【フランクリンズ第二回・無事終了】

感謝。

昨日のフランクリンズ@フランクリン・アヴェニュー、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。若干、席が狭くなってしまいましたが、なんとか、おいしいハンバーガー、サンドイッチ、イチゴなどでご容赦くださいませ。(笑) 

実は、今回のイヴェントでちょっとばかり想定外が。7月に第一回を行った後、次回はステージをお店の中央に持ってこようということになりました。今回いらした方は、ちょうど大きなクリスマスツリーがあったあたりといえば、おわかりになるかもしれません。ピアノを移動して、中央にステージを作って、ということでした。で、計画では木曜・営業が終った後、ピアノをお店のスタッフで動かして、金曜朝一でピアノの調律をすることになっていたのですが・・・。

と、ところが、4人でピアノを動かそうとしたのですが、うんともすんとも言わず、幸三さんから緊急電話。あわててかけつけて、よいしょとやるものの、一瞬上には持ち上がるのですが、2段ある段差を持って降ろすことがかなりむずかしそう、ということになり、結局、ピアノの位置は動かせなくなってしまったのです。

どうやら、ベースの森田さんらによると、ジャズ研の連中でも6人がかりでやっと持ち上がるというそうで、4人の素人では厳しかったのかもしれません。しかし、プロの引越し屋さんたちは、ふたりでこのピアノを持ち上げるのだから、たいしたものです。

というわけで、ピアノは以前と同じ場所に留まったわけです。今回のライヴは、ピアノ、ドラムス、ベース、歌にギターが加わりました。

Setlist 1st set: Franklins Vol.2 2005.12.02

show started 19:43
1. Night & Day (Inst)
2. Black Orpheus (Inst)
3. Day By Day
4. White Christmas
5. Billy’s Bounce (Inst)
6. Time After Time
7. Misty
8. Fly Me To The Moon
show ended 21:36

2nd Set

show started 21:03
1. Take The "A" Train (Inst)
2. Moon River
3. Whiter Shade Of Pale
4. Just In Time (Inst)
5. Winter Wonderland
6. Stardust
Encore. You’d Be So Nice To Come Home To
show ended 21:50

ザ・フランクリンズ 

西任白鵠=ヴォーカル、
森田聡=ベース、
松本幸三=ドラムス、
加納正隆=ピアノ、
中尾剛也=ギター

(2005年12月2日金曜、フランクリン・アヴェニュー=フランクリンズ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Franklins
ENT>MUSIC>EVENT>Franklins’ Jazz & Burger

Skullbones: New Soul Band

2005年12月2日
【スカルボーンズ: 新進気鋭のソウルバンド】 

頭蓋骨。

以前にも書いたことがあるナオキくんが、目黒食堂で軽くライヴをやるという知らせがきたので、深夜にのぞいてみた。なかなか仕事が一段落せずに、やきもきしていたが、1時半すぎにまだ始まってないからはやく、というメールがきたので、行ってみると、たしかにまだライヴは始まっておらず、オウナーの唐さんが爆音でDJをしていた。

目黒食堂はうちから10分でいけるので、ほんとうに近くていい。水曜日は、唐さんのアイデアで「ハッピー・ウェンズデイ」ということで、ノー・チャージ、ドリンク半額という破格の値段になっていて、これがちょっとした人気だという。たしかに、これはいい。

さて、2時20分すぎ、ドラムス、ギター、ベースの3人の演奏が始まり、ナオキの歌が始まった。スティーヴィーから、アース、ワイルドチェリーなど、ぞくぞく繰り出すソウルヒッツ。ナオキくんの歌は、エロエロでとてもいい。ぜひ、この路線を徹底していってほしい。

ニューヨーク帰りのベース小林眞樹君、シカゴ帰りのギター和田なおき君(ナオキ2)、ドラムスのよしたけ君の3人はなかなか強力。彼らのライヴは今後、大岡山のピークワン(Peak One)で12月6日(火曜)、12月19日(月曜)横浜カモメなどである。

まだ、このグループ、正式に名前はないそうだ。ただし、スカルボーンズ(Skullbones)という名前にしようか、という話がある。これは、打ち合わせをしていた時に、近くにいた女の子が着ていたTシャツにそう書いてあって、これが響きがいい、ということで、じゃあ、これをグループ名にしようか、となった。で、スカルボーンズってなんだろう。みんなわからなかった。そこで、うちに戻って調べてみた。なんと、「頭蓋骨(ずがいこつ)」という意味だそうだ。

Setlist

show started 2:21
1. (Inst)
2. I Wish (Stevie Wonder)
3. Brown Sugar (D’angelo)
4. Can’t Hide Love (Earth Wind & Fire)
5. Play That Funky Music (Wild Cherry)
6. Between The Sheets (Isley Brothers)
7. Just Friends (Musique Soulchild)
8. Superfly (Curtis Mayfield)
Enc. Superstition (Stevie Wonder)
show ended 3.34

(2005年11月30日水曜、目黒・目黒食堂=ナオキ・バンド=スカルボーンズ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Naoki, Skullbones
【モータウンサウンドたっぷりの映画『フォー・ブラザース』】

モータウン。

ジョン・シングルトン監督の映画『フォー・ブラザース』を見た。実は、次回の『ミッドナイト・ラヴ』で紹介する予定なのだが、なんと、ひょっとするとオンエアの頃には、公開が終ってしまっているかもしれないので、先に紹介することにした。

舞台はデトロイト。親のいない子供たちを育ててきたイヴリン・マーサーが夜のコンビニで強盗に巻き込まれ殺害された。イヴリンに養子として育てられた4人の子供たちが、葬儀で再会した。彼らは母親を殺害した犯人を警察にたよることなく、自力で探して復讐しようと考える。

主演はマーク・ウォールバーグ、R&Bシンガー、タイリース、アウトキャストの片割れアンドレ・ベンジャミン、そして、若手のホープ、ギャレット・エドランド。

この映画、なんと言っても音楽がソウルファンには最高に嬉しい。舞台はデトロイト、そして、多くの登場人物がブラザーとなれば、使われる音楽はモータウンのものだ。オープニングからいきなり、マーヴィン・ゲイの「トラブル・マン」、テンプス「クラウドナイン」、「アイ・ウィッシュ・イット・ウド・レイン」、「パパ・ウォズ・ア・ローリング・ストーン」、マーヴィンの「カム&ゲット・ディス」、エンディングロールでは、ウィリー・ハッチの「ブラザース・ゴナ・ウォーキット・アウト」などがかかる。

殺害された母親イヴリンの家に戻った4人は、それぞれの思いを秘め、涙を流す。そのシーンで歌われたのがテンプスの「アイ・ウィッシュ・イット・ウド・レイン」。雨だったら、涙を流してもわらないのに、という内容で、シーンにどんぴしゃの曲だ。

その昔よくあった、7インチシングルが何枚かセットでき、一枚がプレイされると上からストーンとシングルが落ちてきて、連続再生できるプレイヤーが映っていた。そして、そのシングルはモータウンのものだ。

映画のストーリーも、なかなか意外な展開を見せておもしろい。あまり長くロードショウされないようなので、興味ある方はお早めに。

ENT>MOVIE>Four Brothers
【フランクリンズ第二回、金曜に迫る】

ゆったり。

島津山の瀟洒(しょうしゃ)なハンバーガーショップ「フランクリン・アヴェニュー」で行われるジャズ&バーガーその第二回がいよいよ明後日(12月2日=金曜)にせまった。リハーサルも3回ほど行い、まあ、だいたい方向性は固まってきた。

今回も基本的にはジャズやスタンダード曲ばかりで2セットを行う予定。今回のおみやげCDのタイトルは「スターダスト」です。

前回のフランクリンズのレポートは次に。
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_07_19.html

今回は、前回での経験を踏まえて、ステージをお店の中心にもってくる。また、オウナーのご好意によって、前回好評だったワインなどをさらに一歩グレイドアップしたものを提供することになっている。

ワインで酔うもよし、音楽で酔うもよし、ゆったりした時間をお過ごしください。

(ほぼ予約で埋まっていますので、もし参加ご希望の方は、至急ご予約メールをお送りください)

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(ご案内)

スノーフレイクとともに、テイスティーなジャズと、
デリシャスなバーガーのひと時を〜〜

島津山の片隅で妥協を許さないハンバーガーを作りつづけて15年〜
瀟洒な一軒家フランクリン・アヴェニューを舞台に行われるカジュアルでクラッシー な一夜 ハンバーガー片手に、ジャジーなひと時を過ごしませんか?

Tasty Jazz and Delicious Burger〜ジャズとバーガーの夕べ
Franklins’ Jazz & Burger Vol.2 〜 "Silent Night"

【日時】 2005年12月2日(金曜日)
【開場】 18時30分 
【開演】 第一部19時30分、第二部20時30分 (入れ替えなし)
【出演】 ザ・フランクリンズ (西任白鵠=ヴォーカル、森田聡=ベース、松本幸 三=ドラムス、加納正隆=ピアノ、中尾剛也=ギター)
【場所】 7025フランクリン・アヴェニュー 東京都品川区東五反田3-15-18
【料金】 ¥5000--(税込み)ハンバーガーとドリンクが充分についています。CD おみやげ付き(CDおみやげは予約された方のみです)
【予約制】 席数に限りがありますので、基本的に予約入場といたします。予約がない場合入場できないこともありますので、ぜひ、ご予約ください。
【予約方法】 Franklins0718@yahoo.co.jp まで、お名前(フルネーム)、電話番号、人数、何でこのイヴェントを知ったかをお書きの上、お送りください。 折り返し予約確認メー ルとお店への行きかた等をお送りいたします。
【問合せ】 Franklins0718@yahoo.co.jp までメールでお問合せください。申し訳ご ざいませんが電話での問い合わせは受けておりません。

では、12月2日、フランクリン・アヴェニューでお会いしましょう。

ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT>Franklins’ Jazz & Burger Vol.2
【ブラック度全開のファンクバンド】

フロントマン。

一般的に言えば、ベース奏者はドラムスと同様、音楽の屋台骨を支える文字通り「縁の下の力持ち」的存在だ。ところが、このマーカス・ミラーという男のベースは、思いっきり前面にでてくる。彼は、まちがいなくベースという楽器で堂々のフロントマンだ。

