【ブルース・ブラザース・バンド、ライヴ〜ハッピーバースデイ・トゥ・キヨシロー】
誕生日。
その昔のスタックスのR&Bが大好きな白人二人組、ブルース・ブラザースが結成されたのは、1978年のこと。以来、29年、彼らはソウルをプレイしつづけている。2003年1月以来約4年3ヶ月ぶりの来日。そうか、前回評を読み返して、エディー・フロイドが来ていたことを思い出す。
相変わらず、タイトないいバンド、いいサウンド。昔ながらの顔がステージにずらりと並ぶ。スティーヴ・クロッパーのギター、ちょっとやせた御茶ノ水博士みたいなキーボードのアンソニー・クラウド、山本監督風のスティーヴ・ハワード、サングラス姿がちょっとミスターマリック的風貌のサックス・ルー・マリーニ、ダニー・デヴィート似のギター、ジョン・トロペイ。
ところで、『ソウル・サーチン:ザ・セッション〜アレサ・フランクリン』の「シンク」のパフォーマンスのときに、ダンスを踊ってくれた日本のブルース・ブラザース・バンドもやってきて、「シェイク・ア・テイル・フェザー」が始まると、客席で踊りだした。赤のスーツに帽子サングラスのナニワ・エルウッドと、黒のスーツに帽子サングラスのジェイク・タモン(二人そろうと、ちょー目立つ)。完璧だ。なんと、ステージ上の本物より、ちゃんと踊るではないか。(笑) 彼らはちなみに、火曜、土曜、日曜は二人揃っていくそうだ。他の曜日はどちらか一人になる、という。(いずれもセカンド)
みんなサム&デイヴや、スタックス・サウンドが大好きで、それをコピーして楽しんでいる、というのが伝わってくる。日本のブルース・ブラザースは結局、アンコールでステージにあげられた。次は、やはり「シェイク〜」のところで舞台に上がってもらいたい。
「ソウル・マン」を終え、万雷の拍手の中、彼らがもどってくると、サックスのマリーナがメンバー紹介を始めた。「27年、ずっと、いや、29年か、一緒にやってきている。でも実は、今だに僕は学生なんだけどね。専攻は、ウーマン(女性)。女性について勉強してるんだ。また東京に来れて、うれしい、なにしろ一週間、同じホテルに滞在できるんだからな」 そして、マイクがブルース・ブラザースに渡され、MCが続いた。「ずっと昔からブルース・ブラザースのファンである人物が今日、誕生日なんだ。ハッピーバースデイと言いたい。キヨシロー!!」
お〜〜っと、また、来たか。 忌野清志郎! サム・ムーア以来だ。しっかり来てる、すばらしい。ステージに上がると、ノーメークながら、髪がふさふさになっている。前回、このブルーノートで見たときには、スキンヘッドだった。スタッフから大きな誕生日ケーキがプレゼントされ、ろうそくを吹き消す。拍手。そしてMCが言った。「彼は医者には歌ってはいけないと言われているそうだが、ここの扉をひとたび開けてしまえば関係ない。一曲歌ってくれるよ。『イン・ザ・ミッドナイト・アワー』だ!」 お〜〜〜っ。そして、バンドが演奏を始めた。客席も、みな立ち上がった。僕も。
イントロから歌に入ると、しっかり声がでているではないか。前回の「アイ・サンキュー」の時より、もっとでているような気がした。体調いいのかな。彼もまた、サム&デイヴやスタックスのレコードが大好きで、ブルース・ブラザースやスティーヴ・クロッパーなどのミュージシャンと親しくなった。清志郎節の「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」は熱かった。途中、ワンフレーズくらいを日本語にして。いやあ、いいなあ。歌自体は、本家のブラザース二人より、ソウルなんじゃないか? (笑) 彼はソウルの曲ばっかり歌うライヴとかしないのかなあ。彼の体調が万全に戻ったら、一度見てみたい。
「いやあ、本当に、こんなすばらしい誕生日をありがとう、イエー」 清志郎は歌い終えて一言叫んだ。彼は1951年4月2日生まれだったんですね。56歳、おめでとうございます。
実は、この日はシャイ・ライツか、ブルース・ブラザースか迷っていたのだが、盟友ハセヤンがブルース・ブラザースに行こうぜ、と強引に誘ってくれたので、こっちに来た。大感謝。大正解。もちろん、シャイ・ライツも明日以降に行きますけどね。(笑)
ライヴが終わって、何人かミュージシャンがでてきた。スティーヴ・クロッパーがファンに囲まれ、サインをしていた。なんとカタカナで自分の名前を書いていた。名刺を渡しながら、「いつもソウルをサーチンしてるんです。今日は、ソウルを見つけましたよ」と言ったら、「まあ、そこそこかな」と手を広げた。その冷めたところが妙によかった。(笑)
(フィリップ・ウー・インタヴュー、ビリー・プレストン・トリビュートについては明日以降にご紹介します)
■過去関連記事
2003/01/22 (Wed)
Blues Brothers @ Bluenote
ブルース・ブラザースの前回の来日時のライヴ評
http://www.soulsearchin.com//entertainment/movie/review/diary20030122.html
November 18, 2006
Sam Moore With Surprising Finale: Sam, You Are So Beautiful
サム・ムーア来日時のライヴ評 清志郎さん飛び入り。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200611/2006_11_18.html
