爆発。

そして、『ステイ・イン・スクール』に続いてもう一枚がリリース当時は2枚組で出た『ソウル・エクスプロージョン』のアルバム。CDでは77分半で1枚に収録されている。これで1995円は安い。

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A010090/VICP-62930.html

全部で28曲。69年1月に全米で発売された。ジョニー・テイラーの「フーズ・メイキング・ラヴ」や、ウィリアム・ベル&ジュディー・クレイの名作「プライヴェート・ナンバー」などのヒット曲も収録されつつ、それほど大ヒットしていない曲も収められている。14曲目までが主にヒット曲。15曲目以降が、アルバムでは未発表曲など。シングルのみのリリース作品などだ。

今でこそ、ソウル・レーベルのコンピレーションが次から次へとリリースされるが、60年代はまだまだそうしたコンピは少なかった。

また、このアルバムのタイトルに『ソウル・エクスプロージョン』(ソウルの爆発、の意味)とついているところが、時代を反映している。それまで、ブラック・ミュージックのヒットに関してはビルボード誌ではR&Bチャートと呼ばれていて、このアルバム発売後の69年8月からそのチャートがソウル・チャートと呼ばれることになる。R&Bの時代からソウルの時代への移行時期でもあり、アルバムのタイトルはまさにソウルの爆発の時代を象徴的に表している。

北のモータウンに対抗して南のスタックス。その存在感は素晴らしいものがあった。個人的には「プライヴェート・ナンバー」や、「アイヴ・ガット・ア・スア・シング」(オリー&ナイチンゲールス)などのサザン・ソウルにひじょうに惹かれる。

こうした60年代のソウルのコンピレーションがどんどん発売されると嬉しい。

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VARIOUS/SOUL EXPLOSIONソウル・エクスプロージョン
ビクター VICP-62930  2005.01.21発売

01 フーズ・メイキング・ラヴ / ジョニー・テイラー WHO’S MAKING LOVE(Banks - Crutcher - Davis - Jackson) / JOHNNIE TAYLOR

02アイ・ライク・エヴリシング・アバウト・ユー / ジミー・ヒューズ I LIKE EVERYTHING ABOUT YOU(Davis - Hunter - Gordy) / JIMMY HUGHES

03 ハング・エム・ハイ / ブッカー・T.&ザ・MGs/BOOKER T. & THE MG’s HANG ’EM HIGH(Dominic Frontiere)

04ホエア・ドゥ・アイ・ゴー / カーラ・トーマス WHERE DO I GO(Rado - Ragni - Macdermot) / CARLA THOMAS

05アイヴ・ネヴァー・ファウンド・ア・ガール / エディー・フロイド/EDDIE FLOYD I’VE NEVER FOUND A GIRL(TO LOVE ME LIKE YOU DO)(Jones - Floyd - Isbell)

06スメル・オブ・インセンス / サウスウエスト F.O.B. SMELL OF INCENSE(Markley - Morgan) / SOUTHWEST F.O.B.

07コールド・フィート / アルバート・キング COLD FEET(King - Jackson) / ALBERT KING

08ソウル・リンボ / ブッカー・T.&ザ・MGs SOUL LIMBO(Jones - Cropper - Dunn - Jackson) / BOOKER T. & THE MG’s

09ソー・ナイス / マッド・ラッズ SO NICE(Thomas - Crutcher) / THE MAD LADS

10ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー / エディー・フロイド BRING IT ON HOME TO ME(Sam Cooke) / EDDIE FLOYD

11プライヴェイト・ナンバー / ウイリアム・ベル&ジュディ・クレイPRIVATE NUMBER(Jones - Bell) / WILLIAM BELL & JUDY CLAY

12ロング・ウォーク・トゥ・D.C. / ステイプル・シンガーズ LONG WALK TO D.C.(Banks - Thomas) / THE STAPLE SINGERS

13アイヴ・ガット・ア・シュア・シング / オリー&ザ・ナイチンゲイルズ I’VE GOT A SURE THING(Jones - Bell - Hoskins) / OLLIE & THE NIGHTINGALES

14コピー・キャット / バーケイズ COPY KAT(Jones - Alexander) / THE BAR-KAYS

15ソウル・クラップ ’69 / ブッカー・T.&ザ・MGs SOUL CLAP ’69(Jones - Cropper - Dunn - Jackson) / BOOKER T. & THE MG’s

16ヒア・マイ・コール・ヒア / ステイプル・シンガーズ HEAR MY CALL, HERE(Staples - Westbrook) / THE STAPLE SINGERS

17セイヴ・ユア・ラヴ・フォー・ミー / ジョニー・テイラー SAVE YOUR LOVE FOR ME(Malone - Bragg) / JOHNNIE TAYLOR

18ピープト・アラウンド・ヨンダーズ・ベンド / ジミー・ヒューズ PEEPED AROUND YONDERS BEND(Banks - Jackson) / JIMMY HUGHES

19ブック・オブ・ラヴ / カーラ・トーマス BOOK OF LOVE(Cropper - Floyd) / CARLA THOMAS

20ディーズ・オールド・メモリーズ / マッド・ラッズ THESE OLD MEMORIES(Banks - Jones) / THE MAD LADS

21マーシー・マーシー・マーシー / サウスウエスト F.O.B. MERCY MERCY MERCY(Joe Zawinul) / SOUTHWEST F.O.B.

22ホット・ヒップス / バーケイズ HOT HIPS(Jones - Cauley - Alexander) / THE BAR-KAYS

23ハートエイク・マウンテン / オリー&ザ・ナイチンゲイルズ HEARTACHE MOUNTAIN(Jones - Floyd - Isbell) / OLLIE & THE NIGHTINGALES

24トゥエンティ・イヤーズ・フロム・トゥデイ / ジョニー・テイラー TWENTY YEARS FROM TODAY(Jones - Cruther - Cropper) / JOHNNIE TAYLOR

25イッツ・ロング・トゥ・ビー・ラヴィング・ユー / エディー・フロイド IT’S WRONG TO BE LOVING YOU(Cropper - Floyd) / EDDIE FLOYD

26イッツ・ミー / ジュディ・クレイ IT’S ME(Hayes - Porter) / JUDY CLAY

27 ブッカーズ・テーマ / ブッカー・T.&ザ・MGs BOOKER’S THEME(Jones - Cropper - Dunn - Jackson) / BOOKER T. & THE MG’s

28レフト・ハンド・ウーマン(ゲット・ライト・ウィズ・ミー) / アルバート・キン LEFT HAND WOMAN(GET RIGHT WITH ME)(Bell - Jones) / ALBERT KING
世界初。

