・ミラー・ウィズ・フランク・マッコム・ライヴ、上原ひろみ&チック・コーリア・ライヴ、ザ・グレイト・ジャズ・トリオ・バイ・ハンク・ジョーンズ・ウィズ・渡辺貞夫・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Miller, Marcus & McComb, Frank
ENT>MUSIC>LIVE>Uehara, Hiromi & Korea, Chick
ENT>MUSIC>LIVE>The Great Jazz Trio By Hank Jones & Watanabe, Sadao
2006-169
いっぱい。
昼間からやっていた東京ジャズ。ジャズと言ってもポップなインコグニートなどもラインアップに入っている音楽フェスティヴァル。2日目の夜の部を見た。アーティストは3組。個人的にもっとも興味があったのが、マーカス・ミラーとフランク・マッコムの組合せ。
これは、本当に意外な組合せで驚いた。フランクが堂々とマーカスやバンドメンバーとやりあい、そして、歌を歌っているのを見て、嬉しかった。2人は10年近く前に一度会っていたという。その後コンタクトはなかったが、今年のほんの何ヶ月か前にスタジオで再会し、連絡先を交換。彼から今回の東京ジャズへの参加を誘われた、という。フランクは言う。「マーカスほどの人物だったら、誰でも呼べるだろう。だが、その彼が僕を呼んでくれたということで、もちろん、すぐにOKしたよ」
続く上原ひろみ、チック・コーリアはグランドピアノを中央に向かい合わせで置き、お互いの目を見ながら、見事なインプロヴィゼーションを繰り広げた。ところどころに有名曲のフレーズなどもちりばめながら。これなど、リハーサルはあったのだろうか。何より印象的だったのは、上原ひろみの楽しそうなこと。その昔、彼女が無名時代に共演したことはあったが、このように堂々と名前をだしての共演は、夢のようなことであろう。彼女の素晴らしいところは、音楽を心底楽しんでいるところ。間違いなく音楽の女神が彼女の元に降りてきている。チックはやさしく愛弟子を見守る親のようだ。ピアノデュオとしては、ジョー・サンプル&ジョージ・デューク以来のもので楽しめた。
ザ・グレイト・ジャズ・トリオは、前者2組が若さだとしたら、まさに円熟味を全面に打ち出したパフォーマンスだった。圧巻は最後のアンコール。この日のピアニスト、上原、チック、オースティン・ペラルタ(昼の部に登場)、ハンクと4人が勢ぞろいして、2台のピアノを縦横無尽にプレイした。2曲目のアンコール「ブルー・モンク」では、一台に上原とオースティンが並び、もう一台にチックとハンクが並び連弾のダブルとなった。前者が若者代表、後者が年長組という対比が、そして、イーストとウエストの融合としてのニュアンスもあり、また時代的に21世紀と20世紀の古めのピアノという時代的な対比もあった。
1曲、曲とそのキーが決まれば、すぐに演奏できるミュージシャンたち。まさに音楽は世界共通言語だ。それは、場所も時間も、人種も年齢も超越する。
Setlist(Incomplete)
1) Marcus Miller With Frank McComb
show started 18:41
01. Higher Ground (Stevie Wonder)
02. Jean-Pierre (Miles Davis)
03. Cupid’s Arrow (Frank McComb)
04. Shine (Frank McComb)
Enc. Everything Is Everything (Donny Hathaway)
Enc. Come Together (Beatles)
show ended 19:39
2) Chick Korea & Uehara Hiromi
show started 19:54
01. (Improvisation #1)
02. (Improvisation #2)
03. (Improvisation #3)
04. (Improvisation #4)
05. (Improvisation #5)
enc. (Improvisation #6)
show ended 20:40
3) The Great Jazz Trio by Hank Jones With Watanabe Sadao
show started 20:58
01. Alone Together (Hank solo)
02. Au Privare (Charlie Parker)
03. Song For My Father
04. Stella By Starlight (With Watanabe Sadao)
05. Deep In A Dream (With Watanabe Sadao)
06. I’m Old Fashioned (With Watanabe Sadao)
07. Moose The Mooche (With Watanabe Sadao)
Enc. Someday My Prince Will Come (Chick, Watanabe, Uehara, Austin)
Enc. Blue Monk
show ended 22:19
(2006年9月3日日曜、東京国際フォーラム=東京ジャズ=マーカス・ミラー・ウィズ・フランク・マッコム・ライヴ、上原ひろみ&チック・コーリア・ライヴ、ザ・グレイト・ジャズ・トリオ・バイ・ハンク・ジョーンズ・ウィズ・渡辺貞夫・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Miller, Marcus & McComb, Frank
ENT>MUSIC>LIVE>Uehara, Hiromi & Korea, Chick
ENT>MUSIC>LIVE>The Great Jazz Trio By Hank Jones & Watanabe, Sadao
2006-169
【「ソウル・ジャイアンツ」、ポッドキャスティングで】
エクストラ。
僕が毎月一回担当しているゴスペラーズの番組『ソウル・コネクション』(毎週土曜日午後10時〜東京FM系全国38局ネット)内のコーナー「ソウル・ジャイアンツ」。8月末放送分から、このコーナーのエクストラ・ヴァージョンがポッドキャスティングで聴けるようになりました。
アクセスのしかたは次の通りです。
東京FMのホームページから、右上のポッドキャスティングのところへ。
そこから、ゴスペラーズ『ソウル・コネクション』へ進みます。
東京FMトップページ
http://www.tfm.co.jp/index.html
(下記は直接リンク)
http://tokyofm.bmcdn.jp/tokyofm/podcasts/tokyo/soul/Soul_Survivor_vol01.mp3
この「ソウル・ジャイアンツ」は、2005年4月から毎月最終土曜日にお送りしています。これまでに、マーヴィン・ゲイ、ジェームス・ブラウン、オーティス・レディングなどソウルの歴史に名を残したジャイアント(偉大なアーティスト)たちを毎月一組ご紹介しています。
ポッドキャスティングでは、本編で触れられなかった裏話などをご紹介します。ゴスペラーズのメンバーは諸事情のため直接登場しませんが、僕が彼らのコメントなどを紹介したりします。今回(2006年8月)は、スモーキー・ロビンソンのお話しです。
+++++
「アメリカ・ソウル・サーチンの旅」
もう1本お知らせです。同じく東京FMの名物長寿番組『ジェットストリーム』(平日深夜12時〜)の番組ホームページ内コラムに「アメリカ・ソウル・サーチンの旅」というテーマで短い原稿を寄稿しました。毎週月曜に更新され、8月分(7日から28日まで4回分)がすでに4本アップされています。よろしければごらんください。
アクセスの仕方は次の通りです。まず下記『ジェットストリーム』のページへ。
http://www.tfm.co.jp/jetstream/
ここから、[to skip over]もしくは[enter]をクリックして中に入いるとトップページのウインドウが新しく開きます。その右上のスペシャルコラムというところをクリック。これの2006年8月分です。9月4日を過ぎると新しい方のコラムに更新されますので、「アーカイブ」で2006年8月へお進みください。
今回は、デトロイト、メンフィス、ニューヨーク、シカゴに飛んでみました。
+++++
ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT
ENT>RADIO>Soul Connection
エクストラ。
僕が毎月一回担当しているゴスペラーズの番組『ソウル・コネクション』(毎週土曜日午後10時〜東京FM系全国38局ネット)内のコーナー「ソウル・ジャイアンツ」。8月末放送分から、このコーナーのエクストラ・ヴァージョンがポッドキャスティングで聴けるようになりました。
アクセスのしかたは次の通りです。
東京FMのホームページから、右上のポッドキャスティングのところへ。
そこから、ゴスペラーズ『ソウル・コネクション』へ進みます。
東京FMトップページ
http://www.tfm.co.jp/index.html
(下記は直接リンク)
http://tokyofm.bmcdn.jp/tokyofm/podcasts/tokyo/soul/Soul_Survivor_vol01.mp3
この「ソウル・ジャイアンツ」は、2005年4月から毎月最終土曜日にお送りしています。これまでに、マーヴィン・ゲイ、ジェームス・ブラウン、オーティス・レディングなどソウルの歴史に名を残したジャイアント(偉大なアーティスト)たちを毎月一組ご紹介しています。
ポッドキャスティングでは、本編で触れられなかった裏話などをご紹介します。ゴスペラーズのメンバーは諸事情のため直接登場しませんが、僕が彼らのコメントなどを紹介したりします。今回(2006年8月)は、スモーキー・ロビンソンのお話しです。
+++++
「アメリカ・ソウル・サーチンの旅」
もう1本お知らせです。同じく東京FMの名物長寿番組『ジェットストリーム』(平日深夜12時〜)の番組ホームページ内コラムに「アメリカ・ソウル・サーチンの旅」というテーマで短い原稿を寄稿しました。毎週月曜に更新され、8月分(7日から28日まで4回分)がすでに4本アップされています。よろしければごらんください。
アクセスの仕方は次の通りです。まず下記『ジェットストリーム』のページへ。
http://www.tfm.co.jp/jetstream/
ここから、[to skip over]もしくは[enter]をクリックして中に入いるとトップページのウインドウが新しく開きます。その右上のスペシャルコラムというところをクリック。これの2006年8月分です。9月4日を過ぎると新しい方のコラムに更新されますので、「アーカイブ」で2006年8月へお進みください。
今回は、デトロイト、メンフィス、ニューヨーク、シカゴに飛んでみました。
+++++
ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT
ENT>RADIO>Soul Connection
【今日は夢、明日は歴史】
キューバ。
夏の夜の湿った空気にゆったりとした風が吹く。ファッション・デザイナー、ジュンココシノさんが、ちょうど10年前の1996年にキューバでファッション・ショウを行った。キューバで外国人デザイナーが行った初めてのファッション・ショウだという。その時、夫の鈴木さんがリハーサルや本番の模様などを自分のカメラに収めていた。その写真を10年ぶりに紙焼き、額装して、青山のショップで展覧会を開催。そのレセプションにおもむいた。ちょうどお店の前のエリアにケータリングのバーと軽いフィンガー・フードをおいていて、そこに2人組みのキューバ音楽をやるミュージシャンが軽く音をだしている。ドリンクはキューバ風のビールやカクテル。キューバの夜にサマー・ブリーズだ。
8月25日は、なんとジュンコさんの誕生日。ということで、盛大にケーキが用意され、スペイン語(?)での「ハッピー・バースデイ」が先の楽団士ふたりによって演奏された。
ここに飾られた写真が撮影されたのも、奇しくもちょうど10年前の8月25日だったという。その時、現地の演出家サンチャゴ・アルフォンソは、彼らにこう言ったという。
「今日(リハーサル)は、夢。明日(本番)は歴史」。
名言だ。
すべてモノクロの写真は、純真無垢な、おそらくまだ10代かと思われる若い子供たちを映し出している。ジュンコさんはあいさつの中で、「10年後のあの子供たちがどうなっているか、今年あたり見に行きたいわね」と言った。
そんなこんなで写真を見ていると、鈴木さんが「今度、西麻布でバーやるから」と声をかけてきた。店の名前はもう決まっている、という。「U WAR」。「我々が楽しんだような音楽を中心にかけるような、ちょっと大人のお店」にするという。西麻布の「BP」「ジョージ」とともに、この店が「西麻布トライアングル」になって、団塊の世代に元気を与えられればいいな、という。来月オープン予定なので、オープンしたらまたご紹介しよう。
■JUNKO KOSHINO Cuba Show
10th Anniversary
「写真展」
カリブ「夏の夜の夢の記憶」
2006年9月1日〜10月31日
Gallery Sept JUNKO KOSHINO Grand Floor
東京都港区南青山6-7-7
電話 03-3406-7370
ENT>ANNOUNCEMENTS>Photo Exhibition
キューバ。
夏の夜の湿った空気にゆったりとした風が吹く。ファッション・デザイナー、ジュンココシノさんが、ちょうど10年前の1996年にキューバでファッション・ショウを行った。キューバで外国人デザイナーが行った初めてのファッション・ショウだという。その時、夫の鈴木さんがリハーサルや本番の模様などを自分のカメラに収めていた。その写真を10年ぶりに紙焼き、額装して、青山のショップで展覧会を開催。そのレセプションにおもむいた。ちょうどお店の前のエリアにケータリングのバーと軽いフィンガー・フードをおいていて、そこに2人組みのキューバ音楽をやるミュージシャンが軽く音をだしている。ドリンクはキューバ風のビールやカクテル。キューバの夜にサマー・ブリーズだ。
8月25日は、なんとジュンコさんの誕生日。ということで、盛大にケーキが用意され、スペイン語(?)での「ハッピー・バースデイ」が先の楽団士ふたりによって演奏された。
ここに飾られた写真が撮影されたのも、奇しくもちょうど10年前の8月25日だったという。その時、現地の演出家サンチャゴ・アルフォンソは、彼らにこう言ったという。
「今日(リハーサル)は、夢。明日(本番)は歴史」。
名言だ。
すべてモノクロの写真は、純真無垢な、おそらくまだ10代かと思われる若い子供たちを映し出している。ジュンコさんはあいさつの中で、「10年後のあの子供たちがどうなっているか、今年あたり見に行きたいわね」と言った。
そんなこんなで写真を見ていると、鈴木さんが「今度、西麻布でバーやるから」と声をかけてきた。店の名前はもう決まっている、という。「U WAR」。「我々が楽しんだような音楽を中心にかけるような、ちょっと大人のお店」にするという。西麻布の「BP」「ジョージ」とともに、この店が「西麻布トライアングル」になって、団塊の世代に元気を与えられればいいな、という。来月オープン予定なので、オープンしたらまたご紹介しよう。
■JUNKO KOSHINO Cuba Show
10th Anniversary
「写真展」
カリブ「夏の夜の夢の記憶」
2006年9月1日〜10月31日
Gallery Sept JUNKO KOSHINO Grand Floor
東京都港区南青山6-7-7
電話 03-3406-7370
ENT>ANNOUNCEMENTS>Photo Exhibition
【ソウル・シーカーズ・ライヴ】
探し。
「シーク(seek)」も「サーチン(searching)」も、「探す」という意味では、ほぼ同義。というわけで、前々から気になっていたソウル・シーカーズのライヴを初めて見た。三軒茶屋のグレープフルーツ・ムーン。
グループは東京のスタジオ・シーン、ライヴ・シーンで活躍中の名うてのヴェテランたちを中心に結成されている。パーカッションのケンケンさんは、ソイソウルでもおなじみ。ベース岡沢さんは、70年代から数多くのレコーディングで大活躍の超ヴェテラン。中西さん、正木さんは上田正樹のバンドにも。唯一本間さんが若手代表といったところか。
最近ではラグフェアーなどのプロデュースもてがけるヴェテラン・ギタリスト、幾見さんが2年前に彼らに声をかけて始めたのが、このソウル・シーカーズだ。ヴォーカルは、Roomer(ルーマー)。はて? 芸能界では、よく言葉を引っくり返す。「寿司」を「シースー」、「ソウル」を「ルーソー」、「メシ」を「シーメー」。しかも、アクセントなしの平板で発音する。ひっくりかえった「ルーマー」は? 答え=「マル」。その昔、別れた彼氏が「マル」のことをひっくりかえして、「ルーマー」と呼んでいたそうだ。マル・ソロ、ゴスペル、そしてこのシーカーズと最近、まるでマルのおっかけです。(笑)
ソウル、ロックなどのカヴァーに若干のオリジナルを加えた16曲セット。ベースの岡沢さん、またドラムスの正木さんが歌うとは知らなかった。どちらも渋い声の持ち主だ。いい感じ。客層、もっと年齢層が高いかと思ったが、意外と若い世代も多かった。
いくつか曲解説を。ファーストの1曲目「キープ・オン・ランニング」は、キーボード(ローズではなく、カシオでしたが)から始まる60年代風かっこいい曲で、しかも、ヴォーカルは岡沢さん。これは、なんと60年代に活躍したイギリスの白人R&B系グループ、スペンサー・デイヴィス・グループの1966年のヒットでした。また、セカンドセット3曲目、再び岡沢ヴォーカルの「フィーリン・オールライト」は、デイヴ・メイソンが書きジョー・コッカーが1969年にヒットさせた作品。「ストロンガー・ザン・ビフォー」は、シャカ・カーンで有名だが、バート・バカラックとキャロル・ベイヤー・セイガーらが書き、キャロルが1981年にレコーディングしていた。
セカンド4曲目「ラヴ・オブ・マイン」は、ニューヨークのフュージョン・グループ、スタッフの1977年発表の2作目『モア・スタッフ』に収録されている作品。また、続く「エヴリシング・マスト・チェンジ」は、マルは、ソングライター、バーナード・アイグナーの作品で、クインシー・ジョーンズの1974年のアルバム『ボディー・ヒート』に収録されていたものを参考にした、という。これは他にもランディー・クロフォード、ジョージ・ベンソン、オリータ・アダムスなど多数のカヴァーがある名曲中の名曲だ。バンド演奏は、安定している。
