■# 「ワン・モンキー・ドント・ストップ・ノー・ショー」の意味

【The Meaning Of “One Monkey Don’t Stop No Show”】

意味。

昨日の『ソウル・ブレンズ』でハニー・コーンの「ワン・モンキー・ドント・ストップ・ノー・ショー」がかかった。1972年、女性トリオ、ハニー・コーンの大ヒットだ。前々からこの曲のタイトルの意味がわからなかったので、DJマーヴィンに「これってどういう意味?」と尋ねた。すると、マーヴィンも「ねえ、よくわかんないよ」との答え。これには僕もびっくり。

マーヴィンの解説では、直訳的には「一匹のサルは、ショーを止めない」だから、「ショー・マスト・ゴー・オン(ショーはいずれにせよ、続いていく)」といった意味だと言う。ちなみに、Don’t と No と二重否定になっているが、これはブラック独特の言い回しで、二重否定されていても、文章全体は否定の意味になる。Ain’t No Mountain~(~の山はない)などと同じ。One Monkey Don’t (Any) Stop Show「サルが一匹くらいいなくても、ショーは止まらない」という意味だ。

マーヴィンにこのフレーズは当時流行っていたフレーズなのかときくと、「いや、きいたことはない。別に流行っていたわけではないと思う」という。ただ「この曲は、何かメッセージがあるような気がする」とも。「でも、そのあたりがよくわからない、吉岡さんに聞こうと思った(笑)」と言われても、僕がわかるわけないじゃない。ブラザーのマーヴィンがわからないものを…。(笑) 

しかし、そこで、このハニー・コーンは、ホットワックス/インヴィクタス・レコードからでてきたアーティストだということ。そのホットワックス/インヴィクタスは、デトロイトのモータウン・レコードにいて数々のヒット曲を送り出した超強力ソングライター・チーム、ホランド・ドジャー・ホランドがベリー・ゴーディーと喧嘩別れしてモータウンを辞め、自力で設立したレコード会社だ、ということをマーヴィンに説明した。

するとマーヴィンが「ああ、じゃあ、このワン・モンキーは(モータウン社長の)ベリー・ゴーディーのことじゃない?」と推理を働かせた。つまり、「ベリーがいなくても、この業界は続いていくよ」「ベリーなしでも、僕らはやっていけるよ」というメッセージだというのだ。

ハニー・コーンのヴァージョンはこちら。

http://youtu.be/RgL4HZAy3wk



この映像を見てもわかるが、これを書いたのは同じホットワックス/インヴィクタス所属のR&Bグループ、100プルーフのリーダー的存在のジェネラル・ジョンソン。

歌詞を読むと「一匹のサルはショーを止めることはできない。もしあなたが私の愛を必要としないなら、別れましょう」「成功で頭が一杯になったのかしら。でも、オバカさん、その成功の源は私だってわからないの? かつてと違うあなたなら、もう私の人生から出て行って。あなたのことは好きだけど、あなたなしでやっていけるわ。ショーは続かなければならないから」といった意味。

曲を書いたのはホランド・ドジャー・ホランドではないが、確かに彼らの意を汲んで、こういう歌詞になったということは十分に考えられる。「一匹のサルがベリー・ゴーディー」というわけだ。ベリーとホランドたちは、印税などお金のことでもめた。自分たちが正当な報酬を得ていないと思い、結局、モータウンを辞めた。訴訟にもなったので、相当意見が対立していた。ベリーに頭にきて、「お前なんかいなくたって、俺たちはやっていけるぞ」という意味を含めて、この曲を出して、ヒットさせたとしたら、これはこれでおもしろい。

■「ワン・モンキー…」を含むデビュー作『ソウルフル・タペストリー』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000564CO/soulsearchiho-22/ref=nosim/

調査。

さらに、この「ワン・モンキー」について調べると、いろいろと出てきた。やはり、このフレーズはブラックの間でよく使われていたフレーズらしく、ハニー・コーンのヴァージョンも、元々黒人シンガー、ビッグ・メイベルが録音していた曲を元にして作ったものだという。

ビッグ・メイベルのものはこれ。1954年に録音されたが、ヒットには至っていない。

Big Maybelle: One Monkey Don’t Stop The Show

http://youtu.be/zSyE8IecKjQ



この歌詞を読むと、ハニー・コーンのものと大筋のストーリーは似ている。

ほかにも、ジョー・テックスのまったく別の曲もある。

ジョー・テックス One Monkey Don’t Stop No Show

http://youtu.be/SeXp2ACRn4g



ジョー・テックスは典型的なジェームス・ブラウン・フォロワー。ミスター・ブラウンを真似た歌唱で一時期人気を集めた。ミスター・ブラウンからは、「お前、いつまで俺のモノマネしてるんだ」とカツをいれられたとか、いれられなかったとか。