『ソウル・ブレンズ』(日曜午後1時〜5時、インターFM)内「ソウル・サーチン」(午後2時〜2時半)で、今メンフィスのソウル・レーベル、スタックス・レコードの特集することになったのは、1月21日にスタックスにおける名盤でレア盤の作品2枚が世界初CD化されることに関連してのもの。この2枚を紹介するなら、一挙にスタックスのレーベルヒストリーでもやりましょう、ということで4回にわたってご紹介することになった。

さて、その2枚とは、67年8月ころリリースの作品『ステイ・イン・スクール』と69年1月リリースの作品『ソウル・エクスプロージョン』だ。ともに当時のスタックス所属アーティストたちの作品を集めたオムニバス。後者は2枚組でリリースされていた。(CDでは1枚) 

前者はリリース当時プロモーション用アルバムとして、全米のラジオなどに向けて4000枚ほどしかプレスされなかった、という。収録分数30分程度というものだが、そのレア度はずば抜けており、裏ジャケットにはハンフリー副大統領のコメントが寄せられている。アルバムタイトルは、「学校にとどまりなさい」「ドロップアウトするな」という意味。このころ学校をドロップアウトする学生が多数いて社会問題化していた。それに歯止めをかけるべく、こうした企画が始まったようだ。

オーティスやカーラ・トーマスなど歌手たちが「学校にいることの意義」などをちょっとしゃべり、曲になる。他には、エディー・フロイド、ウィリアム・ベル、サム&デイヴ、マーキーズ、ブッカーT&ザ・MGズなどの作品が収録されている。このコメントや、グループ・ディスカッションなどがおそらく当時のラジオで繰り返し流されたのだろう。

プロモーション用だけにリリースされた作品が一般にしかもCDで発売されることで、コレクターズ・アイテムが誰の手にも届くことになる。

ビクターのウェッブ
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A010090/VICP-62929.html
接触。

8時45分を過ぎても、まだファースト・ステージが終っていない。前の回がかなり伸びている。相当盛り上がっているらしい。やっと音が静まり、どっとファーストの観客が出始めた。入口で待っていると、なんとトクさんと小沼ようすけさんが出てきて声をかけてくれた。ファーストを見た後だった。「何か飛び入りでやったの?」と聞いたら、「いや、見に来た」とのこと。彼らはいろいろ、見にきてるなあ。

今年初めてのライヴは、マイク・スターン、デニス・チェンバース、そして、リチャード・ボナらのライヴ。マイク・スターンはギター、デニスは元Pファンクのドラマー、そして、リチャードはベースも弾くヴォーカリスト。久々のブルーノートでのライヴは、やはりいい感じ。結局セカンドが始まったのは、9時44分。

なんと言っても、彼ら4人のミュージシャンシップがスパークする瞬間が美しい。マイク・スターンのギターは、フュージョン風でもあり、ロック風(時にジミ・ヘンドリックス風)、ソウル風、R&B風あり、さわやかスムース・ジャズ風でもありと何でもござれ。基本的には白いが、リチャード・ボナとからんだり、デニスとからんだりするとファンキーになったりもする。

なんといっても、僕はこのデニスのドラマーが最高だ。本当にこれだけのシュアなリズムを刻める、それでいて、音自体がかっこいいドラマーはまずいない。しかも、訳のわからない微妙な変拍子まで叩きだす。

もっともスリリングだったのは、後半、デニスとマイク・スターンの掛け合いになったところ。それまで、基本的にはマイクがこのステージのスターというか主人公なのだが、この時はドラマーのデニスが主導権を握る。彼がシンプルなリズムからどんどん難しい変拍子に移行するのだが、マイクはそれに惑わされず、同じファンキーなリズムギターをキープする。

デニスはあたかもマイクに向かって「さあ、これでもついてこれるか」といった具合にチャレンジしてくる。そして、マイクはそれに「だいじょうぶだぞ、どんなリズムでも」と答えるかのようだ。この緊張感はライヴならではのもので、たまらない。マイクもマジックハンドだが、デニスのドラムスの叩き方もマジックハンドである。

途中、デニスや他のメンバーがステージを離れてしばし休む時がある。舞台をはけて、戻る時、たまたまデニスの肩が僕に背中に触れた。すると彼が「ごめん」といった仕草をしてステージに向かっていった。マジックハンドのデニスと僕が触れた瞬間であった。ライヴが終ったのは23時29分だった。

ブルーノートウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20050110.html

(2005年1月12日水曜セカンド、東京ブルーノート=マイク・スターン・バンド・フィーチャリング・リチャード・ボナ、デニス・チェンバース・アンド・ボブ・フランセスチーニ・ライヴ)
食堂。

前々から噂の目黒食堂に行った。目黒にクラブみたいな、それでいて食事もできる店ができたということで噂を聞いていた。すでに食事ができるスペースは2004年9月にオープン、踊れるクラブスペースも12月8日にオープン。いくつかイヴェントが行われている。まあ、なにせこの二ヶ月、僕はほとんど浦島太郎状態だったので、この目黒食堂も今回が初。

『フィールン・ソウル』の収録後、オッシーが目黒食堂の話をしたので、じゃあ、今から行きましょうか、ということになり、村上さんなどもこれにのり、急遽目黒へ。

全部で75坪くらいの広さ。お店のコンセプトとしては、踊って、遊べて、食事が出来てというもの。ダイニング・ゾーン、プレイング・ゾーン、クラブ・ゾーンの3つに分かれている。ダイニング・ゾーンは、けっこう種類豊富な食事が安価でできる。オムレツが売り物だとか。プレイング・ゾーンはダーツなどがある。クラブ・ゾーンはたち見だったら200名まで入れるというスペース。ライヴもできる機材を揃えている。

ここは、駅から2分というめちゃくちゃいい立地なので、これは使い勝手がいい。ダイニング・ゾーンもラストオーダー4時なので、深夜族にも対応できる。

目黒駅東口(山手線内側)を降り、左に。目黒通りとの交差点を左奥に入ると突き当たり。目黒通り、白金方向への一通の道沿いに看板がある。ただし店自体はそこからちょっとだけ入る。

目黒食堂
141−0021東京都品川区上大崎2−16−2
クリスタル羽山ビルB1
03−5798−4858、ファクス03−5798−4859
営業時間 ダイニング 17時から5時
クラブ 23時から朝まで
http://www.meguroshokudo.com

What Does "Gee Whiz" Means:

2005年1月11日
習慣。

「ジー・ウィッズ(Gee Whiz)」を歌ったのはカーラ・トーマス。1961年のヒット。これがメンフィスのスタックス・レコードにとっての初めての全国ヒットになりました。さて、この「ジー・ウィッズ」の意味は? マーヴィン先生に教わりました。