元マイルス・デイヴィス・バンドのベース奏者、アレンジャー。ルーサー・ヴァンドロスの『ネヴァー・トゥ・マッチ』以来のプロデューサーであり盟友。超売れっ子のスタジオ・セッション・ベース奏者。そして自己のグループをいくつも作り活躍するミュージシャン。マーカスにはいくつもの顔がある。

単にベース奏者で人気者と言えば、古くはラリー・グラハム、ブッチー・コリンズ、ルイス・ジョンソンという系譜があり、現在はまさにマーカスがその旬の最高峰か。日本では日野賢二。やはり、ベースを強い力でまるでギターのようにメロディーを弾いてしまうところが圧巻。さらに、勢いのチョッパー・ベースも見逃せない。

マーカス名義では今年の2月に来日していたが、タイミングがあわず見られなかったので、久々になる。

ベースとトランペット、あるいは、サックス、キーボードなどとの楽器バトルがあちこちにちりばめられる。まさに、ミュージシャンズ・ライヴだ。マーカスはさらに多彩なところを見せ、「カム・トゥゲザー」では、キーボード、サックスもてがける。基本的には、ブラック度が圧倒的なファンクバンドだ。そのほとんどがインスト曲という感じ。また今回はハーモニカがなかなかアクセントになっている。もうひとつ縦笛みたいな楽器が目を引いた。

「カム・トゥゲザー」から「フランケンシュタイン」までの約30分のノンストップの流れは、実に強力。4曲目「カム・トゥゲザー」と6曲目の間にもう1曲あったようだが、流れが自然なので、わからなかった。スライの「サンキュー」のリズムパターンをベースにしたような曲だった。ただのジャムなのかな。

それにしても、ファンキーなバンドだ。また、アンコールの「シルヴァー・レイン」(エリック・クラプトンと共作。マーカス自身の歌あり。マーカスの最新作『シルヴァー・レイン』のタイトル曲)は、なんと30分近くやっていた。マーカスが言うところの「ヤンキーには難しいレゲエ・シャッフル・ビートの曲」で、実に気持ちよかった。

(11月28日から12月3日まで東京ブルーノート)

■マーカス・ミラー関連記事

2005/03/15 (Tue)
Marcus Miller: Silver Rain
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200503/diary20050315.html

2003/08/19 (Tue)
Standing In The Shadows Of Legacy: Finally, Lalah Sings...
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200308/diary20030819.html

■セットリスト

Setlist (2nd set)

show started 21:38
01. The Blues
02. Boogie On Reggae Woman
03. Steveland
04. Come Together〜
05. ??〜
06. Make Up My Mind〜
07. Frankenstein
Enc. Silver Rain
show ended 23:22

■メンバー

マーカス・ミラー(ベース)、
グレゴリー・マレット(ハーモニカ)、
キース・アンダーソン(サックス)、
マイケル・スチュワート(トランペット)、
ボビー・スパークス(キーボード)、
プージー・ベル(ドラムス)
Marcus Miller(b),
Gregoire Maret (hca),
Keith Anderson(sax),
Michael Stewart(tp),
Bobby Sparks(key),
Poogie Bell(ds)

ブルーノートウエッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20051128.html

(2005年11月28日月曜、東京ブルーノート=マーカス・ミラー・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Miller, Marcus
【深町色に染まる新着ピアノ】

色。

この日は深町純ピアノ即興コンサートの第59回。来月12月で60回、つまり、丸5年が終了することになる。2001年1月から始まって、本人さえも驚く5年もの間続いている。

また、この59回目は今までと大きく変わったことがあった。ピアノが新しく入れ替えられたのだ。昭和45年に製造されたヤマハのピアノがついおとといこのアートカフェにやってきた。

深町さんはその時、「ためしに弾いてみますか」と言われ、「嫌だ」と答えたという。もし、そこでそのピアノがあまり良くなかったら、この日のコンサートをやりたくなるかもしれないからだ。さて、初めてこの35歳のピアノを弾いた感想は? 「ノット・バッ〜ド(悪くない)」。

「1曲目であらゆる鍵盤を叩いてみて、このピアノはどんなピアノか、どんなことが得意なのか、得意でないのか、というようなことを調べてみた。やさしい、というか、あ、これ、あんまり弾かれてなかったよね、きっと。新しいピアノが来たら、まあ、ある程度のレベルのピアノですが、それは最初にいいピアニストに弾いてもらわないとだめになります。ピアノはピアニストによって、どんどん変わっていきますから。最初に下手な人に弾かれると、そのピアノはだめなピアノになってしまいます。それから、こういう店とかにあって、いろんな人が弾くようなピアノもだめになりますねえ。荒れちゃうというか。ひとりがずっと弾いていくピアノがその人のピアノになって、よいんです」

最初の文字通り1曲目を聴いていると、ちょっときんきんした感じがあって、僕はあまり好きになれなかった。それまでのピアノの音に慣れ親しんでいたせいか。一言で言えば、「違和感がある」ピアノの音色だった。だが、セカンドセット、後半になって、ふと気づくと、最初に感じられたきんきん感がなくなって、丸みを帯びてきたような気がした。ピアノの音が変わったように思えた。たった1−2時間でピアノの音って変わるのだろうか。

帰り際、深町さんに尋ねると、「変わる変わる、1時間でも変わるよ。(今日の場合は)どんどん僕の音になっていったんだろう」という。調律なんかも、途中でやることもある。今までのピアノは音がだいたい固まってきていたから、最初も最後もそれほど違いはなかったのかもしれない。だが、これはまだあんまり人に触られていないで、その固有の音がまだ定まっていなくて、それが徐々に変化していくところだったのだろう。この短時間でのピアノの音の変化は、めったに遭遇できるものでもなく、なかなかおもしろい経験だった。

ところで、この日のハイライトは第二部で登場したテルミン奏者、やの雪(やの・ゆき)さんだ。テルミンという楽器については、以前から噂は聞いていたが、本物を間近で見るのも初めてなら、その音を生で聴くのも初めてだ。

最初のシンセサイザー、つまり電子楽器だという。二つの棒があって、1本のほうに手を近づけたり遠ざけたりして、音の高低を調整、もう1本のほうに同様に手を近づけたり、遠ざけたりして、音量(音の大きさ)を微調整する。それで、5オクターヴくらい出るという。これが、手は楽器に触れないのに、音がいろいろ出てくるので、手品のようだ。

しっかり深町ピアノとあわせて、その演奏がなされた。個人的に印象に残ったのは、二人で演奏した「アメイジング・グレイス」。これはいいヴァージョンになった。深町さんによれば、この楽器はとにかく弾くのが難しい、という。彼もこの楽器が日本に来た時に練習しようと思ったが、あまりの難しさにあきらめた、と言っていた。気温、湿度や、近くに人がいるかいないかなどでも音が変化してしまう、という。要は人間が電気を通すので、その電流の変化を音にするそうだ。

テルミンの演奏はおもしろかったが、やはり、ピアノと音を合わせる時には、テルミンのピッチの調整が難しそうだ。しかし、ピアノやギターのように、押さえるところがはっきり目に見えるならともかく、空気しか見えないところで、よく音をあわせられるものだ。やはり、これもマジック(手品)か。

あまり弾かれてこなかったピアノが、いきなり、激しく弾かれて、きっとびっくりしているのだろう。そしてこれから、このピアノの音がどんどん磨かれていくにちがいない。言ってみれば、「深町純の色」に染まっていくのだ。これはこれで、ひとつ楽しみだ。

+++深町純・定例会、次回は12月24日土曜日です。場所はいつも通り恵比寿アートカフェ。

Setlist

1st set
show started 19:38
1. 2005年11月26日午後7時38分の作品(11.04)
2.2005年11月26日午後8時05分の作品(トーマス君のために「水」)(07.57)
3. 2005年11月26日午後8時26分の作品(舞踏家・石井さんと)(4.32)
4.2005年11月26日御題拝借作品1(1.10)
5. 2005年11月26日御題拝借作品2(「何かしら」)(1.09)
show ended 20.40
(approximately performing time: 25:52 of 62 minutes show)

2nd set
show started 20.59
1. 白鳥の湖(サンサース)(テルミン奏者、やの雪さんとともに)(4.24)
2. やの雪・オリジナル(やの雪さん・ソロ)(2.07)
3. ヴォカリーズ(ラフマニエフ)(やの雪さんとともに)(7.05)
4. アメージング・グレイス(やの雪さんとともに)(4.58)
5. 2005年11月26日午後9時42分の作品(9.03)
6. 2005年11月26日午後9時57分の作品(8.09)
show ended 22:08
(approximately performing time: 35:46 of 69 minutes show)

+++++

August 29, 2005
Fukamachi Jun Live: 8th Wonder Of The World
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_08_29.html

July 31, 2005
Fukamachi Jun Live: Here’s A Setlist
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_07_31.html

2003/04/27 (Sun)
About good at piano
ピアノが上手ということは
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200304/diary20030427.html

2003/06/29 (Sun)
Genuine Improvisation Made By Jun
即興の妙

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200306/diary20030629.html

2003/07/24 (Thu)
Sound of Footsteps in Empty Valley
他のミュージシャンとのコラボ・ライヴのライヴ評

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200307/diary20030724.html

2003/11/30 (Sun)
Album Between Elbert & Errison
ゲストでやってきた円道一世

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200311/diary20031130.html

(お勧め↓)n2004/02/01 (Sun)
The Soul Of The Piano Man (Woman): Fukamachi Jun Live At Art Cafe
ピアノ3デイズを聴き終えて。ピアノマンのソウル。

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040201.html

2004/05/22 (Sat)
Kawaguchi Kyogo Sings "Sakura" At Fukamachi Jun’s Live
河口恭吾がゲストで参加
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040522.html

2004/06/27 (Sun)
Doesn’t Really Matter What The Genre Is
中国人歌手のゲスト

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040627.html

2004/12/25 (Sat)
Merry Christmas, Happy Holiday: No Babies Allowed To Attend Live Performance
赤ん坊禁止令
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200412/diary20041225.html

May 02, 2005
East Meets West At East: Kin Agun Plays China Yang Quin
【揚琴(ようきん)・悠久の調べ〜金亜軍…
【言葉では表現不能なピアノ】

表現不能。

”It Don’t Mean A Thing If It Ain’t Got That Swing" とは、つまり、「スイングしなければ、意味はない」といったところだろうか。デュオライヴの二人での幕開けはだいたいこの曲のようだ。デューク・エリントンの作品。ステージの右と左にピアノを置き、ジョージ・デュークとジョー・サンプルが好きに自由にピアノを弾く。そして、二人のピアノともにスイング感はたっぷりだ。

