【アンソニー・ハミルトン新作に注目】

ディープ。

ソー・ソー・デフ・レーベルからの2枚目となるアンソニー・ハミルトンの新作『エイント・ノーバディー・ウォーリン』が実にいい。前作『カミン・フロム・ホエア・アイム・フロム』(2003年)から約2年での新作だが、いやあ、ちょっと前作をもう少ししっかり聴いておくべきだった。

伝統的な歌もの、ソウルシンガーもので、それに今風な音つくりもある。だが、基本はボビー・ウーマック、ディアンジェロ、ビル・ウィザースなどをミックスしたような70年代ソウルをベースにしたもの。

ノース・キャロライナ州出身で教会でゴスペルを歌うことから始めた。90年代に、2枚のアルバムをレコーディングしつつも、レコード会社がつぶれてしまったために、作品がお蔵入りになったという経歴を持つ。そのうちの一枚は、やっと日の目をみることになったが。

全12曲を聞いて、まず超ノックアウトされたのが、10曲目に入っている「チェンジ・ユア・ワールド」。イントロを聴いた瞬間にやられた。じわじわくるバラードで、ちょっとフィリー風のギターも聞かれる。ぜひ試聴機にはいっていたら、「チェンジ・ユア・ワールド」をお聴きあれ。70年代風ソウルが21世紀に蘇った。続く11曲目の「ネヴァー・ラヴ・アゲイン」もいい。ディープな感じのヴォーカルがたまらない。

日本盤は、2006年1月25日の発売予定。

ENT>ARTIST>Hamilton, Anthony
【ホテルが巨大ディスコに】

巨大。

江東区東陽町にあるホテル・イースト21で行われたディスコ・イヴェントに顔をだした。DJにニック岡井、オッシー、MCにマーヴィン・デンジャーフィールドというおなじみが勢ぞろい。僕はこのホテルには初めて来たが、会場のボールルームはかなり大きくてびっくり。パシフィックでやったときも相当大きな印象だったが、今回も巨大ディスコだった。

7時半をすぎてオッシーがDJを始めると、それまで閑散としていたダンス・フロアが一気に人であふれかえった。さすがに、ダンスクラシックを中心としたイヴェントだけあり、来ているお客さんは年齢層が高い。

左右にしっかりお立ち台まで設定され、天井を見上げればそこには大きなミラーボールが。お立ち台では、曲によってステップを踊る人たちもいた。と思えば、その横では4歳くらいの子供がリズムにあわせて、飛び跳ねていたりする。

オッシーに続いて、マーヴィンのMCのあおりがあって、ニック岡井さん登場! 「マイ・ガール」をかけた時など、ステージ中央にでて、踊りを披露した。「マイ・ガール」は、ニックがある意味でソウルに目覚めた1曲だけに、感慨深いものがある。

しっかりスローバラードのチークタイムもいれて、フラッシュバック・トゥ・ジ・エイティーズ、セヴンティーズだ。ホテルの宴会場が、DJたちの手によって、ディスコに変身。そしてそのディスコでかかる曲で、お客さんたちは思い出に自分を重ね合わせるということになる。

今年で3回目というイヴェントだが、年末の恒例イヴェントになるかもしれない。

あ、そうそう、『ソウル・ブレンズ』を聴かれているという方、何人もからお声をかけていただいた。ありがとうございます。これからも、毎週日曜日午後2時、『ソウル・ブレンズ』、お聞きください。76.1 インターFM! 

ENT>EVENT>Christmas Night Disco Party
【ライヴ集中】

年末。

このところ、かなりいろいろなスケジュールがタイトになってきて、見たいライヴが見られない感じになってきた。21日は東陽町のホテルイースト21でディスコイヴェントがある。(詳細は下記に)

また、20日から丸の内のコットンクラブで、ウィスパーズのライヴが始まっている。25日まで。22日から25日までは、横浜モーションブルーで、ジョン・トロペイ・フィーチャリング・ケニヤ・ハザウェイ。このケニヤは、あのレイラ・ハザウェイの妹だ。相当歌がうまいという噂なのだが、正式なCDデビューがまだなので、ここで絶対にみておきたいところ。

また、23日(金=祝)は、NHK・FMの『ソウル・ミュージック』の生放送だ。午後6時から11時まで中のニュースなどを除いての長時間放送。毎回参加させていただき、楽しんでいるが、今回は、なんとゴスペラーズ、さらに、木下航志くんも登場するのでこれは聞き逃せない。今回はゴスペラーズが出演するということで、観覧希望が殺到してスタッフが嬉しい悲鳴をあげていた、という。

番組内で航志くんとゴスペラーズのからみがあるかはまだわからないが、これがあれば、けっこうおもしろいことになりそうだ。なにしろ、航志君、ゴスペラーズの熱心なファンでアルバムをどれも聞き込んでいるらしい。航志君と黒沢さんは、6月の『ソウル・サーチン・トーキング』で共演しているだけに、どうなるか、見ものだ。

25日は、ケニヤ、ウィスパーズに加え、月例深町純ピアノ・パーティーも。またピアノで言えば、22日には品川教会で妹尾武さんのピアノがある。これが行けないのがかなり苦しい。27日から29日までの3日間は、再びモーション・ブルーでトクのライヴが行われる。3日間、それぞれ日替わりゲストが登場する。30日は、昨日告知したケイリブのライヴだ。ブルーノートは今週、インコグニート。もう全日超満員でこれは入れなさそう。

年末の仕事をいろいろ早めに終えておかないと大変なことになるなあ・・・。ふ〜〜。

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クリスマスナイト★ディスコパーティー

一夜限りのダンスイベント。
ディスコフリークたちに贈る、素敵な大人のクリスマス!!
〜ホテルでディスコを楽しむスペシャルイベントが、今年もイーストにやってきた!!〜

【日時】
    2005年12月21日(水) 19:30〜22:30(受付開始 19:00)

【会場】
    オークラ ホテルズ&リゾーツ ホテル イースト21東京
    東京都江東区東陽6-3-3 1F イースト21ホール
    TEL.03-5683-5683

【入場料】
    ■V.I.P.チケット ¥15,000
     興奮の渦の中、お料理と音楽をゆっくり楽しみながら
     VIP席で優雅におくつろぎいただけます。
     (入場料、VIPルーム指定席、シャンパン1杯、一口オードブル、
      ブッフェ、フリードリンク/サービス料・税金込み)
    
    ■Aチケット ¥6,000
     音楽とダンスを満喫しながら、ちょっとエグゼクティブなき分も・・・。
     少し踊り疲れたら、ご自分のお席でゆっくりクールダウン〜
     (入場料、指定席、シャンパン1杯、一口オードブル/サービス料・税金込み)

    ■Bチケット ¥4,000
     響きわたる音楽と暑いダンスを思いっきり満喫したい方に。
     (入場料、シャンパン1杯/サービス料・税金込み)

    ■小学生以下 無料(入場のみ)

