【スライ&オークランド・ファンク・トリビュート・イヴェント】

大勢。

大型ファンク・グループ、ソイソウルのバンドマスターであるベース奏者、マルさんこと丸本修さんが音頭をとって、アメリカ西海岸サンフランシスコ郊外オークランドを中心に活躍してきたファンク・グループの作品ばかりをカヴァーして、そうした「オークランド・ファンク」にトリビュートしようというイヴェント的ライヴが、目黒ブルースアレーで行われた。

ドラムス、ギター、ベース、キーボードのほかに4人のホーンセクション、そして、多数のヴォーカル・ゲストを迎えた超大型バンド。アンコールで全員がステージに上ったときには19人ほどになっていた。とにかく大勢、ファンクは人数だ。

セットリスト16曲中、6曲以外はすべてスライ&ファミリー・ストーンの作品。6曲のうち2曲は、スライのところのベース奏者ラリー・グラハムが始めたグラハム・セントラル・ステーションの作品。ほかに、コールド・ブラッド、タワー・オブ・パワー、ポインター・シスターズまで選ばれた。

トミーさんという大柄なシンガーは、大きなアフロヘアーでひじょうにユニークなキャラクターでおもしろかった。普段はベッチンのバンドで歌っているという。ポインターズのヒットでは、超大御所吉田美奈子さんまで登場。さすが、ヴェテラン丸さんならではの人脈だ。

なんといっても、下記セットリストで見られるように選曲が最高だ。丸さんは「スライとか言っても、結局、日本ではあまりぱっとしないじゃない。だから、スポットを当てる意味でも、こういうのをやってみたんだ」と言った。ステージでも彼はこの曲でスライにのめりこむようになった、ひいてはオークランド・ファンクに目覚めるようになったと説明しながら、「ファミリー・アフェアー」を演奏していた。

また今年中にもう一度くらい同じ趣旨でやってみたい、ということだ。

■メンバー
BLUES ALLEY JAPAN Players Nite
Marusan Present Live Sly & Oakland Funk Tribute

★FUNKESTRA
(B)丸本修 (G)佐藤純郎 (Ds)岸田容男 (Sax)渡辺ファイアー 
(Tp)川嵜淳一、寺内茂 (Tb)小坂武巳 (key)藤川学史 (key) Gakushi
★SPECIAL GUEST MUSICIANS
(Vo)吉田美奈子、ZOOCO、CHAKA、Caize、TOMMY、Rico、置田恭子 (key)西脇辰也
(Cho)NudyLine (B)江川ほーじん 

Setlist : Funkestra @ Blues Alley, Japan, June 20, 2007
セットリスト ファンケストラ @ ブルースアレー・ジャパン
[Sly & Family Stone songs otherwise indicated]
[特記なきものは、すべてスライ&ファミリー・ストーンのヒット]

First Set
show started 19:42
01. Thank You
02. Dance To The Music (Tommy, Caize)
03. Sing A Simple Song (Tommy, Caize)
04. Can’t You See [Tower Of Power] (Tommy, Caize)
05. Stand! (Tommy, Caize)
06. You Can Make It If You Try (Tommy, Caize)
07. Hair [Graham Central Station] (Chaka)
08. No Way Home [Cold Blood] (Chaka)
show ended 20:37

Second Set
show started 21:07
01. If You Want Me To Stay (Rico)
02. Your Man My Man [Betty Davis] (Zooco, Egawa Hoojin)
03. Thank You (Zooco)
04. Yes, We Can Can [Pointer Sisters] (Zooco, Yoshida Minako, Okita Kyoko)
05. Everyday People (Zooco, Yoshida Minako, Okita Kyoko)
06. Family Affair (Zooco, Yoshida Minako, Okita Kyoko) (+Nishiwaki Tatsuya)
07. I Want To Take You Higher (Zooco, Yoshida Minako, Okita Kyoko)
Enc. Release Yourself [Graham Central Station] (all)
show ended 22:22

(2007年6月20日水曜、目黒ブルースアレー=ファンケストラ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Funkestra
2007-81
【クリスティーナ・アギレラ豪華絢爛ショー】

豪華絢爛。

幕が上がるとそこには10段近い階段状のステージ。一見マリリン・モンローを思わせるクリスティーナが向こうからライトに照らされ忽然とシルエット姿をあらわす。ステージのメンバー全員が白の衣装に身を包み、1950年代のブロードウェイ・ミュージカルを彷彿とさせるショーアップされたステージが始まった。

