ミルフィーユ。

いやあ、おどろいた。うまかった。

キムカツって知ってる? まあ、一言で言えばとんかつなんですが、恵比寿のキムカツという店では、それをとんかつと言わずキムカツと呼びます。何が違うかというと…。

前々から噂は聞いていたその恵比寿のキムカツ。いつ前を通っても、人が並んでいて、1時間から1時間半待ちなんて当たり前なほど人気のお店。夜10時ラストオーダー、10時半までの営業で、9時台早めに客待ちを打ち切るという、すごいお店です。客に並ばせないんですよ。まあ、いつかは食べたいとは思っていたのですが、別に1時間も並んでメシを食うというのも、なんだし…とは思っていたわけです。

そしたら、先日のとある金曜夜中の12時過ぎ、その前を通ると、なんと店がやっている雰囲気ではありませんか。何かのまちがいかと思って、あわてて車を止めて確認すると、1時ラストオーダー2時閉店ということで、今からでもぜんぜんOKとのこと。しかも、並んでいないで、空いている。三段跳びスキップしながらはいりました。

この日は初めてということもあって、6種類あるキムカツの中から「梅・しそ」を。1480円プラスご飯セット450円、計1930円なり。いきなり、山盛りキャベツが持ってこられ、しばらくしてからキムカツ登場。一口サイズに切られ、口にいれると、さくっとした歯ざわりでふわっと、肉が広がる。いやあ、まいった。これは、なんだ。

その秘密はロース部分を超薄切りにして、それを25枚ほど重ね合わせ、さらにさくっとあげている作り方らしい。このさくさくの絶妙の食感。これはまさにトンカツのミルフィーユだ! 

カツを大きく分類すると目黒「とんき」系の「ハード系」と青山「まい泉」系の「ソフト系」に分かれると思うが、これはまさに後者。しかも、そこに独特のオリジナリティーを加えている。衣のさくさく感と肉のミルフィーユ感の融合がもうたまりません。たれは、おろしポン酢と、通常のトンカツソースがあったが、これはトンカツソースのほうが僕はあうと思った。からしもグ〜〜。

それからここのもうひとつのウリが炊きたてご飯。てかてか光っていて、見た目にも本当においしそう。こまめにゴハンを炊いて、それを小さなおひつにいれてだしてくれる。このゴハンとおしんこ、それにキャベツだけでも、おなかいっぱい食べたくなる。こんなに炊きたてをうまくよそられるとそれだけで負ける。特殊な炊飯器を開発したということで、15分でおいしいゴハンが炊けるという。

この店、2年ほど前にオープン。もともと横浜でトンカツ店をやっていたそうだが、このキムカツという商品を開発し、恵比寿でそれを店名にし、大当たりした。カウンター9席、ボックス18席(6人がけx3)くらい。混みあうと、ボックスは当然相席になる。今では仙台、博多などにも店を出して、テレビなどで紹介されて人気爆発だそうだが、知らなかった。

これは、受けるよ。人気になるよ。並ぶよ。もっと昔に一度並んで食べておくんだった。とんかつ好き、揚げ物好きの人は、これは絶対お勧めです。

さて、ではこの日なぜ夜中の12時過ぎにやっていたか。なんと、先月から、金曜と土曜だけ深夜2時まで営業することになった、というのだ。お店の人によると「まだ(週末の深夜営業が)認知されていないので、11時過ぎれば、比較的大丈夫ですよ」という。これは、超耳より情報ではないか。毎週金曜真夜中12時に、キムカツに並ばずに入れる。しかし、夜中の12時にカツは一体どうよ、って問題は残されるわけだが…。まあ、夜更かしすれば、結局いいんじゃないの、ってことで…。

夜ゴハンを夜中の12時に食べるということは、昼飯を3時か4時に設定して、その日は寝るのを朝4時とか5時にすればいいわけよね。な〜〜んだ、そんなら、いつもと同じだ。(笑) 

書いてるうちにまたおなかがグ〜〜。

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ウェッブもあり。
http://www.kimukatsu.com/

【キムカツ】(恵比寿本店)

営業時間
平日 11:30から22:30 (ラストオーダー22:00)
金曜、土曜 11:30 から翌2:00 (ラストオーダー1:00)
電話番号 03-5420-2929
住 所  〒150-0013東京都渋谷区恵比寿4-9-5

予算、ひとり2000円〜2500円程度
カード、可
予約不可。通常、並んでる人数にもよりますが、平日は9時台で並びを打ち切り。タイミングによりますが、平均1時間待ち。

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DINING>RESTAURANTS>ESSAY>Kimukatsu
【マイケル・ジャクソン無罪を獲得】

無罪。

マイケル・ジャクソン無罪のニュース(2005年6月13日・現地時間)は、メジャーな各メディアが大々的に報道しているので、そちらを参照していただくとして、生中継を見ての軽い感想などを。

陪審員たちが評決に達し、まもなく評決が言い渡されるというニュースが流れ、マイケル被告の到着がまだかまだかと待たれたのが日本時間の朝方。

裁判所の中に入っていくファミリーたち。ジャーメインがいる。ラトーヤがサングラスをかけている。たぶん、ちりちりのカーリーヘアーはジャネット。サングラスでちょっとよくわからなかったが。ティトもいた。父親ジョー・ジャクソン、母親キャサリン・ジャクソンもいた。マイケルはかなり弱々しく、不安そうだ。

評決の言い渡しの瞬間は、テレビでは音声だけ。その映像はなかったが、次々と10のカウント(罪状)で「ノット・ギルティー(無罪=有罪ではない)」が言い渡される。

全体的に言えば、「疑わしきは罰せず」「推定無罪」が言い渡されたのだと思う。「有罪にするだけの十分な証拠と説得がなされなかった」ということだ。文字通り、「ノット・ギルティー(有罪ではない)」。様々な報道を総合すると、被害者の母親の証言の信憑性が薄いことが決定的だったようだ。

それに加え、やはり、あのOJシンプソンが無罪になっている裁判の歴史で、このマイケルを有罪にすることはできないのではないか。これがアメリカの陪審員制度の元の裁判だ。

別の見方からすれば、現状の裁判システムでOJが無罪で、マイケルが有罪はおかしい、というもので、無罪もそれなりに理解できる。もちろん、陪審員たちは、今回の事件をOJのものと比較して評決をだしたことはないだろう。純粋に今回提出された証拠だけを精査し、有罪にするだけの証拠がなかったと判断しただけだ。

もっと言えば、できるだけはやく、素晴らしい音楽作品をだして、全米ヒットチャートに返り咲いてもらいたい。昼も夜も働いて、傑作を作れ。それが心配させたファンへの償いだ。 Working Day & Night!
【ディスティニーズ・チャイルド解散か】

解散。

ディスティニー・チャイルドが去る6月11日スペイン・バルセロナで行われたライヴの中で、現在の世界ツアーを終えた時点で解散すると表明した。これを言明したのは、ケリー・ローランドで会場のパラオ・サンジョルディーに集まった1万6000人のファンを驚かせた。

これを受け、翌12日、MTVで独占的に「解散声明」が発表された。声明の趣旨は次の通り。

「私たちは9歳の頃からディスティニーズ・チャイルドとしてやってきました。14歳以来、共にツアーをしてきました。多くの議論と深いソウル・サーチンの末、私たちは現在のツアー終了後にグループを解散することが、グループをもっとも(人気が)高いレヴェルに残すことになるとの結論に達しました。私たち3人の友情の絆は固く、また私たちの音楽、ファン、私たち自身への感謝の気持ちはあふれんばかりです。この素晴らしき年月を経験し、今こそ私たちは各自のそれぞれの目標に向かって歩み始める時期だと考えています。それぞれの道に何が起ころうとも、これからも私たちはずっと良き友人であり、お互い可能な限りサポートしあうシスター同志です。私たちはファンのみなさんの暖かい支援に感謝すると共に、ファンのみなさんには、私たちがソロとしての運命を切り開いていくことを見守っていただければ幸いです」。