【出演】
    ■DJ OSSHY、ニック岡井
    ■MC Marvin Dangerfield

◆当日チケットは上記料金プラス¥500
◆Aチケット、Bチケットをご利用のお客様の追加ドリンクは、
  会場内で販売するドリンクチケットをお求め下さい。
◆当日、会場内でのお料理(チケット)の販売はございません。
◆Bチケットをご利用の場合、お席のご用意はございませんのでご了承下さい。
◆都合により、出演DJは予告なく変更となる場合がございます。
【ケイリブ、新作リリースとリリース記念ライヴ開催】

リリースライヴ。

「ソウル・サーチン・トーキング」のレジデント・パフォーマーであり、日本国内のアーティストたちとのコラボレーションも多いキーボード奏者、シンガー、ソングライター、ケイリブ・ジェームスが12月25日、新作アルバム『デジャ・ヴー』(アーティスト名義はケイリブ・ジェームス=ミスターKレーベル)をリリース、そのリリース記念ライヴを12月30日(金)に渋谷のライヴハウス「クロコダイル」で行う。

今回のニューアルバムは、オリジナル数曲ととカヴァーが3曲ほど。カヴァーは、ケイリブによれば、「ロック・ウィッチャ」(ボビー・ブラウン)、「キュリアス」(ミッドナイト・スター)、「ユー・アー・マイ・ベスト・フレンド」(クイーン)など。全体的にはソウル、R&Bをベースにしたサウンドになっている、という。

クロコダイルでのライヴは、その新作からの作品を中心に、都内近郊のソウルミュージシャンたちが集結して行う。メンバーはロビー・ダンジー、鈴木桃子、ゲイリー・スコット、ザンドレ・ヤーブローなど。

ケイリブ・ジェームスは1963年ニューヨーク生まれ。十代の頃からミュージシャンとして活動。アルBシュアー、ニューエディション・ツアーなどを経て、1990年来日。以後、日本をベースに日本在住のアメリカ人ミュージシャンたちとバンドを組んだりソロ活動をしたり、日本人アーティストのバックを担当したり、幅広い活動をしている。日本人アーティストでは、小比類巻かおる、チャラ、杏里、最近ではアイ(AI)などのバックバンドのメンバーとして活動。

ピアノバーなどでのソロ・ピアノ弾き語りもやりながら、自らのバンド、「フェイト」、「ミー・アンド・マイ・フレンズ」を主宰。またソロアルバムも、一枚出している。さらに『ソウル・サーチン・トーキング』では第二回からレジデント・パフォーマーとして、スティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハザウェイ、レイ・チャールズらの作品を歌っている。

「フェイト」は、比較的オルタナティヴな実験的なことを試みるバンドという位置付けだが、今回のバンド「ミー・アンド・マイ・バンド」は、ストレートなソウル、R&B路線が中心となっている、という。「基本はリアル・ミュージシャンによるリアル・ミュージック」だという。

(なお、ライヴの予約は、ケイリブのホームページから直接メールをkay@kalebjames.com あてへ送るか、あるいは、ライヴハウス・クロコダイル 03-3499-5205 へ直接電話予約などでできます)

■ケイリブ・ジェームス・公式ウェッブページ

http://www.kalebjames.com/

ケイリブのスケジュール表
http://ical.mac.com/WebObjects/iCal.woa/wa/default?u=gr8k&;v=1&n=Kaleb%27s32Live32Schedule.ics
(ここから12月30日、当該のページをクリック)

クロコダイルのウェッブ
http://www.music.co.jp/~croco/index2.html

■ケイリブの過去記事
(たくさんあります)

2003/10/25 (Sat)
"Wailing Wall": The Song Took 32 Years To Reach Me
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200310/diary20031025.html

2004/04/23 (Fri)
Thanks For Joining Us: Soul Searchin’ Talking Vol.2
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200404/diary20040423.html

■今回のライヴ告知
件名: Kaleb James: New CD Release and Live Show At Crocodile’s
2005 年 12月 30日 (金) 午後 7:30
http://www.kalebjames.com
http://www.music.co.jp/~croco/crosche.html

The day before New Years’ Eve, what a great way to finish the year! With my band, Me & My Friends, we’ve put together a very soulful, very funky show. We’re doing two full sets of completely different songs that will remind you of why we all love live music so much.
Also, this show will be the debut of my new album, "De Ja Vu". We’ll perform songs from the album as well as some classic R’n’B tunes. If you’re hungry for real music played by real musicians, you definitely need to see this show.

To do this right, the line up for "Me & My Friends" will be:

Robbie Danzie- Vocals
Komatsu Hideyuki- Bass
Gary Scott- Sax/Percussion/Vocals
Julianne Spicer- Keyboards/Vocals
Momoko Suzuki- Vocals
Shin Takada- Drums
Zaindre Yarbrough- Guitar

Make it down to Crocodile’s on December 30th. It’s located on Meiji Dori. It’s only a 5 minute walk from Shibuya Station and 2 minutes from Meiji Jingumae station. Come slam in the new year with us. You’re really going to enjoy yourself. See you there!

Kaleb James: New Album Debut and Live Show At Crocodile’s

Admission-3,300
Showtimes- 7:30 & 9:00

Address-
150-0001
Shibuya-ku, TOKYO
New Sekiguchi Bldg. B1F, Jingumae 6-18-8

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ENT>MUSIC>EVENT & LIVE ANNOUNCEMENT
【フィリーソウルのハロルド・メルヴィン&ブルーノーツが2月に来日】

フィリーソウル。

フィラデルフィア出身のR&Bヴォーカル・グループ、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツの来日が決まった。これは、先日キャンセルとなったエボニーズ公演に代わるもの。招聘元はチョコレート・クリーム・プロダクション。東京では2006年2月26日、27日の2日間、さらに福岡で1日ライヴ予定が組まれている。今回の来日には、グループと「ホープ・ザット・ウィ・キャン・ビー・トゥゲザー・スーン」をデュエットした女性R&Bシンガー、シャロン・ページも同行する。

ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツは、1955年頃、フィラデルフィア出身のハロルド・メルヴィンが友人たちと組んだR&Bヴォーカル・グループ。1960年に「マイ・ヒーロー」が初ヒット。その後、72年にケニー・ギャンブル&レオン・ハフが設立したフィラデルフィア・インターナショナル・レコードと契約し、ここから「アイ・ミス・ユー」「イフ・ユー・ドント・ノウ・ミー・バイ・ナウ」などの大ヒットで一躍人気ヴォーカルグループとなった。

72年以降のリード・ヴォーカルはセクシーなテディー・ペンダーグラスで彼のリードで次々とヒットがでた。テディーはその後、このグループ内での人気を背景にソロへ独立。ブルーノーツも新リードを迎え再出発を計った。いずれのアーティストも、いわゆる典型的な都会的に洗練されたサウンドをもって作品をリリース。

しかし、97年、リーダーのハロルド・メルヴィンが急死。以後は、メルヴィンなしに、グループ活動を続けている。

■ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ公演

*東京公演  2006年2月26日(日)&27日(月)
 会場:渋谷duo/6時開場・7時開演(1時間50分のショウタイム予定)
 料金:座席(1日限定250席)¥10,500/立見¥7,350
 お問合せ:チョコレートクリーム 03−3487−5442
www.chocolatecream.co.jp
      duo music exchange 03−5459−8711 www.duomusic.com