CDでは若い人向けのシンガーという印象だが、このショーアップされたステージは、ブロードウェイ、あるいは、ラスヴェガスあたりでも十分通用する大人向けのショーで驚いた。全曲、プロモーション用ビデオクリップのように、ヴィジュアルが計算されている。まさにブロードウェイのミュージカルや、プロモ・ビデオをその場でライヴ感覚で見せられているショーという感じだ。

映像の使い方は、最近のアーティストはみなうまいが、彼女も上手に使っている。3曲目「バック・イン・ザ・デイ(あの頃)」では、ダニー・ハザウェイ、グラディス・ナイト、アイズレー・ブラザース、ビリー・ホリデイ、マーヴィン・ゲイ、ジョン・コルトレーン、レイ・チャールズ、エラ・フィッツジェラルド、マイルス・デイヴィス、アレサ・フランクリン、エタ・ジェームスなどの文字が躍り、そこにモノクロの昔の写真がでてきた。なるほど、そんなアーティストの影響を受けてきたのか。

ドラムス、ギター、ベース、キーボード、パーカッション、コーラス3人、ホーンセクション4人(トランペット、トロンボーン各1、サックス2)、これにダンサー8人、そしてクリスティーナという最大21人がオン・ステージ。緻密に演出されたステージは決して観客を飽きさせない。衣装チェンジも10回近い。客層は8−2で圧倒的に若い女性。

ほとんどアップテンポの作品で、全21曲中15曲まで最新作『バック・トゥ・ベイシックス』からのもの。スローで印象に残ったのは、曲紹介で少し彼女が説明した「オー・マザー」。父親のドメスティック・ヴァイオレンス(家庭内暴力)があったようで、それを描いた作品。バックに流れるモノクロの映像とあいまってなかなか感銘的だった。しいて言えば、スローで「ア・ソング・フォー・ユー」が聞きたかった。

正直、こんなライヴとは思っていなかったので、うれしい誤算だった。1999年のデビュー以来、すでに8年。はや中堅どころの若手といったあたりか。着実にエンタテインメントの階段を上がっているということだろう。

ところで、僕がクリスティーナとブリットニーとアヴリル、おまけにステイシー・オリコなどの区別があんまりよくつかなかったのは、内緒だ。(笑) でも、これでみんなよくわかった。もう大丈夫だ。

■クリスティーナ・アギレラ最新作

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000PDZLTW/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■Setlist : Christina Aguilera "Back To Basics Tour 2007" @ Budoukan, June 21, 2007
セットリスト クリスティーナ・アギレラ 武道館 2007年6月21日
[songs from her latest album "Back To Basics"(2006) otherwise indicated]

show started 19:14
01. Intro (Back To Basics)
02. Ain’t No Other Man
03. Back In The Day
04. Understand
05. Come On Over (All I Want Is You) (From "Christina Aguilera", 1999)
06. Slow Down Baby
07. Still Dirrty (From "Stripped", 2002)
08. I Got Trouble (Video)
09. Makes Me Wanna Pray
10. What A Girl Wants (From "Christina Aguilera", 1999)
11. Oh Mother
12. Enter The Circus
13. Welcome
14. Dirrty
15. Candyman
16. Nasty Naughty Boy
17. Hurt
18. Lady Marmalade (From "Moulin Rouge",2001)
Encore.1 Thank You (Dedication To Fans...) (Video)
Encore.2 Beautiful (From "Stripped", 2002)
Encore.3 Fighter (From "Stripped", 2002)
show ended 20:45

(2007年6月21日木曜、日本武道館=クリスティーナ・アギレラ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Aguilera, Christina
2007-82
【鈴木雅之ライヴ、ファイナルは大幅増量】

ファイナル。

マーチン(鈴木雅之)の「シャンペーン・ロワイヤル」ツアーのファイナルが6月22日、渋谷公会堂、いや、今はその名をシーシー・レモン・ホール! (イエー!)で行われた。この日は最終日ということで、増量ライヴ。3月に松尾潔プロデュースでリリースされた最新作『シャンペーン・ロワイヤル』からの作品を中心に、新旧約20曲を熱唱した。

舞台中央、上段におしゃれなバーカウンター。そして、4つのチェアがライトに照らされている。もちろん、バーの棚には何本ものシャンペーンのボトル。一瞬バーの照明が消えて、点灯すると、忽然とマーチンが姿を現した。おおおっ。マジック!  