November 15, 2006
We Want More Moore, Not Some Moore
サム・ムーア・ライヴ評
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_15.html
■メンバー: Members
Tommy "Pipes" McDonnell (Vocal, Harp)
Rob "The Honeydripper" Paparozzi (Vocal, Harp)
Larry "Dog Bone" Farrell (Trombone)
Lou "Blue Lou" Marini (Sax)
Steve "Catfish" Howerd (Trumpet)
Anthony "Rusty" Cloud (Keyboards)
"Smokin" John Tropea (Guitar)
Steve "The Colonel" Cropper (Guitar)
Eric "The Red" Udel (Bass)
Lee "Funkytime" Finkelstein (Drums)
■Setlist : Blues Brothers Band @ Blue Note, April 2, 2007
セットリスト ブルース・ブラザース・バンド ブルーノート東京、2007年4月2日セカンドセット
show started 21:33
01. Green Onions
02. Peter Gunn -- A Riff Of "Soul Finger"
03. Gimme Some Lovin’
04. She Caught The Katy
05. Looking For A Fox
06. Messin’ With The Kid
07. Shake A Tail Feather
08. A Riff Of "Sukiyaki" -- Flip, Flop, Fly
09. Shot Gun Blues
10. Minnie The Moocher
11. Sweet Home Chicago
12. Soul Man -- I Can’t Turn Your Loose
Enc1. In The Midnight Hour (Imawano Kiyoshiro)
Enc2. Everybody Needs Somebody To Love
show ended 22:58
(2007年4月2日月曜、東京ブルーノート、ブルース・ブラザース・バンド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Blues Brothers Band
2007-38
誕生日。
その昔のスタックスのR&Bが大好きな白人二人組、ブルース・ブラザースが結成されたのは、1978年のこと。以来、29年、彼らはソウルをプレイしつづけている。2003年1月以来約4年3ヶ月ぶりの来日。そうか、前回評を読み返して、エディー・フロイドが来ていたことを思い出す。
相変わらず、タイトないいバンド、いいサウンド。昔ながらの顔がステージにずらりと並ぶ。スティーヴ・クロッパーのギター、ちょっとやせた御茶ノ水博士みたいなキーボードのアンソニー・クラウド、山本監督風のスティーヴ・ハワード、サングラス姿がちょっとミスターマリック的風貌のサックス・ルー・マリーニ、ダニー・デヴィート似のギター、ジョン・トロペイ。
ところで、『ソウル・サーチン:ザ・セッション〜アレサ・フランクリン』の「シンク」のパフォーマンスのときに、ダンスを踊ってくれた日本のブルース・ブラザース・バンドもやってきて、「シェイク・ア・テイル・フェザー」が始まると、客席で踊りだした。赤のスーツに帽子サングラスのナニワ・エルウッドと、黒のスーツに帽子サングラスのジェイク・タモン(二人そろうと、ちょー目立つ)。完璧だ。なんと、ステージ上の本物より、ちゃんと踊るではないか。(笑) 彼らはちなみに、火曜、土曜、日曜は二人揃っていくそうだ。他の曜日はどちらか一人になる、という。(いずれもセカンド)
みんなサム&デイヴや、スタックス・サウンドが大好きで、それをコピーして楽しんでいる、というのが伝わってくる。日本のブルース・ブラザースは結局、アンコールでステージにあげられた。次は、やはり「シェイク〜」のところで舞台に上がってもらいたい。
「ソウル・マン」を終え、万雷の拍手の中、彼らがもどってくると、サックスのマリーナがメンバー紹介を始めた。「27年、ずっと、いや、29年か、一緒にやってきている。でも実は、今だに僕は学生なんだけどね。専攻は、ウーマン(女性)。女性について勉強してるんだ。また東京に来れて、うれしい、なにしろ一週間、同じホテルに滞在できるんだからな」 そして、マイクがブルース・ブラザースに渡され、MCが続いた。「ずっと昔からブルース・ブラザースのファンである人物が今日、誕生日なんだ。ハッピーバースデイと言いたい。キヨシロー!!」
お〜〜っと、また、来たか。 忌野清志郎! サム・ムーア以来だ。しっかり来てる、すばらしい。ステージに上がると、ノーメークながら、髪がふさふさになっている。前回、このブルーノートで見たときには、スキンヘッドだった。スタッフから大きな誕生日ケーキがプレゼントされ、ろうそくを吹き消す。拍手。そしてMCが言った。「彼は医者には歌ってはいけないと言われているそうだが、ここの扉をひとたび開けてしまえば関係ない。一曲歌ってくれるよ。『イン・ザ・ミッドナイト・アワー』だ!」 お〜〜〜っ。そして、バンドが演奏を始めた。客席も、みな立ち上がった。僕も。