*福岡公演  2006年3月1日(水)
 会場:西中州クロッシングホール/7時会場・8時開演
 料金:自由席&立見 ¥8,500
 お問合せ:クロッシングホール 092−716−3333www.jasmacco.jp
        GOODIE’s 092−713−0295

MUSIC>ENT>EVENT & LIVE ANNOUNCEMENT>
【ジェームス・ブラウン2月来日】

ゴッドファーザー。

ジェームス・ブラウンが2006年2月に来日する。来日は2003年10月以来2年4ヶ月ぶり。前回の来日も、各地で旋風を巻き起こしたが、果たして今回は。札幌を皮切りに、大阪、名古屋を経て東京にやってくる。

プロモーターは、JEC。
http://www.jec-international.co.jp/event/event_JB.html

日程は次の通り。

SAPPORO
2006/2/26(日) 北海道厚生年金会館 開場17:30/開演 18:00  
SS席¥8,800/S席¥7,800/A席¥6,800/B席¥5,800(税込)(JECではSS席のみ受付になります。)
(問)BOSSA 011-271-5410 大丸プレイガイド、4プラプレイガイド、道新プレイガイド

OSAKA
2006/3/1(水) 大阪厚生年金会館大ホール 開場18:00/開演 19:00  
S席¥8,500/A席¥8,000(税込)(JECではS席のみ受付になります。)
(問)夢番地 06-6341-3525 

NAGOYA
2006/3/2(木) 名古屋市民会館大ホール 開場18:00/開演 19:00  
S席¥8,500/A席¥8,000(税込)(JECではS席のみ受付になります。)
(問)JECインターナショナル 03-5474-5944   

TOKYO
2006/3/4(土) 東京国際フォーラム ホールA 開場17:00/開演 18:00  
S席¥8,500/A席¥8,000(税込)
(問)JECインターナショナル 03-5474-5944 

TOKYO
2006/3/5(日) 東京国際フォーラム ホールA 開場17:00/開演 18:00  
S席¥8,500/A席¥8,000(税込)
(問)JECインターナショナル 03-5474-5944 

■前回来日時の日記

2003/10/03 (Fri)
James Brown Live At Budoukan: Papa’s Got A Brand New Stick
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20031003.html

2003/10/04 (Sat)
James Brown Live At Budoukan, Day 2: "A" Sign Song
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20031004.html

ENT>MUSIC>EVENT & LIVE ANNOUNCEMENTS
【観客の表情に思い出を読み取るJT】

思い出。

観客がすでに熱くなっている。大音量で始まったJ.Tテイラーのソロ・ライヴ。JTのライヴとしては、2004年5月のディスコ・イヴェント『レッツ・グルーヴ2004』での来日以来約1年7ヶ月ぶり。セットリストは、ほとんど前回と同じだが、あの5000人を収容する大ホールで見るのと、この収容200人の小さなライヴハウスで見るのでは、まったく印象が違った。

仮面をかぶった女性ダンサー3人とJTがステージに登場すると、いきなり客席から「JT、JT!」の掛け声がかかる。ドラムス、ギター、ベース、キーボード2人とダンサー兼コーラス3人を従えて次々と歌われるヒット曲。面白いアレンジ、エクステンション(曲の引き伸ばし)もある。「ジョアンナ」の後半はちょっとラテンアレンジにした部分を追加。

「トゥ・ホット」のイントロのギターの音が流れた瞬間、客席から「トゥーーーー・ホ〜〜ト」と雄たけびが放たれた。JTが言った。「79年、80年頃に、みなさんをお連れしよう。そして、故ルーサー・ヴァンドロスに」 

「チェリッシュ」が一段落し、バックがギターだけになってJTが話し始めた。「911の悲劇にトリビュートしようと、僕たちは1曲書いてみた。なんどかためしにやっているうちに、さて、この曲のタイトルは何にしようか、ということになった。4歳半の息子が『アメリカン・ファミリー』というのはどうかと言った。この曲のさわりをちょっとやってみようと思う。来年出す予定のアルバムにいれようと思っている。この曲が皆さんを少しでも癒すことができればと思う」 しっとりとした感動的なバラードだ。

ダンサー3人が激しく、時に挑発的にセクシーに踊る。ダンスステップが80年代そのままだ。まさに、バック・トゥ・ジ・エイティーズ! あの頃20歳だった人も、今は45歳になっている。まさに、ブラコ〜〜〜ン。それぞれの曲のイントロが流れただけで、「オオオオ〜〜ッ」と観客が反応する。ここに来ている誰もが、彼らの大ヒットを知っている。

その歓喜の叫びは、「セレブレーション」で最高潮に達した。JTは言う。「例えば、『セレブレーション』のイントロが最初の一音がなった瞬間、観客の表情が変わるのが(ステージから)見えるんだ。みんなに、それぞれの思い出が蘇ってきているのがわかる。観客みんなの思い出が僕には見えるんだよ。観客が僕の歌を聴いて、感慨に耽っていることは、そのまま僕に戻ってくる。僕も実はみんなと同じ思いだったりするんだ」

観客の脳裏に20年以上前の思い出がフラッシュバックし、そのフラッシュバックをJTが読み取る。その共有が、さらなる一体感を生み出す。観客のテンションが上がり総立ちになり、JTのモチヴェーションもぐ〜んとアップ。コットン・クラブがディスコになった瞬間だった。

■JTの前回来日時のセットリスト

2004/05/20 (Thu)
Let’s Groove 2004, Live At Kokusai Forum: Don’t You Miss It Back In The Day?
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040520.html

Setlist 2nd @ Cotton Club

show started 21:47
01. Mislead
02. Get Down On It
03. Ladies Night
04. Joanna
05. All I Want Is Forever
06. Too Hot
07. Cherish
08. American Family
09. Jungle Boogie (Interlude)
10. Let’s Go Dancing (Ooh La, La, La)
11. Fresh
12. Celebration
show ended 22:51

(2005年12月16日金曜、コットン・クラブ・セカンド=J.T.テイラー・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Taylor, J.T.
【ピアノの壁の薄い傷】

傷。

セカンドセットが始まる前に、調律師がピアノを調律している。手前にエヴィアンの小さなボトルが2本とタオルが置かれている。

恐るべきトリオというべきか。ピアノのマッコイ・タイナーを支える二人は、ベースにチャーネット・モフェットとドラムスにジェフ・ワッツという強力な実力者。2004年5月以来のタイナーのライヴ。

アップテンポは激しく、スローバラードはやさしく。ステージに歩んでいくその歩速はかなりゆったりとしているが、ひとたび鍵盤の前に座ると、その指先の、腕の動きはマッハのごとく。