ジョー・サンプルは、「アメリカの古い曲が大好きなんだ」と言う。自らあちこちに足を運び、古いレコーディングを探したりしている。彼には15歳年上の兄がいて、ピアノを弾いていた。さらに、音楽好きの父親の影響もあった。ジョーは父が55歳に誕生した子供だったらしい。きっと、孫のように可愛がったのだろう。その父は1920年代、まだ飛行機がない時代に、ルイジアナからカリフォルニアへ向かう長距離列車の食堂車のシェフだった。その当時列車での仕事は、花形だった。飛行機がないので、どこかに移動するのはもっぱら列車だった。しかも、1等車ともなれば、かなりの値段がしたので、金持ちばかりが乗っていた。ジョーによれば、「父親はひじょうにいいシェフだった。母親もね。だから、問題だった。(笑) (おいしいものばかりが作られるのでたくさん食べて太ってしまう、という意味)」という。

オープニングの「イット・ドント・ミーン・ア・シング」は、ジョーが生まれるはるか昔に書かれた作品。ジョーは1939年生まれだが、この曲は1929年ころにはできていた。なんと父親がよく歌っていて、覚えていたという。

ここ一週間で、どちらかがソロでやった曲をデュオでやったり、デュオでやっていた曲をソロでやったり、彼らの手にかかれば、なんでも自由自在だ。ひとりピアノでの自由度の高さは容易に想像がつくが、ふたりでも彼らにかかれば、何でも自由度いっぱいだ。モーションでは、「エイント・ミスベヘイヴィン」がジョーのソロだったが、今日は二人で演奏。また、それぞれのひとり弾きのところの曲もけっこう入れ替えている。

ジョーがステージで語る。「普通、ピアニストは決してピアニストと一緒に演奏はしないものなんだ。ピアニストは、サックス奏者、トランペット奏者、ギター奏者、トロンボーン奏者・・・ そういった連中と一緒にやるのであって、決してピアニストとはやらない。(笑) だが、私とジョージは、すこしそろそろそういう考え方を変えてもいいと思うようになった」 

それにしても、彼らのピアノの音は小さい。何か飲み物を飲んだり、食べたりするのも慎重にならざるをえない。しかし、小さくなればなるほど聴く側の集中は高まる。そして、集中が高まれば、聴き終えた時、どっと疲れる。もちろん心地よい疲れだ。たとえば、スタンディングで大音量のバンドを聴いた後の疲れと、違う種類の疲れだ。肉体的疲労というよりソウル的疲労か。

それにしても、彼らのピアノの音を言葉に置き換えることはできない。何百の単語を持ってしても、ジョーのタッチ、ジョージのフィーリングは表現できない。これは、この場に来て、実際に彼らの生演奏を見て、感じる以外理解はできない。

それにしても、彼らのピアノの息のあったことといったらない。瞬時に、主旋律を弾いていたほうが、リズム隊に変わり、さっきまでリズムを弾いていたほうが、こんどはメロディーを弾いていたりする。

ジョーのソロパートで、「スペルバウンド」と「ザ・ソング・リヴズ・オン」の2曲を終えた後、またジョーが話し出した。「私が生まれ育ったヒューストンは、牛の街だ。昔も牛の街だったが、今も変わらないな。(笑) 要はまったく洗練された街ではないということだ。ヒューストンには、ほとんど何にもないんだ。教会以外はね。あるのは、教会、教会、教会、教会・・・。それと、ブルーズを聞かせるブルーズバーはある。あちこちに、ブルーズバー、ブルーズバー、ブルーズバー・・・。(笑) ピアニストは同じで、日曜には教会で神様のためにピアノを弾き、金曜土曜にはその同じピアニストが・・・(それ以上、言うな、とジョージがストップをかけた=(笑)) 言ってみれば、ブラックミュージックのすべては、チャーチ(教会)とブルーズなんだ。そこから生まれるストンプとシャウト、これだ。リトル・リチャードは教会からでてきている。さあて、ジョージ、世俗的な曲はできるかな」 こう言って二人は、ごきげんなのりのファンキーな曲を演奏し始めた。

左手で主にリズムパターンを繰り返し、右手でメロディーを弾く。ものすごくのりがよく、観客からも手拍子がかかった。この曲のタイトルがわからなかったので、ジョージとジョーにあとで尋ねた。「あのリトル・リチャードなんとかって言ってプレイした曲のタイトルはなんですか」 「ああ、あれか、タイトルないよ。適当にやったジャムセッションだから!」 「えええっ、これ、ジャム・セッション? じゃあ、リハもやってないの?」 すごいなあ。けっこう、起承転結あって、まとまっていたように思えた。ジョーが言った。「『ジョーズ・チャーチ』でいいよ(笑)、『ジョーズ・ブルーズ』でも、どっちでも」 ジョージ「おお、それで行こう。『ジョーズ・チャーチ』」 インストゥルメンタル曲のタイトルなんて、こんな風に決まるのだろう。(笑)

また、アンコールで演奏される「ストリート・ライフ」も日に日に彩りを変える。それは、まるで虹のように日によって違う色彩を見せてくれる。ジョージとジョーのライヴパフォーマンスは、雨粒の如く、雪の如く、雲の如く、そして、虹の如く、決して同じものはない。

+++++

Setlist Second Set (November 25, 2005)

(註、Joe&George はジョーとジョージのデュオ。それぞれのソロは、ひとりだけで演奏。曲目後は、オリジナル作曲者とその作品が登録された年号。ヒット曲の場合は、ヒットした年)

show started 21:33

=Joe & George=

01. It Don’t Mean A Thing If It Ain’t Got That Swing (Duke Ellington: 1932, From "Sophisticated Ladies")
02. Ain’t Misbehavin’ (Thomas Fats Waller: 1929)

=George Solo=

03. Honeysuckle Rose (Thomas Fats Waller: 1929)
04. So What  (Miles Davis: 1961)
 
=Joe & George=

05. Over The Rainbow〜Christmas Song
06. Cherokee (Ray Noble: 1939)

=Joe Solo=

07. Spellbound (Joe Sample "Spellbound"-1989)
08. The Song Lives On (Joe Sample "Song Lives On"- 2002)

=Joe & George=

09. Joe’s Church (Jam Session)

=George Solo=

10. Shine On (George Duke: 1982)
11. Sweet Baby (George Duke: 1981)

=Joe Solo=

12. It’s A Sin To Tell A Lie (Billy Mayhew: 1933, Joe Sample, "Song Lives On"-2002, "Soul Shadows"-2004 )

=Joe & George=

13. Love For Sale (Cole Porter: 1930)
Enc. Street Life (Crusaders: 1979)

show ended 22:52

(2005年11月25日金曜、東京ブルーノート=ジョー・サンプル、ジョージ・デューク・ピアノ・デュオ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Sample, Joe / Duke, George
ENT>MUSIC>ARTIST>Sample, Joe / Duke, George

Leon Russell: Living Legend

2005年11月26日
【レオン・ラッセル・ライヴ・バンド・ヴァージョン】

バンド。

生きるロック界の伝説、レオン・ラッセルが久々の来日。東急文化村オーチャードには、往年のロックファンらしき人たちが集結した。しばらく前のアル・クーパーの観客と似ている。ラッセルは、月曜日にアコースティック・ヴァージョンのライヴを行う予定だったが、結局エレクトリックになったという。よって、2回(月曜と木曜)ともエレクトリック・バンドのライヴ。

それにしても、レオンはしっかりした声で、次々と作品を歌っていく。なんと言っても、よく声がでていて、エネルギッシュにアップテンポの曲を歌っていく様が力強い。

彼は南部出身ではないが、やはりアメリカ南部のルーツ・ミュージックをしっかり根底で押さえている感じがする。リアル・ミューシャンのリアル・ミュージックだ。

そして彼の歌声を聴いていて、ここにも改めてレイ・チャールズのヴォーカルの影響を感じた。と思ったら、なんと、レイの曲「ナイト・タイム」や「ジョージア・オン・マイ・マインド」をやった。「ジョージア・・・」に限って言えば、この一週間でジョー・サンプル、シーラ・レイ・チャールズ、そして、レオン・ラッセルと3つのヴァージョンを聴いたことになる。レイ以外でも、ドクター・ジョンなどの影響も感じられた。

セットリストは事前にもらっていたのだが、どうにもわからない曲が多かった。また、1曲1曲が短く、ほとんどおしゃべりもないのがひじょうに印象的だった。メドレー形式でやることもあるので、1曲が短いということもある。下記セットリストで 「〜」をつけたのは、次の曲とメドレーでやったもの。

(守島さんの書き込みを参考に、セットリストを少し補完しました。ありがとうございます。// で示してあるのは、曲がメドレーではなく、きっちり一度終ったという意味です。〜はメドレーでつながっていた、という感じです)

Setlist (Imcomplete) (〜denotes medley to next song)

show started 19:06
01. Delta Lady
02. Rolling In My Sweet Baby’s Arms〜
03. Stranger In A Strange Land
04. (Night Time Is) The Right Time (Ray Charles)
05. Kansas City Woman
06. ??It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry??
07. So Hard To Say Goodbye
08. 16 Tons
09. ?? //
10. ?? //
11. Let The Good Times Roll〜
12. ?? Dixie Lullaby?? //
13. ?? //
14. Back To The Island
15. Wild Horses
16. A Hard Rain’s A Gonna Fall
17. Hummingbird
18. Daddy Sang Bass (Will The Circle Be Unbroken)
19. Georgia On My Mind
20. Prince Of Peace 〜
21. Out In The Woods
22. Mad Woman Song (Tina Rose solo)
23. Lucky Ol’ Sun〜
24. A Song For You〜
25. Jumpin’ Jack Flash〜
26. Papa Was A Rolling Stone〜
27. Paint It Black〜
28. Kansas City Woman (Reprise)
Enc. Great Balls Of Fire
show ended 20:35

(2005年11月24日木曜、渋谷・東急文化村オーチャード・ホール=レオン・ラッセル・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Russell, Leon
【リヴィング・ルームのパフォーマンス】

財宝。

ちょうど、ジョー・サンプルがピアノに向かって座ったその真後ろに陣取った。ジョーの揺れる背中、上下に動く両腕、左右に動く両方の手の指が見える。三分の一ほど蓋があいたグランドピアノから直接、音が耳に入ってくる。

