DJ At Luther 

2005年2月3日
CDJ.

横浜のルーサーで行われたイヴェント「メロー・ライダーズ」で3年3ヶ月ぶりにDJをした。今回は全部CDにして、CDJを初めて使った。新しいのと、前からあるのと、2台があったが、この新しいほうは、すごいわ。ただCDをいれるだけで、BPMがでてくる。BPMとは、ビーツ・パー・ミニットの略。すなわち1分間のビート数のこと。数字が大きければ大きいほど、テンポがはやい。だいたいソウル系だったら、100から140くらいの間にはいる。

それが、ローディングされてまもなくわかるのだから、すごい。つまり、CDは止まっているように見えても、ずっと動いているから、その間に計測しているという。また、頭出しもアナログのレコードプレイヤーのように、きゅっきゅできてしまう。どうしてデジタル信号のCDがこうやって、アナログのように頭出しができるのか。不思議だ。

昨日は僕のDJタイムは9時半と12時半の2度。最初のパートはちょっと古めで、そこでいろいろやってみた。もっともパート2も70年代中心ではあったが。

パート1のオープニングは、「ソウル・サーチン」のコーナーのテーマ曲「ホワッツ・ゴーイン・オン」のデイヴィッド・T・ウォーカー・ヴァージョンをかけた。

Setlist

Part 1

01. What’s Goin’ On David T Walker
02. I’m Gonna Love You Just A Little More Babe / Barry White
03. I’m hopelessly In Love Modulations
04. Turn Back The Hands Of Time Tyron Davis
05. Give More Power To The People Chi-Lites
06. Inner City Blues Chi-Lites
07. Power Of Love Joe Simon
08. Ain’t No Woman Four Tops
09. Cafe Regio Issac Hayes
10. You Send Me Sam Cook
11. Stand By Me Spider Turner
12. They Say That I’m Crazy Invitations
13. Bingo Whispers
14. I’m Doing Fine New York City
15. Everybody’s Pride Monday After
16. Freddie’s Dead MFSB

Setlist Part 2

01. Brother Rap/Ain’t It Funky Now James Brown
02. Mr.Big Stuff Jene Knight
03. Change Nolen & Crossley
04. Respect Yourself Staple Singers
05. Natural Man Lou Rawls
06. Groove Me King FLoyd
07. I Gotcha Joe Tex
08. Rockin’ Chair Gwen McCrae
09. Disco Lady Johnnie Taylor
10. Young Hearts Run Free Candi Staton
11. Boss Diana Ross
12. Love Come Down Everyn King

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トムの2分間。

映画『RAY/レイ』前夜祭での「トムの2分間」は会場を感動の渦に巻き込んだ。その模様をここに再現する。

鮎川さんが持ってきたレイ・チャールズの日本盤シングル「愛さずにはいられない」を見て、ブラザー・トムが反応した。マイクを持ちながら、彼はこう話始めた。

「2分くれる? 僕が生まれて初めて聴いたレイ・チャールズがこれ、これなんですよ。(と言って、「愛さずにはいられない」のシングルを指差す) 

うち、父親が外人なんですけど、僕を置いてどっか行っちゃうんですよ。僕は母親と一緒に住むことになるんですけど、母親が2番目のお父さんを連れてくるんですよ。母親が33歳の時、2番目のお父さんは19だったらしんです。(会場から笑い) すごく若い人で、和子というおでんやさんをやりながら、母親がその人とできちゃうんですけど、そうしたら僕を連れて、その彼の親のうちに自分(トムの母)と僕(トム)を紹介しなくちゃいけないんで、行くんですよね。

田んぼの中、歩いていくと、その(相手の実家である)家に着いて、僕を紹介するわけですよ。どこの子だかわかんない、色真っ黒でわけわかんない、外人の子ですよ、(笑) 母親は水商売の女ですよ。それをつんと紹介するわけですよ。僕は6歳ですよ。埼玉県の熊谷の、げろげろって蛙が鳴いてるようなそんなところで、周りはすっごい険悪な雰囲気で、母親はオイオイ泣いてるんですよ。

きっと許して欲しいんでしょうね。19歳の男と32歳(発言のママ)・・・。もうオイオイ泣いてて、僕は何もわかんないから、ぼーとしてたら、ふすまの向こうから大〜〜〜きい音で・・・。 「愛さずにはいられない」がかかったんです。

それをかけたのは、その19歳の男の人の弟で、彼がこのレコードを持ってて、「愛しあうことはかまわないじゃないか」って、フルヴォリュームでかけてきたんです。それが、これで〜〜! (しばし沈黙)(会場からいきなり拍手) それ以来なんですよ」

「いい話だねえ・・・。トムとは20年近くつきあってるけど、その話は初めて聞くねえ・・・」と司会のマイク越谷氏が受けた。

そして、ブラザー・トムは言った。「(レコードのジャケットを)見せてもらってうれしくなって!」

それぞれの人々にある「愛さずにはいられない」の思い出。トムはこの曲を聞くたびに、ふすまの向こうから大きな音で流れてきたあの光景を思い出すのだろう。見事な「トムの2分間」だった。

トムが言った。「息子がねえ、レイ・チャールズが死んだ時、メールをくれたんです。『なんてことだ。レイ・チャールズが死んだなんて』ってね。世代がつながったんです」

レイ・チャールズは、トムの母が好きで、トムが好きで、そして、トムの息子も好きなシンガー。3世代に愛されたシンガーだった。

(2005年1月28日金曜、銀座みゆき座=映画『RAY/レイ』前夜祭)
DJイヴェントのおしらせ

秘策。

来る2月2日水曜、横浜ルーサーでDJイヴェント「メロー・ライダーズ(Mellow Ridaz)」を行います。当日は僕もDJとしてかけつける予定です。僕がDJをするのは、2001年11月の青山での「ワン・ナイト・ソウル・バー」以来で3年3ヶ月ぶりになります。

ルーサーは、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、週末はダンスクラシックをかけるクラブ系、平日の夜は比較的聴かせるソウルがかかるソウルバー形式の営業をしています。

さて、明日は一体どうなるのでしょう。みんなが踊っていれば、躍らせ続け、スイートソウルを聴きながら、語っていれば、聴かせるソウルをかけ続け、その場で適当にやりましょう。とはいうものの、実は密かに、1時間レイ・チャールズばかりかけてみるか、という秘策も思いつきました。

DJヨッシーのアドヴェンチャーはさて、いかに。

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スイート・ソウルの番人とファンクの達人による、超強力夢のコラボレート・イヴェントが横浜ルーサーで実現

イヴェント名「メロー・ライダーズ」
〜ソウル、ファンク、ダンスクラシックス〜
2005年2月2日水曜 午後8時から
場所 横浜・ルーサー 横浜市西区南幸2−10−18 
東海屋ビル3階 (一階は中華屋さん)
電話 045−314−8993
出演DJ、DJ Osshy、Yoshioka Masaharu、Yamaki And More
料金 2500円(2ドリンク)

タイムテーブルは次のとおり。

20:00 YAMAKI
21:30 YOSHIOKA
22:30 ゲストDJ
23:30 OSSHY
24:30 YOSHIOKA
01:30  ゲストDJ
02:30  OSSHY

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今日は告知を2本です。

スカイパーフェクトTV『MITA CINE倶楽部』で『RAY/レイ』を紹介

1月28日(金曜)から2月10日(木曜)まで、スカイパーフェクトTV「パーフェクト・チョイス、ムーヴィー」で放送中の『MITA CINE倶楽部』で映画『RAY/レイ』の紹介をしています。司会は山田五郎さん、川瀬良子さん。彼らとレイ・チャールズの話、映画の話などをしています。番組は約15分。トークに沿った映画からのシーンがふんだんに使われています。この番組自体はノー・スクランブルで放送されるので、スカイパーフェクトTVと契約している方は無料でご覧になれます。

番組のウェッブは次のとおり。

http://www.ppvj.co.jp/movie/mitacineclub/

放送スケジュールは次のとおり。

【放送スケジュール】
1月28日(金)〜2月10日(木)
パーフェクト チョイス161 21:00〜
パーフェクト チョイス162 20:45〜
パーフェクト チョイス171 23:00〜
パーフェクト チョイス172 23:15〜
ほか、パーフェクト チョイス170、174でも放送

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Wolfman Jack Show Will Begin Regular Basis Starting February 1st
At Inter FM

ウルフマン。

2004年10月に特番でご紹介したあの伝説のDJプログラム『ウルフマン・ジャック・ショウ』が2005年2月1日からインターFMでレギュラー化される。毎週月曜から木曜まで毎日深夜12時から12時半まで。

真夜中、東京の空にウルフマンの遠吠えが響く!