「シャンペーン」「53F」と歌い終え、マーチンが話し始めた。1986年6月、ちょうど21年前、マーチンはラッツから独立しソロ・シンガーとしての第一歩を踏み出していた。そしてその記念すべきライヴをこの旧・渋谷公会堂で行った。

シンガーとして、絶対にかねえられない夢がある。それは、自分のステージを客席で見ることだ。マーチンはそのソロライヴのチケットを1枚だけ自分のために買っていた。そして、その席で自分が見ているようなつもりで、その席に向かって歌ってみようと思ったのだ。

「そのチケットの座席というのが、28列35番・・・」 「そこに今日座っている人、こちら(ステージ)に来てもらえる?」 カップルがステージに進んだ。女性をステージの椅子に座らせたマーチンは、こう言った。「じゃあ、僕がそこの席に行っていいかな」(キャ〜〜という悲鳴) 

こうして、マーチンは21年前に買った渋谷公会堂の座席「28列35番」に座ってステージにいる二人に向かって歌いだした。曲は「ガラス越しに消えた夏」。お見事な演出だ。ステージでその歌を聞いていた彼女は、帰り際泣いているように見えた。

「まさか赤坂・・・」が歌われると、さっきまで客席にいたブラザー・ケイ・グラントがステージに呼び出された。しばしトークがあり、ケイが名調子で呼び込みアナウンスを。「・・・ソウル・ダイナマイト!! エナメル・ブラザース!!」 おおおっ、でたか、エナメル! 一年ぶり。

昨年のソウル・サミットのときには、まだ新人アマチュアで前座の前座だった二人組ブラザー・スズ(鈴木雅之)とブラザー・クロ(黒沢薫)。デビューが決まった二人がそのデビュー曲「シーズ・マイ・ガール」を披露した。おそろいのオーダーメードのスーツと靴。あのもったいぶったエナメル靴の拭き方が最高におもしろい。

このエナメル・ブラザース誕生について、「アイズレー・ブラザースを見に行ったときに(マーチン、黒沢が)一緒になって、こういうことになった」という経緯の説明があった。2004年3月のことだ。「だから、このエナメル・ブラザースには、アイズレーの命がはいっているような気がするんだ」 

(そのときのブログ)
2004/03/03 (Wed)
Isley Brothers Day Two: Rock, Soul, Funk, All Happening Here
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040303.html

ツアー・パンフレットにも書かれているが、ソロになってから10年が第一章、ラッツの再結集以降10年が第二章、そして、2007年、今年からが鈴木雅之の第三章が始まるとマーチンは宣言した。次は7月末、ソウル・サミットだ。

渋谷公会堂(いや、シーシー・レモン・ホール)は、規則で10時までに音出しをやめなければならないという。3曲目のアンコールが終わったのは9時55分。ぎりぎりセーフであった。

■鈴木雅之最新作

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000MTEA6E/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■過去関連記事(シャンペーン・ロワイヤル)

March 07, 2007
"Champagne Royale" Is Name Of Martin’s Latest Album
http://blog.soulsearchin.com/archives/001624.html

March 08, 2007
After Champagne Party...
http://blog.soulsearchin.com/archives/001625.html

2004/06/28 (Mon)
A Ticket Bind Between Today & 18 Years Ago
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/diary20040628.html

■Setlist : Suzuki Masayuki ; Taste Of Martini Tour 2007, "Champagne Royale" @ CC Lemon Hall, Shibuya: June 22, 2007
セットリスト 鈴木雅之 渋谷シーシー・レモン・ホール 2007年6月22日

show started 19:15
01. My Sweetness
02. いびつな夜
03. 六本木慕情
04. リンダ
05. Nothing’s Gonna Change My Love For You
06. Champagne
07. 53F
08. ガラス越しに消えた夏 (28列35番にて)
09. 君を抱いて眠りたい (a cappella)
10. (Instrumental Break)
11. フラッシュバック
12. まさか赤坂Show Time
--. (Kay Grant: MC)
--. Enamel Brothers Intro
13. She’s My Girl (Enamel Brothers)
--. Enamel Brothers Outro
14. 渋谷で5時 〜 A riff of "September","Let’s Groove", "Le Freak"
15. ふたりでいいじゃない 〜 A riff of "Le Freak"
16. So Long
17. 夢で逢えたら
Encore:
01. Game Over
02. 恋人
03. & You
show ended 21:55

(2007年6月22日金曜、渋谷シーシーレモン・ホール=鈴木雅之・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Suzuki, Masayuki
2007-83
【岡伸昭・個展、7月に湯布院で】

個展。

「ソウル・サーチン」でも、ソウル系ジャケットなどをアーティストとしての観点から語るアーティスト、岡伸昭さんが自身の作品展を来る7月から約1ヶ月、九州・大分県湯布院で行う。