ライヴ途中のおしゃべり(MC)も、なかなかゆるいもので、ほんわか雰囲気が伝わってくる。グループ名「ソウル・シーカーズ」は、同名の曲から取ったという。昔の曲と幾見さんは言っていたが、調べてでてきたのは90年代のリッピングトンズの曲だけだった。これかな? だが、なんとステージで「グループ名は何でもいいので、かっこいい名前を募集します」との衝撃発表も。(笑) ただし、ちょうど「ソウル・シーカーズ」のステッカーを作ったばかりなので、これがなくなったらグループ名を新しいものにするかもしれない・・・、とのこと。
ソウル・サーチャーが今宵はソウル・シーカーズをサーチンしました。どちらも「ソウル探し」が共通点。
■次回ライヴは、同じく三軒茶屋グループフルーツムーンで、9月25日(月曜)19時30分から。
http://www.grapefruit-moon.com
■メンバー
Roomer (maru)(マル)(ヴォーカル)
幾見雅博 (ギター)
岡沢章 (ベース)
中西康晴 (キーボード)
Ken Keng (ケンケン)(パーカッション)
正木五郎 (ドラムス)
本間将人 (サックス)
佐藤なおこ(ゲスト=パーカッション)(セカンド7曲目で)
Setlist ( )=original artist
1st
show started 19:52
01. Keep On Running (Spencer Davis Group) (Okazawa on Vocal)
02. Stronger Than Before (Carol Bayer Sager, Chaka Kahn)
03. Overjoyed (Stevie Wonder)
04. Cry (日本語=オリジナル)
05. I’d Like To Be Baby To You (Roberta Flack)
06. Whatcha Gonna Do For Me (Chaka Kahn)
07. If I Ever Lose This Heaven (AWB)
show ended 20:39
2nd set
show started 21:11
01. Chameleon (Herbie Hancock)
02. Between The Sheets (Isley Brothers)
03. Feeling Alright (Joe Cocker) (Okazawa on Vocal)
04. Love Of Mine (Stuff) (Masaki on Vocal)
05. Everything Must Change (Quincy Jones ftg Bernerd Ighner)
06. From You To Me To You (日本語=オリジナル)
07. Loving You Was Like A Party (Marlena Shaw)
08. Come Rain Or Come Shine (日本語=オリジナル)
Enc. Wait A Little While (Patti Austin)
show ended 22:21
(2006年8月31日木曜、三軒茶屋グレープフルーツ・ムーン=ソウル・シーカーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Soul Seekers
2006-168
探し。
「シーク(seek)」も「サーチン(searching)」も、「探す」という意味では、ほぼ同義。というわけで、前々から気になっていたソウル・シーカーズのライヴを初めて見た。三軒茶屋のグレープフルーツ・ムーン。
グループは東京のスタジオ・シーン、ライヴ・シーンで活躍中の名うてのヴェテランたちを中心に結成されている。パーカッションのケンケンさんは、ソイソウルでもおなじみ。ベース岡沢さんは、70年代から数多くのレコーディングで大活躍の超ヴェテラン。中西さん、正木さんは上田正樹のバンドにも。唯一本間さんが若手代表といったところか。
最近ではラグフェアーなどのプロデュースもてがけるヴェテラン・ギタリスト、幾見さんが2年前に彼らに声をかけて始めたのが、このソウル・シーカーズだ。ヴォーカルは、Roomer(ルーマー)。はて? 芸能界では、よく言葉を引っくり返す。「寿司」を「シースー」、「ソウル」を「ルーソー」、「メシ」を「シーメー」。しかも、アクセントなしの平板で発音する。ひっくりかえった「ルーマー」は? 答え=「マル」。その昔、別れた彼氏が「マル」のことをひっくりかえして、「ルーマー」と呼んでいたそうだ。マル・ソロ、ゴスペル、そしてこのシーカーズと最近、まるでマルのおっかけです。(笑)
ソウル、ロックなどのカヴァーに若干のオリジナルを加えた16曲セット。ベースの岡沢さん、またドラムスの正木さんが歌うとは知らなかった。どちらも渋い声の持ち主だ。いい感じ。客層、もっと年齢層が高いかと思ったが、意外と若い世代も多かった。
いくつか曲解説を。ファーストの1曲目「キープ・オン・ランニング」は、キーボード(ローズではなく、カシオでしたが)から始まる60年代風かっこいい曲で、しかも、ヴォーカルは岡沢さん。これは、なんと60年代に活躍したイギリスの白人R&B系グループ、スペンサー・デイヴィス・グループの1966年のヒットでした。また、セカンドセット3曲目、再び岡沢ヴォーカルの「フィーリン・オールライト」は、デイヴ・メイソンが書きジョー・コッカーが1969年にヒットさせた作品。「ストロンガー・ザン・ビフォー」は、シャカ・カーンで有名だが、バート・バカラックとキャロル・ベイヤー・セイガーらが書き、キャロルが1981年にレコーディングしていた。
セカンド4曲目「ラヴ・オブ・マイン」は、ニューヨークのフュージョン・グループ、スタッフの1977年発表の2作目『モア・スタッフ』に収録されている作品。また、続く「エヴリシング・マスト・チェンジ」は、マルは、ソングライター、バーナード・アイグナーの作品で、クインシー・ジョーンズの1974年のアルバム『ボディー・ヒート』に収録されていたものを参考にした、という。これは他にもランディー・クロフォード、ジョージ・ベンソン、オリータ・アダムスなど多数のカヴァーがある名曲中の名曲だ。バンド演奏は、安定している。
ライヴ途中のおしゃべり(MC)も、なかなかゆるいもので、ほんわか雰囲気が伝わってくる。グループ名「ソウル・シーカーズ」は、同名の曲から取ったという。昔の曲と幾見さんは言っていたが、調べてでてきたのは90年代のリッピングトンズの曲だけだった。これかな? だが、なんとステージで「グループ名は何でもいいので、かっこいい名前を募集します」との衝撃発表も。(笑) ただし、ちょうど「ソウル・シーカーズ」のステッカーを作ったばかりなので、これがなくなったらグループ名を新しいものにするかもしれない・・・、とのこと。
ソウル・サーチャーが今宵はソウル・シーカーズをサーチンしました。どちらも「ソウル探し」が共通点。
■次回ライヴは、同じく三軒茶屋グループフルーツムーンで、9月25日(月曜)19時30分から。
http://www.grapefruit-moon.com
■メンバー
Roomer (maru)(マル)(ヴォーカル)
幾見雅博 (ギター)
岡沢章 (ベース)
中西康晴 (キーボード)
Ken Keng (ケンケン)(パーカッション)
正木五郎 (ドラムス)
本間将人 (サックス)
佐藤なおこ(ゲスト=パーカッション)(セカンド7曲目で)
Setlist ( )=original artist
1st
show started 19:52
01. Keep On Running (Spencer Davis Group) (Okazawa on Vocal)
02. Stronger Than Before (Carol Bayer Sager, Chaka Kahn)
03. Overjoyed (Stevie Wonder)
04. Cry (日本語=オリジナル)
05. I’d Like To Be Baby To You (Roberta Flack)
06. Whatcha Gonna Do For Me (Chaka Kahn)
07. If I Ever Lose This Heaven (AWB)
show ended 20:39
2nd set
show started 21:11
01. Chameleon (Herbie Hancock)
02. Between The Sheets (Isley Brothers)
03. Feeling Alright (Joe Cocker) (Okazawa on Vocal)
04. Love Of Mine (Stuff) (Masaki on Vocal)
05. Everything Must Change (Quincy Jones ftg Bernerd Ighner)
06. From You To Me To You (日本語=オリジナル)
07. Loving You Was Like A Party (Marlena Shaw)
08. Come Rain Or Come Shine (日本語=オリジナル)
Enc. Wait A Little While (Patti Austin)
show ended 22:21
(2006年8月31日木曜、三軒茶屋グレープフルーツ・ムーン=ソウル・シーカーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Soul Seekers
2006-168
K-Ci Hailey On Top Of Roppongi Hills
2006年8月31日【歌うために生まれてきた男〜ケイシー・ヘイリー】
熱血。
深夜、東京の夜景が一望できる六本木ヒルズ52階。最近、ここがラウンジになり、DJがはいってちょっとおしゃれなスポットになっている。この日は、2006年7月から2007年6月まで期間限定でオープンしている「マドラウンジ」で、熱血R&Bシンガー、ケイシー(K-Ci)のショーケースが行われた。
ケイシーは、日曜(8月27日)『ソウル・ブレンズ』に生ゲストで登場。新作ソロ・アルバム『マイ・ブック』がでたばかりで、約一週間そのプロモーションのために来日中だ。その一環でのショーケース。
夜11時過ぎ、ちょうど到着して、会場に入ると、前のシンガーが歌い終えていて、ケイシーの登場を待ち受けていた。
まもなく白いスーツに身を包み、帽子を被り、煽りMCにのってケイシー登場。新曲など3曲をトラックで熱唱。3曲目のボビー・ウーマックのヒット「イフ・ユー・シンク・ユー・アー・ロンリー・ナウ」では、ボディーガードに肩車してもらい、牛詰の観客の中に突進した。この渋いボビーの作品が、ケイシーの熱唱でより熱くなる。
どこでも、いつでも、そこに音楽があれば、何でも歌う。彼もまた、歌うために生まれてきた熱血歌大好き男だった。
ちなみにこのエリア、エレヴェーター代往復1500円を払い52階に上がれば、誰でも夜中の2時まで360度、東京の夜景を楽しめる。「マドラウンジ」はその一角にあるバー。東京タワーは夜中の12時に照明が消えるが、その瞬間を目撃できるか?
Setlist
show started 23:23
01. Life
02. Conversation
03. If You Think You Are Lonely Now
show ended 23:38
(2006年8月27日日曜、六本木ヒルズ・マドラウンジ=ケイシー・ヘイリー・ショーケース・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>K-Ci
2006-166
熱血。
深夜、東京の夜景が一望できる六本木ヒルズ52階。最近、ここがラウンジになり、DJがはいってちょっとおしゃれなスポットになっている。この日は、2006年7月から2007年6月まで期間限定でオープンしている「マドラウンジ」で、熱血R&Bシンガー、ケイシー(K-Ci)のショーケースが行われた。
ケイシーは、日曜(8月27日)『ソウル・ブレンズ』に生ゲストで登場。新作ソロ・アルバム『マイ・ブック』がでたばかりで、約一週間そのプロモーションのために来日中だ。その一環でのショーケース。
夜11時過ぎ、ちょうど到着して、会場に入ると、前のシンガーが歌い終えていて、ケイシーの登場を待ち受けていた。
まもなく白いスーツに身を包み、帽子を被り、煽りMCにのってケイシー登場。新曲など3曲をトラックで熱唱。3曲目のボビー・ウーマックのヒット「イフ・ユー・シンク・ユー・アー・ロンリー・ナウ」では、ボディーガードに肩車してもらい、牛詰の観客の中に突進した。この渋いボビーの作品が、ケイシーの熱唱でより熱くなる。
どこでも、いつでも、そこに音楽があれば、何でも歌う。彼もまた、歌うために生まれてきた熱血歌大好き男だった。
ちなみにこのエリア、エレヴェーター代往復1500円を払い52階に上がれば、誰でも夜中の2時まで360度、東京の夜景を楽しめる。「マドラウンジ」はその一角にあるバー。東京タワーは夜中の12時に照明が消えるが、その瞬間を目撃できるか?
Setlist
show started 23:23
01. Life
02. Conversation
03. If You Think You Are Lonely Now
show ended 23:38
(2006年8月27日日曜、六本木ヒルズ・マドラウンジ=ケイシー・ヘイリー・ショーケース・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>K-Ci
2006-166
K-Ci Hailey On "Soul Blends"
2006年8月30日【ケイシー・ヘイリー・ソロアルバム・リリース】
復活。
地下駐車場からエレヴェーターに乗ると、1階でブラザー軍団が乗り込んできた。なんと、この日(8月27日)の『ソウル・ブレンズ』のゲスト、ケイシー(・ヘイリー)たちご一行様だった。ボディーガードはでかいが、ケイシーは細身で、しかも顔が小さい。
スティーヴィー・ワンダーの「レイトリー」がオンエアーで流れているちょうど、その時、ゲストのケイシーがスタジオのマイクの前に座った。そしてヘッドフォーンをつけると、まもなく、彼はスティーヴィーにあわせて歌いだした。もちろん、ケイシー自身もレコーディングしているので、歌詞など朝飯前だ。彼はいつでも、どこでも歌うという。かなりの「歌いたがり屋」らしい。
新作アルバムにして、初ソロ・アルバム『マイ・ブック』のプロモーションで来日。
マーヴィンの質問に答えてケイシーは語る。「ジョデシーの日々、ケイシー&ジョジョの日々、そして、ケイシーのソロ・・・。木がどんどんと大きくなっている、ただそれだけのことだよ。そして、今は新たなるケイシーの日。僕の本(マイ・ブック=アルバム・タイトルとかけている)は、僕がこれまで経験してきたこと、感じたこと、ジョデシー時代のこと、ケイシー&ジョジョ時代のこと、そんなことをケイシーが感じたことを歌っている。ひとつひとつ、テーマをピックアップしてね」
ケイシーはマイクを食べてしまいそうなほど、近づいてしゃべる。そして、とてもディープな声。「ケイシー本人のことを、その本を読むまで、決め付けないでくれ」とも言う。ちょっと南部訛りのある英語で、しかも早口でしゃべる。「オー、イエー」と発する声だけでさえ、かっこいい。
ケイシーが影響を受けたシンガー。「まず両親。ゴスペルを歌っていた。ずっと自分もゴスペルを歌っていた。それから、スティーヴィー、アンクル・ボビー・ウーマック、シャーリー・シーザー、グラディス・ナイト、シーシー・ワイナンズ、ニューバース・・・。ニューバースの『ワイルド・フラワー』を何年か前に歌った・・・」
日本も大好きだというケイシー。「ソロもやるし、ケイシー&ジョジョでもやる。そして、ジョデシーでもやってくるよ。ジョデシーのアルバムもレコーディングしている」 ほ〜〜、ジョデシーの復活か。これはニュースだ!
それにしても、喋り声、曲紹介の声がかっこいい。思わず言った。「ラジオのDJやれば?」 ケイシーが笑いながら応えた。「DJの仕事くれ」
■ケイシー新作
K-Ci "My Book"
フォーミュラー・レコーディングスPOCE12002
2100円 2006年8月23日発売
(ケイシーの項続く)
ENT>MUSIC>ARTIST>Hailey, K-Ci
復活。
地下駐車場からエレヴェーターに乗ると、1階でブラザー軍団が乗り込んできた。なんと、この日(8月27日)の『ソウル・ブレンズ』のゲスト、ケイシー(・ヘイリー)たちご一行様だった。ボディーガードはでかいが、ケイシーは細身で、しかも顔が小さい。
スティーヴィー・ワンダーの「レイトリー」がオンエアーで流れているちょうど、その時、ゲストのケイシーがスタジオのマイクの前に座った。そしてヘッドフォーンをつけると、まもなく、彼はスティーヴィーにあわせて歌いだした。もちろん、ケイシー自身もレコーディングしているので、歌詞など朝飯前だ。彼はいつでも、どこでも歌うという。かなりの「歌いたがり屋」らしい。
新作アルバムにして、初ソロ・アルバム『マイ・ブック』のプロモーションで来日。
マーヴィンの質問に答えてケイシーは語る。「ジョデシーの日々、ケイシー&ジョジョの日々、そして、ケイシーのソロ・・・。木がどんどんと大きくなっている、ただそれだけのことだよ。そして、今は新たなるケイシーの日。僕の本(マイ・ブック=アルバム・タイトルとかけている)は、僕がこれまで経験してきたこと、感じたこと、ジョデシー時代のこと、ケイシー&ジョジョ時代のこと、そんなことをケイシーが感じたことを歌っている。ひとつひとつ、テーマをピックアップしてね」
ケイシーはマイクを食べてしまいそうなほど、近づいてしゃべる。そして、とてもディープな声。「ケイシー本人のことを、その本を読むまで、決め付けないでくれ」とも言う。ちょっと南部訛りのある英語で、しかも早口でしゃべる。「オー、イエー」と発する声だけでさえ、かっこいい。
ケイシーが影響を受けたシンガー。「まず両親。ゴスペルを歌っていた。ずっと自分もゴスペルを歌っていた。それから、スティーヴィー、アンクル・ボビー・ウーマック、シャーリー・シーザー、グラディス・ナイト、シーシー・ワイナンズ、ニューバース・・・。ニューバースの『ワイルド・フラワー』を何年か前に歌った・・・」
日本も大好きだというケイシー。「ソロもやるし、ケイシー&ジョジョでもやる。そして、ジョデシーでもやってくるよ。ジョデシーのアルバムもレコーディングしている」 ほ〜〜、ジョデシーの復活か。これはニュースだ!