現時点での最後のライヴは、9月10日のカナダ、ヴァンクーヴァー公演になる予定。

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【解説】 今もっとも人気のあるガール・グループ、ディスティニーズ・チャイルドの解散発表は大きな衝撃だ。もっとも過去2年ほど、各メンバーのソロ活動がそれぞれ成功しており、解散説は根強くあった。

ただし、現時点で一旦解散しても、また2-3年後に再結成は充分にあると思われる。ここで、一度解散を表明することのメリットは、きりをつけることで、次の各人のソロ活動が「新たな出発点」と位置付けられ、さらなる注目を集めることになるからだ。

このままだと、グループ活動→ソロ活動→グループ活動→ソロ活動と、ルーティーンにしたがって活動をしているかのように受け取られてしまう可能性がある。しかし、解散すればすべてがリセットされるため新鮮度が高まる。また、これはわからないが、9月までの世界ツアーのチケットの売れ行きが芳しくなかった場合、この声明で「最後のツアー」という冠をつけることで、チケットの売れ行きに拍車をかけることもできる。あるいは、売り切れていても、そこにこの発表でさらなる追加公演ができる。

メンバーは現在まだ23歳から24歳。3年後に再結成しても、まだ26歳〜27歳だ。おそらく、2005年後半から2006年、2007年あたりまでは、各人のソロ作品、活動が順にでてきて、また2008年〜2009年頃にディスティニーズ・チャイルドの再結成、アルバム制作、世界ツアーになるのではないだろうか。その時点で、また、「ディスティニーズ再結成」が大きなニュースになる。4年に一度のディスティニーズ・チャイルド旋風でも起こせば、ワールドカップと同様の盛り上がりになるかもしれない。

「深いソウル・サーチンの結果、解散することにした」という部分がいい。

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http://www.mtv.com/news/articles/1503975/06122005/destinys_child.jhtml?headlines=true


ENT>MUSIC>ARTIST>Destiny’s Child
【ドゥー・ソー・バンド・ライヴ】

熱気。

以前お店を紹介した目黒食堂で今から2ヶ月ほど前の4月にドゥー・ソー・バンド(Do So Band)というファンキーな大型バンドを見た。そのライヴが、再びあったので出向いた。

前回はほとんど最後の2曲くらいしか見ることができなかったが、今回はファースト途中から約50分(5曲)、セカンドセットをフルで約56分(7曲)見ることができた。

この日は、ドラムス、ギター、ベース、キーボード、パーカッション2人、サックス2人、そして、リード・ヴォーカル、ナオキの9人。ほとんどのミュージシャンが、それぞれ自己のグループやソロ・ミュージシャンとしての仕事を抱えている売れっ子たちで、そんな彼らが二か月に1度くらい好きなことをやりたいと集まっているバンド。

なんといっても、ナオキのエロエロ・ヴォーカルがこのバンドを特徴づける。アイズレーの「ビトゥイーン・ザ・シーツ」や、ビリー・ポールの「ミー&ミセス・ジョーンズ」などが、これでもかと腰くねくねで迫ってくる。

天井に吊るされた大きなミラー・ボールがゆっくり回り、ソウル、ディスコな雰囲気を醸し出す。カーティス2連発(「スーパーフライ」と「ムーヴ・オン・アップ」)はかなり強烈。また、スティーヴィーの「アイ・ウィッシュ」も「スーパースティション(迷信)」もかなり斬新なアレンジで、後者は最初その曲とはわからなかったほど。かなり熱気爆発のサウンドだった。

リードのナオキさんは、キーボードのタニグチヨシオさんと一緒にデュオとしても都内近郊のライヴハウスなどでも活動している、という。

会場で、ディスコ・タイム・マシンというウェッブを公開されている野田さんと出会った。以前、このサイトは見たことがあって、膨大な量の情報に驚いた。彼がこのドゥー・ソー・バンドをしっかり追いかけていて、過去2年ほどのライヴの写真などをウェッブに公開している。このサイトに関しては、野田さんからいろいろお話を伺ったので、いずれまたこの日記でも書いてみたいと思う。

Setlist (incomplete)
Do So Band @ Meguro Shokudou, 2005.6.12

1st

0.
1. Let’s Stay Together (Al Green)
2. Funky Nassau (Beginning Of The End)
3. No Woman, No Cry (Bob Marley)
4. Come Together (Beatles)
5. Just The Two Of Us (Grover Washington Jr./ Bill Withers)

2nd set

show started 21:05

1. I Wish (Stevie Wonder)
2. Between The Sheets (Isley Brothers)
3. What You Won’t Do For Love (Bobby Caldwell)
4. Superfly (Curtis Mayfield)
5. Move On Up (Curtis Mayfield)
Enc. Superstition (Stevie Wonder)

show ended 22.01

目黒食堂についての記事 (2005年1月12日付け日記)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200501/diary20050112.html

ディスコタイムマシン (ドゥー・ソー・バンドについてのオフィシャル)
http://discotimemachine.at.infoseek.co.jp/

ナオキさんのウェッブ(携帯用)
http://k.excite.co.jp/hp/u/na-key/

タニグチヨシオさんウェッブ
http://www3.to/yoc

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(2005年6月12日日曜、目黒食堂=ドゥー・ソー・バンド・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Do So Band
【『スター・ダスト・メモリーズ』、「放送文化大賞」にノミネート】

タキシード。

今日はちょっと嬉しいニュースをお伝えしたい。昨年10月、FM横浜で『スターダスト・メモリーズ』という2時間の特番を放送した。その内容については、下記日記に書いた。

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200410/diary20041026.html

横浜の名バー、「スターダスト」のマスター林さんにお話をうかがい、それを2時間にまとめたものだ。音楽は、「スターダスト」のジュークボックスに入ってる曲ばかり。林さんに思う存分思い出を語っていただいた。

日記の最後の部分で、『ギャラクシー賞』という番組の賞への応募について書いているが、これはなくなった。だがその後、民放連という団体が「放送文化大賞」という賞を今年から始めることになり、なんとこの番組がFM横浜を代表してノミネートされることになった。

この「放送文化大賞」というのは、視聴率を気にせずに良質の番組を作ることを奨励するために設けられた賞で、国内で放送されたテレビ番組、ラジオ番組が対象。全国で約110社が応募する。テレビ、ラジオ、それぞれにグランプリと準グランプリが、来る11月に発表される。ラジオ、テレビ番組のグラミー賞のようなものだという。

FM横浜の中でも延べ何千いや万に近い番組が一年間に放送されているだろうに、その中から局を代表してこの作品が選ばれたということだけでも、ひじょうに名誉なことだ。関係者一同、リスナーのみなさまにも感謝である。8月下旬までに関東甲信越の地区代表が選ばれ、その後本選に進む。まさに現時点でさえも、ワールドカップ予選を突破したのと同じような雰囲気だ。

この番組をプロデュースしたオッシーは、来年の名刺に「民放連放送文化大賞ノミネート制作プロダクション」と刷り込む決意を固めた。(笑) なので僕は「民放連放送文化大賞ノミネート制作プロダクション座付き構成作家」とでも刷り込むことにした。(笑) 30字もあるので二行でも収まりそうもない。オッシーの勢いは止まらない。「オッシー、ヨッシー・コンビは、これで(この番組が)受賞でもした日には”FM界のジャム&ルイス”ですよ!」 オー・マイ・ガ〜〜〜。ジャムルイか、悪くない。(笑) 