このほかにもあるのだが、極めつけはこれ。4人組だったグッディー・モブ。ここから、シンガーのシーロー・グリーンが独立し、3人組になった。ジャケットでは、シーローの座るべき椅子に小さなモンキーが座っている。「サルが一匹くらいいなくなっても、ショーは止まらない、ショーは続くよ」ということをはっきり言っている。

One Monkey Don’t Stop No Show / Goodie Mob

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000CDL6A/soulsearchiho-22/ref=nosim/

というわけで、このタイトルを持った曲はほかにもロック・グループなどにもあった。

ちょっとした話から、なかなかおもしろいことがわかって、楽しいひとときでした。

++++

(資料)

HONEY CONE
"One Monkey Don’t Stop No Show"
(Written by Gregg Perry and General Johnson)

The show must go on

Oh, one monkey
Don’t stop no show
If you don’t want my love
You’re free to go
(You can go, you can go, you can go)

Life is a play
We play different parts
But to be a star in love
You’ve got to feel it in your heart

You’ve been acting to strange
You don’t love me with soul
Well, there’s lots of other guys
Who’d love to play your role

If you don’t wanna be my leading man
Get out of my life and let me live again
(You can go, you can go, you can go)

Oh, the show must go on

Hey, one monkey
Don’t stop no show
If you don’t want my love
You’re free to go
(You can go, you can go, you can go)

I said one monkey
Don’t stop no show
If you really need our love
You’d better let it show
(Let it show, let it show, let it show)

Once we had a love
You couldn’t live without
The greatest love that heaven
Has ever put out

Success has gone to your head
You wanna be free, yeah
Fool, don’t you realize
Your backbone is me

If you no longer like your part
Get out of my life before you ruin my heart
(You can go, you can go, you can go)

Oh, the show must go on

I love you
But I can do without you
Arriba, arriba

You can go
There’s the door
You can go, you can go
The show must go on

Hey, one monkey
Don’t stop no show
If you don’t want my love
You’re free to go
(You can go, you can go, you can go)
I said one monkey
Don’t stop no show

++++

ビッグ・メイベルの歌詞

"One Monkey Don’t Stop No Show"
Big Maybelle, 1954

My baby jumped up this morning
And sat on the side of the bed
He said I’m leaving you baby
And this is just what I said

I said I can’t make you stay if you want to go
But it’s high time baby that you should know

One monkey don’t stop no show
One monkey don’t stop no show
So if you still want to go, go ahead
And I meant every word I said

My baby thought I was jiving
And he went right out the door
He left me about three in the morning
Hmm, I got me a man at four

Some women cry when their men leave ’em drylongso
But I found out something long time ago

One monkey don’t stop no show
One monkey don’t stop no show
So if he gets too big for his pants
Get a spring brand new one and give him a chance

I used to be chicken-hearted
And cry when he’d walk out the door
’Cause I was just young and simple
Ha! Ain’t like that no more

’Cause I had a hard way to go ’fore I learned the score
But I’m here to tell you and I should know

One monkey don’t stop no show
One monkey don’t stop no show
I let him do anything he choose
’Cause there’s a million men who can fill his shoes

One monkey don’t stop no show
One monkey don’t stop no show
One monkey don’t stop no show
And you can tell them I told you so


SONG>One Monkey Don’t Stop No Show
RADIO>Soul Blends
★■ 「ソウル・サーチン」では、ボビー・ウーマック

【Bobby Womack on Soul Searchin】

特集。

今日の『ソウル・ブレンズ』(インターFM、76.1mhz、午後1時~3時)内「ソウル・サーチン」(2時半~)では、先日来日して大好評を博したボビー・ウーマックを特集します。本当は先週ボビーをお送りする予定だったが、急遽、番組が2時半で終了することになり、できなくなっていたもの。