ずっとその揺れる背中を見ていると、徐々にジョーに感情移入してしまい、なんとなく一緒にプレイしているような錯覚に陥った。映画を見ていて主人公に感情移入することはよくあるが、ミュージシャンのライヴではなかなかない。それはきっと、向こう側のピアノのジョージ・デュークとジョーのアイコンタクトがたっぷりあるからだろう。ジョージがこっちを見るので、別に彼は僕を見ているわけではないが、なんとなくジョージと何かをしているような錯覚をしたのだ。

ジョー・サンプルの曲解説は、まるで大学の黒人音楽史のクラスを聞いているかのようだ。1920年代に活躍したジェリー・ロール・モートンの「シュリヴポート・ストンプ」を演奏した後、マイクを持って彼は解説した。「みなさんは『ケーキ・ウォーク』を知ってるかな。奴隷時代に、奴隷たちのカップルがダンス・コンテストをやっていて、優勝するとケーキがもらえた。そんなダンスがケーキ・ウォークだ。(註、きっと、独特のダンスステップなのだろう) 僕の母親は、ケーキ・ウォークをしてたらしい。ジョージもやってたんだろう。(笑) (やってないよ、とジョージ) まあ、彼の血にはチェロキーの血が入ってるんだ。アメリカ人なんて、(あらゆる血が入り混じっているので)自分が(純粋に)何者かなんてわからないものだ」 

もちろん、こうしたサンプル教授の講義も楽しみのひとつではある。彼の講義から知ったことも多い。(ニューオーリンズについて↓)

http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20040507.html

そして、それ以上に、例えばピアノを志している人、プロでもアマチュアでも、そうした人にとっては、ジョーとジョージのこの80分のパフォーマンスを間近に見るということは、何十時間のレッスン以上のものを得られるのではないだろうか。いいプレイヤー(音楽でも、スポーツでも)は、いいプレイヤーのパフォーマンスから盗むことがうまいものだ。ここには、そんな盗める素材が山のようにある。財宝ざくざくといったところだ。

僕も小学生の頃、ごたぶんに漏れずピアノを習わされた。バイエルを少しだけやった。だが、退屈で2年も続かず止めてしまった。もし、その頃、こんなジョーやジョージのライヴ・パフォーマンスを見たら、きっとものすごくピアノをやりたくなったかもしれない。もっとも小学生では、まだ無理かなあ。(笑) ピアノを嫌々習っている子供たちにこのような演奏を見せたらどうなるのだろうか。興味津々だ。

この日のハイライトは、ジョージ・デュークが初めてやったという「ソー・アイル・プリテンド・アゲイン」。ジョージの95年のアルバム『イリュージョン』収録の曲で、そこではダイアン・リーヴスが歌っていたもの。

彼らの演奏を間近で見ていると、誰かのリヴィング・ルームでピアニストがリサイタルを開いているかのようだ。ほんとにインティメイトな雰囲気で、しかし、ミュージシャンシップがほとばしり、緊張感とリラックスがほどよく混在し、なんともいえない空気感にあふれ、独特の時の流れがある。

アンコールとなった「ストリート・ライフ」では、ジョージがグラスを片手で持って、観客に向けて「カンパ〜イ」とやったら、ジョーもそれを受けて、やはり右手でグラスを持ち、ジョージに向けて「カンパーイ」とやった。その間、二人とも演奏は左手だけになった。そして、ジョーの左手は、かなりファンキーなリズムパターンを演奏するにいたった。ジョーが言うところの「ファンキー・ストリート・ライフ」だ。たしかに今までの中で一番ファンキーな「ストリート・ライフ」になっていた。

Setlist Second Set (November 23, 2005)

(註、Joe&George はジョーとジョージのデュオ。それぞれのソロは、ひとりだけで演奏。曲目後は、オリジナル作曲者とその作品が登録された年号。ヒット曲の場合は、ヒットした年)

show started 21:02

=Joe & George=

01. It Don’t Mean A Thing If It Ain’t Got That Swing (Duke Ellington: 1932, From "Sophisticated Ladies")
02. Some Day My Prince Will Come (Frank Churchill: 1937, From "Snow White & Seven Dewarfs" )

=George Solo=

03. I Loves You Porgy (George Gershwin: 1935, From "Porgy & Bess")
04. So What  (Miles Davis: 1961)

=Joe & George=

05. Blue Trane (John Coltrane: 1977)
06. Cherokee (Ray Noble: 1939)

=Joe Solo=

07. Soul Shadows (Crusaders: 1980)
08. Shreveport Stomp (Jerry Roll Morton: 1920s)

=Joe & George=

09. Whisper Not (Benny Golson: )
10. Bluesette (Toots Thielemans: 1964)

=George Solo=

11. So I’ll Pretend (From George Duke Album "Illusions": 1995- on CD Dianne Reeves on vocal)

=Joe & George=

12. Love For Sale (Cole Porter: 1930)

Enc. Street Life (Crusaders: 1979)

show ended 22:23

(2005年11月23日水曜、東京ブルーノート=ジョー・サンプル、ジョージ・デューク・ピアノ・デュオ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Sample, Joe / Duke, George
ENT>MUSIC>ARTIST>Sample, Joe / Duke, George
【30年代のニューヨーク・ハーレムへ】

タイムマシーン。

キャブ・キャロウェイというコミカルなエンタテイナーが一世を風靡したのは1930年代のこと。その舞台は、ニューヨーク・ハーレムの当時もっともおしゃれな人々が行くコットン・クラブだった。コットン・クラブから全米に人気の火がついたアーティストは、多い。このキャロウェイやデューク・エリントンなどそのもっともいい例だ。キャロウェイはその後もコンスタントに活動を続け、最近ではジャネット・ジャクソンのヒット曲「オールライト」のビデオにキャメオ出演していた。それでも1990年のこと、今から15年前だ。

そして、そのコットン・クラブが日本にオープンし、柿落とし(こけらおとし)がキャブ・キャロウェイの孫、キャブ・キャロウェイ3世というわけだ。

通路を通ってステージに上がるときに、その顔からして、祖父であるキャブ・キャロウェイの生き写しかと思った。それほど雰囲気が似ていた。白いスーツで、白い指揮棒を激しく振りながら、観客を楽しませる。まさにブラック・エンタテイナーらしいエンタテイナー。

途中に女性シンガー、ポーラ・ウェストの歌でスタンダードの「ザ・マン・アイ・ラヴ」と「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」が歌われた。

「さあて、みなさんの中にちょっとだけ、グッドラック(幸運)が欲しい人はいるかな? もし、いるなら、これから私がその幸運の鍵となるおまじないを教えよう。私の後について、それを言ってみてくれ。ヘ〜イ、ナウ! さあ、みなさん! ヘ〜イ、ナウ〜〜」 

何曲かのスタンダード、時代がかったビッグバンドが奏でるオールド・ソングの数々。今から70年前には、きっとニューヨークのハーレムでこんな感じのライヴに、ニューヨーカーたちが熱狂していたんだろうなあ、と思うと、ちょっとだけタイムマシンに乗ったような気になってきた。

この日は、なんと本家本元ニューヨークのコットン・クラブのオウナーという人が招かれてきていた。一言だけ話をしたが、「まあ、ここは、(ニューヨークの店の)ベイビーのようなものだ。そうだな、これからはあちこちにベイビーを作りたいな」と笑った。

Setlist (Incomplete)

show started 20:31
01. Calloway Boogie
02. (He’s Such A) Be-Bop Guy
03. Uh-Nah
04. Christmas With You
05. The Fastest Song Ever Written

=Paula West, Singer on two songs=
06. The Man I Love
07. Fly Me To The Moon

08. Going Down To Charleston
09. Chant Of Jungle
10. Hey Now, Hey Now
11. Jive Brother (?)
12. As Time Goes By
13. Zanzi
14. Minnie The Moocher
Enc. Handy Man

show ended 21:51

(2005年11月22日火曜、コットン・クラブ=キャブ・キャロウェイ・オーケストラ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Calloway, Cab
【コットン・クラブ、丸の内にオープン】

伝説。

2005年11月22日、東京駅前、丸の内に新しいライヴハウス「コットン・クラブ」がオープン。そのオープニング・レセプションが19日と21日に華々しく行われた。入口にはレッドカーペットが敷かれコットン・クラブと書かれたナンバーをつけたクラシックカーが芸能人などを待ち受けていた。ちょっとしたセレブの集いのような感じ。

ニューヨークの伝説のライヴハウスで現在も営業している「コットン・クラブ」から正式に名前の使用許可を取りオープン。店内は、柱もなく舞台が見易く、内装は高級感漂い、青山のブルーノート風な雰囲気もある。「コットン・クラブ」は、座席数約180、店内のどこからでも、ステージが見易い段差のついた設計になっている。一番高いレヴェルが4人から5人のボックス席が舞台正面になる後方に6つ、右側と左側の壁側も、ボックス的な座席、一番下のアリーナが通常のテーブル席でここは、まさにステージのかぶりつき席という感じだ。一番下のアリーナ席だとステージと並行の感じになるが、ちょうどいい。店内の視覚には柱は1本もなく、ステージを見る上では最高の環境だ。

「コットン・クラブ」のアーティストのブッキングは、当初はブラック系を中心に、徐々にブラックにこだわらず良質な音楽に幅を広げていきたい、という。

レセプションに招聘されたのは、なんとあのレイ・チャールズの娘であるシーラ・レイ・チャールズというシンガー。アメリカでは、クラブやチャリティー・コンサートなどで歌っているという。このシーラに先日、インタヴューしたが、その模様はまた別の機会にご紹介する。

21日のオープニング・レセプションでは、16人編成のビッグバンドが登場。ビッグバンドの演奏をこの規模のライヴハウスで見られるというのは、なかなかのものだ。オープニングは、デューク・エリントンの「セカンド・ライン」という曲。

デューク・エリントンは、ニューヨークの「コットン・クラブ」に1927年12月から4年の長きに渡って出演した。言ってみれば、「コットン・クラブ」の顔のような存在になり、しかも、エリントンもここへ出演することで、人気をあげていった。そのエリントン作品を柿落とし(こけらおとし)の第一曲目にもってくるのも粋なもの。インストゥルメンタルで5曲(内1曲でタップダンサーが踊った)を披露した後、シーラが登場。こんどは全5曲、父親レイ・チャールズの歌を歌った。