そして、11月晴れある授賞式がやってきたら、ファンキー・スタッフ全員タキシードを新調しなければならない。僕、一着持ってるんですが、それって88年に「グラミー賞」見に行く時に作ったものなので、もう着られるないと思うんです。17年前だと体形変わってるんじゃないかなあ。虫が食ってるかもしれないし。チェックしないと。いや、ここはど〜んと新調ですね。タキシード、タキシード、オ〜〜マイ・ガッ! (笑) 

ENT>RADIO>Star Dust Memories
【レイ・チャールズ・イヴェント】

無限大。

小雨ぱらつく新宿アルタ前。広場にテントが張られ、簡単なステージができていた。バックには映画『RAY/レイ』のDVDのポスターが所狭しと張られている。レイ・チャールズの映画『RAY/レイ』の日本盤DVD発売記念イヴェント。ちょうどレイ・チャールズの命日、一周忌にあたる6月10日に発売され、それと同時にこのイヴェントが行われた。

ちょっとひんやりとしていた5時過ぎ、マイク越谷さんの司会でスタート。まだ街行く人はそれほど止まっていかないが、「なんなんだ?」風の人が2-30人はいただろうか。

越谷さんのMCで一人一人ステージに呼ばれた。リハを早く切り上げて登場してくれた鈴木聖美(すずききよみ)さん、前回のレイ関連のイヴェントでも登場し熱いレイ・トークを繰り広げてくれた鮎川誠さん、そして、つい最近レイ・チャールズ・トリビュート・アルバムを出した近藤房之助さん、詩人で本の出版、詞の朗読ライヴなどをやっている三代目魚武濱田成夫(さんだいめ・うおたけ・はまだしげお)さん、そして吉岡正晴。

映画のDVDは、3枚組のものと2枚組のものが発売されていて、3枚組のほうが、秘蔵映像などが多く収録されている。個人的には、絶対に3枚組みのほうをお勧めする。また、6月10日にはレンタルも開始になるが、レンタル盤には、映画の本編(2時間半)しかないという。したがって、レンタルではカットされたシーン、ライヴ映像、監督、ジェイミー・フォックスなどのインタヴュー部分は収録されていない。

魚武さんは、レイ・チャールズに捧げる自分の詞を大きな声で朗読。彼の声はアルタ前、このあたりにいっぱい響いたと思う。「一生が1曲。人生が終る時が1曲が終る時…」といった内容のもので、実に迫力があった。

さて、それぞれの出演者のレイ・チャールズへの思い出などが語られ、後半、いよいよ近藤さんのライヴが。ギター1本で、「ジョージア・オン・マイ・マインド」を歌う。それに、鮎川さんがギターで参加。さらに、鈴木さんがコーラスで加わり、強力な3人の共演となった。まさにレイ・チャールズが3人の日本人アーティストを結びつけたわけだ。予定では「ジョージア…」1曲だけだったが、終ると、鮎川さんが、あの「ホワッド・アイ・セイ」のイントロのリフをプレイし始めた。すると、それにあわせて近藤さんも弾き始め、レイがキーボードでやった「ホワッド・アイ・セイ」をギター2本でやった。なかなかのりで、最初近藤さんが歌い、さらに鮎川さんが歌った。

二人が突然プレイし始めたもので、それぞれのヴォーカル用のマイクがなかった。そこで近藤さんの分は越谷さんがマイクを持ち、鮎川さんの分を僕がマイクを持った。「鮎川さんが『ホワッド・アイ・セイ』を新宿で歌った時、マイクを持ったのは僕だ」と末代まで自慢しよう。(笑) 

近藤さんは、本番が始まる前、楽屋でビールと老酒を飲みながら、レイのトリビュート・アルバムについて「そんな、レイ・チャールズ(の曲)なんて誰もカヴァーできませんよ。畏れ多くてやっちゃいけないことをやっちゃったんです」と一言もらした。その言葉に彼のレイ・チャールズへの無限大の尊敬の念を感じた。

この頃までには、道行く人はかなり止まっていて、けっこうな人だかりになっていた。やはり、音楽の力だ。

ステージの上には屋根があったが、小雨が横から舞い込んできていて、意外と濡れた。2005年6月10日、雨の中にレイはいた。そして、雨の中に一粒のソウルもあった。

(2005年6月10日金曜、「Ray/レイ」DVD発売記念〜レイ・チャールズ forever〜一周忌追悼トーク&ライヴ=JR新宿駅東口ステーションスクエア)

ENT>EVENT>Ray Charles First Anniversary Of Death & DVD Release
【レイ・チャールズ一周忌】

一周忌。

ちょうど1年前の6月10日、レイ・チャールズが亡くなった。実際に僕がニュースを知ったのは11日の朝方近く。あれからあっという間の1年である。以来、レイ・チャールズをとりまく状況は異様なほどもりあがった。

まず、死去したニュースが全世界を駆け巡った。日本の新聞やテレビでもけっこう大きく報じられた。あのジョン・レノン死去のニュース以来の報道量だった。そして、夏に遺作アルバム『ジニアス・ラヴズ・カンパニー』が発売され、大ヒットとなった。

そしてそして、あの自伝映画『RAY/レイ』が全米で10月末に公開され瞬く間に大ヒットした。主演のジェイミー・フォックスの演技に誰もが驚嘆した。あそこまでそっくりに演じることができるのか、と。

2月、アカデミー賞発表前にこの『RAY』のDVDが全米発売され、いきなり100万本売った。グラミー賞では、関連で8部門を獲得するという未曾有の記録を打ち立てた。アカデミーもジェイミーが取った。

そうそう、日本で『RAY』が公開された日に、自伝『わが心のジョージア〜レイ・チャールズ物語』日本語版がでた。この翻訳監修で11月から1月まで気の遠くなるような忙しさだった。

僕もものすごくレイ・チャールズのことを勉強した。人間的にも、そして音楽的にもとてもいろいろ知ることができて、おもしろかった。

そして、今日一周忌。レイが亡くなった日以降、1年間、何が変わり、何が変わらなかったのか。唯一やったことといえば、レイの自伝を出したことくらいか。(笑) う〜む、進歩していない。回りはどんどん進んでいるのに。あ〜〜、やばい。なんとかしましょう。(苦笑)

さて、6月はまさにレイ・チャールズ月間。今日は新宿アルタ前の広場で『RAY』のDVD発売記念イヴェントがあります。夕方5時から6時まで、無料イヴェントです。近藤房之助さんが1曲歌います。

http://blog.soulsearchin.com/archives/000309.html

告知しつこいですが(笑)、さらに26日は、目黒ブルースアレーで『ソウル・サーチン・トーキングVOL4』でレイ・チャールズ・トリビュートをお送りします。お時間あるかたぜひおでかけください。今、かなり力をいれて中身を練っています。たくさんの映像をご紹介しようかと思っています。もちろん、スペシャル・ゲストも万全の体勢です。

『ソウル・サーチン・トーキング VOL4〜レイ・チャールズ』
http://www.soulsearchin.com/event/talking/talking20050626.html

■2005年6月26日(日曜)夜7時半開演
■出演、ケイリブ・ジェームス、太田剣、島田奈央子、内田英一、吉岡正晴、他スペシャル・ゲスト。
■目黒・ブルースアレー

予約メールは、
soul_searchin_talking@hotmail.com
まで、お名前、人数、電話番号、何でこのイヴェントを知ったかを書いてお送りください。折り返し確認メールをお送りします。