それにしても、前回も帯同したベースのモフェットの素晴らしさといったらない。ベースの音像がまったくぶれず、しっかりと、くっきりと聴こえる。しかも、その早弾きと強力なチョッパー奏法は、アコースティック・ベースにもかかわらず、エレキベースを弾いてるのを見ているかのような錯覚にさえ陥る。ここまで、アグレシヴで、オルタナティヴなベース奏者はなかなかいない。前回も度肝を抜かれたが、今回のパフォーマンスを見て、現在の僕のフェヴァリット・アコースティック・ベース奏者ナンバーワンになった。

ちょうど、タイナーの真後ろあたりで観戦することができたが、この位置で見ていると、ベースとドラムスがこちらを見るので、以前のジョー・サンプルの時と同様に、彼らと擬似的に演奏しているかのような錯覚に陥る。つまり、ただ見ているというのではなく、なんとなく一緒にやっているような気になるのだ。

タイナーのパフォーマンスは、熱く、魂が炸裂する。それは、モフェットもワッツも同じだ。三者が作り出すミュージシャンシップの正三角形は力強く、美しい。

この日のピアノは、スタインウェイ。鍵盤の上にあるその文字をじっと見つめていると、正面の板のところにうっすらと縦に何本もの傷がついているのに気づいた。ピアニストたちの指がそこに当たるのだろう。そうかあ、あんなに当たるのか。

今日のタイナーのパフォーマンスでも、新たな傷が何本かついたにちがいない。

Setlist (2nd)(imcomplete)

show started 21:31
01. I’ll Take A Romance
02. St. Louis Blues
03.
04.
05.
06. Happy Days
07. Fly With The Wind
show ended 22:47

■メンバー

マッコイ・タイナー(ピアノ)、McCoy Tyner(p),
チャーネット・モフェット(ベース)、Charnett Moffett(b),
ジェフ・ワッツ(ドラムス)、Jeff Watts(ds)

■マッコイ・タイナー・ライヴ評

2003/07/08 (Tue)
Cuban Cigar & McCoy Tyner Trio
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200307/diary20030708.html

2004/05/28 (Fri)
Flaming Performance That I Wanted To Frame It: McCoy Tyner Live
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040528.html

ブルーノートウエッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20051214.html

(2005年12月15日木曜、東京ブルーノート=マッコイ・タイナー・トリオ)

ENT>MUSIC>LIVE>Tyner, McCoy Trio
【プリンス、ユニヴァーサルに移籍】

ミステリアス。

前作をソニーからリリースしたプリンスが、今度は世界最大のレコード会社ユニヴァーサル・レコードと契約、新作『3121』をリリースする。プリンスは、去る12月13日に記者会見を開き、「今度の契約では充分、自分の納得がいくものを得られた」と述べた。アルバムに先がけてのシングルは、"Te Amo Corazon."。12月13日から全米でデジタル配信が始まった。

すでにシングルのプロモーション用ビデオも制作され、この会見で披露された。バラードらしい。

プリンスは、契約金、条件などの詳細については明らかにしなかったが、基本的には前回のソニーとの契約に順ずるものとみられる。要は、ユニヴァーサルがプレスと世界的配給を担当する、というものだ。

また、このアルバムの発売に関連してツアーが組まれるようで、全米と世界に行く可能性がある。

ところで、このタイトルとなった数字「3121」の意味はなんなのだろうか。まだ明らかにされていないが、すでに随分前からプリンスはこの数字をあちこちで小出しにしていたようだ。逆から読むと12月13日を示唆するとも受け取れ、12月13日に記者会見とシングルのダウンロードを開始していることと符号する。

ミステリアスなことが大好きなプリンスだけに、新作アルバムの中にもたくさんの仕掛けがあるに違いない。

ENT>MUSIC>ARTIST>Prince
【歌詞忘れ】

透明感。

盲目のシンガー、ダイアン・シュアーが久しぶりの来日。ミディアム調、アップテンポ、スローバラード、なんでもそつなくこなす。超一流のレベルのミュージシャンたちは、やはり違う。

ショウの途中でダイアンがちょっと話した。「私が70年代に育った頃、私が20代ね、実はこの土曜日に52歳になるんだけど。一枚好きなクリスマス・アルバムがありました。それが、カレン・カーペンターのものでした。その中から、『メリー・クリスマス・ダーリン』を歌います」

そして、その歌を歌い始めた。なるほど、と思った。これが収録されているカーペンターズの『クリスマス・ポートレート』というアルバムが出たのは、78年11月のことだった。1952年12月10日生まれのダイアンにとっては、まさに26歳のクリスマス時期によく聞いたアルバムということになる。そして、透き通ったダイアンの声が、今は亡きカレンを彷彿させる。

ダイアンの声は、クリアで綺麗な声だ。そこにドラム、ギター、ベースの3人がからむ。ダイアンはピアノを弾きながら歌う。ずっとピアノの鍵盤かピアノの正面(客席から見ると、少し斜め)を見ているが、時折、客席を向いて、にこっと笑う。この仕草が実にいい。

そして、彼女はその歌だけで充分に観客を納得させられる。3曲目にジェームス・テイラーの作品「ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト」が歌われた。なかなかの情感を込める。

一番最後のところでおもしろいことが起こった。最後の曲をピアノの前に座りながらも、アカペラで歌いだした。「オーヴァー・ザ・レインボウ」だ。途中まで歌い、ふと歌が止まった。なんと、ダイアンが歌詞を忘れたのだ。「あら? 何度もこの曲歌ってるのに〜」 スタッフが歌詞の単語を言ってみる。そのなかから、「ティアドロップスだったわね」と思い出し、再び曲に戻った。透明感あふれるその声だけで、「オーヴァー・ザ・レインボウ」をやられるとは思わなかった。とてもいいヴァージョンだ。

Setlist (Incomplete)

show started 19:00
01. (Inst)
02. Lover Come Back To Me (Riff of "Sakura, Sakura", "Sukiyaki", etc.)
03. Don’t Let Me Be Lonely Tonight
04. Spain?
05. When October Goes
06. Poinciana
07. Teach Me Tonight
08. If It Ain’t Got That Swing
09 Merry Christmas Darling
10. Love Dance
11. Louisiana Sunday Afternoon
12. Over The Rainbow (A Cappella)
show ended 20:18

(2005年12月13日火曜日、東京ブルーノート・セカンド=ダイアン・シュアー・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Schuur, Diane
【プラターズ・ライヴ】

宿題。

往年のグループ、プラターズ。現在、アメリカでは10以上のグループがプラターズを名乗っているが、本家本元のプラターズの流れを汲むバック・ラムのプラターズのライヴを日本ツアーの初日、東京・日比谷公会堂でを見た。

キーボード、ドラム、ベースを従えたグループの下記セットリストを眺める限りは、「おお、あのヒットが、おお、あれも!」となり、60年代にプラターズのヒットで青春を過ごされた方にはひじょうに嬉しいものになっている。実際、会場はかなりの年齢層の人が多数だった。おそらく60代中心だったような気がする。