シーラは、顔立ちがやはり、レイ・チャールズを思わせる。「アンチェイン・マイ・ハート」から始まり、これが終るとシーラが話し出した。「みなさん、映画『レイ』はご覧になったかしら。マージーはその中で、とても怒ってこの曲を歌っていました。今日は、私のヴァージョンで、お送りしましょう。『ヒット・ザ・ロード・ジャック』」 そして、曲の途中でバンドマスター、マイクとのやりとりをおもしろおかしく演じた。「マイク、あなたは昨日の夜、どこに行っていたの? 私は朝の6時まであなたをホテルの部屋で待ってたのよ。あなたは、リハーサルだと言ったけど、そんなことあるわけないわ。香水の匂いがするし、口紅がシャツについているわ」とナレーションをいれながら、うまく曲にしていく。シーラの声は太くて、ゴスペルで鍛えたことがわかる。

「ジョージア」は、ひときわ、この日の観客を喜ばせたようだ。さらに、「ホワッド・アイ・セイ」では、立ち上がる人たちも。アンコールは、彼女がもっとも好きだという「ドロウニング・イン・マイ・オウン・ティアーズ」。

こんご、この「コットン・クラブ」からどのような伝説が生まれるだろうか。

+++++

(11月22日からは、キャブ・キャロウェイ・オーケストラのライヴが始まります。実際はキャブ・キャロウェイの孫が率いるオーケストラが登場)

コットン・クラブ・ウェッブ
http://www.cottonclubjapan.co.jp/ccj/top.html

Setlist

show started 20.01
01. Second Line (Duke Ellington)
02. Such Sweet Thunder (Duke Ellington)
03. Love For Sale (Cole Porter)
04. (tap dancer)
05. Cotton Tail (Duke Ellington)

Sheila Ray Charles (all Ray Charles hit songs)

06. Unchain My Heart
07. Hit The Road Jack
08. Georgia On My Mind
09. What’d I Say
Enc. Drowning In My Own Tears
show ended 21.06

(2005年11月21日月曜、コットン・クラブ=シーラ・レイ・チャールズ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Ray Charles, Sheila
Setlist Second Set (November 20, 2005)

(註、Joe&George はジョーとジョージのデュオ。それぞれのソロは、ひとりだけで演奏。曲目後は、オリジナル作曲者とその作品が登録された年号。ヒット曲の場合は、ヒットした年)

show started 21:04

=Joe & George=

01. It Don’t Mean A Thing If It Ain’t Got That Swing (Duke Ellington: 1932, From "Sophisticated Ladies")
02. Honeysuckle Rose (Thomas Fats Waller: 1929)

=George Solo=

03. My Foolish Heart (Victor Young: 1949)
04. Geneva (From George Duke’s album "Snapshot": 1992)

=Joe & George=

05. Blue Trane (John Coltrane: 1977)

=Joe Solo=

06. Stardust (Hoagy Carmichael: 1929)
07. Carolina Shout (James P. Johnson: 1922)

=Joe & George=

08. Cherokee (Ray Noble: 1939)
09. Bluesette (Toots Thielemans: 1964)

=George Solo=

10. So What (Miles Davis: 1961)
11. Shine On (George Duke: 1982)
12. Sweet Baby (George Duke: 1981)

=Joe Solo=

13. Spellbound (Joe Sample: 1989)

=Joe & George=

14. Love For Sale (Cole Porter: 1930)

Enc. Blue Moon (Richard Rodgers: 1934)
Enc. Street Life (Crusaders: 1979)

show ended 22:31

(2005年11月20日日曜、東京ブルーノート=ジョー・サンプル、ジョージ・デューク・ピアノ・デュオ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Sample, Joe
ENT>MUSIC>ARTIST>Sample, Joe
【忘れえぬ夜】

ハート&ソウル。

「ソウル・ブレンズ」が終って、青山へ直行し、整理番号をもらい、開場を待った。番号は14番。なんという番号。これだったら、どこでも好きな所へ座れそうだ。意外に、満員にはなっていなかった。会場に入るとピアノが2台右と左に少し離れて置かれていた。お店の人に、ジョー・サンプルはどちらのピアノか尋ねると、左だという。そこで左の一番前に座ろうとしたら、「あ、すいません、ジョーは右側のピアノです」と言うので、あわてて、右の一番前の席を取った。あぶないあぶない。(笑) ちょうど、彼がピアノを弾くと背中が見えるところになる。

それにしても、ふたりのピアノ・デュオというのは、どんなになるんだろう。まったく想像がつかない。

暗転してふたりがそれぞれの持ち場につく。ジョーがすぐ横を通る時、僕に気がついてくれた。いきなり、ジョー・サンプルとジョージ・デュークの演奏が始まった。どうやら、ジョーがリードして、ジョージがそれをフォローする形のように見受けられる。ジョージはずっとジョーのことを見ている。ジョーのピアノは、僕たちの席からは間近なので、アンプを通さない直接の音が聴こえる。アップテンポの曲は、ジョーがけっこう声を出して歌っているのが聴こえる。

ふたりで演奏する曲は、楽譜を見ている。そのため、彼はめがねをかけていた。たしか、ソロの時は、楽譜を見ないので、めがねをかけていなかったと思う。最初、ジョーが演奏を始めて、まもなく、ジョージが演奏を始めたのだが、ジョーの動きと違う音がでていて、初めてジョージがかぶさっているのが、わかった。それにしても、一体どのように連係しているのだろうか。まったくわからない。すごいものだ。こんなことができるのか。溜息ものだ。同行オッシーも、「いやあ、すごいっですね」。「ほんとすごいねえ」

ふたりで2曲演奏して、ジョージ・デュークのソロへ。自分の大好きな曲だと言って「マイ・フーリッシュ・ハート」を演奏した。これを聴いて、ジョージもジョーに負けず劣らず、優しいタッチを聴かせるのだなあ、と感心した。確かにジョージのピアノは、CDなどで聴かれるが、やさしくメロディアスだ。ジョージのソロピアノというのは、バンド内で1−2曲演奏されるだけで、なかなかじっくり聴く機会はなかったが、とてもよかった。

再び、デュオ。ジョージがシュアなリズムをキープし、ジョーが物語を爪弾く。それにしても、このデュオはすごいなあ。ピアノのデュオってみんな、こんななのだろうか。ジョーもジョージも、それぞれの力を出し切っている。

今度はジョーのソロの番だ。ちょっとだけ何かを弾いたら、突然気が変わったのか、それをやめてマイクを握った。「ちょっとまってくれ。実はひとりの人物が、先日ある曲をやってくれないか、と言ってきたんだ。その彼は僕が泊まっているホテルにCDを置いていった。『スターダスト』を覚えてくれ、と。(笑) そこで、僕はCDを聴いた。昔やっていたが、『スターダスト』はもう30年以上、やっていない。僕は、ナット・キング・コールのヴァージョンがとても気に入っている。そこで、(CDに入っていた)彼の曲を聴いて、やってみることにした。では今夜、30年ぶりに『スターダスト』をやってみよう」

やった〜〜〜! ジョーはピアノの上に置かれている何枚かの楽譜から「スターダスト」の楽譜らしきものを取り出して、譜面台に立てかけ、それに目をやり、演奏を始めた。「あれ、なんで楽譜があるの? なんで、楽譜が?」 一挙に疑問符が点灯した。まさか、CDから楽譜を聴き起こしたのだろうか? 明らかに、何か弾こうとした曲は、やめてこれに変えたということだ。楽譜に目をやりながら、ジョーは「『スターダスト』はものすごく音(音符)がたくさんあるんだよ」と微笑みながら不満げに言った。

あのやさしいタッチで曲が始まった。紛れもないジョー・サンプル、間違いなく「スターダスト」。とてもゆったりしたテンポだ。はっきり言って、もうとろけます。大好きなジョー・サンプル氏が大好きな「スターダスト」を演奏してくれるなんて。しかも、ソロで。夢のようだ。死んでもいい。(笑) 5分半くらいだったが、このジョー・サンプルの「スターダスト」は、決して忘れない。

もう1曲、ジョーがソロを弾き、ジョージとふたりで2曲。そのうちの1曲はトゥーツ・シールマンの「ブルーセット」だった。今度はジョージのソロの番になり、ジョーは舞台を降りた。すると、なんと彼は僕らのテーブルの横に並んで座って、ジョージのパフォーマンスを見たのだ。グラスを少し掲げ乾杯をして、テーブルにあったフライドポテトをつまんだ。つまり、僕たちは今度はジョー・サンプルと同席して、一緒にジョージのライヴを見て、杯をかわし、ディナーを共にしたことになる。(笑) わお! 

ジョージのこのソロパートもやられた。なんとあのアップテンポの「シャイン・オン」をスローのアコースティック・ピアノ1本でやったのだ。最初僕はわからなかったが、オッシーがすぐにわかった。「シャイン・オン」のスロー・ヴァージョンは想定外だ。そして、それに続けて、「スイート・ベイビー」。ジョージがいきなり歌いだした。ここで歌が入るか! まいった。

そして、再びジョーがステージに上がり、「僕も1曲やろう」と言って、「スペルバウンド」を演奏した。ちょうど、その演奏中、オッシーが、僕のメモノートに「ブルームーン」「ラヴ・フォー・セール」「ストリート・ライフ」と書いた。何かと思ったら、ジョーの足元に置いてあるセットリストを見て、それを書いたのだ。僕なんてとても、その距離の字は読めないが、なんと言っても視力2.0のオッシーの眼力はすごい。ほ〜〜。読めちゃうか、あの字が。すると、順番は違ったが、この3曲が最後に演奏された! 最後の「ストリート・ライフ」は、かなりピアノ・デュオの斬新なアレンジになった。ジョージは、よくジョーの方を見ている。特に、曲の締めのところなど、お互い目で合図しながら、うまく終わりを合わせる。

夢のような90分。ありがとう、ジョージ&ジョー。きっと、ジョージとジョーにとって、同じ夜はないに違いない。毎夜、たとえ同じ曲でもまったく違ったアレンジで、別の展開で披露していることだろう。マネジャーのポールがふと漏らした言葉がいまだに心に残っている。「(ジョーが)演奏する曲は同じでも、演奏自体は、毎回違うんだよ。彼のハート&ソウル(心と魂)以外はね」 毎回違うパフォーマンスを見せるが、曲の奥底にはいつもジョーのハート&ソウルが漂っている。