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ENT>MUSIC>ARTIST>Charles, Ray
【ミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』】

狂喜乱舞。

あの新宿歌舞伎町のコマ劇場が変身した。内装を大幅に変え、ステージを扇型に囲むミュージカル向きに客席が作られた。収容人数は1900余。前の席と微妙に席位置がずれているため、前の人の頭がそれほど気にならない。欧米のミュージカル・シアター、コンサート・ホール的な雰囲気だ。また、いくつも食べ物飲み物を出すカフェがあり、そのあたりも考えられている。

さて、そんなコマ劇場に今回イギリスで大ヒット中のミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』がやってきた。このミュージカルは、イギリスの人気グループ、クイーンのヒット曲を多数使ったロック・ミュージカルで、2002年以来イギリス、オーストラリアなどで上演されロングランになっているもの。日本でも5月末から8月いっぱい長期公演(計103回)が予定されている。今回の来日は、オーストラリア・ヴァージョンのキャスト。

結論から言うと、かなり楽しめた。舞台もよくできているし、ダンサー、シンガーたちもしっかりパフォーマンスを見せる。なにより、場面転換がたくさんあって、飽きさせない。クイーンのファンだったら、流れる曲はみな知っているだろうし、かなり楽しめるのではないだろうか。アバ・ファンが『マンマ・ミーア』をリピーターとなって見るのと同じようになるだろう。

ストーリーは単純明快。近未来2055年が舞台。この時代はコンピューターが世界を支配し、あらゆる人間がクローンのようになっていた。音楽はコンピューターが作るような画一化されものばかり。楽器の使用は禁止され自由に音楽をすることができなかった。だが、そんな状況で反体制のボヘミアンたちは、密かに音楽を作ろうとしていた。隠されたギターはどこにあるのか。そのギターを弾くべきスーパースターは登場するのか。ボヘミアンが言う。「今の音楽(2055年の音楽)には、心も魂(ソウル)もない」。未来地球にソウルは蘇るのか。

ストーリーもシンプルだが、脚本がよくできている。あらゆるところに、さまざまな音楽やミュージシャンの名前、顔写真などがでてきて、ロックの歴史も俯瞰(ふかん)する。27人の出演者の中で、「俺はクリフ・リチャード」、「俺はエルヴィス・プレスリー」などに混ざって、「俺はジェームス・ブラウンだ。ゲロッパ」というのまででてきた。さらに、日本向けのちょっとしたコネタも挟み込み、笑わせてくれるところもある。

正面にステージがあり、その左右少し上のところにバンドピットがあり、そこで8人編成のバンドが演奏をしている。また字幕は正面ステージの左右の端にある。比較的文字が大きいのと、舞台がそれほど大きくないので、見やすい。以前のミュージカル『ビッグ・リヴァー』などの字幕と比べるとずいぶんと見やすかった。

テレビモニターとの連動が実にうまく、最近のロック・コンサート並みの使い方だ。(ロック・コンサートがミュージカル並みになったというべきか) 

途中15分程度の休憩をはさんで、約2時間50分。きっとクイーンの熱心なファンだったら、狂喜乱舞するだろう。パフォーマーたちは、観客をロックし、観客は彼らに見事にロックされた。ショウが終わり歌舞伎町の喧騒の中に出ると、北朝鮮との試合に勝ったことを喜ぶ人たちの狂喜乱舞に包まれた。

『ウィ・ウィル・ロック・ユー』公式ウェッブ
http://www.wwry.jp/

ミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』、2005年5月27日から8月24日(水)まで公演。新宿コマ劇場。

(2005年6月8日水曜、新宿コマ劇場=ミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』)

ENT>MUSICAL>We Will Rock You

Shoo Kusano Died At 74 

2005年6月8日
【草野昌一氏、74歳で死去】

ペンネーム。

「可愛いベイビー」、「ルイジアナ・ママ」など多くの洋楽曲の訳詞を漣健児(さざなみ・けんじ)のペンネームでてがけた音楽出版社シンコーミュージック・エンタテイメント会長の草野昌一氏が6日午前6時55分、膵臓がんのため東京都文京区の病院で死去した。74歳。葬儀は近親者で済ませ、お別れの会は7月12日午後2時から東京都千代田区飯田橋1ノ1ノ1、ホテルグランドパレスで行われる。喪主は二男で同社社長の夏矢氏。

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2005年4月11日付けソウル・サーチン・ダイアリーで、ナット・キング・コールの「ラヴ」の日本語版について書いた。これを訳していたのが、漣さんである。僕は個人的には面識はなく、何かの場所でお見かけしたくらいだが、業界内では雑誌ミュージック・ライフの初期の編集長、さらに、音楽出版社シンコー・ミュージック(旧名)の社長ということでつとに有名だ。

http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_04_11.html

彼の作り出した洋楽曲の訳詞によるポップス、ロックの日本語化というものは、まさに70年代に花開く日本人による日本語のポップス、ロックへの大変大きな礎になっている。そのあたりは多くの方が研究されているが、シンコーのホームページに漣健児のページがあり、なかなか興味深い。彼がてがけた訳詞リストがあいうえお順に並んでいるが、その膨大な数に驚く。

http://www.shinko-music.co.jp/sazanami/

漣さんの訳詞で歌われた作品が、実は元は外国の歌だということを知らずに聴いて育った人も多い。それほど、洋楽の普及に影響を与えたということだ。ご冥福をお祈りする。

ENT>OBITUARY>Kusano, Shouichi/2005 June 6
【毎日新聞が食問題の連載を開始】

無駄。

最近、めっきり新聞を手に持って読む時間が減った。僕は今は毎日新聞一紙の購読だが、朝、新聞をめくるよりパソコンの電源をいれ、それでニュースをさらっと見てしまうことのほうが多くなった。もちろん、新聞のほうが便利な点もある。ぱらっとめくれば、スポーツのページに行ったり、テレビ・ラジオ欄をすぐに広い面積で見られたりするところだ。細かい番組表などは、新聞紙に一日の長がある。それぞれの利便性はある。

そして、ある程度の事実関係だけのニュースなら、通信社、大手の新聞社からのニュースはどれも似たり寄ったりだ。では、その新聞独自のものはどこで作るか、というと、それは、調査報道、掘り起し記事、あるいは解説記事などで違いを出すしかない。何か自分でテーマを見つけたり、ひとつのニュースを掘り下げて取材をしたり、他者(他社)がやらないような記事を書くこと、あくまでニュートラルでありつつ、筆者の視点を持った記事を書くことが最大の使命になる。

そんな中で毎日新聞2005年6月6日(月曜)付けから、1面左を9段使っての大きな特集記事が始まった。「食の現場から〜Mottainai(もったいない)」「第一回 コンビニ・スーパー」という連載だ。

たまたまその小見出し「300万人分捨てる」とお弁当などが映った写真に引かれて読んだら、これがとても興味深かった。(この記事は全文、下記の毎日新聞のサイトで読めます。トップ→暮らし→食。なお写真はウェッブには掲載されていません)

http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/news/20050606ddm001040178000c.html

コンビニでは賞味期限が2時間を切ると、その時点で廃棄処分にする。そうして食べられずに捨てられた食品は全国で年間2000万トン。例えば、あるコンビニでは1店舗だけで年間約450万円分を捨てたそうだ。ローソンでは、全体で昨年400億円分を廃棄したという。これは、同社の経常利益366億円を上回る。すごい数字だ。利益以上のものを捨ててるって、何か、どこかおかしくないか。