だがショウとしてはいくつも宿題が残る。勝手に感想を。まず、ショウ構成。途中に韓国系のシンガーが3曲歌うが、これが致命的に厳しい。韓国・北朝鮮が分断されているように、プラターズのショウの流れがぶっつり切られてしまう。まさに彼女は38度線の女だ。(笑) よって彼女をどうしても出さなければならないのであれば、オープニングアクトの位置付けしかないだろう。それに加えてシュールで面白かったのが、その韓国人シンガーの紹介にいわゆる司会者が登場するところ。まるでデパートの屋上でやっているようなイヴェントの公開収録でも見てるみたいだった。(笑) これもできればカット。もっとも、これをみうらじゅん的に楽しめれば、あなたも超一流のライヴ・ゴーアー(ライヴに行く人)。

2曲目にいきなりアカペラで「オンリー・ユー」が歌われびっくりした。2曲目はないでしょう。(笑) 一番、お客さんが聴きたい曲だ。ひっぱってひっぱって、一番最後にしたい。(笑) と、思ったら、なんと、アンコールで今度はバンド付きで歌ってくれた。嬉しいやら、苦笑するやら。思わず、「ホントですか」と独り言をつぶやいた。2曲目と3曲目のアカペラは、かなり厳しい。たぶん歌手たちもまだ音程とかつかめていないだろうから、これはなんとかしないと。どうしてもやるなら、もっと後半にもってきたほうがいいだろう。できればカットの方向で。

彼らはカヴァー曲を何曲か歌う。カヴァーは、できれば彼らの場合60年代まで(あるいはせいぜい70年代初期まで)のヒット曲がいいような気がする。また、女性シンガーがリードで歌う曲が「リスペクト」(アレサ・フランクリンのヒット)と「アイ・ウィル・サヴァイヴ(恋のサヴァイヴァル)」(グロリア・ゲイナーのヒット)なのだが、バックコーラスに3人の男性シンガーを従えるなら、例えばグラディス・ナイト&ピップスの作品(「夜汽車よジョージアへ」など)あたりをもってきたほうがいいと思う。

一言で言えば、ホテルのラウンジで30人くらいのほとんどバンドを聴いていないような客を相手に歌っているカヴァー・バンドが、大きなコンサートホールでライヴをやってしまいました、という感じだ。あるいは、プラターズのヒット曲を専門にカヴァーするグループと割り切れれば、あなたも超一流のライヴ・ゴーアー。

しかし、改めてプラターズのヒット曲の数々をまとめて聴くと、実にいい曲が多いことを再発見する。また、1曲1曲が短いので、テンポよくショウを進めることも可能だ。いい曲でたたみかければ、いいショウになる。それらは、すべて「間」のもってき方にかかってくる。

もし前座をカットすると曲が足りなくなるので、その場合はHeaven On Earth, It Isn’t Right, On My Word Of Honor, He’s Mine, My Dream, I’ll Never Smile Again, I Love You 1000 Times あたりを加えればいいだろう。また女性シンガーがリードをとるところは、グラディス・ナイト&ピップス、ルーファス・フィーチャリング・シャカ・カーン、あるいはアシュフォード&シンプソン、ピーチェス&ハーブあたりの曲から選ぶのはどうだろうか。

ツアーが進むにつれてショウ自体がブラッシュアップしていくことを期待したい。

Setlist: original artist in the ( ).

show started 18:36
01. Love Train (O’jays)
02. Only You (A cappella)
03. (You’ve Got) The Magic Touch (A cappella)
04. Harbor Lights
05. My Prayer
06. Remember When
07. My Girl (Temptations)
08. Enchanted

--Kim-Ha Kang--(Guest Singer) on 19:08
09. Theme From Love Story
10. ジグザグの足跡
11. 九月の歌
out 19:26

--Platters--

12. Stand By Me (Ben E King)
13. You’ll Never Know
14. Twilight Time
15. Respect (Aretha Franklin)
16. Smoke Gets In Your Eyes
17. White Christmas (Traditional)
18. The Great Pretender
19. I Will Survive (Gloria Gaynor)
20. 上を向いて歩こう (Sukiyaki) (Sakamoto Kyu)
Enc. Only You (with band)
show ended 20:11

(2005年12月12日月曜、日比谷公会堂=プラターズ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Platters
【第48回グラミー賞ノミネート発表】

ノミネーション。

第48回グラミー賞のノミネートが12月9日NARAS(ナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス)から発表された。今年のカテゴリーは108。発表は2006年2月8日(水曜)、ロス・アンジェルスのステイプルズ・センターで行われる。作品ノミネートの資格は、2004年10月1日から2005年9月30日までにリリースされたもの。

最多ノミネートは、カニエ・ウェスト、マライア・キャリー、ジョン・レジェンドの8部門。これに続いて50セント、ビヨンセ、ザ・ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アム、スティーヴィー・ワンダーが6部門、ミッシー・エリオット、アリシア・キーズ、ブルース・スプリングスティーン、グゥエン・ステファニー、U2が5部門でノミネートされている。カニエは昨年も大量ノミネートされ、結局2部門での受賞にとどまったが、果たして今年はそのリヴェンジがなるか。

今回は、前年のレイ・チャールズのようなその年を代表するアーティスト、作品は見当たらないので、混沌とした授賞式になりそうだ。

グラミー賞オフィシャルサイト
http://www.grammy.com/

ノミネートの完全リストは次に。
http://www.grammy.com/awards/grammy/48Awards.aspx

印刷用テキストデータ。
http://www.grammy.com/awards/grammy/48noms.txt

2003/02/24 (Mon)
Grammy Winners (Final)
45回グラミー賞、主な勝者。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200302/diary20030224-4.html

2004/02/09 (Mon)
46th Grammy Award: Final
第46回グラミー賞、受賞者。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040209-3.html

2005/02/14 (Mon)
Grammy Goes To: 47th Grammy Award Winners (Part 1)(速報)
第47回グラミー賞受賞者(速報)(パート1)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200502/diary20050214-2.html

2005/02/14 (Mon)
Grammy Goes To: 47th Grammy Award Winners (Part 2)(速報)
グラミー賞受賞者(速報)(パート2)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200502/diary20050214-3.html

2005/02/15 (Tue)
Big Night For Ray Charles: The Last God Blessing For Brother Ray: 47th Grammy Award
「最後に訪れた神の祝福」
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200502/diary20050215.html

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ソウル・サーチャーの完全ノミネート予想は、1月末までに行います。今年は個人的にはかなり苦戦しそう。(笑)

ENT>AWARD>GRAMMY>48th>Nominations
【アース・ウインド&ファイアー特番】

特番。

すでにこのソウル・サーチン・ダイアリーでもお知らせしている通りアース・ウインド&ファイアーが2006年1月に来日するが、それに関連してアース・ウインド&ファイアーのチケット予約も含めた特番が放送される。テレビのほうは、すでに10日深夜にテレビ朝日でイヴェント情報としてアース・ウインド&ファイアーのちょっとした特集が放送されたが、ラジオヴァージョンが東京FMで11日深夜(正確には12日午前2時半から5時)にオンエアされる。これはアース・ウインド&ファイアーだけで2時間半。