(ジョー・サンプル、ジョージ・デューク・ピアノデュオ・ライヴは、今週土曜日26日まで、東京ブルーノートで行っています)
【30年は演奏していない「スターダスト」】

リクエスト。

饒舌になってきたジョーはいろいろな話を始めた。本当にテープレコーダーで録音したかったほどだ。記憶にまかせてジョーの言葉に聞き耳を立ててみよう。

「最近、僕はひとりでの演奏がけっこう気に入っている。バンドとかではなくね。なぜなら、ひとりでやるほうが、圧倒的に自由度が高いからね。バンドと一緒にやっていると、ある程度方向性が制限される。だが、ひとりでやっている限り、ある瞬間は、こっち、次の瞬間になにか思いついたらそっちと、どこにでも自由自在に移動できる。そういうところが好きなんだな。ポップ・ミュージックは、同じことを繰り返すので、苦手だよ」

「ジョージ・デュークとのデュエットは、8月だったかに、ハリウッドボールでやる機会があった。リハーサルかい? ジョージと5分くらいやったよ。(笑) ショウの構成は、ふたりで2曲やって、ジョージのソロ2曲、またふたりで2曲やって、僕のソロ2曲、といった感じで進めていく」

最近、聴いたアニタ・ベイカーのクリスマス・アルバム『クリスマス・ファンタジー』でのジョー・サンプルのパフォーマンスが大のお気に入りだったので、そのことを伝えた。「ああ、あのレコーディング・セッションはとてもいい経験になった。とても楽しかったよ。2日間だったかな。どれも、みんなワンテイクかツーテイクだよ」

「こんなことがあった。彼ら(プロデューサー、ソングライター、アニタたち)はその場で、曲を作るんだ。アレンジャーのバリー・イーストモンドが、彼もピアノを弾くんだが、こういう風にやってくれ、と僕に指示した。ところが、その指示通りにやると、そうじゃない、こうやってくれ、という。ところが、その指示が最初と次のでまったく違うんだな。(笑) 僕も言われたとおりにはできなくて、勝手にやってしまったりするんだけどね。まあ、何をどうするかが決まってないときには、よくあることなんだが。そのうちにドラマーのリッキー(・ロウソン)が、ドラムセットを引っくり返さんばかりに切れてね。(笑) いいかげんにしてくれ、みたいな雰囲気になったんだ。そうしたら、その瞬間から、すべての流れが変わった。そして、すごくセッションがうまく行き、とてもいい曲ができたんだよ。(註、『ファミリー・オブ・マン』か、『ムーンライト・スレイライド』のどちらかと思われる)」

「アニタはね、自分が周りの連中からクレイジーだと思われているということを知ってるんだ。彼女も自分はこういうシンガーだという枠を無意識のうちに決めていたりするんだね。そのために、ミュージシャンたちに対して厳しいことを言ったりしたりするのかもしれない。彼女自身が考える喉の限界とか、(歌える)音域の限界とかね。ところが、いいミュージシャンとコラボレートすると、そういう一流のシンガーでも、さらに一歩壁を越えて向こう側に行けるんだよ。きっと、アニタは、このセッションでそういうことができたと思う。その点でも、このレコーディングはとてもいい経験になった」

「東京から帰ったらニューヨークに行って、グラディス・ナイトのレコーディングに参加する。その後は、LAに戻って、ランディー・クロフォードとアルバムを作るんだ。そのために曲を書いて、アレンジしないといけない。今、(ホテルの)部屋でやってるよ。ランディーには、ニーナ・シモンや、ナンシー・ウィルソン、エラ・フィッツジェラルドなんかの曲を歌ってもらおうとおもっている」

そんな古い曲の話をしているうちに、セカンド・セットのオープニングでスタンダードの「ペーパームーン」をやった話題になった。「なんでまた『ペーパームーン』を?」 「いや、昔からなじみのある曲だから。昔の作品には、メロディーがあるだろう。僕はメロディーがある作品が好きなんだ」 そこで、僕の脳裏にひとつのアイデアが浮かんだ。

「1曲、演奏していただきたい曲が思い浮かびました。リクエストです。『スターダスト』は、演奏されますか?」 「おー、『スターダスト』・・・。昔、随分やったよ。でも、30年はプレイしてないな。(笑) 曲を正確には覚えてないよ。(といって、冒頭のメロディーをハミングする) ここは、メロディーだな、ヴァース(サビの部分)はどうだったっけ。(いろいろメロディーを試すが、なかなかサビ部分がでてこない) お〜い、ポール(マネージャー)!」 「イエス・サー」 「スターダストのサビの部分はどうだった?」 「(ちょっと試すが、やはりイントロのメロディーのところ)」 「そこは、メロディーだ」 

「なるほど、じゃあ、歌詞カードがあれば、いいですか」 「いや、歌詞カードじゃなくて、レコードがないとだめだ。あるいは、楽譜」 「わかりました、では、スターダストのCDをお渡しします。明日、ホテルに持っていきますよ。フロントに預けておきましょう」 「わかった。じゃあ、もし準備する時間があったら、考えてみるよ。日曜日に来るんだね」 「はい、日曜のセカンドに」

こうして僕はうちに帰るなり、家中の「スターダスト」をひっぱりだして、一枚のCDに焼いた。こんなのは朝飯前だ。なんてったって、昨年、オッシーとともに横浜のバー、スターダストの特集番組を作るために、「スターダスト」を集めたことがあったからだ。結局、8つのヴァージョンをいれた「スターダスト」CDを作った。8つのヴァージョンは、ロッド・スチュワート、ナット・キング・コール、エロール・ガーナー、ウィリー・ネルソン、ウイントン・マルサリス、トク、ファッツ・ウォーラー、スティーヴ・タイレルだ。しっかり、トクのヴァージョンもいれてみた。エロールとファッツは、ジョーより先輩のピアニストだ。CD作るのは朝飯前だが、「スターダスト」8ヴァージョンを作るとほとんど夜は明け、朝飯時になっていた。そして、明けて土曜の午後、そのCDをホテルにおきにいった。

果たして、日曜日、ミスター・サンプルは「スターダスト」をプレイしてくれるのだろうか。もし、ソロで弾くとなると、どんなになるのか? スローなのか、ミディアム調なのか。まったく想像がつかない。期待に胸を弾ませて、ブルーノートに向かった。

(ジョーの話、続きます)

ENT>MUSIC>LIVE>Sample, Joe
ENT>MUSIC>ARTIST>Sample, Joe
【インプロヴィゼーションの達人、ジョー・サンプル〜雨粒や雲の如く〜】

雨粒。

赤レンガに近づくと、通常はモーション・ブルーでのバンドの音が漏れてくる。誰が何をやっているかまでは、判断できないが、音がでているのがわかる。ところが、この日はいくら建物に近づいても、音は漏れてこなかった。港の静けさと石畳が印象的だ。ひょっとしてライヴ、まだやってないのか。

3階に上がり、入口のトンネルを進んでも、横のバーで流れているBGMは聴こえてきたが、中の演奏は聞こえなかった。そして、おもむろに重い扉を開けると、やっと、ピアノの演奏が聴こえてきた。すでにファーストセットが始まってしばらく経っていた。全体的に、ピアノからの直接の音も聴こえてくるほど、音量が小さい。これなら、外に音が漏れるはずもない。

軽快なリズムの曲を演奏した後、スコット・ジョプリンが作曲した「ジ・エンタテイナー」を演奏した。ジョーの解説によると1900年代初期にジョプリンが書いたということだが、1973年、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード主演の映画『スティング』のテーマ曲として大ヒットし有名になっている。

ピアノのタッチが違う。普通のホテルのバーなどで聞かれるラウンジピアノとは、まったく違い、クラス(品格)、格調がある。オリジナル曲以外のスタンダード曲の解釈がまたユニークだ。それは、その曲の理解度が圧倒的に高いからに他ならない。カヴァーする曲を知り尽くして、あたかも自分の曲のように消化して、それを輩出するから、オリジナリティーのあるカヴァーが生まれる。たとえ、自分のオリジナルであっても、時代とともに、その解釈を変えてしまう。

ファーストとセカンド、両方で「メロディーズ・オブ・ラヴ」と「アイヴ・ガット・リズム」を演奏した。しかし、どちらのヴァージョンもファースト、セカンドで微妙に違う。いや、大きく違った。アップテンポの曲で興がのってくると、彼はいつしか「う〜〜」とか「あ〜〜」とかピアノの前で声を出しながら演奏している。

「アイヴ・ガット・リズム」の後に、聞き慣れたメロディーが流れてきた。さて、〜〜〜おおおっ、「ジョージア・オン・マイ・マインド」だ! ピアノ1本で歌もなく、彼は演奏する。彼もまたレイ・チャールズの大ファンだったが、ジョー・サンプルのまったくのソロによる「ジョージア・・・」はまた格別だった。

2セット終了後、楽屋に行った。マネージャーのポールさんに、「『メロディーズ・オブ・ラヴ』、セカンドのはファーストとまったく違いましたね」と言うと、「そうなんだ。ジョーはいつも違ったように弾く。そこがすばらしいんだよ」と答えた。「何年くらい、ジョーのマネージャーを?」 「16年かな。長いけどね。毎晩、違う彼の演奏を聴けるなんて、こんな嬉しい仕事はないよ。光栄だ。彼の演奏は、雨粒や雲みたいなもんだ。つまり、同じように見えて、どれも同じじゃないだろう。刻々と変化していく」 「おおっ、すごい。その通りだ! あなたは詩人ですね!」 「いや、僕が詩人なんじゃなくて、彼(といってジョーを指差す)が詩人なんだよ」  そう言ってにっこりした。

ミスター・サンプルに挨拶をして、「『メロディーズ・オブ・ラヴ』をまったく違った風に演奏されましたね!」と言うと、「(前に弾いたのを)覚えられないんだよ! (笑)」と返ってきた。「僕は、同じことを何度も繰り返すことができないんだ。すぐ飽きてしまう。ポップ・ミュージシャンは、よく同じことを毎晩毎晩繰り返しできるなあ。何年か前に、エリック・クラプトンのバンドでツアーしたことがある。そのとき、本当に毎晩同じように演奏しなければならなかった。みんなのことを感心したよ」