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いよいよ、あのウルフマンがレギュラーになって東京の空に戻ってくる。毎日深夜12時から30分。往年のDJプログラムがそのままオンエアーされます。

インターFMの番組ウェッブ内で、ウルフマンについての小さなコラムを担当します。
情熱。

いやあ、楽しかったなあ。映画『RAY/レイ』の公開前夜祭が28日夜、銀座みゆき座で行われた。トークイヴェントに登場したのは越谷政義(司会)、鈴木雅之、鮎川誠(シーナ&ロケッツ)、ブラザー・トム、ダイアモンド☆ユカイ、宮腰理(CooDoo’s)の各氏と吉岡正晴(音楽評論家)。

それにしても、ブラザー・トムと鈴木さんの漫才やりとりは、おもしろかった。聞けば以前、バブルガム時代から鈴木さんは、よく一緒にライヴをやっていて、司会のからみもあったという。このふたりで番組のコーナーでもできる! 

また、ブラザー・トムさんの「アイ・キャント・ストップ・ラヴィン・ユー」を初めて聴いた時の話、彼がレイ・チャールズのピアノを調律した時の話、レイが「さくら、さくら」を弾いて、最後の音をはずし、おもむろにサングラスを上げるという話、みなおもしろい。特に「僕に2分くれる?」と言って話し始めた「アイ・キャント・ストップ・・・」を初めて聴いた時の話は、ちょっと感動した。彼が話し終えた時、会場から拍手が起こったものだ。

そして、鮎川誠さんの熱いレイへの思いも、おもしろかった。なにしろ、彼が持ってきた「ホワッド・アイ・セイ」の日本盤シングルはすごかった。330円。邦題は、「何と言ったら」(その1、その2)! 

本番前、楽屋で顔合わせをし、しばしレイ・チャールズ談義に花が咲く。

鮎川さんが持ってきたシングル「何と言ったら」を見せてもらっていたら、裏の歌詞カードのところに、小さな字で鉛筆で何かが書かれていた。じっくり見ると、「ヘイ・カーチャン きいてくれ、みんなオイラをバカにする」と書いてあるではないか! 小学生か中学生くらいで、英語を訳していたのだ。これは59年のヒットだが、彼が買ったのは62年頃だと言う。小中学生ころだった彼がそうした訳を書いていたことに、僕は感激した。しかも、その古びれたシングル盤は43年も前のものだ。

鮎川さんは「アイ・キャント・ストップ・ラヴィン・ユー」のシングル盤も持ってきていた。それを見たトムさんは、「初めて聴いた(レイの曲)のが、これなんですよ」と感激ひとしお。そして、ステージでその時の秘話が明かされたわけだ。

鮎川さんは言う。「当時こずかいが500円くらいでね。アルバムなんか、なかなか買えんかった」 さらに、驚いたのが彼が持ってきたアルバムは、当時はよくあった25センチ盤のアルバム。30センチアルバムより一回り小さい。そこにはレイ・チャールズの選りすぐりのヒット曲が収録されていた。

そして、そのジャケットで僕はまた発見した。そこにはやはり鉛筆書きで曲の分数が書かれていたのだ。小中学生で別に放送の仕事をしていたわけでもあるまいし、なぜにタイミングがいるのか、僕は大いに疑問を持った。このタイミングは? すると、昔はあんまり収録時間が短いアルバムは、損だから買わなかった、という。同じお金を出すなら、長く楽しめるほうがいい。だから、片面で15分にもならないアルバムは買わなかった、とか。

確かに、昔は「一枚のレコードを買う」という行為には、大変な決断と労力と、お金が必要だった。やっとの思いで買ったレコードは、それこそ擦り切れるほどターンテーブルに乗せた。たった一枚のレコードへの熱い思いが、そのまま好きな音楽への熱い情熱へ変化していったのだな、と痛切に感じて、そこにも感激した。

ダイアモンド・ユカイさんは、「わが心のジョージア」をギター1本で歌ったが、実はギター1本で歌ったのは初めてのことだという。ちょうど、彼はスティーヴィー・ワンダーの自伝(正確には彼の母が書いた『ブラインド・フェイス』)を読み終えたところで、次に何を読もうかと思っていたところだったので、レイ・チャールズの自伝を喜んで手にしてくれていた。

というわけで、楽屋で顔合わせをした頃から、すでにレイ・チャールズ談義がヒートアップし、トムさんも司会のマイク越谷さんに何度も「ほんとに、呼んでくれてありがとう」と言っていた。いやあ、こういう熱い音楽トークは楽しいな。これだけの面子で、たった30分はもったいなかった。もっと2時間くらい、できたかもしれない。

トムさんがそでにひいてから言った一言がまた印象的だった。「普通、映画の前夜祭とか、シーンとかしてるけど、今日のお客さんはほんとにみんな暖かいね、きっとみんなレイの音楽が好きなんだろうね」

(2005年1月28日金曜、銀座みゆき座=映画『RAY/レイ』前夜祭)

Zapp & P Funk Live At Zepp

2005年1月29日
確信犯。

ジョージ・クリントンが来ると言われつつも、結局、来なかった。あ〜〜。ロジャー亡きザップ、そして、ジョージ・クリントンなきPファンク。果たしてどこまで盛り上げられるか。11月のライヴが仕切りなおしとなってのゼップでのライヴ。

第一部はラップ・アーティストのフィフス・エレメント。DJひとりにラッパー数人。英語がわからないので、まったくだめだった。結論から言えば、この分、ザップとPファンクの出番を増やしたほうがいい。

ロジャー亡きザップは、なんとヴォコーダーが2台。これはびっくり。さらに、ロジャーのレガシーがあちこちに残り、ブラック・エンタテインメントの真髄をこれでもか、これでもかと見せる。音も大きく、まさにサウンドの洪水の中、ファンク魂が炸裂した。このハイエネルギーな感覚はたまらない。ドラムスが刻むリズムと歯切れのいいカッティング・ギターが実に見事なグルーヴ感を生み出す。そして、次々飛び出す様々な小道具。また、何度衣装変えしたかわからないほどの衣装群。楽しい。

一昔前のダンス・ステップ(例えば、バードなど)と、最初から全力疾走のファンク・トレインは、途中、マイケルの「ビリー・ジーン」やら、アウトキャスト、アッシャーなどのヒットも適度に織り込み、観客を飽きさせることなく進む。このエンタテインメント性は、さすがだ。Zapp At Zepp. いい語呂だ。

Pファンクは、ジョージ・クリントン他数名が来日せず。ひとりジョージ・クリントンもどきが登場。これは笑えた。「アップ・フォー・ザ・ダウンストローク」「ギヴ・アップ・ザ・ファンク」「ワン・ネーション・アンダー・ザ・グルーヴ」「フラッシュライト」など有名どころをいれて、ほぼ全部ノンストップで炸裂。1時間7分程度で、終ったが、ずいぶんと彼らとしては短かったことだろう。

彼らのライヴは、みんながパーティー、宴会というのりのもの。最後は観客をたくさんステージに乗せ、みんなで踊って楽しんだという感じ。ライヴ演奏も、ジャムセッションがひたすら続く、という雰囲気。どこからどこまでが、なんと言う曲かなど、なかなかわかりにくい。ある意味、これで徹底的に押して押して押しまくるのだから、確信犯的にすごいものがある。ま、これでジョージ・クリントンが来てれば、やはり、もうひとつ盛り上がりレベルが上がったのだろう。