それにしても、喋り声、曲紹介の声がかっこいい。思わず言った。「ラジオのDJやれば?」 ケイシーが笑いながら応えた。「DJの仕事くれ」
■ケイシー新作
K-Ci "My Book"
フォーミュラー・レコーディングスPOCE12002
2100円 2006年8月23日発売
(ケイシーの項続く)
ENT>MUSIC>ARTIST>Hailey, K-Ci
【アレサ・フランクリン以来の衝撃】
が〜〜ん。
昨日、おとといのネタがまだあって、すでに下書きもすんでいるのだが、さっき見てきたキキ(Kiki)のライヴが、とっても衝撃的だったので、これを先に書くことにする。
日本でも2005年に「レット・ゴー」が大ヒットして、一躍シーンに踊り出たキキだが、一足先にブレイクしたエイメリーやリアーナあたりの後続としての立ち位置になるイメージを持つ。バイオを読むと、彼女がデトロイトのゴスペルの名門グループ、クラーク・シスターズのメンバーの娘だという。これはかなり本格派のシンガーらしいという匂いがする。
2枚でたアルバムは、けっこう今風の顔のアップ写真。アリシア・キーズとまではいわないが、まあ、綺麗系かなと思っていた。
バンド演奏が始まって、ダンサー2人が踊り、その中央に登場した人物は???? 第一声。「ええええっっっっ??? うっそ〜〜〜〜。まじ〜〜??? あれが、キキ? ホントですか?」 一体ソウル・サーチャーが目撃したものは? (ここで画面白黒反転)
中央で黒いTシャツを着て踊り始めていたのは、おそらく体重150キロはあるのではないかと思われる超巨漢の女性だった。が〜〜〜ん。「いや、別に、ヴィジュアルで音楽を聴いてるわけではないですが・・・」と言い訳しつつも(なんで言い訳するんだ?)、なんだこれは、と感じたのも事実。あまりのその姿のインパクトに衝撃を受け、しばし呆然。しかも、2人のダンサーと同じように踊ろうとするが、なかなか身体がついていかない。ギャグかと思った。(笑) いっそのこと、ダンサーも150キロで揃えたら、徹底していいのではとも思った。かつてウェザー・ガールズなんてのもいたし。
歌は、さすがにしっかりしているが、彼女とバックコーラスの誰かと代えても、何も変わらないだろう。
ずっと彼女の姿を見ていて考えた。「彼女がゴスペル・シンガーだったら、誰も驚かないだろう。しかし、売り方が若手アイドル的なイメージだからギャップが大きすぎるのだ」と。
バックは、コーラス3人(比較的ほっそり綺麗系)、ベース(極小さなキーボード兼任)、キーボードとコンピューター、DJ(キーボードも)、キーボード、ドラムス、ダンサー2人の計10人。これにキキ。キキの歌はまあ、いいんではないだろうか。スロー(下記「オール・アイ・アム」あたり)は、聴かせる。
「しかし、なんでデビューできたんだろう」と思うと、「きっと、クラーク・シスターズの娘だから、デモテープの歌が超うまかった」とか「きっと、めちゃくちゃフレンドリーで性格がいいんだろう」などと想像してしまった。
別にヴィジュアルで音楽聴くわけじゃないんですけどね、でも、この大型のインパクトはかつてニューヨークで初めて「クイーン・オブ・ソウル」アレサ・フランクリンを見た時以来だ。
というわけで、キキ、僕にとっては「アレサ以来の衝撃」ということにしておきたい。
ただし(身体の大きさ)が。
Setlist
show started 19:14
01. You Are The Only One
02. You
03. War
04. Change
05. So Lone
06. All I Am
07. Sweetest Thing
08. (Band Solo)
09. Scream
10. Have What You Want
11. It Is What It Is
12. Yes
Enc. Let Go
show ended 20:36
(2006年8月28日月曜、渋谷デュオ=キキ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kiki
2006-167
が〜〜ん。
昨日、おとといのネタがまだあって、すでに下書きもすんでいるのだが、さっき見てきたキキ(Kiki)のライヴが、とっても衝撃的だったので、これを先に書くことにする。
日本でも2005年に「レット・ゴー」が大ヒットして、一躍シーンに踊り出たキキだが、一足先にブレイクしたエイメリーやリアーナあたりの後続としての立ち位置になるイメージを持つ。バイオを読むと、彼女がデトロイトのゴスペルの名門グループ、クラーク・シスターズのメンバーの娘だという。これはかなり本格派のシンガーらしいという匂いがする。
2枚でたアルバムは、けっこう今風の顔のアップ写真。アリシア・キーズとまではいわないが、まあ、綺麗系かなと思っていた。
バンド演奏が始まって、ダンサー2人が踊り、その中央に登場した人物は???? 第一声。「ええええっっっっ??? うっそ〜〜〜〜。まじ〜〜??? あれが、キキ? ホントですか?」 一体ソウル・サーチャーが目撃したものは? (ここで画面白黒反転)
中央で黒いTシャツを着て踊り始めていたのは、おそらく体重150キロはあるのではないかと思われる超巨漢の女性だった。が〜〜〜ん。「いや、別に、ヴィジュアルで音楽を聴いてるわけではないですが・・・」と言い訳しつつも(なんで言い訳するんだ?)、なんだこれは、と感じたのも事実。あまりのその姿のインパクトに衝撃を受け、しばし呆然。しかも、2人のダンサーと同じように踊ろうとするが、なかなか身体がついていかない。ギャグかと思った。(笑) いっそのこと、ダンサーも150キロで揃えたら、徹底していいのではとも思った。かつてウェザー・ガールズなんてのもいたし。
歌は、さすがにしっかりしているが、彼女とバックコーラスの誰かと代えても、何も変わらないだろう。
ずっと彼女の姿を見ていて考えた。「彼女がゴスペル・シンガーだったら、誰も驚かないだろう。しかし、売り方が若手アイドル的なイメージだからギャップが大きすぎるのだ」と。
バックは、コーラス3人(比較的ほっそり綺麗系)、ベース(極小さなキーボード兼任)、キーボードとコンピューター、DJ(キーボードも)、キーボード、ドラムス、ダンサー2人の計10人。これにキキ。キキの歌はまあ、いいんではないだろうか。スロー(下記「オール・アイ・アム」あたり)は、聴かせる。
「しかし、なんでデビューできたんだろう」と思うと、「きっと、クラーク・シスターズの娘だから、デモテープの歌が超うまかった」とか「きっと、めちゃくちゃフレンドリーで性格がいいんだろう」などと想像してしまった。
別にヴィジュアルで音楽聴くわけじゃないんですけどね、でも、この大型のインパクトはかつてニューヨークで初めて「クイーン・オブ・ソウル」アレサ・フランクリンを見た時以来だ。
というわけで、キキ、僕にとっては「アレサ以来の衝撃」ということにしておきたい。
ただし(身体の大きさ)が。
Setlist
show started 19:14
01. You Are The Only One
02. You
03. War
04. Change
05. So Lone
06. All I Am
07. Sweetest Thing
08. (Band Solo)
09. Scream
10. Have What You Want
11. It Is What It Is
12. Yes
Enc. Let Go
show ended 20:36
(2006年8月28日月曜、渋谷デュオ=キキ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kiki
2006-167
(ネタばれになります)
【高山広〜正真正銘ワンマン・ライヴ】
森羅万象。
圧倒的なおもしろさで独自のひとり芝居の世界を繰り広げる高山広の月例ライヴ。彼もまたソウル・サーチャーということで、前の中野のゴスペル・ライヴから目黒へ直行。
前説(まえせつ)に続いてでてきた1本目の作品「76年目のリストラ」。いきなり高山は「星」になった。「星」と「リストラ」ということでピンと来たが、案の定、その星とは冥王星。つい最近、惑星からはずされた星だ。この点に的を絞り、おもしろおかしく、そして、物悲しく、ひたすら冥王星の気持ちになって演じる。このタイミングで、このネタ、なんと当日か前日にやることを決めたそうだ。お見事。
なんか、高山さんにかかると世情の森羅万象すべてが、ネタになりそうな気がする。例えば真面目な「7時のニュース」を全部、高山さんにちゃかしてやってもらいたいなどとも思ってしまう。
小編、中編、長編とさまざまなヴァージョンを披露。下記セットリストでは、3の「鉄道運転士 至福の食卓」は小編。笑える。「サイゴノイジメ」は、ずっといじめられてきた彼の元に届いた何十年かぶりの同窓会の通知から物語は始まる。その通知に印された日に会場に出向くと・・・。う〜む、展開、構成が実におもしろい。
最後の「いっしゅんの夏」という作品は、彼の代表作ということで、もう10年以上前に作って、夏になると演じるという。大きな打ち上げ花火と、家庭用のセットになっている小さな花火との火花散るトークが30分近い長編にもかかわらず、楽しませる。特に後半の熱演が見事だ。
彼の素晴らしいところは、間(ま)とスペース(本質的には同じことかもしれないが・・・)の使い方が抜群にうまいところ。これに声色と口調のヴァリエーションがくる。間は、歌でも、演技でも、笑いでも、普通のおしゃべりでも、もっとも重要な要素。文字にしても何にもおもしろくないものが、彼の声色、口調、そして、ジェスチャー、顔の表情、そして完璧な間とスペースをもって表現されると、本当におもしろくなる。
この日は、音楽効果音(CD、MDの音出し)、照明の暗転・点灯などすべて一人でやっていた。これぞ、正真正銘・音楽照明までひとり芝居の証明!
■低川狭(ひくかわせまし)のワンポイント・イングリッシュ・レッスン
[森羅万象=All Things In The Universe]
え〜、本日のワンポイント・イングリッシュ・レッスンは、森羅万象を英語でどういうかで〜す。森羅万象は、しんらまんぞうとも読みますが、普通はしんらばんしょうと読みます。「宇宙に存在する一切のもの。あらゆる事物・現象」ということであります。で、それを英語に直すとAll Things In The Universeとなります。ま、宇宙におけるすべてのこと、ということですね。それでは、また来月まで、stay tune!
■高山広オフィシャル・ウェッブ
http://schop.air-nifty.com/takayama/
■Setlist 高山広『ようこそおキモチ∞HANJOH』(ようこそ おきもち だいはんじょう) 今月のタイトルはなし。
show started 21:11
00. ますたべじゅんの前説
01. 76年目のリストラ
02. 男の流儀
1. 忘れてやるぜ!!
2. よっぽど...
3. 親友A君の生涯
03. 鉄道運転士 至福の食卓
04. 長距離トラック運転士な夜
05. サイゴノイジメ
06. 蚊も泣く、鱶(ふか)も泣く
07. セミリタイヤ
08. いっしゅんの夏
00. 後説(ごあいさつ)
show ended 22:51
(2006年8月26日金曜、目黒ミッドナイト・アワー=高山広ライヴ)
ENT>PLAY>Takayama, Hiroshi
2006-165
【高山広〜正真正銘ワンマン・ライヴ】
森羅万象。
圧倒的なおもしろさで独自のひとり芝居の世界を繰り広げる高山広の月例ライヴ。彼もまたソウル・サーチャーということで、前の中野のゴスペル・ライヴから目黒へ直行。
前説(まえせつ)に続いてでてきた1本目の作品「76年目のリストラ」。いきなり高山は「星」になった。「星」と「リストラ」ということでピンと来たが、案の定、その星とは冥王星。つい最近、惑星からはずされた星だ。この点に的を絞り、おもしろおかしく、そして、物悲しく、ひたすら冥王星の気持ちになって演じる。このタイミングで、このネタ、なんと当日か前日にやることを決めたそうだ。お見事。
なんか、高山さんにかかると世情の森羅万象すべてが、ネタになりそうな気がする。例えば真面目な「7時のニュース」を全部、高山さんにちゃかしてやってもらいたいなどとも思ってしまう。
小編、中編、長編とさまざまなヴァージョンを披露。下記セットリストでは、3の「鉄道運転士 至福の食卓」は小編。笑える。「サイゴノイジメ」は、ずっといじめられてきた彼の元に届いた何十年かぶりの同窓会の通知から物語は始まる。その通知に印された日に会場に出向くと・・・。う〜む、展開、構成が実におもしろい。
最後の「いっしゅんの夏」という作品は、彼の代表作ということで、もう10年以上前に作って、夏になると演じるという。大きな打ち上げ花火と、家庭用のセットになっている小さな花火との火花散るトークが30分近い長編にもかかわらず、楽しませる。特に後半の熱演が見事だ。
彼の素晴らしいところは、間(ま)とスペース(本質的には同じことかもしれないが・・・)の使い方が抜群にうまいところ。これに声色と口調のヴァリエーションがくる。間は、歌でも、演技でも、笑いでも、普通のおしゃべりでも、もっとも重要な要素。文字にしても何にもおもしろくないものが、彼の声色、口調、そして、ジェスチャー、顔の表情、そして完璧な間とスペースをもって表現されると、本当におもしろくなる。
この日は、音楽効果音(CD、MDの音出し)、照明の暗転・点灯などすべて一人でやっていた。これぞ、正真正銘・音楽照明までひとり芝居の証明!
■低川狭(ひくかわせまし)のワンポイント・イングリッシュ・レッスン
[森羅万象=All Things In The Universe]
え〜、本日のワンポイント・イングリッシュ・レッスンは、森羅万象を英語でどういうかで〜す。森羅万象は、しんらまんぞうとも読みますが、普通はしんらばんしょうと読みます。「宇宙に存在する一切のもの。あらゆる事物・現象」ということであります。で、それを英語に直すとAll Things In The Universeとなります。ま、宇宙におけるすべてのこと、ということですね。それでは、また来月まで、stay tune!
■高山広オフィシャル・ウェッブ
http://schop.air-nifty.com/takayama/
■Setlist 高山広『ようこそおキモチ∞HANJOH』(ようこそ おきもち だいはんじょう) 今月のタイトルはなし。
show started 21:11
00. ますたべじゅんの前説
01. 76年目のリストラ
02. 男の流儀
1. 忘れてやるぜ!!
2. よっぽど...
3. 親友A君の生涯
03. 鉄道運転士 至福の食卓
04. 長距離トラック運転士な夜
05. サイゴノイジメ
06. 蚊も泣く、鱶(ふか)も泣く
07. セミリタイヤ
08. いっしゅんの夏
00. 後説(ごあいさつ)
show ended 22:51
(2006年8月26日金曜、目黒ミッドナイト・アワー=高山広ライヴ)
ENT>PLAY>Takayama, Hiroshi
2006-165
【舞台と観客席がひとつとなる瞬間】
一体感。
ソウル・サーチャーのひとり、マル(maru)の音楽仲間であり、キーボード奏者でもあるポチくん(林田裕一)が結成した大所帯ゴスペル・クワイアー、その名も「1025(イチゼロ[マル}ニーゴー)ゴスペル・クワイアー」が中野ゼロホールというところで、ライヴを行った。小ホールでキャパは550、この日は3-400人は入っていただろう。
緞帳(どんちょう)が上がると、そこに立っている70人ほどのシンガー、ミュージシャンたち。ゴスペル・クワイアーは見たことはあるが、日本でこうして若手のミュージシャンが若手のシンガーをまとめているのを見たのは初めて。圧倒的な迫力だ。若干、音がよくなかったが、その音の悪さを70人の人間の声の力が凌駕(りょうが)する。こうしたクワイアーを見ていつも思うが、「声の物量作戦」だ。
次々と登場するソロイストたちも、みな堂々と歌う。特に2曲目で歌ったマサヒロくん、次のタケオくん(毎度おなじみ)、さらにサカイ・ユーくん、ネネさんなどは印象に残った。マサヒロくんは初めて聴いたが、ジェイ公山ぶりの声で驚いた。(タケオくんがこれだけのバックで迫力ある歌を歌ったのを聴いて、もっとバンドでたくさん歌えばいいのではと思った)
「今日はここにはリスナーはいません。みんなも歌う人です」 ゴスペルのライヴは、ステージの歌い手のほかに観客席にも歌い手がいる。「ブライター・デイ」でクワイアー・ディレクターのミカさんが指導しての観客とのコール&レスポンスは、圧倒的な一体感をもたらした。
ポチくんが去年の10月25日からこのプロジェクトを始めた、ということでこうしたグループ名がついた。120人くらい歌う人がいるが、都合がつく人たちがこの日集結した。
バックは、キーボード2、ギター、ベース、ドラムスの布陣。人間の声の力は、まさに喜びを感じさせる。スローの「マイ・ライフ・・・」は、冒頭ネネさんがソロで歌い、途中からコーラスがかぶさる感動的な1曲だった。
それにしても、これだけのものをまとめあげたポチくんはすごい。これからもぜひともがんばってほしい。それと、あんまり宗教的にならずに、純粋に音楽的にフォーカスしている点が日本ぽくて、僕は好きだ。
■1025ゴスペルクワイアー・ブログ
http://blog.livedoor.jp/gospelchoir1025/
■次回のライブ
2006年9月16日(土曜)
くにたちjazz session2006
くにたち市民芸術小ホール
http://www.kuzaidan.com/
■メンバー
pochi(林田裕一) (キーボード、ミュージカル・ディレクター)
有坂美香 (クワイアー・ディレクター)
soshi(内田壮志)(ベース)
天倉正敬(ドラムス)
Swing-O(スウィング・オー) (キーボード)
森孝人 (ギター)
■Setlist ( )=ソロシンガー
show started 19:15
01. Band Intro
02. I Will Bless The Lord (ケンボー maru)
03. Who Is Like The Lord (maru 長谷川雅弘)
04. Faith - Yes, We Can Can(タケオ=keos= ケイコ=keyco サカイ・ユー)
05. You’ve Got A Friend - Precious Lord (ミトモ・タカコ 菅波ヒロミ)
06. Revolution (サカイ・ユー 有坂美香 長谷川雅弘 黒川沙織 maru)(Dancers: MIHO BROWN, LIL’MIHO, KEI, YASU)
07. My Life Is In Your Hands (音音)
08. Brighter Day (有坂美香)
09. Sanctuary (maru)
Enc. Oh Happy Day (maru Nazu)
(2006年8月26日土曜、中野ゼロホール・小ホール=1025ゴスペル・クワイアー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>1025 Gospel Choir Live
2006-164
一体感。
ソウル・サーチャーのひとり、マル(maru)の音楽仲間であり、キーボード奏者でもあるポチくん(林田裕一)が結成した大所帯ゴスペル・クワイアー、その名も「1025(イチゼロ[マル}ニーゴー)ゴスペル・クワイアー」が中野ゼロホールというところで、ライヴを行った。小ホールでキャパは550、この日は3-400人は入っていただろう。
緞帳(どんちょう)が上がると、そこに立っている70人ほどのシンガー、ミュージシャンたち。ゴスペル・クワイアーは見たことはあるが、日本でこうして若手のミュージシャンが若手のシンガーをまとめているのを見たのは初めて。圧倒的な迫力だ。若干、音がよくなかったが、その音の悪さを70人の人間の声の力が凌駕(りょうが)する。こうしたクワイアーを見ていつも思うが、「声の物量作戦」だ。
次々と登場するソロイストたちも、みな堂々と歌う。特に2曲目で歌ったマサヒロくん、次のタケオくん(毎度おなじみ)、さらにサカイ・ユーくん、ネネさんなどは印象に残った。マサヒロくんは初めて聴いたが、ジェイ公山ぶりの声で驚いた。(タケオくんがこれだけのバックで迫力ある歌を歌ったのを聴いて、もっとバンドでたくさん歌えばいいのではと思った)
「今日はここにはリスナーはいません。みんなも歌う人です」 ゴスペルのライヴは、ステージの歌い手のほかに観客席にも歌い手がいる。「ブライター・デイ」でクワイアー・ディレクターのミカさんが指導しての観客とのコール&レスポンスは、圧倒的な一体感をもたらした。
ポチくんが去年の10月25日からこのプロジェクトを始めた、ということでこうしたグループ名がついた。120人くらい歌う人がいるが、都合がつく人たちがこの日集結した。
バックは、キーボード2、ギター、ベース、ドラムスの布陣。人間の声の力は、まさに喜びを感じさせる。スローの「マイ・ライフ・・・」は、冒頭ネネさんがソロで歌い、途中からコーラスがかぶさる感動的な1曲だった。
それにしても、これだけのものをまとめあげたポチくんはすごい。これからもぜひともがんばってほしい。それと、あんまり宗教的にならずに、純粋に音楽的にフォーカスしている点が日本ぽくて、僕は好きだ。
■1025ゴスペルクワイアー・ブログ
http://blog.livedoor.jp/gospelchoir1025/
■次回のライブ
2006年9月16日(土曜)
くにたちjazz session2006
くにたち市民芸術小ホール
http://www.kuzaidan.com/
■メンバー
pochi(林田裕一) (キーボード、ミュージカル・ディレクター)
有坂美香 (クワイアー・ディレクター)
soshi(内田壮志)(ベース)
天倉正敬(ドラムス)
Swing-O(スウィング・オー) (キーボード)
森孝人 (ギター)
■Setlist ( )=ソロシンガー
show started 19:15
01. Band Intro
02. I Will Bless The Lord (ケンボー maru)
03. Who Is Like The Lord (maru 長谷川雅弘)
04. Faith - Yes, We Can Can(タケオ=keos= ケイコ=keyco サカイ・ユー)
05. You’ve Got A Friend - Precious Lord (ミトモ・タカコ 菅波ヒロミ)
06. Revolution (サカイ・ユー 有坂美香 長谷川雅弘 黒川沙織 maru)(Dancers: MIHO BROWN, LIL’MIHO, KEI, YASU)
07. My Life Is In Your Hands (音音)
08. Brighter Day (有坂美香)
09. Sanctuary (maru)
Enc. Oh Happy Day (maru Nazu)
(2006年8月26日土曜、中野ゼロホール・小ホール=1025ゴスペル・クワイアー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>1025 Gospel Choir Live
2006-164
Jino’s Band At Kokusai Forum Square
2006年8月26日【ジーノ・バンド野外ライヴ】
汗だく。
ソウル・サーチャーのひとり、ジーノ(日野賢二)からメールが来た。「今日、国際フォーラムの野外コンサートやります」
これは、来週行われる「東京ジャズ」ライヴの一環のイヴェント。24日、国際フォーラムの広場で、無料ライヴが行われ、日野賢二バンドなどがパフォーマンスを繰り広げた。
この日は、普段は何もないが、広場一帯にいくつもの露店が並び、そこで食べ物や飲み物を買って、椅子に座り食べたり飲んだりできるようになっていた。そして、中央にステージができていた。
ちょっと蒸し暑いが、夜も深まっていくうちに、だんだんと気持ちよくなってきた。
演奏は、60分程度のいつものファンキーなファンキーなセット。しかし、エアコンがないだけに、パフォーマーたちはまさに汗だくの熱演。そういえば、マイ扇風機はどうしたんだ? (笑) 印象深かったのは、4曲目を始める前に、「ベーシスト青木智仁に捧げます」と言ったところ。先日亡くなったヴェテラン・ベース奏者で、ジーノの先輩にあたる彼に敬意を表した形だ。
アンコールでの「チキン」の踊り方講座(ダンス「チキン」の踊り方を観客に教えるお約束のコーナー)では、観客がみな「チキン」をやった。
ジーノは、その前の出演者サックスの小林香織ちゃんのバンドでもベースを弾いていたそうなので、大忙しだ。アンコールではその香織ちゃんが入った。
この広場に無料でこうして良質のライヴが聴かれるというのはなかなかいいもの。屋台でラムネを買って飲んだ。
■ジーノ・バンド、コットンクラブに登場
2006年9月1日CHARGE : ¥4,200 (税込)
SHOWTIMES : 7:00pm & 9:30pm
03−3215−1555
予約・お問い合せ受付時間 (11:00 a.m.〜11:00 p.m.)