「これは、最近使わないね、ちょっとダサいよ。僕は黒人だけど、白人の真似して、『ジー・ウィッズ』っていうかもしれないけどね。意味は、『まあ、残念』とか、too bad(残念)といったところかな。オー・マイ・ゴッド(まあ、なんてこと! なんてこった!)は、強すぎる。でも、61年、あのころ、南部ではこれくらいの言葉がちょうどよかったのかもしれない」

「今日は外にでなければならないので、ソウルブレンズが聞けない」
「ジー・ウィッズ(残念)」
「彼(彼女)とのデートがドタキャンになった」
「ジー・ウィッズ(残念)」

カーラ・トーマスのこの曲調もどこかもの悲しげな感じ。しかも、ウルフマン・ジャックや『アメリカン・グラフィティー』にでもでてきそうな感じだ。

そして、続いてエディー・フロイドの大ヒット「ノック・オン・ウッド」。木を叩く、という意味ですね。これは、何かを願ったり、お祈りする時に、例えば机なんかをコンコンと叩くことを言います。日本では神社で手を叩いて、神頼みしますが、それをアメリカでは木や机なんかを叩いて、お祈りするわけです。

「宝くじ、買ったんだよ。当たるといいなあ」
「ノック・オン・ウッド!」
「競馬、6−3が来ますように」(ノック・オン・ウッドする)

これに似たおまじないに、人差し指と中指をクロスさせてお祈りする「フィンガース・クロースド」というのもまります。

「宝くじ、あたりますように」と言いながら、指をクロスさせるわけです。

まあ、アメリカの習慣といいますか、いろいろありますね。スタックス関連で選んだ曲から偶然ワンポイントイングリッシュ・レッスンになりました。
死後。

オーティスの死後、しばらく、スタックスの面々はまったく何も手がつかなかった。だが、彼らは仕事を続ける。ルーファス・トーマス、ジョニー・テイラー、エディー・フロイド、ソウル・チルドレン、ジュディー・クレイ、ステイプル・シンガーズ、オリー&ナイチンゲールズ、ニューカマーズ、ドラマティックスなどなどがヒットを出しつづけ、スタックスの火を消すことなく守った。

67年12月のオーティスの死をきっかけに、アトランティックが配給から手を引き、68年からはガルフ&ウェスタン社が全米での配給を担当。このころスタックスの運営に有能な人物が登場する。元メンフィスのラジオDJ、アル・ベルである。彼は地元でDJをやっていたが、スタックスの作品、メンフィスのローカルアーティストの作品群を積極的にプレイし、地元アーティストの人気を高める手助けした。

そうした実績が認められ、彼はスタックスのプロモーションマン(宣伝マン)として雇われるようになる。そして、すぐに手腕を発揮し、彼は副社長にまでなる。アル・ベルは、スタックスに新たなイメージを作ろうとした。新しい「指がなっているような」ロゴを作り、レーベルデザインを変え、配給元も変え、心機一転再出発を計った。そして、上記のアーティストらが次々とヒットを出すようになった。

それまでソングライター、プロデューサーとしてスタックスを裏から支えてきたアイザック・ヘイズは自らの低音を打ち出し、シンガーとしても登場。彼は映画『シャフト』のテーマを担当し71年全米ナンバーワンを生み出す。ゴスペル・グループ、ステイプル・シンガーズも「リスペクト・ユアセルフ」「アイル・テイク・ユー・ゼア」の2大ヒットで一躍メジャーな存在に、さらに、デトロイトのドラマティックスも「イン・ザ・レイン」(72年)の大ヒットを放ち、エモーションズがコーラス・グループとして注目され、それまでになくスタックスは成功する。

そして、スタックス・レコードの歴史上最大の出来事が72年8月に起こる。アル・ベルが音頭をとり、スタックスのアーティストを集合させ、ロスアンジェルスコロシアムで行った大イヴェント「ワッツタックス」である。これは、ロスの黒人街であるワッツ地区を潤そうということで、行われたイヴェントでスタックスのアーティストが10時間以上にわたってライヴを見せた。「ワッツタックス」とは、おわかりのように「ワッツ」と「スタックス」をあわせた言葉である。この模様はライヴレコード、映画にもなり、そのイヴェントは現在でも伝説として語られる。

しかし、残念ながら73年ごろからスタックスからなかなかヒットがでなくなり、最終的に75年、スタックスは倒産。所属アーティストは、次々と他のレーベルへ移っていった。ジョニー・テイラーはCBSに移籍し、「ディスコ・レディー」の大ヒットを、ウィリアム・ベルはマーキュリーに移り「トライング・トゥ・ラヴ・トゥー」の大ヒットを、エモーションズもCBSに移り「ベスト・オブ・マイ・ラヴ」などの大ヒットを出すようになった。

スタックスの作品の権利はその後ファンタジー・レコードが買収し、管理発売している。スタックスの実質的な活動時期は59年から74年くらいまでの15年ほどだったが、その間に残した作品群はブラック・ミュージックのかけがえのない宝物である。

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「スタックス・レコード・スペシャル」は、『ソウル・ブレンズ』(日曜午後1時から5時、インターFM76.1mhz)内「ソウル・サーチン」のコーナー(午後2時から2時半)で4週間にわたってお送りします。第二回は1月16日(日曜)。30分に拡大です。
メンフィス。

『ソウル・ブレンズ』内「ソウル・サーチン」のコーナーでは、1月9日から4回にわたってメンフィスの名門レーベル、スタックス・レコードを特集する。時間も通常の20分から30分へ拡大してのご紹介だ。

スタックス・レコードは1959年テネシー州メンフィスで、ジム・スチュワートとエステル・アクストンの2人の兄弟(正確には姉=エステルと弟=ジム)によって設立されたインディのレコード会社。設立当初は、サテライト・レコードといった。ジムは、銀行員のかたわら、カントリーが好きで自らフィードルを演奏していたが、当時、地元から登場して全米的な人気を得始めていたエルヴィス・プレスリーの成功が大いに刺激になった。

地元のDJ、フレッド・バイラーの歌を録音し、サテライトから発売。これが記念すべき第一弾となった。その後、レーベル名をスタックスと変更。このSTAXは、スチュワート(Stewart)のSTとアクストン(Axton)のAXからとった。当時は、地元のカントリー、ポップ、ソウルのアーティストなどをそれほどこだわりなく録音していた。

61年、一度地元で発売したカーラ・トーマスの「ジー・ウィズ」の発売権をメジャーのアトランティックが獲得し、全米発売したところ、全米規模でヒット。これがスタックスとしての記念すべき初ヒットとなった。

以後、このレーベルからは、マーキーズ、ルーファス・トーマス、ウィリアム・ベル、ブッカーT&ザ・MGズなど多くのアーティストが登場。そのアーティストもほとんど黒人となり、ソウル、R&B中心のレーベルになっていく。