(2005年1月27日木曜、ゼップ東京=フィフス・エレメント、ザップ、Pファンク・ライヴ)
写真集。

レイ・チャールズ熱が盛り上がっている。某レコード会社のディレクター氏と電話で話していて、「レイ・チャールズの盛り上がり感は、すごいですねえ」というし、また、DJオッシーは、「TFMも、F横も、なんかやたらレイ・チャールズばっかりかかってる感じがする。みんな吉岡さんが仕込んでるのかと思った(笑)」と、ありえない臆測をする始末だ。レイ・チャールズの自伝本、すでに渋谷の駅前のレンタルショップでは「レイ・チャールズ・コーナー」ができていて並んでいる、と友人からメールが来た。

さて、そんな中、舞浜イクスピアリ(何度はっきり発音しようと思っても、噛む)にレイ・チャールズ・トリビュートのライヴを見に行った。このイクスピアリ、先月デニス・ラサールを見に行けず涙をのんだ場所である。

なかなか綺麗なところで、いい感じ。確かにブルーノートを一回り小さくしたような感じのところ。入口のスペースがかなり広くとってある。急な告知ということもあってか、観客はまばらで、約30名程度。ライヴが始まる前に、レイとジェイミーとのやりとりが見られるいわゆる「EPK」(プロモーション用に作られた映像素材)と予告が流れた。レイの横にいるジェイミーもかなり楽しそうだ。

バンド編成は、ドラムス(ジェイ・R・ロビンソン)、キーボードふたり(ジェームス・フィールズとギャリソン・デイヴィス)、ヴォーカルふたり(プーキー・ワトソンとスペシャルK)の5人。ヴォーカルのひとりスペシャルKは昔からのちょっとした知り合いだ。横浜をベースに活躍しているブラザー。よく西麻布のGQで歌っているところを聴きに行った。カール・トーマスの「アイ・ウィッシュ」が得意で歌ってもらった。

レイ・チャールズの作品ばかりを2セット(各約50分ずつ)行った。曲の合間にはスペシャルKのレイ・チャールズへのリスペクトあふれるコメントなどが語られた。いわゆるカヴァー・バンドとして、こうした歌と演奏のライヴは楽しめる。身近にこういうバンドが、普通に聴けるといい。

基本はスペシャルKが歌い、女性がリードを取るところはポーキーが歌う。一曲、「エリー・マイ・ラヴ」で、舞台向かって右側のキーボード担当のジェームス・フィールズが歌った部分があったが、彼の声がキース・ワシントン、あるいは、アーサー・プライソック系の渋いにやにや系だったので、印象に残った。

帰り際に抽選会をやっていた。その賞品にアメリカででた映画『RAY/レイ』のシナリオなどが入った豪華な写真集(30ドル)があり、これがぜひ欲しい、と言いながらくじを引き、開けてみると、なんと「写真集」と書かれていた。めちゃ、ラッキー。はるばる舞浜まで来た甲斐があった。

Tribute For Ray Charles
"Specielle K & Friends"

1st

show started 19:33
1. Mess Around
2. I’ve Got A Woman
3. Hit The Road Jack
4. Here We Go Again
5. Crying Time
6. Hard Times
7. Ellie, My Love
8. America The Beautiful
show ended 20:17

2nd set

show started 20:37
1. What’d I Say
2. You Don’t Know Me
3. Fever
4. Georgia On My Mind
5. I Can’t Stop Loving You
6. Night Time Is Right Time
7. Unchain My Heart
8. Let The Good Times Roll
show ended 21:29

(2005年1月26日水曜、舞浜・クラブ・イクスピアリ=スペシャルK&フレンズ・ライヴ: トリビュート・フォー・レイ・チャールズ)
(昨日からのつづき)

57番目。

『ターミナル』効果があってか、ブルーノートは火曜日だというのにほぼ満員。『ターミナル』を見た音楽好きは、みなベニー・ゴルソンのライヴがあると聞けば来るだろう。(笑) 観客の中にはマーカス・ミラーの姿も見えた。僕がベニー・ゴルソン名義のライヴを見るのは初めて。

今回はドラムス、ベース、ピアノにベニーのサックスという4人編成。みなそれぞれ持ち場をしっかり守り、いい演奏を聴かせる。古いスタンダードナンバー「シュリー・ウィズ・ザ・フリンジ・オン・トップ」で始まったライヴは、2曲目の前でベニーがマイクを持ってこう話し始めた。

「昨年、私たちはスティーヴン・スピルバーグの映画に出演する機会がありました。映画は『ターミナル』というもので、撮影現場ではスピルバーグやトム・ハンクスたちと楽しい一日を過ごしました。それから帰ってきて、私たちはその映画出演に影響を受けて(インスパイアーされ)、アルバムを作ることにしました。そうして出来上がったのが『ターミナル1』です。そこから、タイトル曲をお送りしましょう」

実に渋い。落ち着いた音。ゆったりとした余裕の音だ。ベニー・ゴルソンは1929年1月25日、ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。ワシントンDCの名門ハワード大学で音楽を学んだという。さすがにインテリだけあって、司会も落ち着いた知性を感じさせた。そして、この日は彼の誕生日ではないか。

彼はさまざまなジャズの名曲を書いている。その中のひとつが「アイ・リメンバー・クリフォード」。さすがにこれは人気が高い。ひときわ大きな拍手が彼らを待ち受けていた。

ところで、彼がステージに上がっているところで、サインをねだる者はいなかった。(笑) ライヴが終った後、ドラムスのカール・アレンがカウンターのところにいたので声をかけた。「『ターミナル』のライヴシーンではあなたも一緒に演奏していたのですか?」 「もちろん、プレイしていたよ」 「あの撮影はどこで?」 「モントリオールだよ」 「へえ、撮影はどうでした?」 「みんないた。スピルバーグ、トム・ハンクス…。とても楽しかった」

映画ではニューヨークの設定だが、なぜか撮影はモントリオールだったというわけだ。

ベニー・ゴルソンのライヴ、それは57番目の男のライヴ。

show started 21:41

1. Surrey With The Fringe On Top
2. Terminal 1
3. Seven Minds
4. Along Came Betty
5. I Remember Clifford
6. Whisper Not
7. (Theme)
Enc.
show ended 23:14

メンバー。

ベニー・ゴルソン(サックス)、
マイク・ルドン(ピアノ)、
バスター・ウィリアムズ (ベース)、
カール・アレン(ドラムス)

Benny Golson(sax),
Mike LeDonne(p),
Buster Williams(b),
Carl Allen(ds)

ブルーノート東京で2005年1/24(月)〜1/29(土) まで。

http://www.bluenote.co.jp/art/20050124.html

ベニー・ゴルソン 『ターミナル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0006GB070/soulsearchiho-22

(2005年1月25日火曜セカンド、ブルーノート東京=ベニー・ゴルソン・ライヴ)
(映画『ターミナル』についての感想文です。後半ネタバレになります。先入観なしにご覧になりたい方はご注意ください)

約束。

東欧の国クラコウジアからある目的を持ってニューヨークにやってきたひとりの男。その名はヴィクター・ナヴォルスキー(トム・ハンクス)。だが彼がジョンFケネディー空港に到着すると、彼の母国でクーデターが起き、アメリカとクラコウジアとの国交が断絶した。そのため、ナヴォルスキーは、アメリカに入国できず、しかも、母国に帰ることもできなくなった。彼はしばし空港内にとどまらなければならなくなった。

空港は様々な出会いが訪れる場所。まさに出会いの宝庫だ。そんな中で英語もおぼつかないナヴォルスキーにも様々な出会いが訪れ、ドラマが生まれる。美人のフライトアテンダント、アメリア(キャサリン・ズィータ・ジョーンズ)、国際空港の国境警備主任フランク(スタンリー・トゥッチー)などといったいどんなことが起こるのか。徐々に空港の人たちと親しくなり、友情が深まっていく。彼がいつも大事そうに持っている空き缶の中には何が入っているのか。