東京JAZZ2006 MARUNOUCHI JAZZ CIRCUIT
日野"JINO"賢二・ウィズ・JINO JAM
日野賢二(b),Zaindre Yarborouh(g), Bigg Boy "T"(key), Penny-K(key), J-Stixx(ds), Andy Wulf (Sax)
*SPECIAL GUEST VOCALIST ON 9/1
DANIEL MORGAN
GLYNISS MARTIN
ARGIE MARTIN
PAULA JOHNSON
■今日のメンバー
日野賢二 (ベース、ヴォーカル)
ザンドレ (ギター)
ジェイ・スティックス(ドラムス)
ノブ・ケイ (キーボード)
ペニーK (キーボード)
アンディー・ウルフ (サックス)
Setlist
show started 21:14
01. Intro
02. Deep
03. Aaliyah
04. Teen Town
05. Medley; Pops / L.E.S. / Shake
06. Da End - Face Da Funk
Enc. Come Together (Beatles)
Enc. Chicken (James Brown, Jaco Pastorius)
show ended 22:14
(2006年8月24日木曜、国際フォーラム・広場=日野賢二バンド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hino, Kenji Band
2006-163
汗だく。
ソウル・サーチャーのひとり、ジーノ(日野賢二)からメールが来た。「今日、国際フォーラムの野外コンサートやります」
これは、来週行われる「東京ジャズ」ライヴの一環のイヴェント。24日、国際フォーラムの広場で、無料ライヴが行われ、日野賢二バンドなどがパフォーマンスを繰り広げた。
この日は、普段は何もないが、広場一帯にいくつもの露店が並び、そこで食べ物や飲み物を買って、椅子に座り食べたり飲んだりできるようになっていた。そして、中央にステージができていた。
ちょっと蒸し暑いが、夜も深まっていくうちに、だんだんと気持ちよくなってきた。
演奏は、60分程度のいつものファンキーなファンキーなセット。しかし、エアコンがないだけに、パフォーマーたちはまさに汗だくの熱演。そういえば、マイ扇風機はどうしたんだ? (笑) 印象深かったのは、4曲目を始める前に、「ベーシスト青木智仁に捧げます」と言ったところ。先日亡くなったヴェテラン・ベース奏者で、ジーノの先輩にあたる彼に敬意を表した形だ。
アンコールでの「チキン」の踊り方講座(ダンス「チキン」の踊り方を観客に教えるお約束のコーナー)では、観客がみな「チキン」をやった。
ジーノは、その前の出演者サックスの小林香織ちゃんのバンドでもベースを弾いていたそうなので、大忙しだ。アンコールではその香織ちゃんが入った。
この広場に無料でこうして良質のライヴが聴かれるというのはなかなかいいもの。屋台でラムネを買って飲んだ。
■ジーノ・バンド、コットンクラブに登場
2006年9月1日CHARGE : ¥4,200 (税込)
SHOWTIMES : 7:00pm & 9:30pm
03−3215−1555
予約・お問い合せ受付時間 (11:00 a.m.〜11:00 p.m.)
東京JAZZ2006 MARUNOUCHI JAZZ CIRCUIT
日野"JINO"賢二・ウィズ・JINO JAM
日野賢二(b),Zaindre Yarborouh(g), Bigg Boy "T"(key), Penny-K(key), J-Stixx(ds), Andy Wulf (Sax)
*SPECIAL GUEST VOCALIST ON 9/1
DANIEL MORGAN
GLYNISS MARTIN
ARGIE MARTIN
PAULA JOHNSON
■今日のメンバー
日野賢二 (ベース、ヴォーカル)
ザンドレ (ギター)
ジェイ・スティックス(ドラムス)
ノブ・ケイ (キーボード)
ペニーK (キーボード)
アンディー・ウルフ (サックス)
Setlist
show started 21:14
01. Intro
02. Deep
03. Aaliyah
04. Teen Town
05. Medley; Pops / L.E.S. / Shake
06. Da End - Face Da Funk
Enc. Come Together (Beatles)
Enc. Chicken (James Brown, Jaco Pastorius)
show ended 22:14
(2006年8月24日木曜、国際フォーラム・広場=日野賢二バンド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hino, Kenji Band
2006-163
【シャギー・ライヴ】
ヒート(熱)。
レゲエ! レゲエ! レゲエ! 横浜で行われていた「レゲエ・サンスプラッシュ」に出演していたシャギーが、2日間だけ丸の内コットン・クラブに登場。最初の3曲をレイヴォンが歌い、その後、シャギーがおでまし。僕は3年ぶりのシャギー。
全曲、あのレゲエのリズムで、ゆったり身体を揺らす。夏といえばレゲエ=レゲエといえば夏=みたいなまさに定番。観客をほぼ総立ちにさせて、どんどんと踊らせる。しかも、シャギーは、途中観客席にも下りてきて、お客さんの女の子と一緒に踊る。ステージでも盛んにセクシーな腰の動きを見せて、観客を挑発だ。最後は腰の振り方コンテストみたいのをやるために、何人もの女の子をステージにあげた。
曲の合間での顔の表情やジェスチャーなんかも、なかなかおもしろい。また、曲も古いソウルのヒットを使ったものや、サンプリングしたものもあって、キャッチー。マーヴィン・ゲイの「レッツ・ゲット・イット・オン」を使った曲、ブッカーTの「グリーン・オニオン」をサンプリングしたような作品、また、マンゴ・ジェリーのヒット「イン・ザ・サマータイム」のカヴァーなど盛りだくさん。
「君は、レゲエの熱を感じるかあ??」 シャギーは叫ぶ。大ヒット「イット・ワズント・ミー」は、やはり大受け。な〜んにも考えずに楽しめるライヴだ。
コットン・クラブから外に出ると、アジア特有の湿気たっぷりの夜の風が吹いてきた。こんな夜はクールなフルーツカクテルがいいにちがいない。
2003/08/14 (Thu)
It Wasn’t Me Who Said That, Shaggy
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20030814.html
(2006年8月23日水曜、丸の内コットンクラブ=シャギー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaggy
2006-161
ヒート(熱)。
レゲエ! レゲエ! レゲエ! 横浜で行われていた「レゲエ・サンスプラッシュ」に出演していたシャギーが、2日間だけ丸の内コットン・クラブに登場。最初の3曲をレイヴォンが歌い、その後、シャギーがおでまし。僕は3年ぶりのシャギー。
全曲、あのレゲエのリズムで、ゆったり身体を揺らす。夏といえばレゲエ=レゲエといえば夏=みたいなまさに定番。観客をほぼ総立ちにさせて、どんどんと踊らせる。しかも、シャギーは、途中観客席にも下りてきて、お客さんの女の子と一緒に踊る。ステージでも盛んにセクシーな腰の動きを見せて、観客を挑発だ。最後は腰の振り方コンテストみたいのをやるために、何人もの女の子をステージにあげた。
曲の合間での顔の表情やジェスチャーなんかも、なかなかおもしろい。また、曲も古いソウルのヒットを使ったものや、サンプリングしたものもあって、キャッチー。マーヴィン・ゲイの「レッツ・ゲット・イット・オン」を使った曲、ブッカーTの「グリーン・オニオン」をサンプリングしたような作品、また、マンゴ・ジェリーのヒット「イン・ザ・サマータイム」のカヴァーなど盛りだくさん。
「君は、レゲエの熱を感じるかあ??」 シャギーは叫ぶ。大ヒット「イット・ワズント・ミー」は、やはり大受け。な〜んにも考えずに楽しめるライヴだ。
コットン・クラブから外に出ると、アジア特有の湿気たっぷりの夜の風が吹いてきた。こんな夜はクールなフルーツカクテルがいいにちがいない。
2003/08/14 (Thu)
It Wasn’t Me Who Said That, Shaggy
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20030814.html
(2006年8月23日水曜、丸の内コットンクラブ=シャギー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaggy
2006-161
Gap Charity Live: Setlist
2006年8月24日【ギャップ・ライヴ・セットリスト】
組合せ。
例えば、このギャップがスポンサーとなったチャリティー・ライヴのように、複数アーティストが一堂に会して行うイヴェントだとどのアーティスト目当てファンが来るかを把握することはかなり重要だ。
ポイントは、そこに登場するアーティストたちのファン層が重なれば、一番いいということになる。そういう視点から見ると、このライヴはどうだったのだろうか。
一番ファンが多そうだったのが、ケツメイシだ。みんなケツメイシ目当てだったように見受けられた。それに続いてデフ・テックか。デフ・テックとケツメイシはけっこうファン層が重なるような気もするが、どうなんだろう。ところが、彼ら二組のファンと、スウィートボックスのファン層がどうもまったく被らないような感じがした。同じく、アシャンティーとも被りそうにない。
よって、この4組のアーティストを出す順番だと、スウィートボックス、アシャンティー、デフテック、ケツメイシあたりがいいような気がする。でも、格から言ったら、グラミー賞受賞アーティスト、アシャンティーが最後になるのも当然と言えば当然だが・・・。
いろいろ調べてやっとセットリストが出来上がった。(笑)
Setlist
#Sweet Box
show started 18:40
01. Everybody (From "Adagio"- 2004)
02. Chyna Girl (From "Adagio"- 2004)
03. Life Is Cool (From "Adagio"- 2004)
04. For The Lonely (From "Classified" -2001)
05. Don’t Push Me (From "Jade" -2002)
06. Here Comes The Sun (From "Addicted" - 2006)
07. Addicted (From "Addicted" - 2006)
Enc. Everything’s Gonna Be Alright (From "Sweet Box" - 1998)
show ended 19:13
#Def Tech
show started 19:27
01. Human Beat Box
02. Power in da Musiq 〜Understanding
03. Lift Up feat.Lafa Taylor
04. My Way
05. Catch The Wave
06. Irie Got 〜ありがとうの詩〜
show ended 19:58
#Ketsumeishi
show started 20:16
01. はじまりの合図
02. 男女6人夏物語 (featuring MAO-d)
03. 願い
04. 三十路ボンバイエ
05. さくら
show ended 20:49
#Ashanti
lights turned down 20:55
show started 21:11
01. Intro~Unfoolish
02. Rock Wit U
03. Happy
04. What’s Luv
05. Still Down
06. I Don’t Wanna Miss You Baby??
07. Turn It Up
08. Rain On Me
09. Foolish
10. (Inst=extension adlib of "Foolish")
11. Only U
show ended 21:54
(2006年8月18日金曜、東京国際フォーラム=ギャップ・チャリティー・コンサート、スウィートボックス、デフテック、ケツメイシ、アシャンティー・ライヴ)
ENT>MUSIC>EVENT>Gap Charity Concert
ENT>MUSIC>LIVE>Sweetbox
ENT>MUSIC>LIVE>Def Tech
ENT>MUSIC>LIVE>Ketsumeishi
ENT>MUSIC>LIVE>Ashanti
2006-157
組合せ。
例えば、このギャップがスポンサーとなったチャリティー・ライヴのように、複数アーティストが一堂に会して行うイヴェントだとどのアーティスト目当てファンが来るかを把握することはかなり重要だ。
ポイントは、そこに登場するアーティストたちのファン層が重なれば、一番いいということになる。そういう視点から見ると、このライヴはどうだったのだろうか。
一番ファンが多そうだったのが、ケツメイシだ。みんなケツメイシ目当てだったように見受けられた。それに続いてデフ・テックか。デフ・テックとケツメイシはけっこうファン層が重なるような気もするが、どうなんだろう。ところが、彼ら二組のファンと、スウィートボックスのファン層がどうもまったく被らないような感じがした。同じく、アシャンティーとも被りそうにない。
よって、この4組のアーティストを出す順番だと、スウィートボックス、アシャンティー、デフテック、ケツメイシあたりがいいような気がする。でも、格から言ったら、グラミー賞受賞アーティスト、アシャンティーが最後になるのも当然と言えば当然だが・・・。
いろいろ調べてやっとセットリストが出来上がった。(笑)
Setlist
#Sweet Box
show started 18:40
01. Everybody (From "Adagio"- 2004)
02. Chyna Girl (From "Adagio"- 2004)
03. Life Is Cool (From "Adagio"- 2004)
04. For The Lonely (From "Classified" -2001)
05. Don’t Push Me (From "Jade" -2002)
06. Here Comes The Sun (From "Addicted" - 2006)
07. Addicted (From "Addicted" - 2006)
Enc. Everything’s Gonna Be Alright (From "Sweet Box" - 1998)
show ended 19:13
#Def Tech
show started 19:27
01. Human Beat Box
02. Power in da Musiq 〜Understanding
03. Lift Up feat.Lafa Taylor
04. My Way
05. Catch The Wave
06. Irie Got 〜ありがとうの詩〜
show ended 19:58
#Ketsumeishi
show started 20:16
01. はじまりの合図
02. 男女6人夏物語 (featuring MAO-d)