記事によると、ある商品が売り切れになると競争の激しいコンビニ激戦区では負けてしまうので、余るとわかっていても、豊富な品揃えをしなければならない、という。もちろん、この廃棄処分される分も価格には最初から上乗せされているわけだ。つまり、我々顧客側のある意味でのわがままが、こうした無駄を生み出していることになる。確かに、近くのコンビニで食料品の棚が空になっているのを見たことがない。

世界中のどこかでは、食べる物さえこと欠く人々がいるのに、日本は飽食時代。経済格差といってしまえば、それまでのことなのだが、この「無駄をなくす」「もったいない」という考え方は、これからとても重要になってくると思う。とは言っても、なかなか便利さは捨てがたいんだが。どう折り合いをつけていけばいいんだろう。記者は、最後に何か妙案を出せるのだろうか。「各自が無駄をなくすことを強く自覚していかねばならない」なんて言葉でまとめてしまうのか。連載最終回が今から楽しみだ。

というわけで、この連載、久々にいいところにフォーカスしているので、ぜひともいい記事を書いていただきたい。応援します。

LIFESTYLE>ESSAY>Food
【DVD『Ray/レイ』発売記念イヴェント】

お知らせ。

2004年10月に全米で公開され、2005年のアカデミー賞では見事主演のジェイミー・フォックスが主演男優賞を獲得した「ソウル・ミュージックの創始者」レイ・チャールズの自伝映画『Ray/レイ』がいよいよDVDとなりレイのちょうど一周忌にあたる6月10日に国内発売される。

そのDVD発売を記念して、新宿で無料イヴェントが行われる。場所は新宿アルタ前の広場の一角。6月10日(金)の午後5時から6時まで。出演者は、鮎川誠、近藤房之助、鈴木聖美、三代目魚武濱田成夫、吉岡正晴、司会にマイク越谷。

内容はレイについて語る、出演者によるトーク、レイのトリビアクイズとグッズプレゼント、レイにささげる黙祷、レイの音楽に浸るライヴ(近藤房之助)など。

誰でも、ご覧になれますので、その時間帯新宿近くにおいでの方はぜひどうぞ。

また、レイ・チャールズのイヴェントに関しては、これに引き続き、来る6月26日(日曜)目黒のライヴ・ハウス、ブルースアレーで行われる『ソウル・サーチン・トーキングVOL.4』でも、レイが大々的にフィーチャーされる。『ソウル・サーチン』では、レイの様々な映像、トークのほか、ケイリブ・ジェームス、さらにシークレット・ゲストによるレイ・チャールズの作品のライヴが行われる。レイ・チャールズを知らなくとも、ソウル・ミュージックに興味がある方にはお勧めのイヴェント。

予約は、
soul_searchin_talking@hotmail.com 
まで、1)お名前と人数、2)メールアドレス、3)電話番号、4)このイヴェントを何でお知りになったかをお書きの上お送りください。折り返し確認メールをお送りします。

また、『ソウル・サーチン・トーキングVol.4』に関する詳細は次のウェッブページで。

http://www.soulsearchin.com/event/talking/talking20050626.html

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「Ray/レイ」DVD発売記念〜レイ・チャールズ forever〜 1周忌追悼トーク&ライヴ

●日時:2005年6月10日(金) 17:00〜18:00
●場所:新宿ステーションスクエア (JR新宿駅東口出口すぐ 新宿区新宿3−900−1)
●出席者:鮎川誠、近藤房之助、鈴木聖美、三代目魚武濱田成夫、吉岡正晴、マイク越谷(MC)
●イベント内容: レイについて語る、出演者によるトーク
           レイのトリビアクイズ&グッズプレゼント
           レイにささげる黙祷
           レイの音楽に浸る、ライヴ by 近藤房之助

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EVENT & ANNOUNCEMENTS>Ray, Talk & Live
【アンノウン・フューチャー・スペシャル・ライヴ】

執筆依頼。

以前四谷のメビウスというライヴハウスで西山”はんこや” 史翁(ふみお)さんのライヴを見たが、その彼から自分のバンドのライヴを渋谷のJZ(ジェイジー)ブラットでやりますという案内をもらったので、急遽、行ってみた。ファーストはまにあわず、セカンドからの鑑賞だった。

この自己のグループは、アンノウン・フューチャー・スペシャルが名前。メンバーは、西山さん(ギター)以外、住友紀人(サックスなど)、金森佳朗(ベース)、鶴谷智生(ドラムス)、フィリップ・ウー(キーボード) の計5人。

ロック、フュージョン、ソウル、ファンクなどを混合させ、ギターがリードをとる基本的にはインストゥルメンタル・バンドだ。けっこう雑多にいろいろ混ざっているのが特徴か。ベーシックとしては、クルセイダーズとかリー・リトナー的な雰囲気のサウンドをイメージすればいいか。

ギタリスト西山さんのバンドということで、ギター・バンドとしての性格が強いが、フィリップのキーボードは、いつもファンキーで気持ちいい。

ところで、西山史翁さんのホームページがある。
http://www2.ttcn.ne.jp/~hankoya/

いくつか情報がでているが、彼の「ほっ」というコラム(3回のみ)がなかなか興味深かった。1回目はデレク・ジャクソンのボウヤ(付き人)になった時の話、2回目はあのチキンシャックの山岸潤二について、そして3回目はレコーディングでロス・アンジェルスにいった時の話が書かれている。特に3回目の話は危ないなあ。(笑) 乗ったの白タクなんじゃないかなあ。とはいうものの、これが書かれたのは99年7月のことらしいので、もう6年前。この先が読みたいので、ぜひ執筆をお願いしたい。執筆依頼です。

(2005年6月1日水曜、渋谷JZ[ジェイジー]・ブラット=「アンノウン・フューチャー・スペシャル」・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Unknown Future Special Live
【曲解説は、ライヴ後に?】

WTC。

TKYの流れから、TKYのピアニスト秋田慎治さんのライヴへ。この日六本木アルフィーで秋田慎治トリオ。ベースが杉本智和さん、ドラムスが江藤良人さん。

美しく流れるピアノから、かなりハードなタッチのピアノまで、ヴァリエーションに富んだ演奏を聴かせる。典型的ジャズ・トリオ風のサウンドで、安心して聴いていられる。もうこのレベルに達していれば、いつでもCDを出し、ツアーに行けるのではないだろうか。

ファースト・セットからセカンド・セットになり、その後半、テンション、集中がより高まってきた。特にセカンド4曲目のスタンダード曲「サマータイム」以降、一気にきた感じ。中央に立ったアコースティック・ベースの杉本さんも後半どんどんのってきて、音像をリードする場面が多々あった。「サマータイム」のファンキーなアレンジも気に入った。

アンコールで秋田さんが「最後によくプレイするオリジナル曲で、タイトルは『WTC』という曲です」とだけ言ってスローのマイナー調の曲を演奏し始めた。僕は、頭の中で「WTC、WTC...」と思い描き、何の略だろうかと考えながら聴いていた。ひじょうにもの悲しげな曲だったので、ふと「お、ワールド・トレード・センターか。911かな」と思いついた。そう思うと、この叙情的なメロディーがあのテロの犠牲者へのレクイエムのようにも聴こえてきた。タイトルが曲のイメージを広げる例だ。とても印象に残った。またじっくり聴きたい。