スティーヴン・スピルバーグ製作・監督のハートウォーミングな映画『ターミナル』だ。

(以下、ネタばれになります)

さて、映画の最後のほうで、ヴィクターがアメリカにやってきた理由が明かされる。彼が常に大事そうに持っていた空き缶にその秘密があった。そこには、40年以上も前に雑誌エスクワイアーに掲載された一枚の大きな写真が入っていた。これは、1958年8月にニューヨークのハーレムで撮影されたもので、59年1月号の同誌に見開きで掲載された。被写体は、ニューヨークで当時活躍していたありとあらゆるジャズ・ミュージシャンたち。カメラマンは57人のミュージシャンを一堂に集めて大きな写真をとった。

ヴィクターの父はジャズ好きで、ここに映っている写真のミュージシャンすべてからサインをもらおうと考えた。しかし、父はひとりのミュージシャンの写真のサインをもらう前に他界してしまった。そこで、息子は父の意志をついで、その最後のまだサインをもらえていないミュージシャンに会うために、ニューヨークにやってきたのである。そのミュージシャンこそが伝説のサックスプレイヤー、ベニー・ゴルソンだった。

東欧からの訪問者、ヴィクターにとってベニー・ゴルソンと会ってサインをもらうことは、父への約束だった。56人のサインのはいった写真を持って、ナヴォルスキーはライヴハウスで演奏している57人目のベニー・ゴルソンの元に歩み寄る。演奏を始めようとしていたゴルソンは、「サインはショウの後で」と答えて演奏を始める。演奏が終って、無事サインをもらえたナヴォルスキーは大喜びしながら、JFKに帰る。

僕は、こういうストーリーは好きだ。たくさんのアーティストが映っている写真にサインをもらい、最後に残ったアーティストのサインをもらう瞬間って、どんなものだろう。どれほど嬉しいことか。しかも、この場合、そのサインは父と息子という2世代に渡って、完成をみた。スピルバーグは実にうまい物語を作るものだ。職人芸の脚本、そして、もちろん、各俳優のうまさも充分でている佳作だ。

そして、そのベニー・ゴルソンが日本にやってくる。サインをもらいに行くしかないではないか。

(続く)

http://www.terminal-movie.jp/
DVD

レイ・チャールズの自伝映画『RAY/レイ』のDVDがアメリカで2月1日に発売される。これは、昨年10月末に公開された作品としては異例の早さ。27日(木)にアカデミーのノミネーションが発表されるがその一週間後の発売で、アカデミーのノミネートを念頭にいれたリリース計画。

オスカーの投票用紙は投票権を持つ会員に2月2日に配布され、2月22日までにアカデミーに返送され、27日に発表される。その期間にDVDが発売され、大きな話題になっていれば、そうした投票になんらかの影響を与えることを期待している。

またこのDVDヴァージョンには映画本編には収録されていない未公開映像が約25分、さらに、ライヴ・シーンなども収録される予定。また、監督テイラー・ハックフォード、ジェイミー・フォックス、その他のコメントも入り、かなりの特典映像が盛り込まれる。これらのDVDのリージョンコードがどうなるかはまだわかっていない。

また、映画『RAY/レイ』のサウンドトラックのヴォリューム2も発売される。ここには、レイが映画用に録音したものなどが収録される。既発のヴォリューム1は、すでに大ヒット中。

・・・・・

"CBS 60 Minutes" Will On Air Interview On Foxx

『CBSドキュメント』(TBS、28日深夜)、『週刊NAVIテレビ』(NHKBS2、29日深夜)で、映画『RAY/レイ』を紹介

今週金曜(28日)深夜26時55分(正確には土曜日午前2時55分)から放送予定の『CBSドキュメント』(原題60ミニッツ)で、映画『RAY/レイ』に関連して、ジェイミー・フォックスらのインタヴューが放送される。フォックスのインタヴューや、関係者のコメントなどがまとめられている、という。日本語のコメンテーターは、ピーター・バラカンさん。

また、今週土曜(29日)深夜24時10分(正確には日曜0時10分)過ぎから放送予定のNHK−BS2の『週刊NAVIテレビ』の映画コーナーでも、映画『RAY/レイ』についての紹介がされる。コメンテーターは西任白鵠さん。

お時間ある方はぜひご覧ください。
ブログ。

なぜか、昨日の『ソウル・ブレンズ』のテーマが、「私のブックマーク」ということになり、そこでいろんな人たちのさまざまな「私のブックマーク」の話題になった。

で、そんな流れから、ブログ(Blog)というものに、DJ、マーヴィンが異様に興味を示したので、知ってることを教えた。要は日記で、誰でも簡単に始められる。ホームページを作ることと比べると雲泥の差で簡単に写真などもアップでき、しかも、トラックバックという機能で、多くの人たちと二方向のやりとりが可能になる。といった説明をすると、マーヴィン曰く「じゃあ、今日帰ったら、僕もブログ始めるよ。来週日曜までに絶対に始めるから」といきなり盛り上がった。

曲がかかっている間、マーヴィンはパソコンのところに行き、blogでさっそく検索をかけていて、どこのを使えばいいかと尋ねてきた。最近、 眞鍋かをりのブログとヤクルト古田選手のブログのトラックバック・バトルが話題になっていたが、そんな話までしてしまった。(笑) 「これで、僕もブロガーになるぞ。ははは」とマーヴィンは言い放った。

番組宛て、「お気に入りのブックマーク」として僕のウェッブと書いていただいた方々、ありがとうございます。

ところで、「ソウル・サーチン」でスタックスの作品をかけたが、その時にマーヴィンがこれらの作品がヒットした時期、60年代後期から、さらにその後の70年、彼が育った時期の話になった。「僕の友達10人のうち7人は、ドロップアウトしたり、悪い人になったり、死んだりした。僕の時代の『ボーイズ・イン・ザ・フッド』(90年代の黒人街を舞台にした映画)だったんだよ。映画は90年代だったけど、僕も70年代、ああいう(映画のような)ところに住んでいた。もちろん、黒人版の『スタンド・バイ・ミー』(スティーヴン・キング原作の映画)みたいな風景もあるけど、『ボーイズ・イン・ザ・フッド』みたいな風景もあった」

では、マーヴィンはそんなタフな世界で、どのようにして生き延びることができたのか。マーヴィンは答えた。「自分は違うところ、見たいと思ったんだね」 つまり、いろいろな世界を見てみたい、ということだ。そして、彼は日本にやってきて、日本を見て、日本を気に入り、日本に住みついた。

「世界を見る」ということを、まさに彼は実践したわけだ。これは、素晴らしいな、と僕は思った。時々、まったく予期せずにでてくるこうしたマーヴィンの昔話は、実におもしろい。

マーヴィンの「スタンド・バイ・ミー」の話。(ベスト・オブ・ソウル・サーチン・ダイアリーにいれてもいいですねえ、これは↓)

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040207.html

なんてことを書いていたら、テレビのほうから「我が心のジョージア」が流れてきた。おお、映画『RAY/レイ』のCMだ。初めて見た。いいねえ。これでたくさんの人が映画館に足を運んでくれたらいいと思う。
完成。

昨日、ついに『わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語』(デイヴィッド・リッツ、レイ・チャールズ著・戎光祥出版)の見本ができあがってきた。たった2ヶ月というか3ヶ月で完成させたものだ。2000年7月の『ソウル・サーチン』以来の書籍だから、4年半ぶりのものになる。やはり、あれだけ「魂(こん)をつめて」作ったものができあがると感慨深いものがある。A5版360ページ。1ページ1144字はいっている。ざっと計算すると40万字弱の文字が印刷されていることになる。吐き気がしそうな文字数だ。やっている時には怖くて文字数など計算できなかった。(笑) 

ところで、本が出来上がったら、間違いを探してはいけない、といわれる。必ず、見落としの校正ミスなどが発見され、落ち込むことになるからだ。でも、探してしまうのが作った人間の性。あ〜〜。