そして、62年秋、このレーベルにひとりの天才シンガーが現れる。それがオーティス・レディングだ。彼がスタジオの余り時間に録音した「ディーズ・アームス・オブ・マイン」が62年10月にリリースされると瞬く間に大ヒット。オーティスの存在とメンフィスにある一レーベル、スタックスの存在をアメリカの音楽業界に広く知らしめることになった。

オーティスの人気に牽引されるように、スタックスからの作品は徐々に大ヒットするようになる。エディー・フロイド、ジョニー・テイラー、サム&デイヴ、アイザック・ヘイズ、メイブル・ジョン、さらに無数のローカル・アーティストたちが作品をだした。

スタックスからでるソウル・レコードは、いわゆる「スタックス・サウンド」と呼ばれ南部を中心に人気を集めるが、その特徴は、ブルースとゴスペルに根ざした黒いサウンドだった。北部のモータウンが都会的に洗練されポップになっていったのに対し、スタックス・サウンドはあくまで黒さが全面にでていた。その点で、モータウンはアメリカだけでなく、世界的に支持を受けたが、スタックスはあくまで黒人による黒人のための、黒人の音楽という意味で、世界的な広がりはモータウンほどにはなかった。

しかし、一方で、ソウル、R&B、ゴスペル、ブルースといったブラック・ミュージックの王道をリリースしてきたスタックスの存在意義は大きい。またスタックスは、地元メンフィスだけでなく、北部シカゴ、デトロイト、東部のフィラデルフィアなどのアーティストたちの作品も積極的にリリース、徐々に総合ソウル・レーベル的な存在になっていく。

スタックスは、60年代中期、メジャーのアトランティックが配給を担うことになり、ヒットを出すが、まったく予期せぬ不幸が襲う。スタックスの看板スター、オーティス・レディングが67年12月10日、飛行機事故で他界するのだ。これは同レーベルにとって計り知れぬ衝撃を与えた。

スタックスの歴史を俯瞰すると、59年からこの67年暮れまでを第一期、68年から75年までを第二期とすることができる。第一期は、まさにすべて勢いで走ってきた。だが、それ以降はそれまでと違った空気で運営されていくようになる。

(この項・続く)

「スタックス・レコード・スペシャル」は、『ソウル・ブレンズ』(日曜午後1時から5時、インターFM76.1mhz)内「ソウル・サーチン」のコーナー(午後2時から2時半)で4週間にわたってお送りします。
兄弟。

『ミッドナイト・ラヴ』の収録があった。今回は通算10回目。10回目にして初めてのゲストの登場である。誰かといえば、マーチンさんのファンキーお姉さん、聖美(きよみ)さんだ。ちょうど、12月に新譜『ゴー・オン(Go On)』がでたので、ゲストでプロモーションでもしてもらいましょう、的なのりだったのだが…。

いやいや、新春放談で兄弟トーク炸裂です。めちゃくちゃおもしろい。20分の予定が40分近くになり、しかも、『ソウル・ムーヴィー』のコーナーまで、居残りです。(笑) 正月そうそう笑い転げた。

普段の2人の会話がそのままオンエアに乗るという感じ。アルバムのプロモーションの話とか、このアルバムはどうだとか、そんな話は一切なし。(笑) マーチンさんが後半で、「で、このアルバムは、何枚目のアルバムになるの?」と聞くと、聖美さん、ひとこと「わかりません」。ここでスタッフも含めて爆笑です。

曲がかかっている間、聖美さん、とあるメロディーを歌い、この曲誰の曲? と尋ねる。途中からフォートップスの曲の「イッツ・ザ・セイム・オールド・ソング」のメロディーがでてくるんだが、どうも違うらしい。その前の部分はポップな感じ。どこかで聴いたことがあるような気もするが、マーチンさんも我々もわからない。そこで、オンエア部分でも歌ってもらい、リスナーのみなさんからヒントを募集することにした。

それにしても、気取りのないファンキー・シスターで、実に楽しい。マーチンさんは宣言した。「この番組がある限り、必ず一月はおねえちゃんと新春放談をやり続けます!」

打ち合わせの時、マーチンさんが聖美さんに小さな封筒を手渡していた。聖美さんの娘さんへのお年玉だった。「あんた、もういいのに、もううちの娘24なんだから・・・」 普通の兄弟のやりとりだった。

(この模様は2005年1月15日土曜・深夜1時半から3時半まで、FM横浜で放送されます) 
青い空。

昨年暮れ、ボズ・スキャッグスのアルバムが一挙に廉価盤で再発売され、その中にあの名盤『シルク・ディグリーズ』(1976年作品)があったので、何度も聴いている作品だが、また久々にCDを聴いてみた。

76年の夏、ちょうど「ロウダウン」がR&Bラジオや、ディスコでもかかっていたことを思い出す。白人の作品ながら、ソウルフルなサウンドで、R&Bステーションでも支持を集めたのだが、やはり、このベースラインが醸し出すグルーヴ感は素晴らしい。アヴェレージ・ホワイト・バンドなどのいわゆるブルー・アイド・ソウルが話題になっていた時期でもあり、「ロウダウン」もある種ブルー・アイド・ソウル的に受け入れられていたことも納得できる。

とはいうものの、僕は当時は完璧にソウル・ミュージック至上主義(笑)で曲を聴いていたので、みんなが黒っぽいといったこの「ロウダウン」でさえも、白さを感じていた。だが、抜群なポップ感覚はこの曲に感じていたから、これがポップ・チャートを駆け上るのは容易に理解できた。

76年7月、僕は初めてアメリカに行った。友人がロスにいてその彼を訪ねておよそ一週間の予定で機上の人となった。で、その時レンタカーを借りたのだが、カーラジオから繰り返し流れてきた曲のひとつが「ロウダウン」だった。僕が聴いていたのはもちろん、局はどこだったか忘れたが、ブラックステーション、R&Bステーションだったにもかかわらずだ。

当然、ロスの風景と、カーステレオから流れてくる多くのソウル・ヒットの中に混ざってこの「ロウダウン」がかかってもまったく違和感はない。たしかアメリカのラジオというものにどっぷり浸かったのもあの時が初めてだったかもしれない。そこで、アメリカのラジオはヒット曲が一時間に1回かかるものだということを知った。

天辰保文さんが2004年10月に書き下ろしたCD解説によれば、天辰さんはこのアルバムがヒットした76年の12月にサンフランシスコでボズのライヴを見た、という。しかも、そのライヴは男性ブラックタイ、女性ドレスというドレスコードがあったそうだ。もうそんなころからボズの音楽とそのファンは、おしゃれだったのかと改めてびっくりした。