ちょうど、ワインが運ばれ、スタッフ何人かで軽く乾杯となった。毎日グラスで1、2杯ほど赤ワインを楽しむ程度だという。「いやあ、最近のジャズ・シーンっていうのは、ホーンセクションがひとつの音をえらく早弾きするだろう。(といって音真似) だが、どれもワンノート(ひとつの音、ひとつの音階)だけで、ハーモニーがない。ある時、マイケル・ブレッカーが『バババババッ〜』(と少しメロディーをつけて、口真似)とえらく早く吹き、しかも、相当数の音を息継ぎもせず吹いていた。『マイケル、息をしろよ!(笑)』って感じだ。ハーモニーがないとメロディーがでてこない。僕自身はメロディーが好きなんだ」 徐々に、ジョーが饒舌になってきた。

(ジョーの話、続く)

(ジョー・サンプルは、日曜=11月20日=から一週間、ジョージ・デュークとともにピアノ・デュオ・ライヴを東京ブルーノートで行います)

1st set: Setlist(incomplete)

00. ??
00. Shreveport Stomp
00. The Entertainer
00. One On One
00. I Got Rhythm
00. Georgia On My Mind
00. Melodies Of Love
Enc.1. Jitterbug Waltz
Enc.2. How Ya Gonna Keep ’Em Down On The Farm? (Theme Of 369)
show ended 19:51

(2005年11月18日金曜、横浜モーションブルー=ジョー・サンプル・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Sample, Joe
【ピアノの魔術師、ジョー・サンプル完全ソロライヴ】

旅先案内人。

なんとイマジネーションを広げてくれるパフォーマーだろうか。たったひとりでステージに置かれたグランドピアノに向かい、たった2本の腕と10本の指で88の鍵盤を操り、200人ほどの聴衆の心をわしづかみにする。そのピアノの音色に身を委ねれば、世界中のどこにでも、いつの時代にでも瞬時に連れて行ってくれる。それはあたかも、このピアニストがすばらしき旅先案内人の如くだ。

ピアノの魔術師、ジョー・サンプルの完全なソロ・コンサート。2年程前にやはりここモーション・ブルーでソロ・ライヴを見たが、それ以来。バンドではなく、完全なソロというのは、緊張感もあり、しかも、自由度が圧倒的に高いために、ひじょうにおもしろい。アーティストの調子によって、出来不出来が如実に表れたり、セットリストが決まっていない分、思いもかけない曲が弾かれたりすることもある。まさにこの日のこの瞬間しか存在しない真の一期一会だ。85分間のパフォーマンスは、この空間に来た人だけの経験だ。そして、その経験をどのように評価するか、どれほど価値あるものと思えるかは、参加してその演奏を聴いた本人次第ということになる。

1曲終えるとタオルで額の汗を拭い、力強く、そして、さらに強烈なタッチで鍵盤を打つかと思えば、ぐっと引いてゆるいタッチで触れる。こんな緩急を付けられるピアニストを他に知らない。

ミスター・サンプルは何曲かに解説をつけて、プレイする。例えばこうだ。「ジョージ・ガーシュインが7歳の時、親に連れられてニューヨークのハーレムに行ってそこでプレイしているピアニストたちを見ていた。そして、彼はその(黒人の)ピアニストたちを見て、曲を書こうと思った。彼らには、リズム(感)があったのだ。自分もそういうリズムが欲しいと思った。そして、彼はそのものずばりの曲を書いたのだ。『アイヴ・ガット・リズム』」

「ジョージ・ガーシュインが7歳頃というと、ちょうど第一次世界大戦の頃だろう。1912年ころかな、ハーレムではいわゆる『ストライド・ピアノ』という奏法が大流行だった。その達人がジェームス・T・ジョンソンという人物だ。では、みなさんを1918年のハーレムにお連れすることにしよう」 こうして演奏されたのが、「キャロライナ・シャウト」。

「その昔、ピアニストがもっとも好きな音楽はブルーズだった。酒場で酒を飲めないことがあった。隠れて飲まなければならなかった。そんな酒場ではピアニストは、ブルーズ・ピアノを静かに弾かなければならなかった。おまわりがやってくるからね。ピアノも静かに、話もひそひそ話でね。だから、今夜私もピアノをそっと弾くことにする。『アフター・アワーズ』という曲です」

それは、ジョー・サンプル教授のピアノの歴史のレッスン。時間軸と地域の軸が縦横に行き来して、我々を未知の世界にいざなう。

セカンドセットでひときわ驚いたのは、ジョーとレイラがレコーディングした傑作『ソング・リヴズ・オン』からの「ホエン・ユア・ライフ・ワズ・ロウ」だった。これはオリジナルであり、レイラの名唱で決定的になったヴォーカルソングだ。他の誰もが知ってるスタンダードとはちょっと意味が違う。あれだけ強烈な歌の印象を持っていた曲だが、ジョーのたったひとりのソロピアノで、この曲が持つ世界が創られた。

もうひとつは、ファーストでもやったジョーの18番「メロディーズ・オブ・ラヴ」。最初の2−3の音でそれとわかったが、ファーストとはまったく違ったアレンジで、まるで別の曲のようだった。ここまで違う「メロディーズ・オブ・ラヴ」をあっさり弾けてしまうなんて。おそれいった。

それにしても、アップテンポの時のグルーヴ感といったらない。そして、バラードの時のメロディアスな魅力。ジョー・サンプルの左手はグルーヴを生む手。そして、右手は詩を語る手。グルーヴ・ハンド、ポエット・ハンド、それらはマジック・ハンド。

(ジョー・サンプルについては続きます)

(ジョー・サンプルは、日曜=11月20日=から一週間、ジョージ・デュークとともにピアノ・デュオ・ライヴを東京ブルーノートで行います)

Setlist (2nd)

show started 21:35

01. Paper Moon
02. Sweet Lorraine
03. Spellbound
04. I Got Rhythm
05. Embraceable You
06. Carolina Shout
07. All God’s Children
08. When Your Life Is Low
09. Shreveport Stomp
10. After Hours
11. Caravan
12. It’s A Sin To Tell A Lie
13. Melodies Of Love
14. How Ya Gonna Keep ’Em Down On The Farm? (Theme Of 369)
Enc.1. Ain’t Misbehavin’
Enc.2. Jitterbug Waltz
show ended 23.00

■ジョー・サンプル関連記事

2004/08/29 (Sun)
Crusaders In Misty
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20040829.html

2004/05/07 (Fri)
Joe Sample Solo Live
ニューオーリンズ。
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20040507.html

2004/05/05 (Wed)
Once In A Life Time Melody: Joe Sample Live At Blue Note
一期一会。
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20040505.html

ジョー・サンプル・ライヴ 「引き算のピアノ」 2003年12月
Joe Sample: Abstract Subtraction
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200312/diary20031211.html

クルセイダーズ・ライヴ 「ウォーリッツァーの初体験」 2003年10月
What Did 40 Year Old Wurlitzer See In Tokyo?
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200310/diary20031009.html

ジョー・サンプル・ライヴ 「宇宙のように大きな背中」 2002年4月
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/joe20020409.html

ジョー・サンプル&レイラ・ハザウエイ・ライヴ 「魔術師の指」 1999年6月
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/sample19990608.html

ブルーノートウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20051120.html

(2005年11月18日金曜、横浜モーションブルー=ジョー・サンプル・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Sample, Joe
【プラターズ・ジャパン・ツアー2005】

伝統。

1950年代から数多くのポピュラー・ヒットを放ってきた名門ヴォーカル・グループ、プラターズが2005年12月に日本ツアーを行う。12月12日(月曜)の東京・日比谷公会堂を皮切りに、石川県、名古屋、山梨、札幌、大阪など9本のライヴを行う。今回は、訪れる日本の土地土地の由緒ある歌を各地で最低1曲は披露する企画がある。また、最近日本ではゴスペルやアカペラがブームということで、ゴスペル的な作品、また、アカペラでも歌うという。

プラターズは、1950年代初期に、ロスアンジェルスでトニー・ウィリアムス、デイヴィッド・リンチなどによって結成されたヴォーカル・グループ。1955年頃、作曲家、プロデューサーでもあったバック・ラムという人物がマネージャーとなり、「オンリー・ユー」を書いてレコーディング。当初、フェデラル・レコードからリリースされたが、すぐに再レコーディングしてマーキュリー・レコードから出しなおし、これがソウルチャートで1位になる大ヒットに。その後「グレイト・プリテンダー」、「マイ・プレイヤー」、「トゥワイライト・タイム」などのナンバーワンヒットを次々と放った。日本でも「オンリー・ユー」、「スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ(煙が目に染みる)」などが大ヒット。そのポップな歌声で60年代に大きな人気を博した。

グループ自体はメンバー変遷が激しく、現在少なくとも11のプラターズが存在してライヴなどを行っているという。一応、かつてプラターズに在籍したメンバーがやっているプラターズがいくつかあるが、一番の王道といえるのが、バック・ラムがてがけていたプラターズで、今回の来日はそのバック・ラムのプラターズ。つまり、一番オリジナルに近いグループということになる。ただし、55年頃にオリジナルのグループが結成されてから50年以上経っているので、メンバーは若いシンガーに変わっている。いわゆる名門グループの名前を冠した新しいグループが、伝統と名誉を受け継いで歌う形になりそうだ。

■詳細はオフィース・オークのウェッブ。
http://www.oak-japan.com
総合問合せも、オフィース・オーク。電話03-3568-6660 。

■公演予定

公演は次のとおり。

2005年12月12日(月) 東京都
日比谷公会堂 18:30 SS席6,500
 S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード213-807
CNプレイガイド 052-968-0999
オフィス・オークジャパン TEL03-3568-6660

2005年12月13日(火) 石川県
石川県立音楽堂 18:30 SS席6,500
 S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード213-798
石川県音楽堂076-232-8632
香林坊めいてつエムザ山蓄プレイガイド
076-260-2431
オフィス・オークジャパン

2005年12月14日
(水) 名古屋
名鉄ホール 18:30  S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード213-798
CNプレイガイド052-968-0999
名鉄ホール052-561-7755
オフィス・オークジャパン

2005年12月19日(月) 埼玉県
大宮ソニックシティ 18:30 SS席6,500
 S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード213-807
CNプレイガイド052-968-0999
大宮ソニックシティ 048-647-4001
オフィス・オークジャパン