そこで演奏を終えて戻ってきた秋田さんに聞いた。「WTCっていうのは、ワールド・トレード・センターのことですか?」 するとこう返ってきた。「ダブル・ミーニングなんです。ひとつは、ワールド・トレード・センターなんですが、もうひとつは、ウィル・トーク・アバウト・サークルス (We’ll talk about circles)です」 「サークルスについて、私たちは話し合う?」 意味がわからなかったので、解説を求めると、何かひとつテロとかがあるとそれに対する報復とかが起こる。ひとつの出来事から物事が循環して回る。別の言葉で言えば、悪の連鎖、いいことの場合はよい出来事の連鎖、そうしたものについて語り合う、ということだそうだ。

日本語に訳すと「連鎖についての話し合い」といったところか。な〜るほど。また、テロの犠牲者へのレクイエム的ニュアンスはあるのか、と尋ねると、そういう側面もなくはない、との答え。ちょうど、テロが2001年9月に起き、この曲は2002年9月に書いたという。「一ヵ所だけ、自分の頭のイメージではマイナーコードなんですが、メジャーの音階を使ってるところがあります」とも解説してくれた。

「でも、こういう解説を、曲を演奏する前に解説しちゃうというのは、なんとなく違うような気がして、あえてしないんですけどね。でも、例えばCDのライナーノーツで書くならいいですが。よくわからないんですが、したほうがいいのかな」と彼は言った。どうなんだろう。むずかしいところだ。ジョー・サンプルなどは、演奏前に次にプレイする曲について、ひじょうに詳しく解説する。それはそれでとてもおもしろく、そういう話を聞いてから演奏を聴くと、「そうかあ、なるほど」と思うことも多い。どちらもありなんだろう。

曲解説は、演奏前にするほうがいいのか、しないほうがいいのか。特に歌詞がないインストゥルメンタルの場合は大きなテーマだ。歌詞があるものなら、その歌詞がすべてを語るからいいが、インスト曲はなかなか難しい。唯一の判断素材はタイトルくらいだ。ということは、タイトルは少なくとも言ったほうがいいということになるのかな。今回は「WTC」というたった3文字のタイトルを事前に言われただけでイメージが膨らんで聴き手のイメージを広げたのだから、これはよかったということになる。詳しい解説は演奏後に話しましょうか。We’ll Talk About Songs After The Show. 略して、WTS。

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【秋田慎治トリオ】

秋田慎治 ピアノ
杉本智和 ベース
江藤良人 ドラムス

秋田慎治・公式ウェッブ
http://www.ne.jp/asahi/chelim/midtownbeatdown/top.html

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Setlist (incomplete)

First Set started 20.18

01.
02. Fahrenheit
03. Just Like It
04. Great Love ?
05. Blue On You
06. Reflections

ended 21.18

Second Set started 22.02

01. ルイーザ
02. 旅の思い出
03. オン・イン・ザ・ストリート?
04. Summertime
05. Introduction
06. Seven Bridges
Encore. WTC

show ended 23.17

(2005年6月3日金曜、六本木アルフィー=秋田慎治トリオ)

ENT>MUSIC>LIVE>Akita, Shinji
【フランクリンズ・ジャズ&バーガー・イヴェントのお知らせ】

イヴェント。

『ソウル・サーチン・トーキング』(6月26日開催)に続いて、7月の海の日(18日=月曜)にかる〜いイヴェントを行います。ソウルのイヴェントではありませんが、おいしいひと時です。お時間ある方、どうぞ。

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サマーブリーズとともに、テイスティーなジャズと、
デリシャスなバーガーのひと時を〜〜

島津山の片隅で妥協を許さないハンバーガーを作りつづけて15年〜

瀟洒な一軒家フランクリン・アヴェニューを舞台に行われるカジュアルでクラッシーな一夜 

ハンバーガー片手に、ジャジーなひと時を過ごしませんか?

Tasty Jazz and Delicious Burger〜ジャズとバーガーの夕べ
Franklins’ Jazz & Burger Vol.1 〜 "Summer Breeze" Night

【日時】 2005年7月18日(月曜・海の日祝日)
【開場】 18時 開演 ファースト19時、セカンド20時 (入れ替えなし)
【出演】 ザ・フランクリンズ (西任白鵠=ヴォーカル、永田ジョージ=ピアノ、森田聡= ベース、松本幸三=ドラムス)
【場所】 7025フランクリン・アヴェニュー 東京都品川区東五反田3-15-18
【料金】 ¥4000--(税込み)ハンバーガーとドリンクが充分についています。CDおみやげ付き
【予約制】 席数に限りがありますので、予約を優先いたします。
【予約方法】 下記問合せアドレスへ、お名前、電話番号、人数をお送りください。折り返し予約確認メー ルとお店への行きかた等をお送りいたします。
【問合せ】 Franklins0718@yahoo.co.jp までメールでお問合せください。申し訳ございませんが電話での問い合わせは受けておりません。

では、7月18日、フランクリン・アヴェニューでお会いしましょう。

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EVENT & ANNOUNCEMENTS>Franklins’ Jazz & Burger Vol.1
【ソウル・バー「オハイオ」自由が丘に移転】

引越し。

もうひとつのソウルタウン、武蔵小山にあったソウル・バー「オハイオ(OHIO)」が4月で閉店し、去る2005年5月23日(月曜)自由が丘に引越してオープンした。この場所は、以前、「レイニーズ」というジャズ、ファンク系のレコードをかける店だった。「レイニーズ」は、ファンク・ベース奏者チャック・レイニーからとっていた。お店のマスターがバンド活動をしていて、そちらのほうが忙しくなったので、「レイニーズ」をクローズすることになったらしい。

オハイオのオウナー、きんやさんは、等々力で7年、その後、武蔵小山に来て3年ソウルバーを営業し、2005年、自由が丘へ移って来た。23日のオープン後、僕は一度目は2時近くで入れず、二度目は満員(!)でだめ、三度目の正直で先日おじゃました。

アシャンティでばったり会ったソウルシスター、ミーとそのダンスの先生、藤枝さんらとお台場から自由が丘へ直行。満員で入れないと凹むので、ミーに事前に電話であいてるか確認してもらった。ところで、ここの水回り、ミーのお父さんで世田谷ストリートカフェのマスター、長野さんがてがけたそうだ。また、カウンターなどほとんどをきんやさんが自らてがけた、という。ストリートカフェといい、このオハイオといい、みんなDo It Yourselfでいいですね。

さてこの新店は武蔵小山時代の約15坪から約7.5坪(カウンター10席)と半分の広さになったが、それだけにかなりインティメイトな雰囲気がする。全体的には青を基調とした店で、ソウルがかかる。多くのビデオが大きなテレビモニター(プラズマ)から流されている。

ところで、瀬田→武蔵小山→自由が丘となんで、こんなにひんぱんに動くのですか、と尋ねると、「引越し好きなんです」とのお返事でした。

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お店のウェッブ
http://www.geocities.jp/ohio_funkysoul/

ソウル・ミュージック・バー オハイオ
Soul Music Bar Ohio
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-2-14-2階
電話 03-3718-0096
定休日・未定
営業時間 午後6時〜午前2時
チャージ 300円
ドリンク 500円から
フライド・ポテト、タコライスなど若干のフードも。
席数 約10(カウンター) (行く前に電話で確認をお勧め)
開店 2005年5月23日(月)

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ENT>SOUL BARS>Ohio

Ashanti Live

2005年6月1日
【アシャンティ・ライヴ】

キャッチー。

2003年10月以来のアシャンティのライヴ。今回東京はゼップ2日、恵比寿ガーデンホール1日の計3日もある。確かに前回、国際フォーラムAを2日なので、同じ動員ができるなら、キャパ的に問題ないのだが。MTVアワードでの来日の、いわばおまけのような形なのか、あまり告知も行き届いていなかったように思える。実際、ゼップ初日は、客席前半分をスタンディング、後ろに座席を置き、後ろはほとんどがら空きだった。新譜があるわけでもなく、タイミングもいいわけでもなかったので、恵比寿1日でもよかったかもしれない。