03. 願い
04. 三十路ボンバイエ
05. さくら
show ended 20:49
#Ashanti
lights turned down 20:55
show started 21:11
01. Intro~Unfoolish
02. Rock Wit U
03. Happy
04. What’s Luv
05. Still Down
06. I Don’t Wanna Miss You Baby??
07. Turn It Up
08. Rain On Me
09. Foolish
10. (Inst=extension adlib of "Foolish")
11. Only U
show ended 21:54
(2006年8月18日金曜、東京国際フォーラム=ギャップ・チャリティー・コンサート、スウィートボックス、デフテック、ケツメイシ、アシャンティー・ライヴ)
ENT>MUSIC>EVENT>Gap Charity Concert
ENT>MUSIC>LIVE>Sweetbox
ENT>MUSIC>LIVE>Def Tech
ENT>MUSIC>LIVE>Ketsumeishi
ENT>MUSIC>LIVE>Ashanti
2006-157
Sam Moore’s First Solo Album In 34 Years
2006年8月23日【サム・ムーア、34年ぶりの新作アルバムが豪華ゲスト入り】
奇蹟。
「ソウルマン」「ホールド・オン・アイム・カミン」などの大ヒットで知られるソウル・デュオ、サム&デイヴの片割れ、サム・ムーアが新録による新作アルバムを出す。タイトルは『オーヴァーナイト・センセーション』で、全米では8月29日発売、日本では9月13日発売。サム・ムーアは一度1972年にソロ・アルバム『プリティー・グッド・ラヴィン』を録音していたが、長く発売されずお蔵入り。これは録音から30年後の2002年に発売された。サム・ムーア・ソロとしては、リリースとしては4年ぶりの新作、録音ベースで言えば、34年ぶりのソロ作品となる。
今回は全12曲に、様々なスター・アーティストをゲストに迎えている。ワイノナ、ファンテイジア、ブルース・スプリングスティーン、ジョン・ボン・ジョヴィ、スティーヴ・ウインウッド、スティング、マライア・キャリー、ヴァン・ハント、ビリー・プレストン、シーラE、エリック・クラプトンなどが参加、ゲストだけでも超話題盤となっている。プロデュースは、人気オーディション番組の『アメリカン・アイドル』の辛口審査員ランディー・ジャクソン。
ライナーノーツは、2002年の映画『ソウル・サヴァイヴァー(Only The Strong Survive)』をてがけたロジャー・フリードマンが書いている。(映画に関しては下記リンクを参照) この映画の中で、サム・ムーアのインタヴューやライヴが紹介され、フリードマンと接点がありライナーを書いた。
それにしても、このアルバムを聴くと、サム・ムーアというのはここまでディープなソウル・シンガーだったか、ということを思い知らされる。特にアルバム冒頭の「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」。重いバックに、サムの歌声、さらにワイノナの声がからむ。アン・ピーブルズやティナ・ターナーのヴァージョンもあるメンフィスソウルの名曲。この一曲を聴くだけで本アルバムの価値はある。
他にも珠玉の名曲が続々登場する。このアルバムを聴いていると、サム・ムーアが細身のスーツを着て、それぞれのゲストシンガーたちと一緒にステージで飛び跳ね、踊っている姿が目に浮かんでくる。
それにしても、これだけのアメリカ音楽業界の大物たちを勢ぞろいさせるサム・ムーアは、やはり「生きる伝説」だ。そして、彼も不遇の時代から見事にサヴァイヴした。来年のグラミーへの期待も高まる。
ソウル・マンがこうして奇蹟のアルバムを出すとなると、もうひとり、「ラスト・ソウル・マン」ことボビー・ウーマックはどうしているのだろうか、と気になるものだ。
■サム・ムーア 『オーバーナイト・センセーショナル』
¥2,580(税込) ¥2,457(税抜)
国内盤 CD 発売日: 2006/09/13
レーベル: ライノ
品番: WPCR-12433
TRACK LIST
01. I Can’t Stand the Rain - with WYNONNA, Special guests BEKKA BRAMLETT & BEBE WINANS (vocals) & BILLY PRESTON (Hammond B-3)
02. Better To Have And Not Need - with BRUCE SPRINGSTEEN
03. Blame It On The Rain - with FANTASIA
04. Lookin’ For A Love - with JON BON JOVI
05. Ain’t No love - with STEVE WINWOOD
06. None Of Us Are Free - with STING
07. It’s Only Make Believe - Special guest vocals by MARIAH CAREY & VINCE GILL
08. Don’t Play That Song ( You Lied) - with BEKKA BRAMLETT
09. If I Had No Loot - with VAN HUNT & NIKKA COSTA, Special guest BILLY F. GIBBONS (guitar)
10. Riding Thumb - with TRAVIS TRITT, Special guest ROBERT RANDOLPH (pedal steel)
11. We Shall Be Free - with PAUL RODGERS
12. You Are So Beautiful - with BILLY PRESTON ,Special guests ZUCCHERO (vocals), ERIC CLAPTON (guitar) & ROBERT RANDOLPH (pedal steel)
■関連過去記事
2004/02/17 (Tue)
Only The Strong Survive: The Soul Movie
映画内容紹介と映画評。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040217.html
2004/06/24 (Thu)
Talk About "Only The Strong Survive" At Relocated Soul Bar Sugar Hill
日本での公開決まる。
http://www.soulsearchin.com//entertainment/soulbars/diary20040624.html
2004/11/07 (Sun)
"Only The Strong Survive": Some Questions & Answers
イヴェントでの質疑応答。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041107.html
ENT>MUSIC>ARTIST>Moore, Sam
奇蹟。
「ソウルマン」「ホールド・オン・アイム・カミン」などの大ヒットで知られるソウル・デュオ、サム&デイヴの片割れ、サム・ムーアが新録による新作アルバムを出す。タイトルは『オーヴァーナイト・センセーション』で、全米では8月29日発売、日本では9月13日発売。サム・ムーアは一度1972年にソロ・アルバム『プリティー・グッド・ラヴィン』を録音していたが、長く発売されずお蔵入り。これは録音から30年後の2002年に発売された。サム・ムーア・ソロとしては、リリースとしては4年ぶりの新作、録音ベースで言えば、34年ぶりのソロ作品となる。
今回は全12曲に、様々なスター・アーティストをゲストに迎えている。ワイノナ、ファンテイジア、ブルース・スプリングスティーン、ジョン・ボン・ジョヴィ、スティーヴ・ウインウッド、スティング、マライア・キャリー、ヴァン・ハント、ビリー・プレストン、シーラE、エリック・クラプトンなどが参加、ゲストだけでも超話題盤となっている。プロデュースは、人気オーディション番組の『アメリカン・アイドル』の辛口審査員ランディー・ジャクソン。
ライナーノーツは、2002年の映画『ソウル・サヴァイヴァー(Only The Strong Survive)』をてがけたロジャー・フリードマンが書いている。(映画に関しては下記リンクを参照) この映画の中で、サム・ムーアのインタヴューやライヴが紹介され、フリードマンと接点がありライナーを書いた。
それにしても、このアルバムを聴くと、サム・ムーアというのはここまでディープなソウル・シンガーだったか、ということを思い知らされる。特にアルバム冒頭の「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」。重いバックに、サムの歌声、さらにワイノナの声がからむ。アン・ピーブルズやティナ・ターナーのヴァージョンもあるメンフィスソウルの名曲。この一曲を聴くだけで本アルバムの価値はある。
他にも珠玉の名曲が続々登場する。このアルバムを聴いていると、サム・ムーアが細身のスーツを着て、それぞれのゲストシンガーたちと一緒にステージで飛び跳ね、踊っている姿が目に浮かんでくる。
それにしても、これだけのアメリカ音楽業界の大物たちを勢ぞろいさせるサム・ムーアは、やはり「生きる伝説」だ。そして、彼も不遇の時代から見事にサヴァイヴした。来年のグラミーへの期待も高まる。
ソウル・マンがこうして奇蹟のアルバムを出すとなると、もうひとり、「ラスト・ソウル・マン」ことボビー・ウーマックはどうしているのだろうか、と気になるものだ。
■サム・ムーア 『オーバーナイト・センセーショナル』
¥2,580(税込) ¥2,457(税抜)
国内盤 CD 発売日: 2006/09/13
レーベル: ライノ
品番: WPCR-12433
TRACK LIST
01. I Can’t Stand the Rain - with WYNONNA, Special guests BEKKA BRAMLETT & BEBE WINANS (vocals) & BILLY PRESTON (Hammond B-3)
02. Better To Have And Not Need - with BRUCE SPRINGSTEEN
03. Blame It On The Rain - with FANTASIA
04. Lookin’ For A Love - with JON BON JOVI
05. Ain’t No love - with STEVE WINWOOD
06. None Of Us Are Free - with STING
07. It’s Only Make Believe - Special guest vocals by MARIAH CAREY & VINCE GILL
08. Don’t Play That Song ( You Lied) - with BEKKA BRAMLETT
09. If I Had No Loot - with VAN HUNT & NIKKA COSTA, Special guest BILLY F. GIBBONS (guitar)
10. Riding Thumb - with TRAVIS TRITT, Special guest ROBERT RANDOLPH (pedal steel)
11. We Shall Be Free - with PAUL RODGERS
12. You Are So Beautiful - with BILLY PRESTON ,Special guests ZUCCHERO (vocals), ERIC CLAPTON (guitar) & ROBERT RANDOLPH (pedal steel)
■関連過去記事
2004/02/17 (Tue)
Only The Strong Survive: The Soul Movie
映画内容紹介と映画評。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040217.html
2004/06/24 (Thu)
Talk About "Only The Strong Survive" At Relocated Soul Bar Sugar Hill
日本での公開決まる。
http://www.soulsearchin.com//entertainment/soulbars/diary20040624.html
2004/11/07 (Sun)
"Only The Strong Survive": Some Questions & Answers
イヴェントでの質疑応答。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041107.html
ENT>MUSIC>ARTIST>Moore, Sam
Sweetbox Live: Addicted To "Addicted"
2006年8月22日【アンコールのアンコール】
目当て。
クラシックとディスコ、ポップスを融合したグループ、スウィートボックス。基本的にはヨーロッパ産の香りが強いアーティストで、シンプルなリズムとメロディアズなメロディーが特長。そして、リード・シンガー、ジェイドの歌声はどこかブリットニー・スピアーズを思わせる。金曜には、短いヴァージョンのライヴだったのが、今回は約100分の長尺ライヴ。
バックは、ドラムス、ベース、キーボード2台、ストリングス系4人、ダンサー4人にジェイド(リード)という布陣。ストリングス、ダンサー全員が女性なので、かなり女性のグループという印象が強い。観客の8−9割近くは女性だった。そして、会場AXは珍しく席をいれていた。
リズムはユーロビート的なものなので、シンプルでまったく黒くない。ジェイドは何度か衣装変えもする。途中、「グレイスランド」から着た黒と赤の日本の着物風衣装が印象に残った。タランティーノの映画に出てくるかとも思える衣装で、原宿の「オリエンタル・バザール」あたりで売っていそうな感じのもの。ジェイドによれば、ライヴの衣装はロンドンのデザイナーがデザインしていて、これもその一点だそうだ。
このライヴを見て思ったのは、ストリングスが4人入っていて、とてもアクセントになっているという点。ストリングス入りだと、僕は個人的には80年代のシックのライヴ映像で、「ル・フリーク」や「グッドタイムス」を演奏する時に、一見おしとやかに見える女性のストリングス奏者たちが髪を振り乱して演奏するシーンを思い出す。ドレスを着た女性が、一瞬にして髪振り乱して演奏するそのアンバランスがひじょうに面白かった。このスウィートボックスのストリングスたちは、髪は振り乱さなかったが・・・。
ところで、彼らの楽曲のタイトルって、以前に誰かでヒットし曲と同名なものが多い。これは何でだろう。「レディーズ・ナイト」「オン・ザ・レイディオ」「ヴァヤ・コン・ディオス」「プライド」「チャイナ・ガール」「ヒア・カムズ・サン」・・・。みんなスウィートボックスのオリジナル曲だ。
本編最後の「アディクテッド」は、このところ、やたら耳に残っていて、まさにアディクテッド(中毒)状態。この日は、ちゃんと本編終わったところで、観客から盛大なアンコールの拍手がきた。やはり、彼ら目当てに来ているお客さんがいたということだ。(当たり前ね) そして、アンコールのアンコールに応え、「フォー・ザ・ロンリー」をキーボード1本で歌ったが、意外とこれが一番よかったりして。(笑)
また、グッズやCDを3000円以上買った人には、ちゃ〜んとジェイドちゃんの握手会がある。えらいです。ちなみに、「ヴァヤ・コン・ディオス」とは、別れの言葉で「神とともに歩く、歩む」という意味。
■過去関連記事
2004/02/26 (Fri)
Everything’s Gonna Be Alright: Sweetbox’s Gonna Be OK
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040226-1.html
Setlist
show started 19:17
01. Don’t Push Me
02. Bold & Delicious
03. Pride
04. Chyna Girl
05. Vaya Con Dios
06. For The Lonely: Officially Starts (New Version)
07. After The Lights
08. On The Radio
09. Killing Me D.J.
10. Life Is Cool
11. Every Step
12. Read My Mind
**. (Cello Solo)
13. Graceland
14. Crown Of Thorns
15. Hate Without Frontiers
16. Human Sacrifice
17. Liberty
18. Everybody
**. (Battle of Strings Section Vs Rhythm Section)
19. Cinderella
20. Ladies Night
21. Here Comes The Sun
22. Boyfriend
23. (Intro: Vivaldi Strings) Addicted
Enc. Everything’s Gonna Be Alright
Enc. Time Of My Life
Enc. For The Lonely (Acoustic Version)
show ended 21:06
(2006年8月21日月曜、渋谷アックス(AX)=スウィートボックス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sweetbox
2006-160
目当て。
クラシックとディスコ、ポップスを融合したグループ、スウィートボックス。基本的にはヨーロッパ産の香りが強いアーティストで、シンプルなリズムとメロディアズなメロディーが特長。そして、リード・シンガー、ジェイドの歌声はどこかブリットニー・スピアーズを思わせる。金曜には、短いヴァージョンのライヴだったのが、今回は約100分の長尺ライヴ。
バックは、ドラムス、ベース、キーボード2台、ストリングス系4人、ダンサー4人にジェイド(リード)という布陣。ストリングス、ダンサー全員が女性なので、かなり女性のグループという印象が強い。観客の8−9割近くは女性だった。そして、会場AXは珍しく席をいれていた。
リズムはユーロビート的なものなので、シンプルでまったく黒くない。ジェイドは何度か衣装変えもする。途中、「グレイスランド」から着た黒と赤の日本の着物風衣装が印象に残った。タランティーノの映画に出てくるかとも思える衣装で、原宿の「オリエンタル・バザール」あたりで売っていそうな感じのもの。ジェイドによれば、ライヴの衣装はロンドンのデザイナーがデザインしていて、これもその一点だそうだ。
このライヴを見て思ったのは、ストリングスが4人入っていて、とてもアクセントになっているという点。ストリングス入りだと、僕は個人的には80年代のシックのライヴ映像で、「ル・フリーク」や「グッドタイムス」を演奏する時に、一見おしとやかに見える女性のストリングス奏者たちが髪を振り乱して演奏するシーンを思い出す。ドレスを着た女性が、一瞬にして髪振り乱して演奏するそのアンバランスがひじょうに面白かった。このスウィートボックスのストリングスたちは、髪は振り乱さなかったが・・・。
ところで、彼らの楽曲のタイトルって、以前に誰かでヒットし曲と同名なものが多い。これは何でだろう。「レディーズ・ナイト」「オン・ザ・レイディオ」「ヴァヤ・コン・ディオス」「プライド」「チャイナ・ガール」「ヒア・カムズ・サン」・・・。みんなスウィートボックスのオリジナル曲だ。
本編最後の「アディクテッド」は、このところ、やたら耳に残っていて、まさにアディクテッド(中毒)状態。この日は、ちゃんと本編終わったところで、観客から盛大なアンコールの拍手がきた。やはり、彼ら目当てに来ているお客さんがいたということだ。(当たり前ね) そして、アンコールのアンコールに応え、「フォー・ザ・ロンリー」をキーボード1本で歌ったが、意外とこれが一番よかったりして。(笑)
また、グッズやCDを3000円以上買った人には、ちゃ〜んとジェイドちゃんの握手会がある。えらいです。ちなみに、「ヴァヤ・コン・ディオス」とは、別れの言葉で「神とともに歩く、歩む」という意味。
■過去関連記事
2004/02/26 (Fri)