タイトルは、「岡伸昭・個展 AFTER THE DANCE Featuring “The Master” Nick Okai」。

ここで展示される作品は、2004年6月に新宿のビームスで行われた個展のときの作品群。ソウル・ダンスの神様ニック岡井氏がソウルの名曲とそれに伴ったソウル・ステップを踏んだものをキャンヴァスに記したアート作品だ。

今回は約20点が展示されるが、最大のものは、1940mmx3909mm(1.9メートルx3.9メートル)の『ポップコーン・セヴン』というもの。ニック岡井氏が、ジェームス・ブラウンの「マザー・ポップコーン」にあわせて靴に青いペンキをつけ、キャンヴァスの上で踊った。キャンヴァスは、約360号の大きさで、参考価格は360万円。

この他、100号サイズのもので、『ブレイクダウン』『グレープヴァイン』『ホットパンツ』などの作品がある。小さなものでは72センチx57センチ程度の約20号サイズの『フライング・ナン』、『フローム・ザ・ラヴサイド』などがある。

ソウル・ヒットを聞きながら、ニック岡井氏がステップを踏む。その靴にペンキをつけてキャンヴァスで踊り、それを作品にしてしまうというそのアイデアには脱帽。世界で唯一、誰もやっていないアート作品だ。

会場は、湯布院の駅舎の中にある。



岡伸昭 個展 AFTER THE DANCE Featuring “The Master”Nick Okai

夏はダンスものに限る。
ゆふいんアートホールでは1999年の“NO99”展以来の登場。
伝説のダンスマスター、ニック岡井のウルトラ・ホットなステップを
ぺインター、オカがスーパー・クールに作品化。
オールオーバーな世界をペインティング、映像、写真、
グラフィック・ワークで展開します。

2007年7月7日(土)〜8月10日(金)
JR由布院駅内 ゆふいん駅アートホール
9:00〜19:00 最終日は16:00まで
入場無料

アートフォーラム 7月7日 19:00〜
参加費;無料

0977-84-4678(JR由布院駅アートホール)
http://www.yufuin.gr.jp

■関連記事

2004/06/18 (Fri)
Footsteps Of The Master Of Dance, Nick Okai Explode
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040618.html

ENT>ANNOUNCEMENT>Oka, Nobuaki

"Where Is Page 12?"

2007年6月25日
【12ページはどこやねん】

12。

マーチン(鈴木雅之)さんのライヴ・ツアーが6月22日無事終了した。そのライヴの模様はすでに6月23日付け本ブログで書いた。

June 23, 2007
Martin Live: Suzuki Masayuki’s Third Chapter Begins
http://blog.soulsearchin.com/archives/001841.html

その会場にいらした方はご存知だろうと思うが、立派なマーチンのパンフレットが販売されていた。買われた方も多いと思う。その中で、僕もインタヴュー原稿を書かせていただいた。冒頭の「第三章の始まり」というプロデューサー松尾潔氏とマーチンさんの対談原稿だ。

表紙をめくると、「第三章、伝説のはじまり。」とあって、次にページをめくると松尾氏鈴木氏対談が二人の大きな写真とともに見開きでどーんとでてくる。そして、それを読んでいくと右ページ原稿の一番下に(P12へ続く)とある。

さ〜〜て、続くんだ、12ページへ。・・っとっと。あれ? 次は開くと渡辺祐氏の大力作、第一章と第二章だ。それが終わるとマーチンと島谷ひとみのツーショット写真。あれ? 実はどこにもページ表記がないのだ! ジャ〜〜ン。(笑) ど、どこだ、どこ12ページ。

「ヨシオカさん、(P12へ続く)であちこち目を皿のようにして、ページを探しましたよ。右上、右下、紙を透かしてみたりとか。あぶったらページが浮かんでくるのかとか」と友人Sからメールがきて、初めて知ったのだ。

そして、その島谷ツーショットの次が、第三章の続きの原稿なのだ。そこが12ページ。表紙を1ページ目として数えると、ここがちょうど12ページになります。あ、でも、私も校正しました。しかし、ページ数がなかったことは見落としました。申し訳ございません。私の不徳のいたすところです。

いや、実はね、ラ・スル・グロワールのシャンパーンを一・二滴ページのどこかに垂らすと「12」という数字がくっきりと浮かびあがってくるのだ・・・。(笑) な〜んちゃって。
【ミッドナイト・スター:彼らが触れるものすべてがファンクに】

宣言。

ケンタッキー州出身の大型シンセ・ファンク・グループ、ミッドナイト・スターの十数年ぶりの来日。初来日が1987年12月渋谷のライヴイン、その後、MZA有明に2回(1988年12月と1989年2月)、そして、横浜ベイサイド・クラブに1991年ごろに来ている。(ベイサイドの正確な来日年月は要確認) ベイサイド以来ということで約15−6年ぶり5回目の来日になる。