ドラムス、ギター、キーボード3台、DJ、コーラス3人、ダンサー4人にアシャンティというオン・ステージ。ダンサーがなかなかいい。コーラス3人のうち1人は日本在住、あのGTSのメロディー・セクストン。今回もバンドも現地調達なのだろうか。

やはり気になるのはどこまで本当に歌っているか。口パクなのかということ。ただ声が出ているときの声は、意外と伸びがあっていい感じ。彼女の声は意外とキンキンしていて、キャッチーだ。CDではソフトな感じだが、ライヴではごつい感じがして、これはこれでいい。アシャンティもダンスがそこそこできるので、バックダンサー4人を従えてのダンス・シーンは、ジャネット・ジャクソンあたりを彷彿とさせ、悪くない。

「タッチ・マイ・ボディー」では客席から男性をステージにあげ、5人で回りを囲うというひじょうにセンシュアルな演出でいい感じ。また、テンポよく次々と曲を歌っていくところはリズム感があっていい。

そうそう、客席に客がいない時には、客席を照らすライティングはやめたほうがいい。できるだけ、客席は暗くしておいたほうがいい。まず、ステージのアーティストがやる気をなくすからだ。それに、後ろからあるいは2階から見ている観客も、一挙に興ざめする。

曲でいうと、「レイン・オン・ミー」、「ロック・ウィズ・ユー」、「フーリッシュ」あたりが印象に残った。

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アシャンティ前回のライヴ評
2003/10/27 (Mon)
Ashanti’s Performance: Live or Mime?
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200310/diary20031027.html

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Setlist 2005.05.31 @ Zepp Tokyo

show started 20:16

01. Concrete Rose Intro
02. Rock Wit U
03. Happy
04. Always On Time
05. What’s Luv
06. Down 4 U
07. Memerize
08. Turn It Up
09. Rescue Me (1 verse)
10. Touch My Body
11. U
12. [DJ & Dancers]
13. Rain On Me
14. Carry On
15. Baby
16. Don’t Let Them
17. Foolish
18. Wonderful
19. [Band Instrumental]
20. Only U

show ended 21:27

(2005年5月31日火曜、お台場・ゼップ東京=アシャンティー・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Ashanti
【「わが心の五反田」】

土。

先々週の土曜日(2005年5月21日)、テレビ東京(12チャンネル)の番組『出没! アド街ック天国』で、五反田が紹介されていた。ビデオに録画して、やっと見た。この番組の影響力の強さは以前からよく聞いていた。ここで紹介されると放映から1週間からしばらくレストランやバーなどに、どっとお客さんが増えるというのだ。

全部で30ヵ所がカウントダウン形式で紹介されるが、もちろん、よ〜〜く知っているところもあれば、全然知らないところもある。知らなかったのは、あのマリックさんが五反田に住んで30年ということ。(笑) へえ、五反田在住なんだ。会ったことないなあ。

オイスターバーはオープンした時、よく行った。今よく行くのはアリエッタのランチ、そして、我らが松本幸三さんのフランクリン・アヴェニュー。

チェゴヤ(韓国料理)、おいしそう。一方、200グラム6万3000円のステーキ? すご〜〜。これは知らなかった。正田邸は2年前に取り壊され、今では公園になった。その近くに、しばらく前までは小泉君の仮公邸があった。

グリルF、日南ね。定番ですね。駅前の文具店神岡は、小学校の頃から通ってます。

で、そのフランクリンに放映後の次の週の日曜(29日)午後に行ったら、なんと30人近く並んでいるではないか。すごい。ちょうど今時は、外のテラスが気持ちいいのだが、それにしても半端ではない。階段からはみ出て、道路まで待ち人が並んでいる。

テレビで紹介されたアスパラ・バーガーが超人気になったそうだ。22日からしばらく人数の記録を更新しているらしい。

ところで、そのフランクリンにいたら、コック着に身を包んだ人がカウンターに座ってコーヒーを飲んでいた。すると幸三さんがその方を紹介してくれた。「世界の田辺さんです」 おおおっと。お隣のヌキテパのオウナーシェフ、田辺さんだった。

田辺さんによると、以前から庭のある一軒家を探していて、幸三さんに相談したところ、一足先にオープンしていたフランクリンの隣がちょうど空いているということで、ここでヌキテパを始めた、という。もう10年になるそうだが、今やその名は世界に名を轟かせている。エルブジご一行がわざわざヌキテパに食べに来たそうだ。

「エルブジご一行さまが来られた時とか、緊張したりするんですか」 「いや、全然。関係ないね」ときっぱり。

「今、興味があるのは、土でね。土って、食べたくならないですか?」と問われ、「いやあ、土を食べるっていうのがイメージがわかないんですが…」と答えると、「野菜を食べるってことは、土を食べることにつながるんじゃないかって思うんですよ。結局、人間は地(アース)に帰るんじゃないかと思って」。番組でも紹介されていたが、今、田辺シェフの自信作だ。これは、一度試してみたい。

最近はランチもディナーもかなり満席になるらしいが、基本は来たお客さんはお店側からは帰さない、というポリシーだ。満席の場合は、フランクリンで何かを飲んで待っててもらうそうだ。ヌキテパは週に一度月曜日だけが休み。それ以外の日は、店のスタッフは朝8時くらいから、夜12時くらいまで仕事をしている。「フレンチで(夜だけで)50人の客に料理を出すというのは、ほんと大変なんですよ」と言う。

フランクリンでは実はヌキテパのデザートが食べられる。以前書いたが、絶妙スイカのケーキはヌキテパのものだ。オウナー同士が仲良しだから可能なコラボレーションだ。

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『出没! アド街ック天国』のウェッブ
http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/050521/index.html
【映画『戦国自衛隊』】

未発見。

6月11日に公開される映画『戦国自衛隊1549』の試写を通称日比谷シャンテビル内の東宝の試写室で見た。たまたま友人の放送作家K氏が行けないから行くかというので、二つ返事で行くことに。

映画はもともと1979年に公開された『戦国自衛隊』とは実質的には関係なく、まったく新たな映画となっている。現代の自衛隊が、ひょんなことから戦国時代にタイムスリップして、様々なことが起こるという点は同じだが、出来事や、細かい点が新しくなっている。映画では初めて本物の自衛隊が撮影に協力、さらにCGも加えられて、なかなかの迫力。筋はネタばれになるので、詳しくは書かないが、僕はけっこうおもしろいと思った。タイムスリップした時、過去の自分や過去の歴史を書き換えるとどうなるか、というのは最大のテーマだが、そこをうまくつじつまをあわせている。エンタテインメントとしてはいいんじゃないでしょうか。

主演は江口洋介、鈴木京香、鹿賀丈史、伊武雅刀ら。制作費15億円だそうで、これは日本の映画では破格の予算とのこと。なるほど、2−3億で作られる邦画とは確かにスケールが違う。

ただ、一点気になったのは、バックの音楽。これがちょっと出過ぎに感じた。必要以上に盛り上げよう、悲しませようとか、驚かせようとか、わざとらしさが目立つ。普段映画見ていて、こういうBGM系の音楽っていうのは、それほど耳障りにはならないが、その程度がいいんだろうと思う。