Everything’s Gonna Be Alright: Sweetbox’s Gonna Be OK
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040226-1.html
Setlist
show started 19:17
01. Don’t Push Me
02. Bold & Delicious
03. Pride
04. Chyna Girl
05. Vaya Con Dios
06. For The Lonely: Officially Starts (New Version)
07. After The Lights
08. On The Radio
09. Killing Me D.J.
10. Life Is Cool
11. Every Step
12. Read My Mind
**. (Cello Solo)
13. Graceland
14. Crown Of Thorns
15. Hate Without Frontiers
16. Human Sacrifice
17. Liberty
18. Everybody
**. (Battle of Strings Section Vs Rhythm Section)
19. Cinderella
20. Ladies Night
21. Here Comes The Sun
22. Boyfriend
23. (Intro: Vivaldi Strings) Addicted
Enc. Everything’s Gonna Be Alright
Enc. Time Of My Life
Enc. For The Lonely (Acoustic Version)
show ended 21:06
(2006年8月21日月曜、渋谷アックス(AX)=スウィートボックス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sweetbox
2006-160
【イメージの共有】
ミュージシャンシップ。
7月1日の『ソウル・サーチン・ザ・セッション』でも、ゴスペラーズの黒沢薫さんと見事なデュエットを聴かせたマル(英語表記は、小文字でmaru)が自らのバンドとともにライヴを行った。「マル&キム・プレゼンツ・ディーヴァ・ライヴ」という複数アーティスト(4組)が登場するイヴェント。彼女のフルライヴを見るのは2月末以来。結論から言うと、「お見事」「素晴らしい」, I’m proud of you っていう感じだ。今まで見た彼女の中で一番よかった。声もよくでているし、いい声でうまい。そして、トークも曲にのせた語りもおもしろい。
マルというシンガーを一言で言えば、「日本のジル・スコット」あるいは、「日本のニュークラシック・ソウル系ディーヴァ」など。こういうタイプを徹底的に追及している日本のシンガーってほかにいるのかなあ。ここまでできれば、このジャンルのシーンの牽引車となって欲しいと思う。
バンドも相変わらず素晴らしいグルーヴを出している。スロー・グルーヴ、アップ・テンポの曲、どれも飽きない。音がソウルなのに、日本語が実にうまくはまっている。
このバンドの良いところは、ミュージシャンたちが基本的には自分たちが進む音楽的方向性へのイメージをかなりのレヴェルで共有している点だ。ヴェクトルがグルーヴ感を持って一つの方向に向いている。だから、タイトになっていく。イメージが共有できるミュージシャン同士の間には、真のミュージシャンシップが生まれる。そして、真のミュージシャンシップからリアル・ミュージックが創造される。
ドラムス、ギター、ベースのリズム隊がとてもよく、それを音楽ディレクターのポチくんがうまくまとめている。ところで、ナイル・ロジャースばりのカッティングを冒頭から聴かせるギターは誰だろうと思ったら、エイドリアナ・エヴァンスでバックをつけていたロス在住のタクくんだった。エイドリアナの時よりはるかによいパフォーマンスを見せていた。ソウシくんのベースとあわせて、ナイル&バーナードか。(笑)
日本語のオリジナルもどれもいいが特に圧巻は、うまく語りをいれている「少しだけ」。彼女のテーマが「女性上位」だそうだが、恋した女心を描いた作品で、バックコーラスが「I’m just a woman」と入るところが実にソウルフルでいい。これを聴いて彼女はまず女性ファンを獲得すると思った。
ジル・スコット〜マリーナ・ショウ〜アリシア・キーズのカヴァー・メドレーも見事。今、これを書きながら、マリーナ・ショウ・ヴァージョンをひっぱりだして聴き返した。アリシアはちょっとだけテンポが早かったような気がしたが、これにのせてのメンバー紹介もよかったので、よしとしよう。歌いっぷりの堂々。しゃべりっぷりの堂々。存在感の堂々。どど〜とシーンをひっぱってってください。
■ライヴ情報など
次回、このバンドで青山でやるので、興味ある方はぜひ。なお5アーティストが出るいわゆる「対バン形式」なので、タイムスケジュールはまだわかりません。40分から60分くらいはやると思われます。
2006年9月7日(木)
会場: 月見る君想う http://www.moonromantic.com/
開場18:00開演18:30
イヴェントタイトル 「SHAKE EVERYTHING YOU’VE GOT!!!」
出演者:さかいゆう/maru/13 SOULS/DOPE NOTES/Rustic Renaissance
前売り¥2000 当日 ¥2500(共にドリンク代別)
■マル・ブログ
http://plaza.rakuten.co.jp/marumusicvox/
2006年8月19日にオープンの彼女の新しいウェッブ↓
http://www.marudiva.com/
今後のライヴ予定などは、こちらで。
■過去関連記事
February 22, 2006
Jeffrey Osborne Live At Cotton Club
マルとの初遭遇。「まりこ」がマルのこと。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200603/2006_02_22.html
March 03, 2006
Maru’s Live: "Ooh Ooh Song" To Her Own Show
マルのフルライヴ。セットリストもあり。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200603/2006_03_03.html
■メンバー
maru (ヴォーカル)
Pochi 林田裕一 (キーボード、音楽ディレクター)
Tak 田中拓也 (ギター)
Soshi 内田壮志 (ベース)
Hiroki 村上広樹 (ドラムス)
Nene 音音(ねね) (コーラス)
Kayo 青山佳代 (コーラス)
■Setlist (# denotes Maru and friend’s original)
show started 20:19
01. Intro (A riff of "Survivor")
02. Can’t Stop This Love (including "Black Wannabe") #
03. Walkin’ #
04. 少しだけ #
05. Medley(5-7): Long Walk (Jill Scott)
06. Lovin’ You Was Like A Party (Marlena Shaw)
07. How Come You Don’t Call Me (Prince, Alicia Keys)
08. Fly # (With guest singer Takemoto Keiichi)
09. 守りたいから #
show ended 21:19
(2006年8月19日土曜、渋谷プラグ=マル・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>maru
2006-159
ミュージシャンシップ。
7月1日の『ソウル・サーチン・ザ・セッション』でも、ゴスペラーズの黒沢薫さんと見事なデュエットを聴かせたマル(英語表記は、小文字でmaru)が自らのバンドとともにライヴを行った。「マル&キム・プレゼンツ・ディーヴァ・ライヴ」という複数アーティスト(4組)が登場するイヴェント。彼女のフルライヴを見るのは2月末以来。結論から言うと、「お見事」「素晴らしい」, I’m proud of you っていう感じだ。今まで見た彼女の中で一番よかった。声もよくでているし、いい声でうまい。そして、トークも曲にのせた語りもおもしろい。
マルというシンガーを一言で言えば、「日本のジル・スコット」あるいは、「日本のニュークラシック・ソウル系ディーヴァ」など。こういうタイプを徹底的に追及している日本のシンガーってほかにいるのかなあ。ここまでできれば、このジャンルのシーンの牽引車となって欲しいと思う。
バンドも相変わらず素晴らしいグルーヴを出している。スロー・グルーヴ、アップ・テンポの曲、どれも飽きない。音がソウルなのに、日本語が実にうまくはまっている。
このバンドの良いところは、ミュージシャンたちが基本的には自分たちが進む音楽的方向性へのイメージをかなりのレヴェルで共有している点だ。ヴェクトルがグルーヴ感を持って一つの方向に向いている。だから、タイトになっていく。イメージが共有できるミュージシャン同士の間には、真のミュージシャンシップが生まれる。そして、真のミュージシャンシップからリアル・ミュージックが創造される。
ドラムス、ギター、ベースのリズム隊がとてもよく、それを音楽ディレクターのポチくんがうまくまとめている。ところで、ナイル・ロジャースばりのカッティングを冒頭から聴かせるギターは誰だろうと思ったら、エイドリアナ・エヴァンスでバックをつけていたロス在住のタクくんだった。エイドリアナの時よりはるかによいパフォーマンスを見せていた。ソウシくんのベースとあわせて、ナイル&バーナードか。(笑)
日本語のオリジナルもどれもいいが特に圧巻は、うまく語りをいれている「少しだけ」。彼女のテーマが「女性上位」だそうだが、恋した女心を描いた作品で、バックコーラスが「I’m just a woman」と入るところが実にソウルフルでいい。これを聴いて彼女はまず女性ファンを獲得すると思った。
ジル・スコット〜マリーナ・ショウ〜アリシア・キーズのカヴァー・メドレーも見事。今、これを書きながら、マリーナ・ショウ・ヴァージョンをひっぱりだして聴き返した。アリシアはちょっとだけテンポが早かったような気がしたが、これにのせてのメンバー紹介もよかったので、よしとしよう。歌いっぷりの堂々。しゃべりっぷりの堂々。存在感の堂々。どど〜とシーンをひっぱってってください。
■ライヴ情報など
次回、このバンドで青山でやるので、興味ある方はぜひ。なお5アーティストが出るいわゆる「対バン形式」なので、タイムスケジュールはまだわかりません。40分から60分くらいはやると思われます。
2006年9月7日(木)
会場: 月見る君想う http://www.moonromantic.com/
開場18:00開演18:30
イヴェントタイトル 「SHAKE EVERYTHING YOU’VE GOT!!!」
出演者:さかいゆう/maru/13 SOULS/DOPE NOTES/Rustic Renaissance
前売り¥2000 当日 ¥2500(共にドリンク代別)
■マル・ブログ
http://plaza.rakuten.co.jp/marumusicvox/
2006年8月19日にオープンの彼女の新しいウェッブ↓
http://www.marudiva.com/
今後のライヴ予定などは、こちらで。
■過去関連記事
February 22, 2006
Jeffrey Osborne Live At Cotton Club
マルとの初遭遇。「まりこ」がマルのこと。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200603/2006_02_22.html
March 03, 2006
Maru’s Live: "Ooh Ooh Song" To Her Own Show
マルのフルライヴ。セットリストもあり。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200603/2006_03_03.html
■メンバー
maru (ヴォーカル)
Pochi 林田裕一 (キーボード、音楽ディレクター)
Tak 田中拓也 (ギター)
Soshi 内田壮志 (ベース)
Hiroki 村上広樹 (ドラムス)
Nene 音音(ねね) (コーラス)
Kayo 青山佳代 (コーラス)
■Setlist (# denotes Maru and friend’s original)
show started 20:19
01. Intro (A riff of "Survivor")
02. Can’t Stop This Love (including "Black Wannabe") #
03. Walkin’ #
04. 少しだけ #
05. Medley(5-7): Long Walk (Jill Scott)
06. Lovin’ You Was Like A Party (Marlena Shaw)
07. How Come You Don’t Call Me (Prince, Alicia Keys)
08. Fly # (With guest singer Takemoto Keiichi)
09. 守りたいから #
show ended 21:19
(2006年8月19日土曜、渋谷プラグ=マル・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>maru
2006-159
【アシャンティーからシャンティーへ】
実験。
毎度すっかりおなじみフィリップ・ウーとシャンティーが夢のコラボレーション。しかも舞台は、丸の内のおしゃれなコットンクラブ。国際フォーラムで『ギャップ・チャリティー・コンサート』でアシャンティーを見て、歩いて5分のところでシャンティーを。
今回のバンドは、ドラムスに東京ジャズシーンではおなじみのトミー・キャンベル、ギターが石成さん、ベースに岡さん、そして、キーボードにフィリップという布陣。ベースの岡さん、初めて見たが、これまたいいのりで、さすがフィリップの目に狂いはない。
選曲もひじょうにヴァラエティーに富んでいて、なかなか楽しめる。フィリップによれば、「いろいろエクスペリメンタル(実験的)でしょ。なんとなく、いろいろやってみる」という。フィリップの「なんとなく」は、なんとなく口癖で、これがけっこうゆる〜くてなんとなくおもしろ〜い。
僕が入ったのは、下記セットリストで4曲目の「ポエトリーマン」から。ちょうど、座って1曲終わるあたりで、「イエーッ」という聞き覚えのある声が。声の方向を見ると、なんとソウルメイトのM氏。しばらく前に、携帯に留守録が入っていた。コットンに来てたんだ。(笑)
それにしても、セットリストを見ると、マニアックな曲を選んでいる。さすが、エクスペリメンタル。圧巻だったのは、ガーシュウィンのスタンダード「サマータイム」。ギター・ソロ、ドラム・ソロ、キーボード・ソロなどをいれたかなり長尺のもの。一気に集中が高まった。僕はトミーのドラムスが前から好きだが、特にこうやって誰かシンガーのバックを、控え目にやるときが最高だ。自分がリードだと、出すぎて、ちょっとうるさくなってしまう。(笑) 話しによると、この日はドラムスの数も減らしているという。だから、地味だったんだ。(笑) これがちょうどいいです。石成さんのファンキーなワウワウ・ギターとか、かなりいい。
シャンティーはステージ上でグルーヴ感がある曲だととてものっていて、楽しそう。またスローの曲は情感を込めて歌う。最後のアンコールで、シャンティーのお父さん、トミー・スナイダーさんが登場し、ドラムスを叩いた。彼も陽気な人だった。
■今後のライヴ情報
◎シャンティー
シャンティーは来月22日、横浜モーションブルーで、松本圭司さんらとアコースティック・ライヴを行う。
2006年9月22日(金) ▼Rock / Pops
SHANTI(vo)
シャンティ
Shanti(vo)、松本圭司(p)、木原良輔(g)、田邊晋一(per)
charge:3,675(税込) 8/5(土)発売開始
※Showtimes_6:30pm & 8:30pm (open_5:00pm)
◎フィリップ・ウー
フィリップはライヴが多数ある。
フィリップのオフィシャル・ウェッブで情報が入手できる。
http://www.k5.dion.ne.jp/~p.woo/index.html
【2006年】
♪9/3 Philip&Brenda Vaughn @LaCana in 下北沢
♪9/7 With Donyale @Ark Towers
♪9/8 Philip Woo Band @Blues Alley
♪9/10 Philip Woo Band "Mugen Night" @Velfarre
♪9/11 Philip Woo Band @Mobius with Donyale
♪9/17 Albert Martin Live @CHA CHA HOUSE
♪9/19 Soul Singer "Brenda Vaughn" @Blues Alley
♪10/1 Philip Woo Band @CHA CHA HOUSE
♪10/4 Philip Woo Band @Mobius
♪10/14&15 Soy Soul Live @Blues Alley
♪10/20 Philip Woo Band @CHA CHA HOUSE
♪10/25 Philip Woo Band @Mobius
♪10/29 Philip Woo Band "Mugen Night 2" @宮崎
♪12/1 Philip Woo’s "Tribute To Billy Preston" Live @Blues Alley (←It’s New!!!)
■ メンバー
Philip Woo (Keyboard, Harmonica)
Tommy Campbell (Drums)
Ishinari Masato (Guitar)
Oka Yuzo (Bass)
Shanti (Vocal)
■ Setlist ( )内にオリジナル・アーティスト、またはアーティストが参考にしたヴァージョン
01. Butterfly (Herbie Hancock)
02. Summer In The City (Lovin’ Spoonful, Quincy Jones)
03. As God Loves You (Shanti original)
04. Poetry Man (Phoebe Snow)
05. Black Bird (Dionne Farris)
06. Partido Alto (Airto Moriera)
07. Summertime (George Gershwin)
08. The Road To There (Philip Woo original)
Enc. Spooky (Classics IV, Dusty Springfield)
(2006年8月18日金曜、丸の内コットンクラブ=フィリップ・ウー、シャンティー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Woo, Philip / Shanti
2006-158
実験。
毎度すっかりおなじみフィリップ・ウーとシャンティーが夢のコラボレーション。しかも舞台は、丸の内のおしゃれなコットンクラブ。国際フォーラムで『ギャップ・チャリティー・コンサート』でアシャンティーを見て、歩いて5分のところでシャンティーを。
今回のバンドは、ドラムスに東京ジャズシーンではおなじみのトミー・キャンベル、ギターが石成さん、ベースに岡さん、そして、キーボードにフィリップという布陣。ベースの岡さん、初めて見たが、これまたいいのりで、さすがフィリップの目に狂いはない。
選曲もひじょうにヴァラエティーに富んでいて、なかなか楽しめる。フィリップによれば、「いろいろエクスペリメンタル(実験的)でしょ。なんとなく、いろいろやってみる」という。フィリップの「なんとなく」は、なんとなく口癖で、これがけっこうゆる〜くてなんとなくおもしろ〜い。
僕が入ったのは、下記セットリストで4曲目の「ポエトリーマン」から。ちょうど、座って1曲終わるあたりで、「イエーッ」という聞き覚えのある声が。声の方向を見ると、なんとソウルメイトのM氏。しばらく前に、携帯に留守録が入っていた。コットンに来てたんだ。(笑)
それにしても、セットリストを見ると、マニアックな曲を選んでいる。さすが、エクスペリメンタル。圧巻だったのは、ガーシュウィンのスタンダード「サマータイム」。ギター・ソロ、ドラム・ソロ、キーボード・ソロなどをいれたかなり長尺のもの。一気に集中が高まった。僕はトミーのドラムスが前から好きだが、特にこうやって誰かシンガーのバックを、控え目にやるときが最高だ。自分がリードだと、出すぎて、ちょっとうるさくなってしまう。(笑) 話しによると、この日はドラムスの数も減らしているという。だから、地味だったんだ。(笑) これがちょうどいいです。石成さんのファンキーなワウワウ・ギターとか、かなりいい。
シャンティーはステージ上でグルーヴ感がある曲だととてものっていて、楽しそう。またスローの曲は情感を込めて歌う。最後のアンコールで、シャンティーのお父さん、トミー・スナイダーさんが登場し、ドラムスを叩いた。彼も陽気な人だった。
■今後のライヴ情報
◎シャンティー
シャンティーは来月22日、横浜モーションブルーで、松本圭司さんらとアコースティック・ライヴを行う。
2006年9月22日(金) ▼Rock / Pops
SHANTI(vo)
シャンティ
Shanti(vo)、松本圭司(p)、木原良輔(g)、田邊晋一(per)
charge:3,675(税込) 8/5(土)発売開始
※Showtimes_6:30pm & 8:30pm (open_5:00pm)
◎フィリップ・ウー
フィリップはライヴが多数ある。
フィリップのオフィシャル・ウェッブで情報が入手できる。
http://www.k5.dion.ne.jp/~p.woo/index.html
【2006年】
♪9/3 Philip&Brenda Vaughn @LaCana in 下北沢
♪9/7 With Donyale @Ark Towers
♪9/8 Philip Woo Band @Blues Alley
♪9/10 Philip Woo Band "Mugen Night" @Velfarre
♪9/11 Philip Woo Band @Mobius with Donyale
♪9/17 Albert Martin Live @CHA CHA HOUSE
♪9/19 Soul Singer "Brenda Vaughn" @Blues Alley
♪10/1 Philip Woo Band @CHA CHA HOUSE
♪10/4 Philip Woo Band @Mobius
♪10/14&15 Soy Soul Live @Blues Alley
♪10/20 Philip Woo Band @CHA CHA HOUSE
♪10/25 Philip Woo Band @Mobius
♪10/29 Philip Woo Band "Mugen Night 2" @宮崎
♪12/1 Philip Woo’s "Tribute To Billy Preston" Live @Blues Alley (←It’s New!!!)