その番組で解説を担当することになった。2時間半にわたってアース・ウインド&ファイアーの歴史やライヴの見所をお話するのでお時間ある方はぜひどうぞ。

今回は、アース・ウインド&ファイアーをどのような切り口で紹介しようかといろいろ考えたのだが、前回来日時のセットリストを元に、そのセットリスト順に選曲をし、その合間にアースの歴史をお話した。ライヴどおりの選曲と、アースの歴史を紹介し、初めてアースのライヴを見に行く方も、また、何度も見に行かれている方にも、そんなこともあったのか、というようなコネタを集めてみた。

■『アース・ウインド&ファイアー・来日スペシャル』(東京FM・80.0mhz,
12月11日(日)深夜2時30分から5時まで)

■アース・ウインド&ファイアー関連記事

October 28, 2005
Earth Wind & Fire Will Be Coming To Japan, Again
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_10_28.html

2004/09/04 (Sat)
Earth Wind & Fire: Set The Budokan On The Fire
百戦錬磨。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040904.html

2004/09/05 (Sun)
After The Rain Has Gone: EWF Live At Budoukan
大雨。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040905.html

2002/11/29 (Fri)
Big Daddy! Big Boss!
背中。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200211/diary20021129.html

2002/12/01 (Sun)
Maurice White Talks
集中。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200212/diary20021201.html

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ENT>RADIO>Special: Earth Wind & Fire

Otis Redding’s Memorial:

2005年12月10日
【別視点からのオーティス・ブック】

別視点。

12月のこの週は命日ラッシュだ。8日にジョン・レノン、10日にソウルの神様オーティス・レディング、11日に同じくソウルの神様サム・クックと3人もの偉人たちが亡くなっている。

青山のソウルスナック「OA(オーエー)」では、毎年この日にオーティスを偲んでレコードコンサートが行われるのが恒例となっている。

おととしこのソウル・サーチン・ダイアリーでスコット・フリーマンが書いた 『ザ・オーティス・レディング・ストーリー』 (セント・マーティンズ・グリフィン刊=全米では2002年9月リリース)についてご紹介した。そして、今年オーティスの息子さんであるデクスターと会い、その時にいろいろ話をするうちに、この本のことを尋ねた。

すると、彼の元には著者はインタヴューに来なかったという。他の何人かには話を聞いているが、あまり直接的な人たちには取材していないのではないか、というニュアンスを話していた。デクスター自身、この本の存在は知っているが、読んではいないという。

なかなか微妙なものだ。我々海のこちら側の単なるファンにとっては、それまでになかったオーティス・レディングの自伝となったら、何が何でも読んでおきたい一冊ということだが、本人がオーソライズ(認める)していない物だと、意外と本人やその関係者は距離をおいてみているものだ。

まあ、いずれ、デクスターや、その母(つまりオーティスの妻=ズレマ)の話を中心にした物語も聞いてみたいものである。それはまったく別視点からのドラマになるだろう。そういえば、もう10年か20年くらい前に、オーティスを題材にした映画が作られるとかどうとか、などという話があったが、あれはどうなったのだろうか。レイ・チャールズの自伝映画があれだけ大ヒットすると、その影響でオーティスの自伝映画なども製作話が進んでいるかもしれない。
【偶然もここまで来れば・・・】

偶然。

ソウルメイトMより、こんなメールがやってきた。誰かが書いて誰かに送ってという、いわゆるチェーンメールなのだろう。だが、ちょっとおもしろいので紹介してみたい。神のいたずらか。とくとご覧あれ。原文は英語だったので、軽く訳をいれておきました。

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Abraham Lincoln was elected to Congress in 1846.
John F. Kennedy was elected to Congress in 1946.

(エイブラハム・リンカーンは1846年に国会議員になった。
ジョンFケネディーは1946年に国会議員になった。)

Abraham Lincoln was elected President in 1860.
John F. Kennedy was elected President in 1960.

(リンカーンは1860年に大統領になった。
ケネディーは1960年に大統領になった。)

Both were particularly concerned with civil rights.
Both wives lost their children while living in the White House.

(二人とも特に公民権運動に関心を寄せた。
二人の妻とも、彼らがホワイトハウス在籍時に子供を亡くしている。)

Both Presidents were shot on a Friday.
Both Presidents were shot in the head.

(二人の大統領ともに、金曜日に暗殺された。
二人とも頭に銃弾を受けた。)

Now it gets really weird.
(さあ、ここからもっと奇妙ですよ)

Lincoln ’s secretary was named Kennedy.
Kennedy’s Secretary was named Lincoln.

(リンカーンの秘書の名前はケネディー。
ケネディーの秘書の名前はリンカーン。)

Both were assassinated by Southerners.
Both were succeeded by Southerners named Johnson.

(二人の大統領とも南部出身者に暗殺された。
二人の後任はどちらも、南部出身の、その名もジョンソン。)

Andrew Johnson, who succeeded Lincoln, was born in 1808.
Lyndon Johnson, who succeeded Kennedy, was born in 1908.

(リンカーンの後任となったアンドリュー・ジョンソンは1808年生まれ。
ケネディーの後任となったリンドン・ジョンソンは、1908年生まれ。)

John Wilkes Booth, who assassinated Lincoln, was born in 1839.
Lee Harvey Oswald, who assassinated Kennedy, was born in 1939.

(リンカーンを暗殺したジョン・ウィルケス・ブースは1839年生まれ。
ケネディーを暗殺したリー・ハーヴェイ・オズワルドは1939年生まれ。)

Both assassins were known by their three names.
Both names are composed of fifteen letters.

(暗殺者はどちらも、3つの名前=単語=リー・ハーヴェイ・オズワルド=3ネーム=で知られる。
そして、二人の名前はどちらも15文字から成る。)

Now hang on to your seat.
(さあ、しっかり席にしがみついて!)

Lincoln was shot at the theater named ’Ford.’
Kennedy was shot in a car called ’ Lincoln’ made by ’Ford.’

(リンカーンは「フォード」という名前の劇場で暗殺された。
ケネディーは「フォード」製のリンカーンという車に乗っていて暗殺された。)

Lincoln was shot in a theater and his assassin ran and hid in a warehouse.
Kennedy was shot from a warehouse and his assassin ran and hid in a theater.

(リンカーンは、劇場で撃たれ、狙撃犯は倉庫に逃げ、隠れた。
ケネディーは倉庫(の窓)から狙撃され、犯人は劇場に逃げ、隠れた。)

Booth and Oswald were assassinated before their trials.

(ブースもオズワルドもともに、裁判を待たずして暗殺された。)

And here’s the kicker...
(最後にとどめを・・・)

A week before Lincoln was shot, he was in Monroe, Maryland
A week before Kennedy was shot, he was with Marilyn Monroe.

(リンカーンが撃たれる一週間前、彼はメリーランド州モンローという街にいた。
ケネディーが撃たれる一週間前、彼はマリリン・モンローと一緒にいた。)

Creepy huh?
(身の毛もよだつような不思議な話でしょう?)