逆に、なにかのヒット曲とシーンがはまった時は、これはうまいと思うことも多々ある。最近なら『ヒッチ』や、『ブリジット・ジョーンズの日記』、タランティーノの一連の映画などだ。あるいはBGMに徹する時のジョン・ウィリアムスの映画音楽というのは、実にさりげなくうまい。映画を見ているときはまったく気にならないのに、あとからサントラを聞くと実はいい曲だった、なんてことがある。

それはさておき、この映画を見たいなと思ったもうひとつの理由は、実は、これに静岡在住の友人がエキストラで出たという話を聞いていたからだ。彼の話だと、朝から夕方まで、ほとんど待機の時間が多かったという。かぶとや防具がかなり重くて動くのが大変だったそうだ。

そこでその彼の姿を「ウォーリーを探せ」の如く見つけられるかということで行ってみたのだが…。さすがに何百人もいるエキストラの中では見つけられなかった。

映画『戦国自衛隊1549』
2005年6月11日(土)全国東宝系ロードショー

ENT>MOVIE>Sengoku Jieitai 1549
【最近のマシンはなぜすぐ壊れるのか】

保証。

ところで、先週の映画『レイ』のDVD視聴会でオーディオ評論家の先生といろいろお話させていただいた。亀山さんは、この日のシステムを選ばれた。スピーカーの位置などに実に細かく指示を出されていた。和田さんは、1948年生まれ、ちょうどLPがこの世に誕生した年に生まれたという。ちょうど、レイ・チャールズあたりだと、「ホワッド・アイ・セイ」のシングル盤をリアル・タイムで買っていたという。エルヴィス・プレスリーから入り、マイルス・デイヴィス・フリークでもあり、R&Bでは、ニューオーリーンズものなども大好きという。

雑談の中で、初めてのテープレコーダーはいつ入手されたか尋ねてみた。すると和田さんは64年だという。当時ソニーからかなり良い物がでて、初任給1万円か2万円くらいの頃、3万か4万円くらいしたはずだという。ところがその後ナショナルから1万円のオープンリールのテープレコーダーがでた。ソニーのは7インチ(17センチ=直径)のテープがかかったが、これは5インチのテープまでしかかからなかった。箱もプラスチックで若干安っぽい。それでも1万円という値段は魅力的で、夏休みに毎日アルバイトをしてお金を貯め、買ったという。たぶん1日バイトをして200円とか300円くらいで、5000円くらいまで貯金し、残りを親に出してもらったように記憶している。和田さんは、北海道の端っこの方に住んでいたので、もっぱらラジオを聴き、それをマイクを通して録音したりしていた。

ラジオは、昼間は北海道の地元の局しか聞こえなかったが、夕方の6時を過ぎると、空の電離層の関係で東京のTBS、文化放送、ニッポン放送が聞こえた。ラジオ関東は雑音の中に埋もれていてほとんど聞こえなかった。残念なことに、FENは聞こえなかったという。亀山さんも新潟で同じようにラジオを聞いていたが、やはり、最初の3局を夜になると聞いていた。

そして、ラジオ、テープレコーダー、音楽が揃い、オーディオと音楽の道に進むことになる。

ところで、最近のオーディオ製品とか電化製品はすぐ壊れるが、これは一体なぜなのですか、と尋ねた。例えば、ウォークマンなんて一年もして保障期間が切れるとそれを読んでいたかのようにすぐ壊れる。

亀山さんがいろいろ細かく説明してくださった。 「石油系の原料を使っているのが大きいんじゃないでしょうか。それから、昔は品質管理というか、そういうものが厳しかった。だが最近はそれほどでもないみたいだ」という。他にも、アジアの国、中国や台湾などで作られるものは、現地での管理体制がなかなかむずかしい、ともいう。

実際、うちにもソニーの79年に購入したベータマックスのビデオレコーダーがあり、これがまだ動く。その後に買った最初のVHSのマシン(87年購入)などもうだめになってる。総体的に言って、最近の機械はやわである。また、使っている素材がどれほど長持ちするのか、誰もわからないという点もあるらしい。

和田さんが、「いいオーディオには、いい匂いがするんだよねえ」とおっしゃった。国によって違って、それぞれの独特の匂いがあるという。たぶん、木で出来ているものなど、長持ちするということがわかっている。しかし、プラスチックやその他のものなど、どこで、どんな衝撃で割れたり、折れたりするのかが、予測不能なのだろう。

また、「耐久年数」などという文字がある意味で一人歩きしているのかもしれない。作る側も7年持てばいいだろう、とか。

マイ・ファースト・オーディオからすぐ壊れる話まで、ランチ時にずいぶんと濃い話を聞かせていただいた。なお、これは、DVDの『レイ』を見る前の話である。

ENT>ESSAY>AUDIO
【アフター・ザ・パーティー...】

夜明け。

木曜の『ソウル・ブレンズ・ナイト』は、大入り満員で、なんとクロスの木曜日の入場記録だったそうだ。みなさま、本当にありがとうございます。そういえば、番組でしつこく流した1分近くあるオッシー入魂のCMスポットのおかげか。(笑) いやあ、あのスポットは近来稀にみる強力作でした。僕としては、ダンスマンの「ミャオ〜〜ン」という部分が、いまひとつで、本当はやり直したかったのですが、まあ、しょうがない。「5-2-6、西麻布が燃える〜〜」。

僕はやりかけの仕事も残っていたので、1時過ぎくらいに出たのですが、最後までけっこう盛り上がっていたみたいですね。確かに一旦終電の時刻近くにお客さんが引いた感はありましたが、それ以後は変わらずといったところでしょうか。今度は始発まで、みんな踊りつづけたのでしょう。

友人たち数人と、白ボ(白金ボヘム)のテラスで軽くお茶して帰宅。この時期、外お茶は実に気持ちよし。昼間だったら、こことか、外苑のセランとか、アークヒルズ裏のキハチとか、夜中だと六ヒルのスタバか。

話はそれましたが、僕はその後、原稿やら、日記などを書いてそれも無事アップして、さて寝ようかとコンピューターの電源も落した朝5時26分。携帯が鳴り響きました。最初はこのところ多くやってくるいわゆるジャンク・メールかと思いきや、ちゃんと電話が鳴っていた。誰かと思えば、オッシー。

「ヨシオカサ〜〜ン、今、ソウルナッツです〜〜。みんなで待ってま〜〜〜す」 勘弁してくれ〜〜〜。めちゃくちゃ、テンション高い。音の大きいところで、何時間もいると、みなハイになっていくのだろう。しかも、寝てないと逆にどんどんハイになったのだ。

「勘弁してくれ〜〜」を英語で言うと?
そう、「ギヴ・ミー・ア・ブレイク」。

こんな時に使います。

ガチガチのソウル・イヴェントで、お客さんからアラベスクのリクエストが来て、DJがふと漏らす言葉。「ギヴ・ミー・ア・ブレイク」。

レストランで、白ワインを注文したら、ウエイターが間違えて赤ワインを持ってきた。クレイムをつけたところ、引き上げる時にグラスを倒して洋服に赤ワインがかかってしまった。そんな時にきつ〜〜く言う一言。「ギヴ・ミー・ア・ブレイク」。

友人からちょうど寝入った朝5時半、声もきんきん、めちゃテンションの高い電話がかかってきた。そんな時に電話口で言う言葉。「ギヴ・ミー・ア・ブレイク」。

5-2-6、西麻布は、燃えた〜〜〜
5-2-6、もう夜が明けてる〜〜〜

(2005年5月26日木曜、西麻布・クロス=ソウル・ブレンズ・クラブ・イヴェント)

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