2005年12月20日
(火) 千葉県
千葉市民会館 18:30 SS席6,500
 S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード213-807
CNプレイガイド052-968-0999
千葉市民会館 043-224-2431
オフィス・オークジャパン

2005年12月21日
(水) 山梨県
山梨県民文化ホール 18:30  S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード213-807
甲府音協(TEL055-235-3975)
山交友の会(4F) 055-237-0111
岡島友の会(4F) 055-231-0619
オフィス・オークジャパン

2005年12月24日
(土) 札幌市民会館 18:30 SS席6,500
 S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード214-099
大丸プレイガイド 011-221-3900
道新プレイガイド 011-241-5161
オフィス・オークジャパン)

2005年12月25日
(日) 熊本県
熊本県立劇場 18:30 SS席6,500
 S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード213-766
熊本県立劇場 096-363-2233
熊本交通センター 096-326-8823
熊日プレイガイド096-327-2278
オフィス・オークジャパン

2005年12月26日
(月) 大阪府
ザ・シンフォニーホール 18:30 SS席6,500
 S席6,000
 A席5,500 チケットぴあPコード213-811
ABC チケットセンター 06-6453-6000
CNプレイガイド052-968-0999
オフィス・オークジャパン

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ENT>ANNOUNCEMENT>Platters

112 Live@Liquid Room

2005年11月17日
【112 ライヴ】

しっかり。

ショーン・パフィーのバッドボーイ・レコードから96年にデビューした112(ワン・トゥエルヴ)が来日。恵比寿のリキッドでショウケース的なライヴを見せた。この日は二組のオープニングアクトのあと、112はトラック(カラオケ)で登場。約1時間、トラックに合わせて歌い踊った。

112は、アトランタのハイスクールの仲間たちが集まって結成した4人組のR&Bヴォーカル・グループ。彼らはアトランタのことを「Aシティー」と呼んでいた。

1曲1曲はとても短く、てきぱき曲が変わっていく。今回初めてライヴを見て、意外としっかりと歌を聴かせるので驚いた。後半に歌った「プレイヤー」などは、ゴスペルっぽい節回しで、なかなかのものだった。

タンクトップを引きちぎって脱いで見せたり、筋肉むきむきの肉体をさらし、身体をくねくねさせる様は、最近の若いR&Bグループならではのもの。

観客は圧倒的にBガール、Bボーイ風たちだ。

Setlist

show started 20:32
01. Intro/Let This Go
02. Closing Da Club
03. Only You
04. Anywhere
05. If You Are Available
06. It’s Over Now
07. Now We Done
08. Can I Touch You
09. What If
10. Cupid
11. God Knows
12. That’s How Close
13. Right Here For U
14. Happy Birthday
15. Player
16. If I Hit
17. Peaches & Cream
18. U Already Know
show ended 21:33

(2005年11月16日水曜、恵比寿リキッドルーム=112ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>112(One Twelve)
【TKYファイナル〜またいつの日にか】

ファイナル。

約1年の期間限定で活動してきたジャズ、ファンク・グループ、TKYの最終公演が品川のステラ・ボールで行われた。僕個人としては2004年の9月に初めて見て以来、約1年追いかけてきた感じだが、それもとりあえず今日で幕。本当は、この後にタイ国での王様の前でのジャズフェス・ライヴというのが、予定されていたのだが、それがキャンセルになり、この日が名実ともに最終日となった。

8月の東京ジャズ以来約3ヶ月ぶりだが、もう特に改めて言うことはない。バンドユニットとして完璧に完成しており、こなれて、熟成している。バンドのパフォーマンスに関しては、過去の2005年5月14日付けをご覧ください。そのまま、ここにコピペで大丈夫。

この日、挟まれたトクのシャーデーの曲は、彼にどんぴしゃ。彼は男版シャーデーともいえそうだ。

付け加えるとすれば、この日は最後ということで、その挨拶が若干入って、ソロなども長かったという感じ。「トーキング・ロウ」のメンバー紹介で、秋田さんがちょこっと「ありがとう」と歌ったのは、印象的だった。4人のメンバー紹介をし、トクが「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を歌ったが、その時点でひとり、ドラマーのカルタさんだけ紹介していなかった。忘れたのかと思ったら、最後に紹介した。「トーキング・ロウ」の冒頭では秋田さんがメロディオンという楽器でメロディーを弾いた。小沼さんのギター・プレイとスキャットのユニゾンなども披露され、結局、この曲は全員のソロがたっぷりと聴け、1曲で36分に及んだ。

もう一点、この会場は天井が高く、とても綺麗なので、音が拡散する印象がある。渋谷クアトロの、凝縮されコンプレス(圧縮)された空気感がTKYのようなファンキーで疾走感のあるサウンドにはあっているように思えた。演奏自体は関係ないのだが。

また、何年か後のリユニオンを待つことにしよう。

Setlist

show started 19:08

1. TKY
2. Snarl
3. Reminiscence
4. As Allure 〜 0079 〜 As Allure
5. Somebody Already Broke My Heart/Never As Good As The First Time (Vocal)(Sade)
6. Just For Fun! ("Purple Haze")
7. Talking Low (Vocal)(Each members’ solo: "Fly Me To The Moon")

Enc. 1. Actual Proof

show ended 21:33

■過去のTKY関連記事

2004/09/22 (Wed)
TKY Live At Sweet Basil: Fire On The Scene
TKYライヴを初体験
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040922.html

May 14, 2005
TKY Live At Shibuya Quatro: A Vague Outline Become Firm Style
TKY渋谷クアトロでのライヴ評
http://blog.soulsearchin.com/archives/000260.html

May 15, 2005
Chat With "S" & "H"; After TKY Live
ライヴ後の歓談
http://blog.soulsearchin.com/archives/000262.html

June 04, 2005
We’ll Talk About Songs After The Show
秋田慎治さんライヴ
http://blog.soulsearchin.com/archives/000304.html

July 13, 2005
TKY With Kamayatsu Live At JT Hall
TKYとかまやつひろしさんライヴ
http://blog.soulsearchin.com/archives/000384.html

August 23, 2005
Tokyo Jazz 2005: Herbie Is Real Control Tower
東京ジャズ2005
http://blog.soulsearchin.com/archives/000470.html

October 27, 2005
Jino Jam Live: Mr. Bass Man Is Sooo Funky
日野賢二さんライヴ評
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_10_27.html

November 05, 2005
Switchblade Live: Soulful Unit
スイッチブレイド・ライヴ評
http://blog.soulsearchin.com/archives/000615.html

■TKYメンバー

トク(TOKU) (ヴォーカル、フルーゲルホーン、トランペット)、日野 賢二 (ベース)、小沼 ようすけ (ギター)、秋田 慎治 (ピアノ)、大槻カルタ英宣 (ドラムス)

(2005年11月15日火曜、品川ステラ・ボール=TKYライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>TKY
【リアル・ブラッドのルーサー氏、ソロ・ライヴ開催】

低音。

本格派ソウル・ヴォーカル・グループ、リアル・ブラッドのベース・ヴォーカルとしても知られるルーサー・”ナンバーワン”市村さんが、2006年1月に待望のソロ・ライヴを府中のライヴハウスで行う。ソロ・ライヴは4回目。

ライヴが行われるのは、2006年1月21日(土曜)、府中のライヴハウス、ライヴ・シアター・フライト。18時開場、18時半開演。料金は前売りで4500円。ライヴハウスの収容人数は、座席を作った場合、約100、立ち見の場合は約300程度なので、ご予約はお早めに。

詳細は、次のとおり。

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”LUTHER "NO.1" ICHIMURA 4TH SOLO LIVE ”

OPENING ACT Kyoco

大友正明(B)
GAAA(Dr)
澤口憲治(G)
貝原正(Kb)
Sierra(Cho.)
Kyoco(Cho.)

2006年1月21日(土)
18:00 OPEN/18:30 START
前売:4500円/当日:5000円(ドリンク代は別途になります)
LIVE THEATER FLIGHT
185-0006 東京都府中市緑町1−17−18 シャトーアルフィーB1
TEL:042-362-5330
http://www8.ocn.ne.jp/~f-flight/maintop.htm
(お車の方は、駐車場がございませんので、近隣のコインパーキングを御利用下さい)

チケットのお申し込み/お問い合わせ
order@luther-net.com

■ルーサー市村・オフィシャル・ウェッブ

http://www.luther-net.com/

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Back Where You Belong

初心。

リアル・ブラッドのベースのヴォーカルを担当し、ステージでは独特の光を放ちながら、観客を威嚇するルーサー”ナンバーワン”市村さんが、待望のソロ・ライヴを行う。

今回もルーサーさんが選んだライヴハウス、フライトは府中にある。毎回都心でやらないかと声をかけられているそうだが、あえて府中にこだわっているそうだ。それは、ルーサーさんが音大時代に初めてステージを踏んだのがこの府中の地だったからだという。

彼にとっては、もう25年も前のことだが、毎回府中でライヴハウスに立つと初心に戻った気になる。四半世紀前に、彼が歌ったのはクラシックだった。しかし、それから25年の月日を経て、今度はソウルシンガーとしてこの地に戻ってきた。

僕も最初、なんでよりによって、府中なんだろう、と思ったが、ルーサーさんのその話を聞いて、なるほどと思った。しかも、今回はほとんどすべて手作りでライヴを企画しているそうだ。

ルーサーさんの声は、リアル・ブラッドのファンであれば、みなご存知のとおり、一番低い声、低音のベースだ。これまでのソロ・ライヴではたとえば、ルー・ロウルズの「ユール・ネヴァー・ファインド・アナザー・ラヴ・ライク・マイン」などを歌っている。これなど、どんぴしゃの選曲だ。

3曲ほど、ルーサー・ソロの音源が聴けるので、一度お試しあれ。曲はエルヴィス・コステロの「シー」、ブルック・ベントンの「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」、ルー・ロウルズの「ユール・ネヴァー・ファインド・・・」。サイコーにおもしろいMCも入ってます。ブルック・ベントンの曲もぴったり。

http://www.luther-net.com/SHE.mp3
http://www.luther-net.com/A_Rainy_Night_In_Georgia.mp3
http://www.luther-net.com/Youll_Never_Find.mp3

僕は、まだルーサーさんのソロライヴに行ったことがないので、今から楽しみだ。

ENT>LIVE>ANNOUNCEMENT>Luther "No.1" Ichimura

< 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 >