関東地区の方は、ラジコを通じてパソコンで、また全国でもスマートフォン、スカパーなどを通じて聴けます。

http://radiko.jp/player/player.html#INT

■誕生日

バースデイ。

ボビー・ウーマックは、今日3月4日が誕生日。1944年生まれなので、今年で68歳になる。

■2日目ファーストがフジテレビ・ネクストでオンエア

さて、2日目(2月23日・木曜)のファースト・セットが、フジテレビの有料チャンネル「フジテレビ・ネクスト」で生中継されました。その模様から冒頭の部分がユーチューブにアップされています。

http://youtu.be/sOabV1tn7BE



また、「フジテレビ・ネクスト」では、あと2回再放送があります。2012年3月8日(木)26時~27時30分(9日・午前2時~3時半)と、3月9日金曜15時40分~17時10分。

視聴方法はこちら。
http://www.fujitv.co.jp/otn/howto/index.html

■EPKプロモ・ビデオ

そして、ボビー・ウーマックの娘さん、ジーナリー・ウーマック(ステージに途中で上がって、『ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム』を一節聞かせた人です)がワールド・ツアーを控えて、そのプロモーション用ビデオを作りました。

http://youtu.be/8iMwSeYfA5w



この中で「自分は癌で、糖尿病で、目が見えなくなり、2回も手術をしなければらなくなって…」などと語っています。

■『アンサング』~ボビー・ウーマックの回(約38分、英語)

そして、極めつけは、毎週ブラック・ミュージシャンにスポットをあてる良質のアメリカのケーブルテレビで放映されているドキュメンタリー番組『アンサング』。2012年1月に放送されたもの。全編がすでに見られます。

http://youtu.be/P7yF8CJM1kg



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■新作は6月か

新作。

ところで、ボビーとちょっとだけ話をする機会があったが、彼は現在アルバムを制作中。ほぼできあがっていて、6月にはリリースしたい、とのこと。リリース時には、さまざまなテレビ番組などに出て、プロモーションするつもりだそうだ。ここにはゴリラズのメンバー、デイモン・アルバーンらとの共演、エアロスミスのスティーヴン・タイラー、ブラーなどとの共演もあるとのこと。

2010年にゴリラズのアルバム『プラスティック・ビーチ』で客演をしてから、彼らと接点を持ち、今度はボビーの新作に彼らがゲスト的にはいるようだ。

ボビーの新作のタイトルは『ザ・グレイテスト・マン・イン・ジ・ユニーヴァス』。ロンドンでXLレーベルのリチャード・ラッセルのプロデュースの元、レコーディングを続けている、という。イギリスでは、XLから発売されるようだ。

ボビーは、「ゴリラズのデイモン・オルバーンは、若い頃のサム・クックみたいだ」と評している。

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バックコーラスで来日していたKCウーマック。セシル・ウーマックとリンダ・ウーマックの子供で今年19歳。彼女によると、両親(ウーマック&ウーマック)は、今、タイに住んでいるという。自然とそののんびりした空気が好きらしい。タイとときおり、アメリカに戻るらしい。KCは、アメリカに住んでいる。

■ボビー・ウーマック・ベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012PYHGK/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ARTIST>Womack, Bobby

●★ ホイットニーからトム・スコットへの感謝の電話

【Whitney Called Tom Scott For Thanking For His Play】

感謝。

ホイットニーについては、いろいろな思い出話がでているが、ロスアンジェルスをベースに活躍するヴェテラン・サックス奏者、トム・スコットがちょっとしたエピソードをフェイスブックで明かした。なかなかいい話だったので、簡単にご紹介しよう。

トムは、ホイットニーの曲は1曲(「セイヴィヴィング・オール・マイ・ラヴ・フォー・ユー」)しかプレイしていないが、こんな思い出があるという。

彼はプロデューサーのマイケル・マッサーに頼まれ、「セイヴィング・オール・マイ・ラヴ・フォー・ユー(すべてをあなたに)」でサックスをプレイしてレコーディングした。1984年の後半くらいだろう。しかし、それはバック・トラック(カラオケ)のレコーディングだったので、シンガーであるホイットニー本人はスタジオにはいなかった。レコーディングを終えて、すっかりトムはこのことを忘れていた。

すると数週間後、アルバムのリリース直前にトムに電話がかかってきた。「ハーイ、私はホイットニー・ヒューストンです。一度もお会いしたことはありませんが、『セイヴィング・・・』でのあなたのプレイが大変気に入っていることをお伝えしたくて電話しました」

ホイットニーはこの時点では、まだまだ無名のシンガーだ。トムはロスの売れっ子サックス奏者。業界内ではもちろん大先輩だ。ただ、シンガーは、バックのトラックで誰が何をレコーディングしているかなどは、知らないことが多い。もちろんバンドなどで一緒にやっている場合は別だが。