さて今回の来日は紅一点ベリンダ・リップスコム、ボー・ワトソン、ボビー・ラヴレイス、ビル・シモンズ、ケネス・ギャン、メルヴィン・ジェントリーの6人。いずれも1976年に結成されたときのほぼオリジナル・メンバー。キャロウェイ兄弟がグループを脱退したりと若干の入れ替わりはあるが、基本的には来日したメンバーは30年来のオリジナルということで、これはこれですごい。

ドラムス、ギター、ベース(キーボード・ベースも)、キーボード、ヴォーカル2人という編成。主たるヴォーカルは、ベリンダとボーがとる。全体的には、いわゆる「シンセ・ファンク」をそのまま生でやるので、実にのりがいい。コットンに来ている70年代から80年代にかけて活躍したファンク系バンドはみな期待を裏切らないが、彼らも十分盛り上げてくれた。

黒いマントのようなもので体全体を隠しステージに登場、音とともにマントを広げるとボー、ベリンダ、メルヴィンの3人が姿を現す。この瞬間一挙にファンク・ショーが始まる。

演奏し、かなりの曲に振り付けをし、客を巻き込み、徹底したエンタテインメントに仕上げている。「フリーク・ア・ゾイド」あたりのロボットダンスや体を震わすシェークなども実に楽しい。基本はアップテンポのヒット曲だが、スローでもクラシックとなっている「スロー・ジャム」は14分近くの熱唱でひときわ会場を熱くした。

ドラムスの音がどこまでがリアルな音なのか、プログラムされた音なのかときどきわからなくなるが、その他の音とともにグルーヴ感があるので、まったく問題ない。キーボードでプレイするシンセ・ベースの音がなんとも気持ちがいい。

アーティスト写真はみな髪の毛がふさふさだが、来日6人中3人までが、かっこいいスキンヘッドになっているあたりに、30年の歴史を感じさせる。キーボード・シンセサイザーと肩にかけるシンセ・ベースさらに通常のエレキ・ベースをプレイするケネス・ギャントが時折見せる大きく目を見開くギョロ目がものすごく印象的であった。

彼らが演奏すると、何でもファンクに様変わり。ファンクのマイダス・タッチだ。

ライヴ後、メンバー全員が着替えて戻り、ファン・サーヴィス。サインをしたりおしゃべりしたり。僕自身も過去2度ほどインタヴューしていたが、みんな仲がよさそうで、気のいい連中という印象は十数年経ってもまったく変わらなかった。ライナーもけっこう書いている。「次の来日までに15年の歳月がかかることはありません」と彼らはステージで宣言した。

■メンバー

ミッドナイト・スター
Belinda Lipscomb(vo), Bo Watson(vo,key), Melvin Gentry(vo,g), Bill Simmons(key), Kenneth Gant(b), Bobby Lovelace(ds)

■Setlist : Midnight Star @ Cotton Club, June 25, 2007
セットリスト ミッドナイト・スター コットンクラブ 2007年6月25日(月)

show started 21:34
01. Electricity
02. Headlines
03. Feels So Good
04. Wet My Whistle
05. Midas Touch
06. Operator
07. Caught Up In The Moment
08. Night Rider
09. Don’t Rock The Boat
10. Curious
11. Slow Jam
12. Freak-A-Zoid
Enc No Parking (On The Dance Floor)
show ended 22:51

(2007年6月25日月曜、丸の内コットンクラブ=ミッドナイト・スター・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Midnight Star
2007-85
【コルネイユ・ショーケース・ライヴ】

ルワンダ。

1977年ドイツ生まれ、ルワンダ育ち、現在カナダ・モントリオール在住というマルチ・インターナショナルなアーティスト、コルネイユがこのほど本邦デビューするにあたり、プロモーションで来日、ショーケース・ライヴを2007年6月25日カナダ大使館内オスカー・ピーターソン・シアターで行った。

カナダ大使館では、別の場所で別のアーティストのショーケースを見たことがあるが、このオスカー・ピーターソン・シアターでライヴを見るのは初めて。約200席が階段状になっていて、見やすい立派なホールだった。

まずは今回のアルバム『ザ・バース・オブ・コーネリアス』のライナーを執筆した松尾潔さんの司会で会はスタート。彼が一言二言フランス語で挨拶をし、コルネイユの解説をして、その後、今度はカナダ大使がコルネイユの略歴を語ってから本人が登場した。