そしてすぐに探してしまった。あわてて、送った原稿と照らし合わせる。すると原稿はあっている。どこかで打ち直したかなんかで、ミスがでたのか。小さい字だったので、校正を見落としたのか。もうひとつ帯で、発見した。これも微妙だ。(笑) 

それはまあ、おいといて、映画『RAY/レイ』、本書刊行と同時公開、という帯があるが、レイ・チャールズがグラミーを受賞し、ジェイミー・フォックスがアカデミーを受賞したら、この帯を新しいものに変える。

例えば、「グラミー賞、レコード・オブ・ジ・イヤー」受賞とか、「グラミー賞、6部門受賞」といった文字が躍ることになる。レイおよびレイの作品関連で10のノミネートを獲得しているが、ひとつの部門で2つノミネートされているものがあるので、最大獲得して9つ。グラミーの予想は近いうちに、例年通りに30部門程度を行うが、「レコード」と「アルバム」はかなり確実だと思う。その他もうまく行けば、6部門程度の獲得で、今年のグラミーの最大の話題を集めることだろう。

問題はアカデミーだ。ノミネートは今週発表されるが、作品賞と主演男優賞はノミネートは確実だろうが、助演の女優賞あたりはどうだろう。前哨戦のゴールデン・グローヴは、主演男優を獲得、幸先のよいスタートを切っている。僕はもちろん、ジェイミーに一票いれるが、他の候補はどのあたりが来るのかわからないので、まったく予想が立てられない。

でも、グラミーは確実なので、この初版の帯は貴重になります。コレクターの方は、お早めに書店をお駆け込みください。って、そんなコレクターはいるのか。(笑) そうそう、書店へ予約していただくのも嬉しいです。1月29日、発売です。書店、映画館、また、大きなCDショップにも入る予定です。書店、映画館、CDショップに直行! 
ゲイ。

いわゆる「ゲイ・ムーヴィー」だ。映画『プリシラ』。23日(日曜)、「山野ミュージック・ジャム」(「ソウル・ブレンズ」内、午後4時半から)で「定盤」に選ばれているサントラを紹介する。

舞台はオーストラリア。ゲイの3人組が大都会シドニーからでて、田舎町でのショーの仕事を得て旅に出るが、その行く先々では…。「プリシラ」とは、彼らが旅をするために手に入れたツアー・バスの名前だ。

いかにも、ゲイの人好みの曲が次から次へとかかる。いきなりオープニングは、シャーリーンの「愛はかげろうのように(アイヴ・ネヴァー・ビーン・トゥ・ミー)」。オカマのシンガーがこれを口パクで歌う。ショーガール3人組のロード・ムーヴィーともいうべき映画。物語と、音楽が微妙に交錯して楽しめる。もっともオカマ系がダメな人は、絶対にダメだろうが。(笑) 

ゲイの人たちって、美しいものへの意識がひじょうに強いという印象を僕は持っている。美意識というものだろうか。また音楽でも独特のテイストをもっている。そうしたことを最初に知ったのは70年代中期のいわゆるアメリカのディスコブームの時だった。

ニューヨークでディスコ・シーンが盛り上がり始めたのは、ゲイ・パワーがあったからだ。多くの人気ディスコの初期は、ゲイの人々がこぞって通った。ゲイ好みのサウンドがディスコチャートで人気を集めるようになった。最初、ディスコではソウル系のものが中心だったが、なぜか徐々に白人ディスコものが幅をきかせるようになって、少しばかり疑問に思っていた。まもなくその謎が解ける。つまり、ゲイの人たちが支持を集めたものがすぐに大ヒットへ結びついていたのである。

例えば、シルヴァー・コンヴェンションやドナ・サマー、多くのヨーロッパからのディスコヒットだ。

この『プリシラ』のサントラでは、シャーリーン、ヴィレッジ・ピープル、アリシア・ブリッジス、アバ、CCぺニンストン、グロリア・ゲイナーなどなど、その手の作品が次から次へと登場する。このゲイ好みの音楽という「くくり」が僕は妙に興味がある。

プリシラ (1994)
原題 THE ADVENTURES OF PRISCILLA, QUEEN OF THE DESERT

上映時間 103 分
製作国 オーストラリア
初公開年月 1995/07

監督: ステファン・エリオット Stephan Elliott
製作: アル・クラーク Al Clark
マイケル・ハムリン
脚本: ステファン・エリオット Stephan Elliott
撮影: ブライアン・J・ブレーニー Brian J. Breheny
音楽: ガイ・グロス Guy Gross
 
出演: テレンス・スタンプ Terence Stamp
ヒューゴ・ウィーヴィング Hugo Weaving
ガイ・ピアース  Guy Pearce

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006AGII/soulsearchiho-22"; name
ファンク。

11月に開催が予定されていた「ゲット・クランク・ウィズ・ザ・ミレニウム・ファンク・ツアーの延期公演が来週行われる。来日予定メンバーには、ファジー・ハスキンス、レイモンド・デイヴィス、ジーン・トーマス、ベン・パワーズ、レスター、トニーのトゥルートマンなどの名前がある。

ザップのメンバー、そして、Pファンクのメンバーなどによるファンク・バンドのライヴということになる。ジョージ・クリントンの来日も最終的には入国してみないとわからないが、今回は大丈夫のようだ。

ジェネシス主催で、2005年1月26日Zepp大阪、,27,28日Zepp東京で“Get Crunk with the Millennium FUNK Tour”。

            記

出演アーティスト、オリジナルPファンク、ザップ、ザ・フィフス・エレメント、ジョージ・クリントン(スペシャル・ゲスト)

2005年1月27日(木)、28日(金) ゼップ東京
開場 18:30  開演 19:00
料金 指定席=8500円、スタンディング=7500円(税込)
問い合わせ先 プレイガイド
ジェネシス 電話 03-5467-7880
港区西麻布2-12-2 極東設計ビル6F

2005年1月26日(水)、 ゼップ大阪
開場 18:30  開演 19:00
料金 指定席=8500円(税込)
問い合わせ先 プレイガイド

チケットは→キョードー東京 (03ー3498ー9999)
キョード東京のホームページにアーティストの写真が載っています。
http://www.kyodotokyo.com/

検索方法:キョード東京TOP→ミュージック→来日アーティスト→Get Crunk with the Millennium FUNK Tour

そのほか、電子チケットぴあ・ローソンチケットなどでも発売中。
直近の動き、展開、イヴェントなど
(イヴェントなど出演者、詳細などは変わることがあります)

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イヴェント系
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レイ・チャールズ・映画『レイ』イヴェント&上映会
1月23日(日曜) 14時〜
ブルーノート。番組招待のみ。
トークイヴェント出演、和田アキ子、亀淵昭信(ニッポン放送社長)
主催、UIP、ニッポン放送

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1月24日(月曜) 映画『レイ』一般試写会
九段会館、18時開場、18時半開映
招待のみ。
主催、UIP

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1月26日(水曜) 映画『レイ』関連イヴェント
トリビュート フォー レイチャールズ
舞浜、イクスピアリ
18時開場、19時半開演 4200円
出演、スペシャルK

http://www.clubikspiari.com/liveschedule/site131//public/083.html

1/29全国ロードショー映画[Ray レイ」公開記念
トリビュート フォー レイチャールズ

1月29日より全国にて上映される映画"Ray"の公開記念として、偉大なるソングライター&シンガー&ピアニスト「レイチャールズ」の歴史的名曲をクラブ イクスピアリにて「Specielle K with his friends」が再現いたします。

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1月28日(金曜)
映画「Ray/レイ」前夜祭
有料イヴェント。一般向け。
銀座みゆき座 19時開場、19時半トークイヴェント開始・抽選会
20時25分映画上映開始
トークイヴェント出演、越谷政義、鮎川誠(シーナ&ロケッツ)、ブラザートム、ダイアモンド☆ユカイ、吉岡正晴(音楽評論家)
((キャパ800)
この件に関しては1月21日付け朝日新聞に告知