ここには、他に「ハーバー・ライト」という傑作バラードやあるいはリタ・クーリッジでヒットした「ウィ・アー・オール・アローン」も入っている。まさに名盤である。

ボズはサンフランシスコ出身だが、僕にはこの「ロウダウン」とカリフォルニア、それもロスの青い空が結びついている。それはちょうどこのジャケットの雲ひとつない青い空のイメージである。76年、日本では雑誌ポパイが誕生する年だ。アメリカ、カリフォルニアが日本の若者にぐっと近づこうとしていた時期でもある。
前哨戦。

2月13日日曜日に発表される第47回グラミー賞のトラスティー・アワードに、テレビ番組の『ソウル・トレイン』の司会者、ドン・コーネリアス、「スターダスト」「わが心のジョージア」などの作者、ホーギー・カーマイケルなどが選ばれることになった。当該の賞は、前日の12日に手渡される。

また「ライフタイム・アチーヴメント(生涯功労賞)」が、レッド・ゼッペリン、アート・ブレイキー、カントリーのカーター・ファミリーらに手渡される。

さらに、長年にわたって音楽業界に貢献してきたエディー・アーノルド、ジャニス・ジョプリン、ジェリー・リー・ルイス、ステイプル・シンガーズなども表彰される。

グラミーの「トラスティー」「ライフタイム・アチーヴメント」などは、本選の前哨戦的な表彰になる。
復活。

「ベスト・オブ・ソウル・サーチン・ダイアリー2004」へいろいろなご意見ありがとうございます。特に選ぶ基準というほどのものはなかったのですが、それではご要望にお答えして、とんかつ・とんきのお話は、さっそく「ベスト・オブ」に復活、付け加えておきます。(笑) 話のネタがよかったんですね。文章的にはこれは、もう少しじっくり書き込んでみたいですねえ。ほんとは、あのおばさんとかにもインタヴューできればいいんだけどね。

2004/08/24 (Tue)
Tonki: Service Of Ton Of Ki
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040824.html

目黒の老舗とんかつ店「とんき」についての小編。ソウルあふれるそのサーヴィスぶりは見事と言うに尽きる。(by popular demand)

とんかつのお好きな方はぜひ一度いらしてみてください。なお、とんきという名のお店は目黒にふたつありますので、ご注意ください。日記自体には、住所電話などを載せていませんでしたので、ここにアップしておきます。

店名:とんき
住所:目黒区下目黒1−1−2
電話:03−3491−9928
行きかた:JR目黒駅西口を出て、駅前の権の助坂を山手通りに向かって一方通行を下方向に下り、さくら銀行裏を左折、大きな看板があります。
営業時間:16:00〜22:45(22時45分までに入れば大丈夫)
定休:第3月曜日および火曜日
席数:1Fカウンター席40席程度、2Fはテーブル席
メニュー:ロースかつ定食  1650円 (消費税込み)
     ヒレかつ定食   1650円
     串カツ定食    1200円
      (単品は500円引き)

音楽ライターより、食のライターでもやったほうがいいのかしらん。(笑) その昔、ちょっとトラヴェル・ライターもやったことあるんですけどね。ははは。あと、スポーツ・ライターもいいですねえ。

食べ物関係だと、やはり、あの幻の蕎麦店、深山亭の話でしょうね。今はもう営業していないらしいです。残念だなあ。しかし、今、営業していないとなると、このエッセイは貴重です。よくこんなに話を聞けたものだ。

http://www.soulsearchin.com/dinning/restaurants/essay/miyamatei01.html

http://www.soulsearchin.com/dinning/restaurants/essay/miyamatei02.html

蕎麦屋ネタとしては、あとやはり、小淵沢の「翁」の話をいずれ書きたいですね。正月そうそう、おなかがすきそうなネタでした。
初詣。

実はそれほど毎年必ず行くと言うほどではない初詣。今年は、やはり本のヒット祈願もかねて、初詣に行ってみました。かなり現金な奴ですが。赤坂日枝神社。昔行ったことがありますが、その時とは様変わり。

なんと言っても、エスカレーターが上段まであって、ほとんど歩くことなく、本堂まで上がれます。するとけっこうな数の人がたくさんいる。参拝の方は13列に並んでください、と書いてあって、なんで13列なのかと思ったら、あのカランカラン鳴らす鈴が13列になっていた。

お賽銭をいれ、そして、手を合わせ、お願いしました。この日枝神社、キャピトル東急の真裏。クレープやら焼きそばやら、いろんな売店・露店がでていて、ちょっとしたお祭り気分ではありました。

入口のあたりで、お猿の太郎くんの芸をやっていました。飛んだり跳ねたり、竹馬をやったり、実に芸達者。最後に網のかさみたいなのに、ご祝儀までねだります。ザ・ソウル・サーチャー初詣に行くの巻きでした。
チキン。

『ソウル・ブレンズ』、新春第一弾「ソウル・サーチン」は、イギリスのシールのベスト『ベスト1991−2004』と、ちょっと今年の注目もの。今、僕に何か言わせたら、そりゃあ、レイ・チャールズでしょう。(笑) レイともう一曲は、これから話題になるから紹介してと頼まれたノラ・ジョーンズ。

シールの声はひじょうにユニーク。マーヴィンが「シャーデーの男版みたいでしょう」と言ったのが、とてもぴったりかもしれない。

ふと気づいたというか、突然でてきてびっくりしたのが、マーヴィンの鳥の真似。オープニング、ルーファス・トーマスの「ドゥ・ザ・ファンキー・チキン」でのにわとりの鳴き声のところに、マーヴィン鳥の真似がかぶさり、レコードかと思った。実に声色、うま〜〜い。思わず、マーヴィンに言った。「マーヴィン、このところ芸幅、広げてるね〜〜」。

鳥つながりの選曲だったわけですが、7時からのピーター・バラカンさんの番組のオープニングは、メイシオ・パーカーのヴァージョンによる「チキン」だった。ジャコがやったりもしているジェームス・ブラウンの名曲である。

番組冒頭で曲がかかっている間、前番組のDJヴァンスが新年の挨拶にやってきた。ひとしきり、新年の挨拶をして、「じゃあ、今年もチキンとやっていきますから」。爆笑した。で、さっそく、マーヴィンも僕も使わせていただきました。今年はチキンとやっていきます。仕事もチキンとやります。
聴き初め。

夜中12時をすぎて最初にかけるCDは何にしようかなどと考えてみたら、やはり、今年はレイ・チャールズしかないだろうと思い、近くにあったベスト・アルバムを取り出してかけた。このベストの一曲目は「ジョージア・オン・マイ・マインド」だ。