■ メンバー
Philip Woo (Keyboard, Harmonica)
Tommy Campbell (Drums)
Ishinari Masato (Guitar)
Oka Yuzo (Bass)
Shanti (Vocal)
■ Setlist ( )内にオリジナル・アーティスト、またはアーティストが参考にしたヴァージョン
01. Butterfly (Herbie Hancock)
02. Summer In The City (Lovin’ Spoonful, Quincy Jones)
03. As God Loves You (Shanti original)
04. Poetry Man (Phoebe Snow)
05. Black Bird (Dionne Farris)
06. Partido Alto (Airto Moriera)
07. Summertime (George Gershwin)
08. The Road To There (Philip Woo original)
Enc. Spooky (Classics IV, Dusty Springfield)
(2006年8月18日金曜、丸の内コットンクラブ=フィリップ・ウー、シャンティー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Woo, Philip / Shanti
2006-158
Gap Charity Live:
2006年8月19日【ギャップ・チャリティー・ライヴ】
震度6。
ファッションのギャップがスポンサーとなったライヴ・イヴェント。出演アーティストは、アメリカのポップ・グループ、スウィートボックス、日本のラップ・グループ、デフテック、同じく日本のラップ・グループ、ケツメイシ、そして、アメリカのR&Bシンガー、アシャンティーの4組。スイートボックスとアシャンティーはかつてライヴを見たことがあったが、デフテックとケツメイシは名前は聞いたことはあったが、ライヴを見るのは初めて。
デフテック、ケツメイシは、ビートがJポップ的、黒いグルーヴ感ではなくややユーロビート的、ディスコ的な打ち込み系ビートだけに、ひじょうに日本人受けする感じがした。とにかく立てのり、会場がまるで震度6の地震に襲われたかのように揺れる揺れる。この揺れに酔ってしまいそうなほど。それに比べると、アシャンティーはベースが黒人のR&Bのグルーヴ感のあるリズムで、Jポップを聴く一般のファンには受けないような気がした。
4組で一番印象に残ったのは何か、というと初体験ケツメイシであった。MCが言った話がおもしろかった。大体こんなことを言っていたと思う。「ものすごく傷ついて落ち込んでいるとする。そんな時、『大丈夫?』と言ってくる奴がいる。『大丈夫なわけねえじゃねーか』 だが、心と裏腹に『大丈夫だよ』と言ってしまう自分がいる。そんなことを言ってくる奴も、そして、心と口がかけ離れて『大丈夫』と言ってしまう自分も、とても嫌いです」 「今日のギャップのチャリティー・コンサートで集まった収益金はカンボジアで学校を作るために寄付される。日本では、教育を受けようと思っても受けられないなんてことはない。だから、カンボジアで教育を受けようと思っても受けられないなんて状況を、(ここに来ているみんなは)わかるはずがないにもかかわらず、俺たちはここで歌って踊っている。そんな自分がイヤだ。だが、しかし! 今日の収益金はカンボジアで学校を建てるために使われる。俺はそこに何かがある。そう思う。俺たちは歌うことしかできない。でも、そこから何かを感じて欲しい」
この彼(大蔵かな?)は言うことがおもしろい。彼をDJにした番組をやってみたいと思った。
アシャンティーは、前2組が相当盛り上げてしまった後だけに、なかなか厳しかった。こうなると、アーティストを出す順番はやはりむずかしい。可哀相だったのがスウィートボックス。本編が終わり、彼らは舞台そでに引っ込んだ。観客の拍手も終わった。ところがライトはつかず暗転のまま。すると、彼らが出てきたのだ。アンコール曲のために。そして歌ったのは、最大のヒット「エヴリシングス・ゴナ・ビー・オールライト」。アンコールされずに歌ったアンコール曲。複数アーティストがでるイヴェントはアンコールなしにしておいたほうが無難なようだ。
(セットリストは後日の予定)
(2006年8月18日金曜、東京国際フォーラム=ギャップ・チャリティー・コンサート、スウィートボックス、デフテック、ケツメイシ、アシャンティー・ライヴ)
ENT>MUSIC>EVENT>Gap Charity Concert
ENT>MUSIC>LIVE>Sweetbox
ENT>MUSIC>LIVE>Def Tech
ENT>MUSIC>LIVE>Ketsumeishi
ENT>MUSIC>LIVE>Ashanti
2006-157
震度6。
ファッションのギャップがスポンサーとなったライヴ・イヴェント。出演アーティストは、アメリカのポップ・グループ、スウィートボックス、日本のラップ・グループ、デフテック、同じく日本のラップ・グループ、ケツメイシ、そして、アメリカのR&Bシンガー、アシャンティーの4組。スイートボックスとアシャンティーはかつてライヴを見たことがあったが、デフテックとケツメイシは名前は聞いたことはあったが、ライヴを見るのは初めて。
デフテック、ケツメイシは、ビートがJポップ的、黒いグルーヴ感ではなくややユーロビート的、ディスコ的な打ち込み系ビートだけに、ひじょうに日本人受けする感じがした。とにかく立てのり、会場がまるで震度6の地震に襲われたかのように揺れる揺れる。この揺れに酔ってしまいそうなほど。それに比べると、アシャンティーはベースが黒人のR&Bのグルーヴ感のあるリズムで、Jポップを聴く一般のファンには受けないような気がした。
4組で一番印象に残ったのは何か、というと初体験ケツメイシであった。MCが言った話がおもしろかった。大体こんなことを言っていたと思う。「ものすごく傷ついて落ち込んでいるとする。そんな時、『大丈夫?』と言ってくる奴がいる。『大丈夫なわけねえじゃねーか』 だが、心と裏腹に『大丈夫だよ』と言ってしまう自分がいる。そんなことを言ってくる奴も、そして、心と口がかけ離れて『大丈夫』と言ってしまう自分も、とても嫌いです」 「今日のギャップのチャリティー・コンサートで集まった収益金はカンボジアで学校を作るために寄付される。日本では、教育を受けようと思っても受けられないなんてことはない。だから、カンボジアで教育を受けようと思っても受けられないなんて状況を、(ここに来ているみんなは)わかるはずがないにもかかわらず、俺たちはここで歌って踊っている。そんな自分がイヤだ。だが、しかし! 今日の収益金はカンボジアで学校を建てるために使われる。俺はそこに何かがある。そう思う。俺たちは歌うことしかできない。でも、そこから何かを感じて欲しい」
この彼(大蔵かな?)は言うことがおもしろい。彼をDJにした番組をやってみたいと思った。
アシャンティーは、前2組が相当盛り上げてしまった後だけに、なかなか厳しかった。こうなると、アーティストを出す順番はやはりむずかしい。可哀相だったのがスウィートボックス。本編が終わり、彼らは舞台そでに引っ込んだ。観客の拍手も終わった。ところがライトはつかず暗転のまま。すると、彼らが出てきたのだ。アンコール曲のために。そして歌ったのは、最大のヒット「エヴリシングス・ゴナ・ビー・オールライト」。アンコールされずに歌ったアンコール曲。複数アーティストがでるイヴェントはアンコールなしにしておいたほうが無難なようだ。
(セットリストは後日の予定)
(2006年8月18日金曜、東京国際フォーラム=ギャップ・チャリティー・コンサート、スウィートボックス、デフテック、ケツメイシ、アシャンティー・ライヴ)
ENT>MUSIC>EVENT>Gap Charity Concert
ENT>MUSIC>LIVE>Sweetbox
ENT>MUSIC>LIVE>Def Tech
ENT>MUSIC>LIVE>Ketsumeishi
ENT>MUSIC>LIVE>Ashanti
2006-157
【日野伝説かくありき】
伝説。
世界の日野が、番組のゲストに登場。その収録に立ち会った。
世界の日野は、とってもきさくな面白い人であった。
世界の日野は、プロモーションにやってきた新作は何枚目のアルバムですかと問われ、「僕はいつも3枚目」だと言っていた。
世界の日野は、駄洒落が大好きだった。
そして世界の日野は、自分がインタヴューされ書かれた記事や、オンエアーされたものを決して読んだり、聞いたりしないと宣言していた。
世界の日野は、めちゃくちゃ潔かった。
表現者たるもの、自分が人前で表現したもの、公開したものについては、何を言われ、何を書かれても、それを甘んじて受け入れるだけの度量がないとだめだ。誉められるのもけなされるのも、表現者の宿命。世界の日野は、表現者の何たるかを完璧に知っていた。
収録が始まる前に軽く雑談をしていたのだが、その段階からざくざく財宝のような言葉、コメントがでてきた。あわててメモしたもの、記憶に残ったものをアットランダムにご紹介しよう。
「選曲? なんでもいいよ。好きな曲、選んでよ。(僕にとっては、完成したアルバムは)もう終わったものだから。古い作品、レコーディングを終えた作品は一切聴かない。過去は振り返らない。(録音した)曲というのは、まさに今日のドキュメント。今日、演奏家がやったことの証拠。若干の間違いがあっても、ミスっても、それはその日の自分のドキュメントだからいいじゃない。それをかっこよく直そうなんて変な考えを出しちゃいけないよ。人生自体がやり直しがきかないだろ。それと同じだ。潔く、勇気を持って、成功も失敗も受け入れる。それも人生ということだ」
「取材されたもの、書かれたもの、絶対読まないね。こうやって収録されたものも、後からオンエアーとか絶対聴かない。もし、自分の作品が酷評されているのを読んだら、頭来るじゃない。自分が言ったことと違うことを書かれたら、それでもまた『この野郎』と思う。自分は、自分が言ったことに責任を持っている。だから、発言には自分が全責任を負う。だけどそれが後で(ライターによって)どう書かれるかは、関係ない。昔は、結構そういうの読んで、頭来たら、今度会った時に殴り倒してやろう、なんて熱くなってたけど(笑)、最近は読まないから、そうはならないね。取材した後は、どうぞ(ライターの方)お好きにお書きください、って感じだね」
「自分が舟だとするじゃない。そうすると、世界中を航海するうちに、その舟には藤壺がくっついて、舟が重くなっていく。でも、その重さがいい。深みが出てくる。一緒にやるミュージシャンからも刺激を受け、いいサウンドを作る。藤壺が重くなればなるほど、(バンドの)サウンドも重くなっていく」
「ミュージシャン、アーティストは、自分が一番強いんだということを吐いて、それを多くの人に受け入れて欲しいとは思ってる」
「ミュージシャンっていうのは、例えばレコーディングの日が決まるとなると、その日まで毎日一日24時間、ずっとそのことばかり考えている。で、全然曲なんか書けなくて。悶々として。でも、自分のエゴとかをどこかにぱ〜と全部捨てて、気持ちをニュートラルにしていると、誰かの力によってやらされることになるんだ。曲が書けたり、演奏ができたり。自分の力とかじゃなくて、誰かの力にやらされている、って感じになる。神経をニュートラルにして、集中していると、力が抜けていい演奏ができたり、いい曲がふと書けたりするものなんだ。欲みたいなものがなくなるといいんだろうね」
「スキーは59歳で1級を取った。始めて7年位かな。やりだすと徹底的にやってしまう。結局ね、僕は負けず嫌いなんですよ。加山雄三さんも言ってたけど、彼も負けず嫌いなのね。だから、見えないところで努力する。自分に課すんだね」
「この前、伊万里焼やってね。そこに絵を描いたんだけどね。それから絵の個展なんかもやるのよ。コテンコテンなんてね。(笑) でも、絵もデフォルメしないと気がすまないんだ」
「子供の頃、親父にタップダンスをやらされてね、で、やって。それも好きで、トランペットもずっと好きで、今でも吹くのが大好きでね。この前、何日か吹かなかった日があって、久々に吹いてみたら、音はひどいんだけど、トラペット吹くの楽しい、なんて思ちゃってね。まあ、(自分の人生は)線路引かれてて、その線路の上を歩いているっていう感じかな」
「結局、ミュージシャンも人間同士のコミュニケーションなんだよ。自分が若手のミュージシャンからインスパイアーされていい演奏ができることもあるし、僕も若手に影響を与えていることもきっとあるのだろう」
「音楽はピュアかそうでないかだけで判断する」
実にスリリングで面白い語録だった。
世界の日野は、最高だった。
そして、世界の日野はおそらくこの文章を読むことはない。
(なお、番組はすでにKMIX、FM横浜で放送されました)
ENT>MUSIC>ARTIST>Hino, Terumasa
伝説。
世界の日野が、番組のゲストに登場。その収録に立ち会った。
世界の日野は、とってもきさくな面白い人であった。
世界の日野は、プロモーションにやってきた新作は何枚目のアルバムですかと問われ、「僕はいつも3枚目」だと言っていた。
世界の日野は、駄洒落が大好きだった。
そして世界の日野は、自分がインタヴューされ書かれた記事や、オンエアーされたものを決して読んだり、聞いたりしないと宣言していた。
世界の日野は、めちゃくちゃ潔かった。
表現者たるもの、自分が人前で表現したもの、公開したものについては、何を言われ、何を書かれても、それを甘んじて受け入れるだけの度量がないとだめだ。誉められるのもけなされるのも、表現者の宿命。世界の日野は、表現者の何たるかを完璧に知っていた。
収録が始まる前に軽く雑談をしていたのだが、その段階からざくざく財宝のような言葉、コメントがでてきた。あわててメモしたもの、記憶に残ったものをアットランダムにご紹介しよう。
「選曲? なんでもいいよ。好きな曲、選んでよ。(僕にとっては、完成したアルバムは)もう終わったものだから。古い作品、レコーディングを終えた作品は一切聴かない。過去は振り返らない。(録音した)曲というのは、まさに今日のドキュメント。今日、演奏家がやったことの証拠。若干の間違いがあっても、ミスっても、それはその日の自分のドキュメントだからいいじゃない。それをかっこよく直そうなんて変な考えを出しちゃいけないよ。人生自体がやり直しがきかないだろ。それと同じだ。潔く、勇気を持って、成功も失敗も受け入れる。それも人生ということだ」
「取材されたもの、書かれたもの、絶対読まないね。こうやって収録されたものも、後からオンエアーとか絶対聴かない。もし、自分の作品が酷評されているのを読んだら、頭来るじゃない。自分が言ったことと違うことを書かれたら、それでもまた『この野郎』と思う。自分は、自分が言ったことに責任を持っている。だから、発言には自分が全責任を負う。だけどそれが後で(ライターによって)どう書かれるかは、関係ない。昔は、結構そういうの読んで、頭来たら、今度会った時に殴り倒してやろう、なんて熱くなってたけど(笑)、最近は読まないから、そうはならないね。取材した後は、どうぞ(ライターの方)お好きにお書きください、って感じだね」
「自分が舟だとするじゃない。そうすると、世界中を航海するうちに、その舟には藤壺がくっついて、舟が重くなっていく。でも、その重さがいい。深みが出てくる。一緒にやるミュージシャンからも刺激を受け、いいサウンドを作る。藤壺が重くなればなるほど、(バンドの)サウンドも重くなっていく」
「ミュージシャン、アーティストは、自分が一番強いんだということを吐いて、それを多くの人に受け入れて欲しいとは思ってる」
「ミュージシャンっていうのは、例えばレコーディングの日が決まるとなると、その日まで毎日一日24時間、ずっとそのことばかり考えている。で、全然曲なんか書けなくて。悶々として。でも、自分のエゴとかをどこかにぱ〜と全部捨てて、気持ちをニュートラルにしていると、誰かの力によってやらされることになるんだ。曲が書けたり、演奏ができたり。自分の力とかじゃなくて、誰かの力にやらされている、って感じになる。神経をニュートラルにして、集中していると、力が抜けていい演奏ができたり、いい曲がふと書けたりするものなんだ。欲みたいなものがなくなるといいんだろうね」
「スキーは59歳で1級を取った。始めて7年位かな。やりだすと徹底的にやってしまう。結局ね、僕は負けず嫌いなんですよ。加山雄三さんも言ってたけど、彼も負けず嫌いなのね。だから、見えないところで努力する。自分に課すんだね」
「この前、伊万里焼やってね。そこに絵を描いたんだけどね。それから絵の個展なんかもやるのよ。コテンコテンなんてね。(笑) でも、絵もデフォルメしないと気がすまないんだ」
「子供の頃、親父にタップダンスをやらされてね、で、やって。それも好きで、トランペットもずっと好きで、今でも吹くのが大好きでね。この前、何日か吹かなかった日があって、久々に吹いてみたら、音はひどいんだけど、トラペット吹くの楽しい、なんて思ちゃってね。まあ、(自分の人生は)線路引かれてて、その線路の上を歩いているっていう感じかな」
「結局、ミュージシャンも人間同士のコミュニケーションなんだよ。自分が若手のミュージシャンからインスパイアーされていい演奏ができることもあるし、僕も若手に影響を与えていることもきっとあるのだろう」
「音楽はピュアかそうでないかだけで判断する」
実にスリリングで面白い語録だった。
世界の日野は、最高だった。
そして、世界の日野はおそらくこの文章を読むことはない。
(なお、番組はすでにKMIX、FM横浜で放送されました)
ENT>MUSIC>ARTIST>Hino, Terumasa
【ガード下のミュージシャン】
エコー。
近くのツタヤによった帰りに、車を走らせていると五反田駅のガード下で、なんとサックスを吹いている黒人がいた。夜の12時半くらいか。最初は通り過ぎたのだが、瞬間、なんでこんなところでと思い、車をバックさせてみた。(普通はバックなんかさせない。物好きだ) こんなところ、終電終ったら誰も通らないぞ。(笑)
確かにそこはちょうどガード下なので音が響く。昔、アカペラ・コーラス・グループがエコーがいいので、ガード下、橋下などで練習したが、彼のサックスもけっこう響いていた。
僕が車を寄せると、彼が近寄ってきた。彼に尋ねた。「毎日、ここでプレイしているの?」 「ああ、11時半くらいから1時くらいまでかな。毎日、やってるよ」 「どこ出身?」 「元々はジャマイカだ。その後、ニューヨーク、ロスアンジェルス。でも、ロスアンジェルスはあんまり好きじゃない」 「普段は何をしてる人?」 「作家(writer)だ。映画の脚本を書いている。今も日本人俳優の脚本、書いてるんだ。原宿、表参道、代官山、渋谷、そんなところが舞台の映画だよ」 「へえ〜〜」
しばらく雑談していると彼に名刺があるかと言われたので、ちょっと躊躇したが渡した。そして、「僕はメルヴィンだ。よろしく」と言う。ところどころ、日本語をまじえ、少し訛りのある英語だ。そんな彼がこう尋ねてきた。「映画『グリーンマイル』って知ってるか?」 「もちろん、知ってるよ。スティーヴン・キングでしょ」 「あれは俺が書いたんだ。でも、やつらが盗んだ。ハリウッドのプロデューサーたちが、俺のアイデアを盗んだんだ」 「へえ、じゃあ、訴えったらどうなの?」 「そう弁護士に聞いたが、大きなスタジオ、有名なライター、彼らは巨額のマネーを持っていて、こっちも金を持ってないと、まったく勝てないって言われたよ。でも、俺はいいんだ。アイデアはいくらでもあるからな。書いて書いて書きまくるのさ。ははは」
まあ、話半分というか、どこまで本当かまったくわからないのだが、こういう胡散臭い(うさんくさい)、怪しげな人物の話って、けっこう茶飲み話題におもしろい。例えば、日本で言えば、そうだなあ、松本清張の『点と線』、あれ、俺が書いたんだよ、と言うようなものだもんなあ。なかなか言えないよねえ。あるいはすっごく有名なヒット曲、例えば「およげたいやき君」をして、あれ、俺が書いたんだ、みたいな話。
しかし、なんであんな人通りも少ないガード下で毎日演奏してるんだろう。もっと人が集まりそうなところでやればいいのに。ガード下ゆえに、上に山の手線が走ると、音は聴こえなくなるのだ。彼もまた、エコーを求めているのかな。演奏はちゃんとは聴いてないんだが、今度そっと聴きに行ってみようかな。