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店頭展開
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渋谷パルコパート1
8階レストランフロアと地下1階書店リブロで写真展
映画からの写真をフィーチャー
1月25日から
キャンペーン告知を1階と7階
リブロでは、1月29日から2月25日まで書籍をフィーチャーしたパネル展
B1,4面の写真と平台で展開

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渋谷ブックファースト
ビデオモニターで映画のプロモを流しながら平台で展開
2月1日から

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汐留の八重洲ブックセンター
平台で展開

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CDショップ、HMVの袋
1月20日から2月20日まで(なくなり次第終了)
袋がレイ・チャールズになります

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告知。

いよいよレイ・チャールズの自伝映画『RAY/レイ』の公開、自伝『わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語』の発売が1月29日に迫ってきました。ここで、自伝のプレスリリースと、これからのいくつかのイヴェントなどをまとめて紹介します。

次週はいよいよ公開週ということもあり、さまざまなイヴェントが行われます。僕も28日の前夜祭(上映を含む)のトークイヴェントにもでます。

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『わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語』
出版のおしらせ

"ページをめくれば、一粒のソウルが一粒の涙に変わる"

誰も知らなかった素顔のレイ・チャールズ 最初で最後の自叙伝、ついに完訳!

「音楽と女とドラッグがあれば、あとは何もいらない……」。
<ソウル・ミュージックの神様>が描いた魂{ソウル}の軌跡を自ら赤裸々に告白!

黒人、盲目、貧困、孤児という究極の四重苦を背負ったレイ・チャールズは、
激動の時代をいかにして生き延び、世界にはばたいたのか?
そして、死の直前に訪れた魂{ソウル}の平和とは……?
ページをめくれば、一粒のソウルが一粒の涙に変わる

映画『Ray/レイ』と同時にヒット!

グラミー賞、アカデミー賞…。この春、レイ・チャールズが熱く再評価される!

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去る2004年6月10日、73歳の生涯を閉じ、改めてその偉大さが広く語られるようになった「ソウル・ミュージックの創始者」「ソウルの神様」レイ・チャールズ。ビリー・ジョエル、クインシー・ジョーンズ、ウィリー・ネルソン、BBキングなど多くの優れたアーティストから、日本の桑田佳祐、柳ジョージ、和田アキ子まで世界中のシンガーたちに絶大な影響を与えたレイ・チャールズ。その唯一の自伝の日本語版がいよいよ1月29日登場します。

チャールズに密着取材し、本人の膨大なインタヴューを書き記した名著『わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語(原題・ブラザー・レイ、レイ・チャールズ・ヒズ・オウン・ストーリー)』は、レイ・チャールズの生まれた時から、盲目になり、孤児になり、人種差別の厳しい時代に黒人一人で生活を始め、ミュージシャンとして徐々に頭角を現し、ついには世界的スターになり、しかしドラッグで挫折し、さらにそこから這い上がるという激動の人生を見事に描ききります。盲目、孤児、貧困、そして黒人・・・。その四重苦から世界の頂上に上った人生は「波乱万丈」という言葉だけでは表しきれません。そこにはソウルを捜し求め続けた一人の男の果てしないソウル・サーチンの旅がありました。

音楽、酒、ドラッグ、女。それだけを生きがいに生きてきたレイ・チャールズは、どん底からいかに頂上まで登りつめたのか。その強烈な個性と、南部人ならではの温かみあふれるやさしさを持ったレイ・チャールズ。弟の溺死、母の死、友情と裏切り、時に悲しみの涙あり、笑いあふれるユーモアあり、真摯な言葉あり、その人生と、人生哲学は、現代に生きる多くの人々にさまざまな示唆とアドヴァイスと感動を与えます。

翻訳・監修はブラック・ミュージックを日本に紹介し多くの文章を書き記し、レイ・チャールズについての原稿も多数ある音楽評論家、吉岡正晴。本書をレイ・チャールズとともに書いた著者デイヴィッド・リッツとも長年の友人で、翻訳に関してデイヴィッドの協力も得ています。

また、本書には昨年6月10日死去以降、著者デイヴィッド・リッツが最後のレイ・チャールズとの会話を描いた感動の「レイ・チャールズ最後の日々」(原書で18ページ)が特別に翻訳収録されます。レイ・チャールズの50余年の軌跡と死を間近に悟ったレイ本人の心の内が今、初めて明らかにされます。

全米では、レイ・チャールズの死はロック音楽史上、ジョン・レノン以来の大きな扱いで報道されました。全米に生中継されたその葬儀には、スティーヴィー・ワンダー、BBキング、ウィリー・ネルソン、クリント・イーストウッドなどアメリカ・エンタテインメント界の錚々たるメンバーが集まり故人をしのびました。スティーヴィーのスピーチと歌は、多くの人の涙を誘いました。

また、タイミングよく、レイ・チャールズの自伝映画『RAY/レイ』が昨秋全米で公開され、主演のジェイミー・フォックスの見事な演技にアカデミー賞の呼び声も高まっています。本書はその映画『RAY/レイ』の日本公開(2005年1月29日)と同時発売で、話題の相乗効果を狙います。すでに昨年8月には彼の遺作であり、12人のすばらしき仲間たちとのデュエット・アルバム『ジーニアス・ラヴ〜永遠の愛』がベストセラーになっており、これもグラミー賞確実の呼び声が高まります。

映画公開、自伝本発売、CD、グラミー賞、アカデミー賞…。この春、レイ・チャールズが大きな話題となり、再評価が高まります。ぜひ、ご一読いただき、各方面でご紹介いただけると幸いです。



原著: Brother Ray Ray Charles Own Story 、348ページ
著者: Ray Charles & David Ritz
原著出版社: Da Capo Press, 1978, 1994,2004
邦題: わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語
日本版発売日: 2005年1月29日
日本版定価: 2100円(税込み)A5版 ソフトカヴァー 約400ページ
翻訳監修: 吉岡正晴
日本版出版社: 戎光祥出版
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル8階
URL:http://www.ebisukosyo.co.jp/
編集・制作: アーリーバード・スタジオ
http://www.soulsearchin.com

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レイ・チャールズ関連、過去1年から今後の流れ

2004年6月10日 73歳で死去。
2004年8月 遺作『ジニアス・ラヴズ・カンパニー』日本発売。(現在ベストセラー中)
2004年10月末   レイ・チャールズ自伝映画『RAY/レイ』全米公開。主演ジェイミー・フォックスがレイ・チャールズの生き写しと大評判。アカデミー賞の呼び声高まる。
2005年1月28日 映画『RAY/レイ』公開前日、トークイヴェントと先行公開。(銀座みゆき座)
2005年1月29日 映画『RAY/レイ』日本公開。全国ロードショー。
2005年1月29日 レイ・チャールズ自伝本『わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語』(レイ・チャールズ、デイヴィッド・リッツ著、吉岡正晴・監修翻訳=戎光祥出版)発売。
2005年1月   映画『RAY/レイ』サウンドトラック日本発売。
2005年2月13日 グラミー賞発表。レイ・チャールズ多数ノミネート。獲得有力。
2005年2月27日 アカデミー賞発表。『RAY/レイ』、主演ジェイミー・フォックス・ノミネート。獲得有力。
2005年6月10日 レイ・チャールズ一周忌。

レイ・チャールズ関連作品

映画『RAY/レイ』(主演・ジェイミー・フォックス)2005年1月29日公開
自伝本『わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語』(レイ・チャールズ、デイヴィッド・リッツ著、吉岡正晴・監修翻訳) 2005年1月29日発売