先週の日曜(26日)、『ソウル・ブレンズ』で最後にかかった曲でもある。オッシーが今年を振り返り、来年につながる一曲として、これを選んでいた。レイ・チャールズはまさに2005年の顔となるだろう。

ここ2ヶ月ほど、本当にレイ・チャールズずくしだったので、日記ネタもそればっかりになってしまったが、これからは一段落したので、以前のような日記に戻りたいと思う。

さて、1月1日、今年は元旦が土曜日ということで、午後12時からの『シェル・サウンド・イグニッション』の立会いに行く。そこで、かかっていた曲で、僕が選曲したのではないが、ブラック・クロウズというアトランタ出身のロックグループの曲がかかった。今年は酉年(とりどし)ということで、酉関係の曲を選んでいたのだが、このブラック・クロウズは僕は聴いたことがなかった。解説は伊藤正則氏。さすがに僕とは接点がないアーティストである。(笑) 

で、初めて聴いた曲だが、けっこういい感じで、「なに、これ、誰々? いいね、これ」とかいいながら、ジャケットのクレジットを見ると、曲名は、「ハード・トゥ・ハンドル」。な、な、なんと作者は、「レディング、イスベル、ジョーンズ」と書かれているではないか。オーティス・レディングの曲だったのだ。カヴァーはアルバム中、これだけだったが、いやあ、実にかっこよかった。こんな曲やってるんですねえ。解説を読むとメンバーは、ブルースが好きで、ロバート・ジョンソンなんかをかなり聞き込んでいるらしい。アルバムは、『シェイク・ユア・マネー・メイカー』で、1990年の作品でした。

そして、1月1日土曜は、『フィールン・ソウル』で恒例・新春放談。今年のテーマは、ブラコン。つまり、ブラック・コンテンポラリー。80年代の香りを振り返ります。

というわけで、今日(2日)は、本年第一回の『ソウル・ブレンズ』。今年もテンションあげてやっていきます〜〜。
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(続き)

<12月の1本>

2004/12/14 (Tue) 867
Brother Ray Found Soul Mate
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041214.html

1月発売になる『わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語』の中のエピソードのひとつ。ブラザー・レイとジュディー・ガーランドとの出会い。短いですが、ひじょうにすばらしい話でした。

<12月のその他の候補>

2004/12/02 (Thu)
Copyleft Saga Continues: 
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041202.html

「コピーレフト」についてのお話。考え方は気に入っています。

2004/12/20 (Mon)
Frank McComb Played For Prince
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041220.html

フランク・マッコムがプリンスの自宅パーティーに呼ばれて演奏したという話。バンドのドラマー、コーラに新しいドラムセットを買ってくれたところなどは、いい話です。

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謹賀新年。

新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

今年は1月からレイ・チャールズ自伝本で、いろいろお世話になるかと思いますが、ぜひよろしくお願いいたします。

今年もまた、引き続きソウル・サーチンに精進したいと思います。

2005年元旦

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さて、昨日前半をお送りした「ベスト・オブ・ソウル・サーチン・ダイアリー2004」。今日は、後半7月から12月まで。さすがに12月は内容が薄いですねえ。(笑) ま、とりあえず、次のような作品を選んでみました。

<7月の1本>
2004/07/06 (Tue)
Watanabe Sadao Blows Theme For Yungchen Lhamo’s Voyage To India
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200407/diary20040706.html

渡辺貞夫さんとチベットのシンガー、ヤンチェン・ラモのライヴ。ここで初めてヤンチェンを知ったのですが、なかなか2人の出会いがよかった。

<7月のその他の候補>
2004/07/13 (Tue)
Syreeta To Eva Cassidy: Only The Good Die Young
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200407/diary20040713.html

シリータの死去と、同じ乳がんで死去したエヴァ・キャシディーのストーリー。エヴァ・キャシディーについては、一度ゆっくり紹介したいですね。

2004/07/18 (Sun)
Movie "Moumochennga" : An Old Lady Talks About The Facts Of Life
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200407/diary20040718.html

チベットのモゥモチェンガの映画と、それについてのお話。モゥモチェンガの生き方がいい。

2004/07/20 (Tue)
Taxi Driver In Okinawa Talks: There’s No Longer A-Sign Bar
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200407/diary20040720.html

沖縄出張の際に乗ったタクシー・ドライヴァーのAサイン・バーのちょっとした話。

2004/07/29 (Thu)
War Of Set Up Of Temperature In The Room
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200407/diary20040729.html

これは軽い一編。エアコンの設定温度戦争。苦笑編。

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<8月の1本>
2004/08/06 (Fri)
Star Dust Story Part 1: Memories Gone Beyond The Star Dust
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040806.html

2004/08/07 (Sat)
Star Dust Story Part 2: Turn Back The Hands Of Time
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040807-1.html

東神奈川にある50年の歴史を誇るバー、スターダスト物語。2日にわけてのご紹介になりました。国境にあるバーの50年の時の凝縮は、素材からしてすばらしい。

<8月のその他の候補>

2004/08/15 (Sun)
Talent Of Musicians VS Talent Of Listeners
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040815.html

木下航志君のライヴを見ての感想文。ミュージシャンを育てるリスナーという視点。

2004/08/21 (Sat)
Samurai Soul Is Here To Stay: Tao Live At Kokusai Forum
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040821.html

和太鼓のタオのライヴ評。和太鼓はグルーヴを生み出すことができるか。

2004/08/24 (Tue)
Tonki: Service Of Ton Of Ki
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040824.html

目黒の老舗とんかつ店「とんき」についての小編。ソウルあふれるそのサーヴィスぶりは見事と言うに尽きる。(by popular demand)

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<今月の1本>
2004/09/29 (Wed)
Musical "Big River" Portrays Huck & Jim’s Soul Searchin’
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040929.html

ミュージカル『ビッグ・リヴァー』のライヴ評。ゴスペル風の歌とストーリーが実によかった。

<9月のその他の候補>

2004/09/25 (Sat)
Why Does Roberta Flack Never Approve Her Duet Songs With Donny Hathaway?
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040925.html

なぜ、ロバータ・フラックは、ダニー・ハザウェイのアンソロジーに、自分のデュエット曲をいれることを許可しないのか。興味深い考察です。

2004/09/30 (Thu)
The Count Basie Orchestra: From Backstage To Stage, It’s Also A Little Journey
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200409/diary20040930.html

老練なミュージシャンのステージまでの旅。最後の5行が気に入っています。

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<10月の1本>

2004/10/23 (Sat)
39th & Lennox Is Fictitious Place: Lennox Is Now Malcom X Blvd.
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200410/diary20041023.html