ギタリストひとりを従えてのアコースティック・ライヴで6曲。CDで聞かれるような透明感のある歌声を披露した。

ある意味ソウルフルではあるのだが、ソウル・ソウルしているわけではなく、憂いのあるソウルというか、黒っぽいソウルではなく、心のソウルをかもし出しているようなひじょうにユニークなアーティスト。最近でいうとラウル・ミドン、しばらく前だとシール的な方向性を感じさせられた。彼の場合、音楽そのものよりも、彼の出自(ルワンダで両親を殺された=十二分にソウル・サーチン)が話題になってしまいそうだ。そこを売りにして、どこまで売れるか、そして売った後どうするか、彼のソウル・サーチン第二章はそこから始まるような気がする。

しかしライヴ終了後、関係者への顔見世もなく速攻で帰ってしまったのはなぜだろう。人見知りなのかな。

■日本デビュー盤

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000Q6GW1O/soulsearchiho-22/ref=nosim/

Setlist : Corneille @ Oscar Peterson Theater, Canada Embassy, June 25, 2007

show started 19:40
performance started 19:59
1. Back To Life
2. Love Is Good
3. Too Much Of Everything
4. I Never Loved You
5. I’ll Never Call You Home Again
6. A Man Of This World
performance ended 20:20
show ended 20:27

(2007年6月25日月曜、カナダ大使館オスカー・ピーターソン・シアター=コルネイユ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Corneille
2007-84
【スタックス・レコード創立50周年】

50周年。

アメリカ南部テネシー州メンフィスで設立された名門ソウル・レーベル、スタックスが今年(2007年)で創立50周年ということで、これを記念し、スタックス・レコードが再活動を始めた。スタックスは1975年に倒産して以来、新譜のレコーディングはなく、旧作の再発、編成物の発売などだけだったが、今年になって『アース・ウインド&ファイアー・トリビュート』、『スタックス50』などのオムニバスをリリース、さらには、アンジー・ストーン、アイザック・へイズ、ソウライヴなどのアーティストと契約、再契約をして新作をレコーディングする。

50周年にあわせてスタックスのヒット曲50曲を2枚組にしたオムニバス『スタックス50』は日本盤が6月27日に発売された。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000PDZNY0/soulsearchiho-22/ref=nosim/

+++

スタックスについては、『ソウル・ブレンズ』(毎週日曜日午後3時〜5時、インターFM76.1mhz)内「山野ミュージック・ジャム」のコーナーで3週にわたって(6月17日〜7月1日)ご紹介している。

ところで、今後もスタックス関連のニュースは引き続きお知らせしていくが、ふと思ったのが、なんで今年が50周年なのだろうかという素朴な疑問だ。

これまでスタックス・レコードの設立は1959年とされていた。しかし、スタックスの創設者のひとりジム・スチュワートが最初作ったレーベルは「サテライト」と言っていたが、ここからの初リリースは1958年1月だった。その後1959年にさらにシングルを出し、このあたりがスタートと見られていた。1957年という年は、彼がいくつかの曲を録音し、それを地元のインディ・レーベルに売り込んだりしていた時期だった。そして、その「サテライト」も、西海岸に同名のレーベルがあるということで、1961年から正式にスタックスと名乗るようになった。

まあ、「モータウン25」の大イヴェントが行われたのも1983年のこと。このときは、1958年が設立とされたが、実際にモータウンからの最初のシングルが出たのは1959年1月のこと。1958年は、ベリー・ゴーディーがいろいろと曲をレコーディングして、売り込んでいた時期だった。このあたりのアバウトさは、アメリカ的といったところなのだろう。

■スタックス関連・過去記事

2003/03/20 (Thu)
Stax Museum
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200303/diary20030320.html

2003/07/15 (Tue)
Song Craftsman Homer Banks Died At 61
http://www.soulsearchin.com//entertainment/obituary/diary20030715-1.html

2003/08/03 (Sun)
PBS will airing "Soul Comes Home: A Celebration of Stax Records and Memphis Soul Music"
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200308/diary20030803.html

2005/01/09 (Sun)
Stax Story: Stax Is Answers From Southern To Motown In Nothern
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200501/diary20050109.html

2005/01/10 (Mon)
Stax Story Part 2: After Otis, It’s New Generation Of Stax
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200501/diary20050110.html

2005/01/15 (Sat)
”Soul Explosion" Album: Compilation Of Era Of Soul Explosion
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200501/diary20050115.html

August 10, 2005
Little Milton Dies At 70
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200508/2005_08_10.html

ENT>MUSIC>LABEL>Stax
【エナメル・ブラザース、ロナルドの分身】

分身。

7月11日にいよいよ正式メジャー・デビューを果たすエナメル・ブラザース。ブラザー・スズとブラザー・クロの二人組ユニットだ。昨年の『ソウル・パワー・サミット』で突如現れたナゾの二人組。そのときは、アマチュアだった彼らが念願かなって一年かけてプロとなり、メジャー・デビューである。

そのアーティスト写真がこれだ! ↓
http://www.enamelbrothers.com/

おおおおっ、まさにロナルド・アイズレー! このステッキは?? 