CD 『ジーニアス・ラヴ』(レイ・チャールズ) 2004年8月発売
CD 『RAY/レイ』(映画サウンドトラック)2005年1月発売
(CDは、他に旧作が多数)
DVD 『レイ・チャールズ・ザ・ジーニアス・オブ・ソウル』2004年10月発売。(レイ・チャールズの軌跡をまとめたドキュメンタリー。ライヴ映像も)
DVD 『レイ・チャールズ・ゴスペル・コンサート』2004年12月発売 (2002年アメリカ・ウィスコンシンで行われたゴスペル・ライヴ)
DVD 『レイ・チャールズ・ライヴ』2004年12月発売 (1981年のカナダでのライヴの模様)
DVD 『レイ・チャールズ・ライヴ・イン・ブラジル1963』 2005年2月9日発売予定 (1963年にブラジルで行われたライヴの模様)

直近の動き、展開、イヴェントなど
(…
スライドギター。

80年代初期からシカゴを本拠に活躍しているブルース・アーティスト、
リル・エド&ザ・ブルース・インペリアルズが2月に来日、舞浜のライヴハウス、イクスピアリで公演を行う。リル・エドの来日は88年のブルース・カーニヴァル以来2度目。

リル・エドの音楽的特長は、ブルースをベースにしながらもかなりのりのいいパーティー・サウンドを繰り広げるところ。

リル・エド・ウィリアムスはシカゴ生まれ。伯父にスライド・ギターの名手でブルース界にその名前を轟かせたJBハットー(故人)という人物がいて、そのハットーじきじきにギターを教わった。リル・エドは、ハットーからギターのみならず、ベースやドラムなども学んだ。

また異母兄弟ジェームス・ヤングもハットーの元で音楽を学んでいたので、後にリル・エドがバンドを組む時に、彼に声をかけたのも自然の流れだった。

リル・エドとジェームス・ヤングの異母兄弟たちは、70年代初期にグループを結成。当初はアマチュアだったが、75年頃からプロとして活躍。シカゴのウエストサイド中心に活躍するようになった。バンド活動を始めた頃は、一晩のギャラが6ドル程度でそれをメンバー全員で等分していた、という。リル・エドは当時は昼間はカーウォッシュで働き、ヤングはスクールバスを運転して生計を立てていた。

80年代初期までにファンをつかみ、86年、ブルースの名門レーベル、アリゲイターから『ラフ・ハウジン』でデビュー。以後コンスタントにアルバムを発表している。その後、カナダ、ヨーロッパ、日本などでもライヴを行うようになった。

彼らは時代の流れとともに、自らのバンドサウンドを変えることなく、かたくなに結成当初の音を守り、それをファンが支えているという。その一徹な姿勢に共感するファンが多く、彼らを「エド・ヘッズ」と呼んだりする。ロック・グループ、グレイトフル・デッドの熱心なファンを「デッド・へッズ」と呼ぶのにならっての名前だ。

ライヴに関する問い合わせは、チョコレート・クリーム・プロダクション。03-3487-5442
http://chocolatecream.co.jp/

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The Blues Show
Lil’ ED & The Blues Imperials (リル・エド&ザ・ブルース・インペリアルズ)
[Members]
Lil’ Ed Williams - guitar & vocal James "Pookie" Young - bass Mike Garrett - guitar Kelly Littleton - drums

スケジュール
2005年2月11日(金)〜12日(土)・13日(日)
Everyday 2 sets show (No Audience change) 毎日2回ショウ(入替なし)

開始時間:5時半/ 開演:7時(3日間共)
 (Everyday doors open at 5:30PM / show starts 7:00PM)
会  場:at Club IKSPIARI (JR Maihama stn.) 舞浜/クラブ・イクスピアリ
Music Charge:¥6,825

Advanced Ticket available at Club IKSPIARI, phone: 047-305-5700
http://www.clubikspiari.com
or Chocolate Cream Productions, 03-3487-5442
http://chocolatecream.co.jp/
Also Tiket Pia service counter

2月14日(月)大阪・BIG CAT 開場6時半/開演7時半
お問合せ:BIG CAT 06−6258−5008

チケット予約開始日:12月25日より

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父親。

ちょっと小ネタを。あの「別れたくないのに(原題、ユール・ネヴァー・ファインド・アナザー・ラヴ・ライク・マイン)」や、「タバコ・ロード」などの大ヒットを持つグラミー賞受賞歌手、ルー・ロウルズが69歳にして再び父親となった。

ロウルズは2004年1月1日に、ロウルズのマネージャーであるニーナ・ロウルズさんと結婚していた。夫妻にとっては一周年の記念に素晴らしい贈り物となった。子供が生まれたのは1月10日、オハイオ州アクロン。子供は6ポンド14オンスで順調に成長している。母のニーナにとっては初めての子供だが、ロウルズにはすでに成人している子供が3人いる。

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69歳で父親へ。なかなか話題だ。だが、こういう例はよくある。あのジェームス・ブラウンもたしか69歳くらいで父親となった。また、最近はCNNでラリー・キング・ショウをやっているラリー・キングがやはり、30歳以上はなれた女性と結婚しちょっとした話題となっていた。

そこに愛があれば、年齢差など関係ない、というわけだ。ロウルズには3人の成人した子供がいるので、もしそこに子供がいれば、孫よりも若い息子に恵まれたということになる。

高齢化社会が進む中、そして、核家族が進み、少子化が問題となるこの時代。69歳でも父親になるということだけでも、いいことではないだろうか。ただこの子が成人した時、父は89歳か…。

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(映画『RAY/レイ』の映画評です。ネタバレは最小限ですが、先入観なしにご覧になりたい方はご注意ください)

障害者。

ピアノを弾く指が動く。黒いサングラスにそのピアノの鍵盤が映っている。演奏者は身体を揺らし、のっている。軽快な「ホワッド・アイ・セイ」が流れている。煙草の煙が揺らいでいる。オープニング・シーンが終ると、ひとりのサングラスをした若き黒人、レイ・チャールズ(ジェイミー・フォックス)がバス停でぽつんと佇んでいる。そして、「フロリダ州、1948年」の字幕。

ソウル・ミュージックの創始者、レイ・チャールズの自伝的映画が『RAY/レイ』だ。彼がいかにして盲目になり、ミュージシャンとして成長し、ドラッグ漬けになり、人生を歩んでいくかが描かれる。レイ・チャールズ役を演じたのは、自らミュージシャンでもあるジェイミー・フォックス。レイ・チャールズそっくりの演技は、圧巻だ。

音楽、酒、ドラッグ、そして女性。レイの人生はそれらだけで彩られていた。しかも、徹底的に。時代的には1930年生まれのレイの1948年ごろから1965年ごろまでの間が中心に描かれる。

映画の冒頭で、レイの母アレサが言う。「誰にもあなたを盲目(cripple=かたわ、障害者、無能者)なんて呼ばせないで」 この言葉はレイが失明した時以来、生涯レイの言葉になる。正確には、目に視力はないが、かたわ、障害者ではない、という意味だ。だが、彼はある時期まで肉体的にも、精神的にもクリップル(障害者)だった。果たして、彼は何をきっかけに目覚めるのか。

自伝にも出てきて興味を持っていたのだが、彼が幼少の頃、まだ失明する前に生家の近くにある雑貨店に一台のピアノがあった。そこの主人、ミスター・ピットが子供のレイにピアノを教えるシーンがある。ミュージシャンとなるレイ・チャールズ少年の原点だが、このシーンになんとも言えずに僕は感動する。

ひとつの失敗から学び、それを教訓とし、知恵をつけ、強く強く生きていくレイ・チャールズ。その自立心と信念、頑固さには驚嘆する。

(以下、少しネタバレになります)

「ライフ・オン・ザ・ファースト・レーン」(全速力で走る人生)という言葉がある。日々ライヴに明け暮れるレイの人生は、ヒット曲がでるにつれ、忙しさは増し、まさに「ライフ・オン・ザ・ファースト・レーン」になっていった。その彼には、幼少時の事件がひとつの心のトラウマとして残っている。子供時代を過ごしたフロリダにあるボトル・トゥリーの数々。ガラスの空き瓶が何本も吊るされ、木のようになっているボトル・トゥリーは彼のトラウマを象徴するかのようだ。