レノックス・ストリートと39丁目はクロスしない。それは架空の住所。今、レノックス・ストリートは、マルコムX・ブルヴァードと呼ばれている。アリシア・キーズのヒットから、おもしろいストーリーが書けました。

<10月のその他の候補>

2004/10/03 (Sun)
My Mother Loved It, I Loved It And My Son Loved It: The Song Have Been Loved By Three Generations
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200410/diary20041003.html

母が好きで、自分が好きで、自分の息子が好きな歌。三世代に愛された作品、それが「愛さずにはいられない」。

2004/10/04 (Mon)
Everyday People: Summer Of 69
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200410/diary20041004.html

一曲を掘り下げるシリーズ「グレイト・ソング・ストーリー」。スライ&ファミリー・ストーンの「エヴリデイ・ピープル」。日々凡人と訳してみました。

2004/10/13 (Wed)
Coffee & Doo Wop
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200410/diary20041013.html

ドゥワップを聴かせるコーヒーショップ。ここにも『アメリカン・グラフィティー』の影響が。

2004/10/16 (Sat)
Life Is Carnival, Their Live Is Addictive: Wild Magnolias Live
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200410/diary20041016.html

中毒になるワイルド・マグノリアスのライヴ評。

2004/10/27 (Wed)
The Song Born On Halloween Day:"Star Dust"
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200410/diary20041027.html

一曲を掘り下げるシリーズ「グレイト・ソング・ストーリー」。楽曲「スターダスト」物語。

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<11月の1本>

2004/11/12 (Fri)
"Ray": This Could Be Jamie Foxx’s Career Movie
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041112.html

レイ・チャールズの自伝映画『RAY/レイ』の映画評。ジェイミー・フォックスの演技に圧倒されました。ジェイミーに尽きる。

<11月のその他の候補>

2004/11/01 (Mon)
Fertile Ground Talk: Fragrance Was Still There After They Left
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200411/diary20041101.html

オーガニック・ソウル系のファータイル・グラウンドについて。

2004/11/07 (Sun)
"Only The Strong Survive": Some Questions & Answers
http://www.soulsearchin.com/soul-diar
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<6月の1本>
2004/06/08 (Tue)
Soul To Soul Fighting: French Open Final
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040608.html

意外なことに、このテニスのフレンチオープン決勝の手に汗握る様子。コリア対ガウディオのソウルとソウルの戦い。扱ってる題材のおもしろさですね。

<6月その他の候補>

2004/06/05 (Sat)
Naturally 7: The Magnificent 7 Proved The Theory Of Evolution, Naturally
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040605-1.html

驚異のアカペラグループ、ナチュラリー7についての初めての紹介。

2004/06/12 (Sat)
Soul Legend Ray Charles Died At 73
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040612.html

レイ・チャールズ死去のニュース。これを皮切りに本日記では膨大な量のレイ・チャールズ関連の記事を書きました。

2004/06/16 (Wed)
How To Raise Your Latin Ratio
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040616.html

意外と反応が多かったので、選んでみました。ラテン度の話。これは、小ネタとしていいですよね。

2004/06/18 (Fri)
Footsteps Of The Master Of Dance, Nick Okai Explode
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040618.html

伝説のダンサー、ニック岡井氏が靴にペンキを塗って踊ったものをキャンパスに記録した作品の展覧会の様子。企画がすばらしい。

2004/06/19 (Sat)
Hell For Men Turns Heaven For Him
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040619.html

これは「男の地獄」という表現がとても気に入っています。エッセー的におもしろいストーリーです。

2004/06/22 (Tue)
Stevie Talks About Ray: Sung "I Won’t Complain"
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040622.html

一連のレイ・チャールズ関連の中では、多くの感動的な話がありましたが、中でもこのスティーヴィーのスピーチと彼が歌った「アイ・ウォント・コンプレン」には感動しました。

2004/06/28 (Mon)
A Ticket Bind Between Today & 18 Years Ago
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200406/diary20040628.html

マーチンさんが18年前にソロになった時に、渋谷公会堂のチケットを一枚だけ自分のために買っていたというストーリー。いい話だ。

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ベスト。

今年もいよいよ終りますが、昨日までこのダイアリー、速報なども含めると365本以上書きました。ストーリーがあるものや、エッセー、ただの雑文や、お知らせ、ニュースなどいろいろ。そこで、その中から毎月1本を「ベスト・オブ・ソウル・サーチン・ダイアリー2004」として自分で選んでみることにしました。今日は1月から6月まで。一応、候補リストと選んだ日記を下記に記してみました。明日は7月から12月までを。みなさんも何かご意見ご希望あればBBSのほうへどうぞ。選んだ基準は、内容的におもしろいもの、書かれた対象がおもしろかったり、素晴らしいもの、文章がおもしろいもの、といったあたりです。

<1月の1本>
2004/01/05
A Boy I Met At New Year’s Eve
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200401/diary20040105.html

2003年の大晦日に会った少年の話。彼の話に心を打たれた。その内容がいいです。

<1月のその他の候補>
2004/01/28 (Wed)
Mystic River: A Perfect Clint Eastwood Touch
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200401/diary20040128.html

イーストウッドの作った映画『ミスティック・リヴァー』が個人的にはとても気に入った。その感想文。レイ・チャールズもでてくる・・・。

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<2月の1本>
Mikawaya Stands The Test Of Time And Pop & Mama Have Been Standing There For 52 Years
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040208.html

西麻布にあるカツ屋さんについてのエッセー。お店が好きなので、これもけっこう気に入ってます。

<2月のその他の候補>
2004/02/04(Wed)
Bobby McFerrin Live: The Master Of Voice
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040204.html

ボビー・マクファーリンのライヴ評。ライヴ、すばらしかった。

2004/02/05 (Thu)
In A Class By Itself: Witnessed God’s Hands: Hank Jones Live At Blue Note
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040205.html

ハンク・ジョーンズのライヴ評。これもよかった。楽屋での話が入った分、文章としても読みでがありますね。

2004/02/11 (Wed)
Another Side Of "Dance With My Father"
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040211.html

ルーサーの大ヒット「ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー」がグラミーを受賞した時の様子。これは曲がいいですからねえ。

2004/02/16 (Mon)
Second Coming Of Donny Hathaway? : Frank McComb Is Keep On Runnin’ Like Forrest Gump
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040216.html

フランク・マッコムを初めて紹介した記事。この後、フランクについては多数の日記を書きました。「フォーレスト・ガンプ・・・」のくだりが好き。

2004/02/28 (Sun)
There’s A Dream After Fade-out: Willie Mitchell Revealed His Secrets Of Hi Sound
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040228.html