そうか、2004年3月、ブラザー・スズとブラザー・クロは、ブルーノートでアイズレイ・ブラザースのライヴを見た。それぞれ別々に来ていたが、そこで顔をあわせたことで意気投合。ブラザー・スズが、「このエナメル・ブラザースは、ロナルド・アイズレーに導かれた」と語るように、いつしか二人はユニット結成への道を歩み始める。

そして、2006年7月、『ソウル・パワー・サミット』でその全貌を現した。そのときは「ダブル・ダイナマイト」の異名をとるスタックス・レコードの人気ソウル・デュオ、サム&デイヴの「ソウル・シスター・ブラウン・シュガー」などを歌った。しかし、このときはまだアマチュアの新人であった。「もし、このユニットに興味があるメジャー・レーベルがあれば、ぜひお声がけを」と宣言。それから1年。お声がけがあった。

7月の『ソウル・パワー2007』では、アマチュアから一歩抜け出し、プロとして、メジャー・レコード・アーティストとして晴れ舞台に立つ。前回出場時は私物だった白いスーツとエナメル・シューズ。今度のデビューにあたって白いスーツはオーダーメード。白黒のエナメル・シューズも特注で作った。おっと、黒光りするステッキはブラザー・スズの私物だそうで。さあ、気合がはいった。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000PWQS18/soulsearchiho-22/ref=nosim/
【アコースティック・ソウル・サーチャーズ、デビュー】

派生。

『ソウル・サーチン:ザ・セッション』を中心に活躍するハウス・バンド、ソウル・サーチャーズ。そのソウル・サーチャーズのアコースティック・ヴァージョンが、東急・田園都市線・藤ヶ丘駅前にあるレストラン、ピッツェリア・バール「マルターノ藤が丘店」でライヴを行いデビューを果たす。ソウル・サーチン派生プロジェクトとしては、今年1月、元シックのリード・シンガーのひとり、ディーヴァ・グレイのライヴに次ぐ第2弾。ライヴは8月17日(金)、7時と8時半の2セット。タイトルは、マルターノにちなんで「ライヴM」。詳細は下記に。

ソウル・サーチャーズは、毎回ソウル・レジェンドにスポットをあててトークとライヴで紹介するイヴェント『ソウル・サーチン:ザ・セッション』のハウス・バンドでケイリブ・ジェームスが音楽ディレクター。このソウル・サーチャーズは、ひじょうにユニークなユニットでさまざまな顔を見せる。『ソウル・サーチン』でのフルバンドが核だが、今回はキーボード、サックス、パーカッション、ヴォーカルというアコースティック・ヴァージョンでデビューする。ヴォーカルは、『ソウル・サーチン』マーヴィン・ゲイ、ルーサー・ヴァンドロスの回でゲスト登場し好評を博していたシャンティー。

今回は、ケイリブ、シャンティーのヴォーカルにゲイリー・スコットのパーカッションとサックスが加わる。基本はこのトリオで、ソウル・ヒットのカヴァーを中心にライヴを行う。歌われる曲はまだ決まっていないが、シャーデー、ノラ・ジョーンズ、スティーヴィー、ルーサー、ダニー・ハザウェイ、ビル・ウィザースなどの作品がセットリスト候補にあがっている。もちろん、ケイリブ、シャンティーらのことなので、単なるカヴァーという枠に収まらない独自の解釈を見せることになるだろう。

このライヴは、「マルターノ」オーナー大西さんのライヴをやりたいという以前からの希望から始まった。ピッツェリアという性格上、また広さなどからフルバンドは難しいので、トリオか4人くらいのアコースティック・バンドでどうだろうかという話になり、『ソウル・サーチン』のマーヴィン、ルーサーの回を見ていたことから、ケイリブ、ゲイリー、そして、シャンティーらに白羽の矢が立った。

今回はすべてが初めてで実験的ということで、とりあえず、お店周辺にフライアーを配り告知、さらに、来店されるお客様にお知らせして予約を取っている。また、この近辺にはあまりライヴを見せるレストランなどがないので、初めてレストラン・ライヴを経験される方にもなじみの深いソウルのカヴァー集でセットリストをまとめる方針になった。