そして、後半、レイが夢の中で、生まれ故郷のフロリダで母親に会う。自分の生家のヴェランダ。この時のレイ(ジェイミー・フォックス)は、今の大人で目が開いている。そこに登場する弟のジョージが言う。「レイのせいじゃないよ」 母親が言う。「もう誰にもあなたを『盲目』にはさせないわ」 それまで心が盲目だったレイは、この瞬間、「目を見開く」のである。

1961年、レイ・チャールズは黒人と白人を分けていた会場での演奏を拒否したことから、ジョージア州での演奏が禁止された。ジョージア州からの永久追放だ。それから18年間、彼は自らのホームタウン、ジョージア州で演奏することができなかった。しかし、時が流れ、人種差別も少しずつなくなった1979年3月7日。彼が1960年に歌った傑作「我が心のジョージア」は、ジョージア州州議会から「州歌」と認定され、同時に18年前の事件に関して正式に謝罪されたのである。

拒絶から受け入れまでの18年間、レイ・チャールズはひたすらステージで「我が心のジョージア」を歌い続けて来た。彼にとっては、ジョージア州から拒絶されようが、受け入れられようが、その曲が持つ意味はまったく変わらない。ブラザー・レイの信念はいささかも揺るがず、ジョージアへの郷愁は消えることはなかった。

だが、「我が心のジョージア」という曲を歌ったことが、結果的にジョージア州議会にレイに対して謝罪のチャンスを与えることにもなった。そう、「我が心のジョージア」がレイ・チャールズをジョージアに引き戻したのだ。

曲の中で歌詞はこう歌われる。「今、ここにある道はジョージアへ戻る道…」 レイ・チャールズはジョージアへ戻った。ジョージアに始まった物語が、ジョージアで完結した。

(映画『RAY/レイ』1月29日からみゆき座など全国ロードショウ)

映画公式ホームページ
http://www.ray-movie.jp/index.php

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『我が心のジョージア』訳詞
Georgia On My Mind

ジョージア、我が心のジョージアよ、

一日中、古きよき時代を思わせるあの甘い歌が
ジョージアへの郷愁を誘う

ジョージア、ジョージアの歌が、月明かりが木々の隙間から
漏れてくるように、やさしく、心に染みてくる

ジョージアの魂が歌いかけてくる・・・
ジョージアの瞳がやさしく微笑む・・・
ジョージアの地には心の安らぐ夢がある
今、ここにある道はジョージアへ戻る道

ジョージア、我が心のジョージアよ・・・
他の地では心の安らぎを見出せない

古きよき時代を思わせる甘い歌・・・
そんな歌がいつもジョージアを思い出させる

(訳詞ソウル・サーチャー)

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映画『RAY/レイ』関連記事。

2004/11/12 (Fri)
"Ray" This Could Be Jamie Foxx’s Career Movie
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041112.html

2004/11/13 (Sat)
"Ray" Include Songs From "Live In Japan"
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041113.html

2004/11/14 (Sun)
"Brother Ray" (Japanese Translation Version) Will Be Published In January Tied With Movie "Ray"
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041114.html
自叙伝『わが心のジョージア』、日本発売へ。

レイ・チャールズ死亡関連記事。

2004/06/12 (Sat)
Soul Legend Ray Charles Died At 73
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040612.html

2004/06/13 (Sun)
"Brother Ray On My Mind": A Tribute To Ray Charles
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040613.html

2004/06/20 (Sun)
Everybody Can’t Stop Loving Ray
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040620.html
(注、葬儀は6月18日に行われました。日記記載の11日は18日の誤りです)

2004/06/22 (Tue)
Stevie Talks About Ray: Sung "I Won’t Complain"
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040622.html

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(映画『ファイティング・テンプテーションズ』の紹介です。ネタばれは最小限ですが、何も予備知識をもたずにご覧になりたい方はご注意ください)

"The Fighting Temptations": Another Barbershop Harmony

バーバーショップ。

あのビヨンセとキューバ・グッディング・ジュニア主演の映画『ファイティング・テンプテーションズ』が2月12日(土曜)からテアトルタイムズスクエアで3週間限定で公開される。映画のサントラは一足先に2003年9月に日本でも発売中。

南部ジョージア州の片田舎からでてきてニューヨークで口八丁手八丁で出世してきたダリン(キューバ・グッディング・ジュニア)の元に、子供時代、自分の世話をしてくれていたサリーおばさんが亡くなったという知らせが届く。その遺産配分のために戻ってくるように言われ、葬儀に出た後、その遺言が明かされると、ダリンが指揮するゴスペル・クワイアーを大会で優勝させたら時価15万ドル相当の株券を渡すという。そこで、まったくゴスペル・クワイアーなどを作ったこともないダリンが地元の連中を集めて、クワイアーを作るのだが…。

いやあ、おもしろかった。まったく予備知識もなく見たのだが、冒頭からやられた。結論から言えば、ソウル、R&B、ゴスペルなどの音楽が好きな人、興味がある人なら、まちがいなく楽しめるエンタテインメント映画だ。

最初の教会のシーンからして、ゴスペル好き、ブラックミュージック好きにはたまらない。さすがに映画会社の試写室では立ち上がって踊りだすことはできないが、大きな映画館で大音量でこれを流されたら、観客は立ち上がるのではないか、とさえ思った。この教会のシーンでリードを取るのは超ヴェテランのシャーリー・シーザーだ。(彼女の大ヒット「ノー・チャージ」は、僕の個人的な大フェヴァリット) 貫禄としかいいようがない。そして、続々登場するミュージシャンたち。ビヨンセ、ミッシー、アンジー・ストーン(けっこういい役だ)、フェイス・エヴァンス。

ビヨンセはキューバ・グッディングが気に入るR&Bシンガー。地元のさえないクラブで歌っているが、世俗的なR&Bを歌っていることで、神聖な教会からはつまはじきにされている。だが歌はぴか一で、キューバはその彼女を見て、自分が結成するクワイアーにどうしても彼女をいれようと必死になる。

僕が最高に気に入ったのは、理髪店でのシーン。ある子供がヘアカットにやってくる。理髪店の椅子に彼が座ると、そこの店員たち3−4人がその椅子の周りをゆっくりまわりながら、アカペラ・ハーモニーを聞かせるのだ。これが、すごい。カミソリやはさみをパーカッション代わりにして聞かせるハーモニーは、これぞバーバーショップ・ハーモニーだ。そして、ここで歌うのがエディー・リヴァート・サーを始めとする、そう、オージェイズのメンバーなのである。エディー・リヴァート最高だ!きっと昔のバーバーショップはこうだったんだろうな、と思わず膝を叩いた。

最高に面白かったのは、キューバが刑務所に歌のうまいのがいると聞きつけてリクルートに行くところ。3人の囚人が自己紹介をして、歌を聞かせるのだが、この中で背が一番高い男が最高におもしろい。どうおもしろいかは、映画本編を見ていただくとして、僕はその時はわからなかったのだが、あとでクレジットでみたところ、この長身の男はなんと、モンテル・ジョーダンだった。ほかに気になったキャストはメルバ・ムーア。その昔ハッシュ・プロのオフィースでインタヴューしました。音楽監督は、ジャム&ルイスだったんですね。アン・ネスビーなんかもいたみたいだ。

映画のストーリーとしては単純で、また、演技がどうのこうのという話ではない。言ってみればB級映画なのだろうが、このライヴ・シーン、歌のシーンだけで、ブラック・ミュージック・ファンは十分に元をとれる。DVDで、お気に入りのところを繰り返して見たい、そんな作品だった。『天使にラヴソングを』が好きな人あたりは、はまるにちがいない。

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映画『ファイティング・テンプテーションズ』
原題:The Fighting Temptations
監督・ジョナサン・リン 出演・ビヨンセ、キューバ・グッディング・ジュニア
公開2005年2月12日(土)から、テアトル・タイムズ・スクエアで3週間限定ロードショー。2時間3分。
配給:UIP、DVD:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

サントラ『ファイティング・テンプテーションズ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000BI0A7/soulsearchiho-22/249-6000652-9205915

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