ウィリー・ミッチェルの話。「フェイドアウトには夢があるだろ」にやられました。いい話だ。

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<3月の1本>
2004/03/22 (Mon)
"New York State Of Mind" Grabs The Heart Of Soul Searcher
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200403/diary20040322-1.html

一曲にスポットをあてて書いた日記。この「曲にスポットをあてる日記」は、自分でもなかなか勉強になって気に入っています。この時はビリー・ジョエルの作品。

<3月のその他の候補>

2004/03/02 (Tue)
Power Of Blood Brothers, Power Of Continuation: Isley Brothers Live At Bluenote
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200403/diary20040302.html

アイズレイ・ブラザースのライヴ評。アイズレイ、ひじょうにすばらしい。

2004/03/10 (Wed)
David Bowie Live: Singer, Songwriter, Rock & Roller, & Actor
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200403/diary20040310.html

デイヴィッド・ボウイのライヴ評。ライヴがよかったことと、その後の展開がおもしろかった。

2004/03/12 (Fri)
Is It Tuesday Night Music Club or Daikanyama Music Club? It’s Freeform Jam Session
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200403/diary20040312.html

代官山のジャズハウスでの自由なジャム・セッションの様子。こういうことがもっと起こればさらに楽しくなる。

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<4月の1本>

2004/04/30 (Fri)
Kishita Koushi: 14-Year-Old Genius, I’d Call Him "Little Koushi"
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200404/diary20040430.html

年末、スティーヴィーのライヴで見かけた盲目の少年のドキュメンタリー番組を見て。その後この少年、木下航志君のライヴも見ることになります。

<4月のその他の候補>
2004/04/10 (Sat)
Sheila E Live @ Duo: Heartbeat From Ancient Times
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200404/diary20040410.html

シーラEのライヴ評。ドラムスつながりの記事の中でも読みでがある。ドラムス関連の記事一覧もここにはあり、流れを読むとおもしろい。

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<5月の1本>
2004/05/15 (Sat)
Soul Of Tree, Tree Of Soul:  Furniture Of My Mind
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040515.html

家具職人伊藤さんのソウル・サーチンの物語。これは、書くのに随分時間がかかりましたが、かなりいいストーリーではないかと思っています。

<5月のその他の候補>

2004/05/03 (Mon)
8 Minutes 30 Seconds of American Pie: The Day The Music Born
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040503.html

2004/05/04 (Tue)
"American Pie" Saga Continues:
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040504.html

ドン・マクリーンの大ヒット「アメリカン・パイ」に関する詳しい解釈。これもとてもおもしろい。2日に分けて書きました。かなり読みでがあります。

2004/05/07 (Fri)
His Love For New Orleans Appeared On His Live Show
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040507.html

ジョー・サンプルのライヴ評。ジョーの話がおもしろいですね。

2004/05/28 (Fri)
Flaming Performance That I Wanted To Frame It: McCoy Tyner Live
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040528.html

マッコイ・タイナーのライヴ評。額装したいライヴ、という表現が気に入っています。

(part 2へ続く)
活躍中。

昔から活躍しているアーティストで、最近音沙汰がない人でもひょんなことからその活動がわかることがある。今週のビルボードのニュースを見ていたら、なんとあのヴェテラン、スワンプ・ドッグが新譜をだし、しかも、自分のウェッブまであることがわかった。

ビルボードの記事。
http://www.billboard.com/bb/breakenter/index.jsp

スワンプ・ドッグのウェッブ。
http://www.swampdogg.com/homepage.htm

なんでも6年がかりで作ったアルバムを出すそうで。スワンプ・ドッグは、その昔60年代からジェリー・ウィリアムスという名前で活動を開始、その後名前をスワンプ・ドッグとし、70年代に日本でもサントリーのカクテル「ソルティー・ドッグ」のCM曲を録音してヒットした。かなり南部臭の強いディープなソウル・シンガーだ。サザン・ソウルのシンガーとしても知られている。そういえば、コミック色の強い人でもある。

スワンプ・ドッグは1942年7月12日ヴァージニア州ポーツマス生まれといわれているので、すでに62歳。いや、まだ62歳か。コモドアーズがモータウンに入る前に、アトランティックでシングルを1枚だしたのだが、そのプロデュースをしたのが、スワンプ・ドッグだった。

そういえば、いつのまにか、60年代ソウル界の大御所、ソロモン・バークなども大復活をとげたり、今年はハワード・テイトが帰ってきたり、60年代に活躍していたようなアーティストが、復活することが多いような気がする。

ソロモンやハワードはメジャーとの契約だったが、スワンプ・ドッグのように、ネットで自分でレコードを販売できるとなれば、かつてほど大々的にビジネスを展開しなくても、ある程度CDを作れれば、配給はネットでやればいいということで、どんどんシーンに登場してくるのかもしれない。

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Proof Reading Finished:

2004年12月29日
終了。

とりあえず、校正終了! やった! とりあえず、これでほぼ1月29日には本はでそうです。あと、今日著者のデイヴィッド・リッツからもらった日本版への序文をちょこっとやって、その後、僕のあとがきの若干追加をいれればほぼ終了かな。ま、年末進行もあるが山は越えました。

しかし、月曜深夜から、喉がいがいがして、ちょい風邪気味に。入稿して安心したか。さっそく昨日近くの医者に行って薬もらってきました。睡眠ですね、睡眠。

映画公開・本出版が1月29日、グラミーの発表が2月13日、アカデミー発表が2月27日。2月には、けっこうレイ・チャールズが話題になるでしょうね。

さすがに、これだけこもると、日記も煮詰まりますねえ。(笑) フレッシュなネタが品切れしてくる。っていうか、これだけ根つめると、あすの予定とか、なんにも考えられなくなるのね。今がとにかく必死で、終ったらどうしようとか、まったく余裕がなくなるんですねえ。ふだんいかに、怠けてるかってことでしょうか。いっぱいいっぱいというのは、このことなんでしょう。

さて、この2ヶ月近く、ほとんどテレビとか新聞とかも見てないんですが、インド洋の地震と津波はすごいですね。改めて自然の力のすごさを思い知らされます。あんなこと、起こるんだ。信じられない。

一時期、香港のジェット・リーの安否が不明になったそうですね。ジェット・リーは、あの「ロミオ・マスト・ダイ」に出演していました。結局、ジェット・リーの安全は確認されたようですが、もし津波に巻き込まれていたりしたら、あの映画は呪われた映画になってしまいます。なにしろ、あのアリーヤが亡くなっているわけですから。

>へばへばさん

ご指摘のとおりですね。そうだ。No babys allowed to live.これでは赤ちゃんは生きるの許されない、ですね。No babys allowed to attend live performance.のほうに、さっそく直しておきます。ありがとうございます。英語はなかなかむずかしいですね。

< 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 >