ケイリブのソウルあふれるヴォーカルと、ナチュラルなソングバードことシャンティーのやさしさに満ちたヴォーカル、そこにときにケニーGを思わせるゲイリーのアダルトなサックスが絶妙のコンビネーションを聴かせる。また、近くに住むミュージシャンの飛び入りの可能性もある。

大西さんの夢は、すでにこのブログでもご紹介しているが、本格的なライヴハウスをやること。その店名は、「グッドタイムス」。「マルターノ藤が丘店」の壁一面にシックのメンバーが描かれている。(下記過去記事参照) 今回のライヴMは、その第一歩となる。

また、ソウル・サーチャーズはこの後8月29日(水曜)既報通り、木下航志ライヴのバックを務める。

June 10, 2007
Kishita Kohshi Will Sing At Church With The Soul Searchers
http://blog.soulsearchin.com/archives/001819.html

■『ソウル・サーチン・ブログ読者に10席確保』

なお、大西さんのご好意で今回『ライヴM』の座席を10席ほどソウル・サーチン・ブログ、ダイアリーの読者のために確保していただきました。店内は約50席ほどしかなく、すでに予約が入り始めています。当ブログ読者の方で、このライヴをごらんになりたい方はsoul_searchin_the_session@yahoo.co.jp までお名前、人数、電話番号をお書きの上Eメールをお送りください。折り返し確認メールをお送りします。先着順のご案内となります。

■     記 

Soul Searchin’ Presents: LIVE "M" at Martano Fujigaoka
ソウル・サーチン・プレゼンツ・ライヴM アット・マルターノ藤が丘

出演 アコースティック・ソウル・サーチャーズ・フィーチャリング・シャンティー、ウィズ・ケイリブ&ゲイリー

The Acoustic Soul Searchers:

Shanti (Vocal)
Kaleb James (Keyboards, Vocal)
Gary Scott (Percussion, Sax, Vocal)

ライヴ日時 2007年8月17日(金) 開場午後6時 開演第一部午後7時 第二部午後8時半 (二部構成・入れ替えなし)
場所 ピッツェリア・バール・マルターノ藤が丘店 
住所 神奈川県横浜市青葉区藤が丘1−29−2−2F 
(東急・田園都市線・藤が丘駅前徒歩1分。藤が丘駅までは、渋谷から約30分。駅に降りるとすぐお店が見えます)
電話 045-973-5844
ミュージックチャージ 店内 3500円  立ち見・テラス席 2000円 この他にご飲食代がかかります なおテラス席は、若干みづらくなりますのでご了承ください (席数・店内約50、テラス席約20)
予約の仕方 (3通りあります)
1)電話045-973-5844マルターノへ直接電話予約する方法
2)Eメール info@martano.jp へお名前、電話番号、人数などを書いて予約する方法。折り返し確認メールが届きます
3)店頭で予約 店頭で係りのものへ予約の旨お伝えください
お席は予約の段階で決めさせていただきますが、当日7時までにご来店されない場合、一旦キャンセルとなり、ご来店のお客様を優先的にお席にご案内する場合がございます。

お願い 当日はテラス席をのぞいて禁煙になります。18歳未満の方のご入場をお断りさせていただきます。写真、ビデオ撮影、録音はご遠慮ください。席に限りがあるため、ご相席をお願いすることがございます。あらかじめご了承ください。

マルターノウェッブ
http://www.martano.jp/
ライヴM情報
http://martano.exblog.jp/

■出演者オフィシャル・ウェッブ

シャンティー
http://snydersmarket.com/shanti.html

ケイリブ・ジェームス
http://www.kalebjames.com/

ゲイリー・スコット
http://www.gshstudios.com/home

■マルターノ過去関連記事 

January 13, 2006
Like The Show Must Go On, The Story Must Go On (Part 1 of 2 Parts)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200601/2006_01_13.html

January 14, 2006
The Show Must Go On: The Story Must Go On (Part 2 of 2 Parts)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_01_14.html

2006年1月12日付け
その時のマルターノ大西さんの日記
http://martano.exblog.jp/m2006-01-01/#3008158

April 12, 2006
Nile Rodgers & Chic Live: One Small Step For A Man...
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200604/2006_04_12.html

マルターノ日記=2006年4月12日付け
Field of Dreams
http://martano.exblog.jp/m2006-04-01/#3470666

September 13, 2006
Watch Out For New Martano’s Wall Painting
http://blog.soulsearchin.com/archives/001266.html

ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT>Live M

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