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では、ソウル・サーチャーからみなさんに1曲お送りしましょう。マーヴィン・ゲイで「エイブラハム、マーティン&ジョン」、1969年の作品。アルバム『ザッツ・ザ・ウェイ・ラヴ・イズ』からの感動の名唱です。

ENT>ESSAY>
【ジョン・レノンとすれ違った瞬間】

瞬間。

12月8日というとジョン・レノンの命日だ。1980年12月8日、ちょうど今から25年前に彼はマーク・チャップマンという男に殺された。ジョンは40歳だった。このニュースは僕は9日の午後1時くらいだったかに電話で知らされた。それからテレビをつけた。

最初のうちは詳しいニュースがなかったが、徐々にいろいろなニュースがはいってくるようになった。夕刊に記事がでた。1面だった。それからNHKの『7時のニュース』が伝えた。

ちょうど1970年代後期というと、ビートルズの作品は、それほど大騒ぎされるという時期ではなかった。もちろん、定番として認知はされていたが、子供も大人も誰もが聞くというところまではいっていなかった。70年に解散したビートルズは70年代後期は、ちょうど人気がエアポケットにあった時期だ。各メンバーのソロ活動のほうがまだ注目されていたといえるかもしれない。

ところが、80年1月にポールが来日時に麻薬所持で逮捕、強制送還され衝撃が走った。さらに同じ年、このジョン・レノン射殺のニュースだから、ビートルズ関連の大きなニュースが世間を賑わした。

それまで僕はビートルズは、やはり反体制的な存在の象徴だったと思う。いわゆるロックン・ロールの最高峰的存在だ。ポールの逮捕は別にして、ジョンの死は一部の音楽ファンだけでなく、ビートルズをそれほど知らない人たちにも大きな衝撃を与えた。このジョンの死を機に、ビートルズという存在は、それまでのオルタナティヴなものから、一気にメジャーなものになったような気がする。要は朝日新聞の一面に記事が出て、NHKのニュースが大々的に報じたあたりで、ビートルズが、変な言い方だが、認められたわけだ。

つまりビートルズは老若男女みんなのものになったのだ。それまでは、ビートルズなんて一部の不良、一部の音楽ファンが聞くものなどと言われていた。そんなことは、今の21世紀では想像もできないだろう。だが、実際そうだったのだ。今だったら、さしずめ、その役目はローリング・ストーンズが果たしているのかもしれない。

あれは確か78年か79年の夏休みだったと思う。友人たちと軽井沢に遊びに行っていた時だ。旧軽井沢銀座をぶらぶらしていると、2人乗りの長い自転車に外人の親子が乗って、横をすり抜けていった。髪はとても長く、印象的だった。その瞬間、横にいた友人が「あれ、今のジョン・レノンじゃないの?」と言った。あわてて振り向くと確かに紛れもなくジョン・レノンの後姿だった。そして、すぐその後にオノヨーコさんがやはり別の自転車で走っていった。あの子供はショーンだったのだろう。

つまり、当時はジョン・レノンが日本に来ていても、それほど大騒ぎになることもなかったのだ。そのときも、「ジョン・レノンってよく万平にきてるからね、また見かけるよ」みたいな話をした。だが、その1年後か2年後にあんなことになり、あのすれ違いは大変貴重なものになった。毎年12月8日になると、僕はあの一瞬のすれ違いのことを思い出す。だから、なんだということでもないのだが・・・。

ENT>MUSIC>ESSAY>Lennon, John

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孤独。

演劇集団、パパ・タラフマラが新作劇『ハート・オブ・ゴールド〜100年の孤独』という作品を上演する。これは、南米を代表するガブリエル・ガルシア・マルケスという作家の世界的ベストセラー著作『100年の孤独』を元に、パパ・タラフマラ主宰の小池博史が作・演出・振り付けなどを行った作品。12月7日(水)から三軒茶屋キャロットタワーの世田谷パブリック・シアターで始まる。

『100年の孤独』とは、どんな本かというと、以下アマゾンでの紹介文。

内容(「BOOK」データベースより)
愛の欠如のなかに生きる孤独な人間の生と死、相つぐ奇想天外な事件、奇態な人々の神話的物語世界―マコンド村の創設から百年、はじめて愛によって生を授かった者が出現したとき、メルキアデスの羊皮紙の謎が解読され、ブエンディア一族の波瀾に満ちた歴史が終る。世界的ベストセラーとなった傑作長篇の改訳。ノーベル文学賞受賞。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105090089/soulsearchiho-22/250-1312563-0772243

これを元に劇化したパパ・タラフマラというグループについてはこちら。
http://gold-100.com/

そして、そのゲネプロ(本番直前の通し稽古)を6日、見せていただいた。踊りと歌と、さまざまな小道具、映像などを縦横無尽に駆使した作品だった。なかなか興味深い。ふだんめったに見られないタイプの劇なのでいろいろなことが勉強になった。

ところで、なぜまったくこうしたものに関係のない僕のような人物がこうしたものを見させていただいたかというと、実は友人から、この劇でラッパーを起用したいので、誰か紹介してくれないか、という依頼があったから。そこで、たまたましばらく前に銀座でばったり会った下町兄弟の工藤さんを紹介した。もちろん、テイストが全然あわなければ、どちらもやらなくてだいじょうぶです、単に一度お会いになってみたらいかがでしょう、的なのりだったのだが、結局、ためしにやったところ、本番も工藤さんがやることになり、こうしてゲネプロを拝見することになった。

彼はいくつかのシーンでラップを披露したり、別の役で登場したりしている。彼のラップのシーンは、いつもの下町節で耳なじみがあるが、その流れと舞台劇の雰囲気のコラボレーションが大変おもしろかった。

僕は原作を読んでいないのであまりストーリーとかはよくわからなかったが、おそらく原作を読んでからこの舞台を見るときっとより一層理解しやすいのだろう。

一方で、しなやかなダンスのシーン、各シーンにおける人間の動きなど、ダンスものとして見れば、ものすごく多くのものを感じられるような気がした。ストーリーうんぬんというより、ダンスと音楽とセリフと映像、小道具などで、観客を圧倒するところがおもしろい。細かいところまで、本当によく出来ているなと感心した。

■世田谷パブリックシアターで12月7日から11日まで。電話での問い合わせはSAI 03-3385-2066

(2005年12月6日火曜、世田谷パブリックシアター=劇『ハート・オブ・ゴールド〜100年の孤独』)

ENT>PLAY>Heart Of Gold 〜100 Years Of Solitude
【年内最後の『ミッドナイト・ラヴ』収録】

カット。

昨日、『ミッドナイト・ラヴ』の12月17日放送分(第21回)の収録があった。いつものFM横浜の通称ミネアポリス・スタジオで収録。もともと小さなスタジオなのだが、ここに今日はひとりゲストがやってきた。マーチンさんのダニー・レイことケイ・グラントさんだ。いつになく狭くなり、酸欠状態に。(笑) 

まあ、内容についてはここでは触れないが、一部で3人のからみがある感じというところでしょうか。詳細は番組オンエアーで。しかしこの番組の関係者は、なんとみんな名前に「まさ」がつくことが発覚。鈴木雅之さん、ケイさんも本名に「まさ(匡)」がつく、そして、オッシーが「雅彦」で、僕がまさはる、ときた。フォー・マサーズ(Four Masas)だ。略してFM。FM(フォー・マサーズ」が作り、FMで流れる『ミッドナイト・ラヴ』! 