ENT>MUSIC>ESSAY
エコー。
近くのツタヤによった帰りに、車を走らせていると五反田駅のガード下で、なんとサックスを吹いている黒人がいた。夜の12時半くらいか。最初は通り過ぎたのだが、瞬間、なんでこんなところでと思い、車をバックさせてみた。(普通はバックなんかさせない。物好きだ) こんなところ、終電終ったら誰も通らないぞ。(笑)
確かにそこはちょうどガード下なので音が響く。昔、アカペラ・コーラス・グループがエコーがいいので、ガード下、橋下などで練習したが、彼のサックスもけっこう響いていた。
僕が車を寄せると、彼が近寄ってきた。彼に尋ねた。「毎日、ここでプレイしているの?」 「ああ、11時半くらいから1時くらいまでかな。毎日、やってるよ」 「どこ出身?」 「元々はジャマイカだ。その後、ニューヨーク、ロスアンジェルス。でも、ロスアンジェルスはあんまり好きじゃない」 「普段は何をしてる人?」 「作家(writer)だ。映画の脚本を書いている。今も日本人俳優の脚本、書いてるんだ。原宿、表参道、代官山、渋谷、そんなところが舞台の映画だよ」 「へえ〜〜」
しばらく雑談していると彼に名刺があるかと言われたので、ちょっと躊躇したが渡した。そして、「僕はメルヴィンだ。よろしく」と言う。ところどころ、日本語をまじえ、少し訛りのある英語だ。そんな彼がこう尋ねてきた。「映画『グリーンマイル』って知ってるか?」 「もちろん、知ってるよ。スティーヴン・キングでしょ」 「あれは俺が書いたんだ。でも、やつらが盗んだ。ハリウッドのプロデューサーたちが、俺のアイデアを盗んだんだ」 「へえ、じゃあ、訴えったらどうなの?」 「そう弁護士に聞いたが、大きなスタジオ、有名なライター、彼らは巨額のマネーを持っていて、こっちも金を持ってないと、まったく勝てないって言われたよ。でも、俺はいいんだ。アイデアはいくらでもあるからな。書いて書いて書きまくるのさ。ははは」
まあ、話半分というか、どこまで本当かまったくわからないのだが、こういう胡散臭い(うさんくさい)、怪しげな人物の話って、けっこう茶飲み話題におもしろい。例えば、日本で言えば、そうだなあ、松本清張の『点と線』、あれ、俺が書いたんだよ、と言うようなものだもんなあ。なかなか言えないよねえ。あるいはすっごく有名なヒット曲、例えば「およげたいやき君」をして、あれ、俺が書いたんだ、みたいな話。
しかし、なんであんな人通りも少ないガード下で毎日演奏してるんだろう。もっと人が集まりそうなところでやればいいのに。ガード下ゆえに、上に山の手線が走ると、音は聴こえなくなるのだ。彼もまた、エコーを求めているのかな。演奏はちゃんとは聴いてないんだが、今度そっと聴きに行ってみようかな。
ENT>MUSIC>ESSAY
夏休み、お盆スペシャルとして、昨日と今日に分けて、二人の大学生のとある夏の物語をお送りします。ノンフィクションですが、登場人物は仮名です。
【「シリー・ラヴ・レターズ」パート2】
87年夏。二人の大学生が2ヶ月の夏休みの間にアメリカ本土全州制覇をする計画を立てた。そのうちの一人が、ガールフレンドに毎日絵葉書を描き綴り各地から送った。一体どのような旅になったのか。その絵葉書は、どうなったのか。とあるサマー・オブ・87の物語・・・。
■登場人物
イチロー=日本からの大学生
チューイ=イチローと同じ日本の大学からやってきた大学生
アイリス=イチローのガールフレンド
+++Postcards Of Summer Of 87
感動。
旅を続け、そこで触れる大自然は素晴らしかった。どの国立公園も景色が異なり、新たな国立公園に到着するときはいつも期待で胸が高まった。国立公園以外でも大自然は常に二人を魅了した。
ナイアガラの大瀑布(だいばくふ)、エメラルド・グリーンの海を走るキーウエストへのまっすぐの道、遥か谷底をメキシコとの国境を成すリオ・グランデ河が流れる絶壁、カリフォルニアの猛烈な砂漠の暑さ、地球上とは思えない不思議で壮大な景色が続くユタの巨石群、樹齢2000年以上でその周囲が20メートル以上のセコイア杉が無数に佇む森、ワイオミングの雄大な山々をバックに動くバッファローの大群、巨大な地下ドームが突然現れる洞窟とその入口を守る無数のコウモリ、標高4000メートル以上まで車で登り夜明けを迎えたロッキー山脈の神々しい山々。夜、国道でヘッドライトを消すと真っ暗闇になり、夜空に数え切れないほどの星が瞬いた。アメリカの大きな自然を彼らは感じ続けた。
イチローは、そんな大自然の感動を一枚一枚アイリスへの絵葉書にしたためた。全米の自然の雄大さがイチローが綴る絵葉書に載ってアイリスの元へ届いた。
街を抜けるとしばらくは砂漠のど真ん中にある道をひたすら走るだけで、景色はほとんど変わらないこともしばしばあった。国立公園でトレッキングしたりする以外は、毎日1日12時間以上走ってほとんどの時間を車の運転で過ごしていた。次第に二人は話すこともなくなってきた。
タイアが一度もパンクしなかったことが奇蹟だった。エンジンも、丈夫でエンストすることは一度もなかった。しかし、まずはパワーウインドウが効かなくなり、窓の上げ下げは手動になった。やがてエアコンも壊れ、そしてパワーステアリングがだめになり、ハンドルを回すのにも大変な力が必要になっていた。オイル漏れもひどかった。ガソリン・スタンドで直せるものは直してもらった。一度はそれでもだめで、イエローページで自動車工場を探し、訪ねたこともあった。2000ドルの中古車で全米を制覇するなどというのが、もともと無謀だったのだろうか。車の悩みは尽きなかった。旅の間中、決して壊れることはなかったカーラジオからは、ハートの「アローン」が何度も流れていた。
+++Keep On Driving, Sleeping In The Car
走行。
ある街ではこの車を売って新しい車にしようかとも考え、中古車の店に行ったが、いくらかつくかと思ったら、「置いてってもいいよ」としか言われなかった。つまり、値段は付かないのだ。捨てる費用がかかるが、それはいらないという程度のものだった。フリーウェイをまっすぐ走るだけだったら、何も問題はなかったし、余分なお金もなかったので、そのまま旅を続けた。ただ駐車するときや、細い道でハンドルを細かく切らなければならないときなどは汗だくの重労働だった。
食事はガソリン・スタンドやコンビニのようなところで、3本1ドルのホットドッグを買ったりしてすませた。レストランなどでの外食はせずにほとんど自炊だった。チューイの持参した自炊セットで、お湯を沸かしインスタント・ラーメンを作ったり、スーパーで買ったパンとハムで作ったサンドイッチが主食となった。最初はキャンプ場でテントを張って泊まっていたが、やがてはテントを張ることも面倒になり、かつ僅かなキャンプ場の使用料も節約するために、車の中で寝ることが多くなった。
「遅番」がまだ寝ているうちから「早番」が先に起きて運転を始め、やがて「遅番」が起きて朝食の用意をし、昼過ぎからは「遅番」が運転をして、夜は「早番」が先に寝て、「遅番」は自分が眠くなるまで運転して、眠くなったら車を道端に停めて寝る。いつの間にかそんなパターンの毎日となった。幸い、危ない目には一度も遭わずにすんだ。車もおんぼろの中古車だったし、二人とも日焼けして汚い格好だったせいか、周囲に気をとめられることもなく、悪い連中からもからまれることはなかった。彼らは走り続けた。スターシップの「ナッシングス・ゴナ・ストップ・アス・ナウ」は、春先からヒットしていたが、夏の間中も、全米どこの地域へ移動してもラジオから流れてきた。「何も俺たちを止めるものはない」。まさに二人のテーマと重なっていた。
街と街の間で、ラジオの電波が入らない場所がいくつかあった。そういうところでは、チューイはボブ・ディランをかけたり、イチローはジャクソン・ブラウンのテープをかけたりもした。二人のお気に入りのポール・サイモンやブルース・スプリングスティーンのテープも何度も聴いた。こうした曲は彼ら二人の、87年夏の思い出の曲となっていった。それらの曲を今聴くと、瞬時に彼らを87年のあの夏に連れ戻してくれるのだ。
+++Hey Mr. Postman
ポストマン。
アイリスはその「シリー・ラヴ・レター」を毎日、楽しみに待った。日々、イチローたちがどこの州の何という街にきているのか、何をしたかなどが刻々と報告されてきた。絵葉書に書かれているイチローたちが聴いている同じ曲をラジオで聴いたり、時にレコードをかけながら絵葉書を読んでいると、彼女自身もイチローたちと一緒に全米を旅しているかのような気になった。彼らは同じアーティストの同じ曲でもつながっていた。
Eメールも、ファクスもなかったその頃の唯一のコミュニケーションの手段。それが肉筆の手紙、しかもコピーも存在しない世界でたった一通のイチローからアイリスへの絵葉書だった。アイリスは毎日ポストマンがやってくる時間になると、自宅のポストの前で待ち構えることもあった。やがて、やってくるポストマンの顔も覚えた。
ある時、アイリスが買い物にでかけた時、街中(まちなか)でいつものポストマンが郵便配達をしているところを見かけた。前々日から「シリー・ラヴ・レター」が来ていなかった。そこで、思い切って彼女はそのポストマンのところに駆け寄って尋ねてみた。「私はモンティセロ通りに住んでいるアイリスです。今日、私宛の絵葉書はないかしら?」
するとそのポストマンは最初怪訝そうに彼女を見つめたが、ふと何かがわかったような顔をして言った。「君は『シリー・ラヴ・レター』のことを話してるのかな?」 ポストマンも見て知っていたのか、あるいは毎日のように届くその絵葉書を見るでもなく覚えてしまったのか。 「そうよ!(苦笑) 今日は来てないの? 私宛の『シリー・ラヴ・レター』!」
彼はものすごく残念そうな顔をして彼女に言った。「I’m so sorry.(ごめんなさい)」。それを聞いてアイリスは今日もまた来ていないのかと落胆して肩を落としつぶやいた。「OK…Thank you…(わかりました。ありがとう)」。だが、その後すぐにポストマンがにっこりしながら付け加えた。「Today, I have only 3 Silly Love Letters !(今日はシリー・ラヴ・レターはたったの3通しか来てないよ !)」。そして、ポストマンは黒いバッグから3通の絵葉書を取り出しアイリスの手に渡した。アイリスはポストマンに抱きついた。
+++Wall Of Iris
壁。
結局、イチローとチューイの旅は約2ヶ月と2週間続き、出発地のアイオワに戻ってきた時、全48州を横断したダッジ・オムニの走行距離は5万マイル(8万キロ)を超えていた。軽く1日1000キロ以上走った計算になった。
イチローが書き綴った最後の「シリー・ラヴ・レター」はちょうど60通目となり、シカゴでアイリスがイチローに再会した数日後に到着した。だが、1通だけアイリスの元に届かなかった絵葉書があった。イチローとチューイのアメリカ本土全州制覇の旅は無事終わり、3人は再会し59通のシリー・ラヴ・レターはアイリスの壁に貼られたが、1通のシリー・ラヴ・レターの放浪の旅はまだ続いている。
彼らがシカゴに戻ってきた時、イチローとチューイの「サマー・オブ・87」は終ろうとしていた。ロス・ロボスの「ラ・バンバ」が彼らの帰還を陽気に迎えているかのように、はしゃいだサウンドをラジオから流していた。ジグゾー・パズルのピースが一枚だけ欠けているアイリスの壁は、87年夏の3人にとって大切な宝物のような思い出になった・・・。
(おわり)
(名前はすべて仮名です)
ENT>MUSI>ESSAY>Silly Love Letters
【「シリー・ラヴ・レターズ」パート2】
87年夏。二人の大学生が2ヶ月の夏休みの間にアメリカ本土全州制覇をする計画を立てた。そのうちの一人が、ガールフレンドに毎日絵葉書を描き綴り各地から送った。一体どのような旅になったのか。その絵葉書は、どうなったのか。とあるサマー・オブ・87の物語・・・。
■登場人物
イチロー=日本からの大学生
チューイ=イチローと同じ日本の大学からやってきた大学生
アイリス=イチローのガールフレンド
+++Postcards Of Summer Of 87
感動。
旅を続け、そこで触れる大自然は素晴らしかった。どの国立公園も景色が異なり、新たな国立公園に到着するときはいつも期待で胸が高まった。国立公園以外でも大自然は常に二人を魅了した。
ナイアガラの大瀑布(だいばくふ)、エメラルド・グリーンの海を走るキーウエストへのまっすぐの道、遥か谷底をメキシコとの国境を成すリオ・グランデ河が流れる絶壁、カリフォルニアの猛烈な砂漠の暑さ、地球上とは思えない不思議で壮大な景色が続くユタの巨石群、樹齢2000年以上でその周囲が20メートル以上のセコイア杉が無数に佇む森、ワイオミングの雄大な山々をバックに動くバッファローの大群、巨大な地下ドームが突然現れる洞窟とその入口を守る無数のコウモリ、標高4000メートル以上まで車で登り夜明けを迎えたロッキー山脈の神々しい山々。夜、国道でヘッドライトを消すと真っ暗闇になり、夜空に数え切れないほどの星が瞬いた。アメリカの大きな自然を彼らは感じ続けた。
イチローは、そんな大自然の感動を一枚一枚アイリスへの絵葉書にしたためた。全米の自然の雄大さがイチローが綴る絵葉書に載ってアイリスの元へ届いた。
街を抜けるとしばらくは砂漠のど真ん中にある道をひたすら走るだけで、景色はほとんど変わらないこともしばしばあった。国立公園でトレッキングしたりする以外は、毎日1日12時間以上走ってほとんどの時間を車の運転で過ごしていた。次第に二人は話すこともなくなってきた。
タイアが一度もパンクしなかったことが奇蹟だった。エンジンも、丈夫でエンストすることは一度もなかった。しかし、まずはパワーウインドウが効かなくなり、窓の上げ下げは手動になった。やがてエアコンも壊れ、そしてパワーステアリングがだめになり、ハンドルを回すのにも大変な力が必要になっていた。オイル漏れもひどかった。ガソリン・スタンドで直せるものは直してもらった。一度はそれでもだめで、イエローページで自動車工場を探し、訪ねたこともあった。2000ドルの中古車で全米を制覇するなどというのが、もともと無謀だったのだろうか。車の悩みは尽きなかった。旅の間中、決して壊れることはなかったカーラジオからは、ハートの「アローン」が何度も流れていた。
+++Keep On Driving, Sleeping In The Car
走行。
ある街ではこの車を売って新しい車にしようかとも考え、中古車の店に行ったが、いくらかつくかと思ったら、「置いてってもいいよ」としか言われなかった。つまり、値段は付かないのだ。捨てる費用がかかるが、それはいらないという程度のものだった。フリーウェイをまっすぐ走るだけだったら、何も問題はなかったし、余分なお金もなかったので、そのまま旅を続けた。ただ駐車するときや、細い道でハンドルを細かく切らなければならないときなどは汗だくの重労働だった。
食事はガソリン・スタンドやコンビニのようなところで、3本1ドルのホットドッグを買ったりしてすませた。レストランなどでの外食はせずにほとんど自炊だった。チューイの持参した自炊セットで、お湯を沸かしインスタント・ラーメンを作ったり、スーパーで買ったパンとハムで作ったサンドイッチが主食となった。最初はキャンプ場でテントを張って泊まっていたが、やがてはテントを張ることも面倒になり、かつ僅かなキャンプ場の使用料も節約するために、車の中で寝ることが多くなった。
「遅番」がまだ寝ているうちから「早番」が先に起きて運転を始め、やがて「遅番」が起きて朝食の用意をし、昼過ぎからは「遅番」が運転をして、夜は「早番」が先に寝て、「遅番」は自分が眠くなるまで運転して、眠くなったら車を道端に停めて寝る。いつの間にかそんなパターンの毎日となった。幸い、危ない目には一度も遭わずにすんだ。車もおんぼろの中古車だったし、二人とも日焼けして汚い格好だったせいか、周囲に気をとめられることもなく、悪い連中からもからまれることはなかった。彼らは走り続けた。スターシップの「ナッシングス・ゴナ・ストップ・アス・ナウ」は、春先からヒットしていたが、夏の間中も、全米どこの地域へ移動してもラジオから流れてきた。「何も俺たちを止めるものはない」。まさに二人のテーマと重なっていた。
街と街の間で、ラジオの電波が入らない場所がいくつかあった。そういうところでは、チューイはボブ・ディランをかけたり、イチローはジャクソン・ブラウンのテープをかけたりもした。二人のお気に入りのポール・サイモンやブルース・スプリングスティーンのテープも何度も聴いた。こうした曲は彼ら二人の、87年夏の思い出の曲となっていった。それらの曲を今聴くと、瞬時に彼らを87年のあの夏に連れ戻してくれるのだ。
+++Hey Mr. Postman
ポストマン。
アイリスはその「シリー・ラヴ・レター」を毎日、楽しみに待った。日々、イチローたちがどこの州の何という街にきているのか、何をしたかなどが刻々と報告されてきた。絵葉書に書かれているイチローたちが聴いている同じ曲をラジオで聴いたり、時にレコードをかけながら絵葉書を読んでいると、彼女自身もイチローたちと一緒に全米を旅しているかのような気になった。彼らは同じアーティストの同じ曲でもつながっていた。
Eメールも、ファクスもなかったその頃の唯一のコミュニケーションの手段。それが肉筆の手紙、しかもコピーも存在しない世界でたった一通のイチローからアイリスへの絵葉書だった。アイリスは毎日ポストマンがやってくる時間になると、自宅のポストの前で待ち構えることもあった。やがて、やってくるポストマンの顔も覚えた。
ある時、アイリスが買い物にでかけた時、街中(まちなか)でいつものポストマンが郵便配達をしているところを見かけた。前々日から「シリー・ラヴ・レター」が来ていなかった。そこで、思い切って彼女はそのポストマンのところに駆け寄って尋ねてみた。「私はモンティセロ通りに住んでいるアイリスです。今日、私宛の絵葉書はないかしら?」
するとそのポストマンは最初怪訝そうに彼女を見つめたが、ふと何かがわかったような顔をして言った。「君は『シリー・ラヴ・レター』のことを話してるのかな?」 ポストマンも見て知っていたのか、あるいは毎日のように届くその絵葉書を見るでもなく覚えてしまったのか。 「そうよ!(苦笑) 今日は来てないの? 私宛の『シリー・ラヴ・レター』!」
彼はものすごく残念そうな顔をして彼女に言った。「I’m so sorry.(ごめんなさい)」。それを聞いてアイリスは今日もまた来ていないのかと落胆して肩を落としつぶやいた。「OK…Thank you…(わかりました。ありがとう)」。だが、その後すぐにポストマンがにっこりしながら付け加えた。「Today, I have only 3 Silly Love Letters !(今日はシリー・ラヴ・レターはたったの3通しか来てないよ !)」。そして、ポストマンは黒いバッグから3通の絵葉書を取り出しアイリスの手に渡した。アイリスはポストマンに抱きついた。
+++Wall Of Iris
壁。
結局、イチローとチューイの旅は約2ヶ月と2週間続き、出発地のアイオワに戻ってきた時、全48州を横断したダッジ・オムニの走行距離は5万マイル(8万キロ)を超えていた。軽く1日1000キロ以上走った計算になった。
イチローが書き綴った最後の「シリー・ラヴ・レター」はちょうど60通目となり、シカゴでアイリスがイチローに再会した数日後に到着した。だが、1通だけアイリスの元に届かなかった絵葉書があった。イチローとチューイのアメリカ本土全州制覇の旅は無事終わり、3人は再会し59通のシリー・ラヴ・レターはアイリスの壁に貼られたが、1通のシリー・ラヴ・レターの放浪の旅はまだ続いている。
彼らがシカゴに戻ってきた時、イチローとチューイの「サマー・オブ・87」は終ろうとしていた。ロス・ロボスの「ラ・バンバ」が彼らの帰還を陽気に迎えているかのように、はしゃいだサウンドをラジオから流していた。ジグゾー・パズルのピースが一枚だけ欠けているアイリスの壁は、87年夏の3人にとって大切な宝物のような思い出になった・・・。
(おわり)
(名前はすべて仮名です)
ENT>MUSI>ESSAY>Silly Love Letters