イントロから歌に入ると、しっかり声がでているではないか。前回の「アイ・サンキュー」の時より、もっとでているような気がした。体調いいのかな。彼もまた、サム&デイヴやスタックスのレコードが大好きで、ブルース・ブラザースやスティーヴ・クロッパーなどのミュージシャンと親しくなった。清志郎節の「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」は熱かった。途中、ワンフレーズくらいを日本語にして。いやあ、いいなあ。歌自体は、本家のブラザース二人より、ソウルなんじゃないか? (笑) 彼はソウルの曲ばっかり歌うライヴとかしないのかなあ。彼の体調が万全に戻ったら、一度見てみたい。
「いやあ、本当に、こんなすばらしい誕生日をありがとう、イエー」 清志郎は歌い終えて一言叫んだ。彼は1951年4月2日生まれだったんですね。56歳、おめでとうございます。
実は、この日はシャイ・ライツか、ブルース・ブラザースか迷っていたのだが、盟友ハセヤンがブルース・ブラザースに行こうぜ、と強引に誘ってくれたので、こっちに来た。大感謝。大正解。もちろん、シャイ・ライツも明日以降に行きますけどね。(笑)
ライヴが終わって、何人かミュージシャンがでてきた。スティーヴ・クロッパーがファンに囲まれ、サインをしていた。なんとカタカナで自分の名前を書いていた。名刺を渡しながら、「いつもソウルをサーチンしてるんです。今日は、ソウルを見つけましたよ」と言ったら、「まあ、そこそこかな」と手を広げた。その冷めたところが妙によかった。(笑)
(フィリップ・ウー・インタヴュー、ビリー・プレストン・トリビュートについては明日以降にご紹介します)
■過去関連記事
2003/01/22 (Wed)
Blues Brothers @ Bluenote
ブルース・ブラザースの前回の来日時のライヴ評
http://www.soulsearchin.com//entertainment/movie/review/diary20030122.html
November 18, 2006
Sam Moore With Surprising Finale: Sam, You Are So Beautiful
サム・ムーア来日時のライヴ評 清志郎さん飛び入り。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200611/2006_11_18.html
November 15, 2006
We Want More Moore, Not Some Moore
サム・ムーア・ライヴ評
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_15.html
■メンバー: Members
Tommy "Pipes" McDonnell (Vocal, Harp)
Rob "The Honeydripper" Paparozzi (Vocal, Harp)
Larry "Dog Bone" Farrell (Trombone)
Lou "Blue Lou" Marini (Sax)
Steve "Catfish" Howerd (Trumpet)
Anthony "Rusty" Cloud (Keyboards)
"Smokin" John Tropea (Guitar)
Steve "The Colonel" Cropper (Guitar)
Eric "The Red" Udel (Bass)
Lee "Funkytime" Finkelstein (Drums)
■Setlist : Blues Brothers Band @ Blue Note, April 2, 2007
セットリスト ブルース・ブラザース・バンド ブルーノート東京、2007年4月2日セカンドセット
show started 21:33
01. Green Onions
02. Peter Gunn -- A Riff Of "Soul Finger"
03. Gimme Some Lovin’
04. She Caught The Katy
05. Looking For A Fox
06. Messin’ With The Kid
07. Shake A Tail Feather
08. A Riff Of "Sukiyaki" -- Flip, Flop, Fly
09. Shot Gun Blues
10. Minnie The Moocher
11. Sweet Home Chicago
12. Soul Man -- I Can’t Turn Your Loose
Enc1. In The Midnight Hour (Imawano Kiyoshiro)
Enc2. Everybody Needs Somebody To Love
show ended 22:58
(2007年4月2日月曜、東京ブルーノート、ブルース・ブラザース・バンド・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Blues Brothers Band
2007-38