ところで、このところ番組の話題は「誕生日のシャウトアウト」のコーナー。マーチンさんが全部読みます、と先月言ったところ、大変な数のお便りが写真つきで来てしまい、収拾がつかなくなってしまった。そこで、ほんの少しだけルールを変えることになった。そのあたりの詳細は番組オンエアーで。

さて、収録後、スタッフ全員で中華街のとある中華レストランに。ここの石頭鍋がひじょうに美味ということでやってきたが、この鍋の後の雑炊がおいしかった。で、その食事中、オッシーがストップウォッチ片手になにやら計算をしていた。そして、やにわに「え〜。さきほどの収録ですが、約15分ほどトーク部分をカットしなければならなくなりました」と宣言。周囲が爆笑でした。一体、何をしゃべったんでしょうねえ。(笑) そのあたりの詳細は番組オンエアーで。

オンエアーは、12月17日土曜日深夜1時半、正確には18日午前1時半から3時半。FM横浜、84.7です。

ENT>RADIO>Midnight Love
【ひときわ大きな声援を得る「スタンド・バイ・ミー」】

幸福。

ベンEキングは、80年代初期に今は亡き「渋谷ライヴイン82」に初来日したのを見た記憶がある。その後も何回か来日しているが、おまりよく覚えていない。どなたか、正確な来日履歴をお持ちの方がいたら、ぜひお知らせください。

ベンEキングといえば「スタンド・バイ・ミー」だ。61年に初めてヒットした後、86年には映画『スタンド・バイ・ミー』に使われ再度大ヒットしている。

コットンクラブのキャブ・キャロウェイに続く第2弾アーティストがベンEだった。1曲バンドがインストゥルメンタル(演奏曲)をやった後、ベンEが登場。ドラムス、ギター、ベース、ピアノ、サックス、トランペットに女性コーラス2人というバックバンド。ベンE本人のヒットと彼が所属していたR&Bヴォーカルグループ、ドリフターズのヒット曲などをおりまぜての約90分。ヴェテランらしい実にうまいステージ裁きで、次々とヒットを歌っていく。声がそんなに大きなわけでもなく、激しく踊るわけでもなく、比較的淡々と歌い進めていく感じ。

「スタンド・バイ・ミー」は、ドリフターズをやめた後、少し落ち込んでいた時に、妻とニューヨークのワンルームのアパートでギターをならしている時に、ふと詞と曲が湧いて出来たという。この曲の元になったのは、ステイプル・シンガーズなどが録音している同名曲でそこにベンEが新たな詞をつけたという説もある。ベンEがアイデアをふくらまし、これをプロデューサーのリーバー&ストーラーに聞かせたところベースラインのアイデアをだし、現在の形になった。元々ドリフターズにレコーディングしてもらおうと思ったが、彼らがいらないといったので、結局自分でレコーディングし、これが大ヒットになった。

その妻とは、もともと幼馴染で、なんと彼が11歳、彼女が8歳のときに初めて出会った、という。その後20代で結婚。今日まで一緒にいる、そうだ。ベンEは現在67歳なので、知り合って56年ということになる。

たった1曲でも、これほど世界中で愛される作品を作り出せるアーティストは本当に幸せだ。この1曲を歌うことでそこに来ている観客全員が幸せになり、これを歌う本人もまた幸せになる。これが、毎晩・世界中のどこでも可能になるのだ。一曲のスーパーヒットの力と言えるだろう。「スタンド・バイ・ミー」はあらゆる人々に幸福を運ぶ楽曲だ。

ところで、スタッフにデザート・メニューから「ヴェラ」というスイーツを強力に勧められたので頼んでみた。「ヴェラ」というのは、映画『コットン・クラブ』にでてくる女性主人公(ダイアン・レイン)の名前。ここ東京のコットン・クラブのパティシエが力をいれて創作したスイーツだという。ホワイトムースにチョコレートやストロベリーなどがあしらわれ、とても美味だった。

■「スタンド・バイ・ミー」(訳詞)

闇が訪れ、地が漆黒になるとき、月明かりだけが唯一の頼り
そんなときでも、君が傍らにいてくれれば、何も怖くはない

ダーリン、僕の横にいておくれ

万一見上げる星空が落ちてきて、山が海の中に沈んでしまっても
君が傍らにいてくれさえすれば、僕は絶対に泣かない

ダーリン、僕の横にいておくれ

君に何か嫌なことでもあったら、いつでも僕の横においでよ
僕のとなりにおいで

■「スタンド・バイ・ミー」関連記事

2003/08/12 (Tue)
Stand By Me: Friendship Was Developed Without Cell Phone nor Email
すべてがシンプルだったあの時代
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200308/diary20030812.html

2004/02/07 (Sat)
Marvin’s "Stand By Me"
マーヴィンの「スタンド・バイ・ミー」ストーリー
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040207.html

Setlist (2nd set)

show started 20:00
01. (Instrumental)
02. Let The Good Times Roll
03. You ’re All I Need To Get By
04. This Magic Moment
05. There Goes My Baby
06. Spanish Harlem
07. On Broadway
08. Save The Last Dance For Me
09. Does She Love Me?
10. Supernatural Thing 〜 I Like The Way You Move
11. Ruby Baby
12. Under The Boardwalk
13. Don’t Play That Song
14. Stand By Me 〜 Wonderful World 〜 You’re My Sunshine
15. Don’t Let Go
Enc. In The Midnight Hour 〜 Land Of 10,000 Dances
show ended 21:27

(2005年12月4日・日曜セカンドセット、東京コットン・クラブ=ベンEキング・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>King, Ben E.
【「ブラジリアン・ライムス」をカヴァー】

成長。

来年1月に来日するアース・ウインド&ファイアーの作品の中で、昔ひじょうに気に入った曲があった。アルバム『オール・ン・オール』に収録されていた「ブラジリアン・ライム」という小品だ。1分程度のもので、「パラパッパパパパ〜」というメロディーが何度か繰り返されるだけのものだ。

一時期、自分が好きな曲ばかりを集めて作るカセットに必ず曲と曲の間とか、ど頭とかにこれをいれていたほどだ。で、この曲に目をつけたのは、ぼくだけではなかった。たとえば、テイク6。彼らが94年にだしたアルバム『ジョイン・ザ・バンド』で、これを「バディヤ(インタールード)」としてやはり1分程度のものを録音した。

また、今週来日していたベース奏者マーカス・ミラーの95年のアルバム『テイルズ』では、「ブラジリアン・ライム」のタイトルで、ヴォーカルにレイラ・ハザウェイを迎えてレコーディングしている。これは5分を越えるヴァージョン。大作だ。

もともと1分程度のものだったのが、5分の曲になるなどということは、これはなかなかたいしたもの。これを曲の成長というのかもしれない。

ENT>MUSIC>SONG>Brazilian Rhyme

< 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 >