なので、彼女がサックス奏者の名前を聞き、わざわざ電話番号を調べ、電話してきて「感謝してくれたこと」にトムは大変感激した、というわけだ。トムは「このことは決して忘れない」と言う。なかなかいい話だ。

一方で、この話を読んだシー・ウィンドのメンバーで、ホイットニーの1998年のツアーに参加し、ホーンやキーボードをプレイしたラリー・ウィリアムスは、「それはすばらしい話。しかし、実際、珍しい話だ」と前置きして、「ステージに大きな紙に(メンバーの)名前が書かれていたが、2週間のツアー中、結局、彼女は僕の名前は覚えてくれなかった」と言っている。たぶん、このふたつの話には14年ほどの歳月が流れているが、時代やさまざまな状況はすべて変わるということだろうか。

Saving All My Love For You
http://youtu.be/fQgRwrYRLtk



中盤からのサックス・ソロがトム・スコット。

Saving All My Love For You @ 1986 Grammy Award: Dionne handed her Grammy

http://youtu.be/AIV2rYBPZcM



ディオンヌが封筒を開けて勝者の名前を呼ぶ。お母さんのシシーの嬉しそうな顔。ホイットニーの人生最高のときだ。

ちなみに、この曲はマイケル・マッサーが書いた作品で、ホイットニー以前に、マリリン・マックー&ビリー・デイヴィス・ジュニア(元フィフス・ディメンション)がレコーディングしていたもので、ホイットニーのものはそのカヴァーにあたる。ただマリリンたちのものはヒットはしていない。

■ マリリン・マックー&ビリー・デイヴィス・ジュニア「セイヴィング・オール・マイ・ラヴ・フォー・ユー」

http://youtu.be/apdXftBYmNQ



ホイットニーの1989年11月来日時の記者会見の写真がでてきたので掲載してみる。




■ ホイットニー:ザ・グレイテスト・ヒッツ(輸入盤)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004R84V/soulsearchiho-22/ref=nosim/"

同日本盤

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004U2QT/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ARTISTS>Houston, Whitney

◇ワックスポエティックス第20号発売

【Waxpoetics #20 Released】

発売。

ブラック・アーティストやクラブ系DJ、リミキサーなどにフォーカスを当て徹底したインタヴューなどを紹介している良質な音楽誌「ワックスポエティックス(日本版)」の最新号(第20号・隔月刊)が2012年2月末に発売された。

今回は日本独自の制作記事で伝説の故ラリー・レヴァン記事18ページ、やはりニューヨークをベースに活躍するDJ、リミキサー、フランソワ・ケヴォーキアンのインタヴュー15ページ、ハミルトン・ボハナン・インタヴューなど、ひじょうに中味の濃い一冊になっている。

僕もサム・クックで8ページ寄稿した。僕はこれまでサム・クックを生で見たことがある人には会ったことがないので、実際に生で見た人(なんとピーボ・ブライソン)からそのときの話を直接聞いたときには、大興奮した。そのあたりも、書き込んでいる。たぶん今出てるサム・クック記事の中で、サム・クックのライヴを生で見た人の話を直接きいたものはどこにもないので、貴重かと思う。サムは1964年12月11日33歳で死去。

内容などは、こちら。
http://www.waxpoetics.jp/magazine/

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861134358/soulsearchiho-22/ref=nosim/"


MAGAZINE>Waxpoetics>#20
#◎ ベティー・ライトと「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」

【Betty Wright & “I Wanna Sex You Up”】

サンプリング。

先日のベティー・ライトのライヴで、彼女が「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」を歌い始めて、「なんでだろう」と思っていたら、同じ日にベティーのライヴを見ていた松尾潔さんから「あの曲の一部がベティーの曲を無断サンプリングしていて、最初クレジットがなかったから、訴訟して最終的には、曲の権利・作家印税の35%を手に入れたんですよ」と教えていただいた。さすが。

そこでいろいろ調べたら、けっこう、おもしろい話がでてきたので、それをご紹介したい。

「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」は、1991年のカラー・ミー・バッドの全米2位、全英1位の大ヒットだ。R&Bとダンス・チャートでは1位。全米では200万枚以上のセールスを記録した。元々映画『ニュー・ジャック・シティー』のために作られた曲で、映画でもいい場面で使われていたと記憶する。

僕はこの曲が大好きで、当時こればかりをカセットの片面に繰り返し繰り返しいれたテープを作って車の中で聞いていたほど。それこそ耳タコになるほど聞いていた。だが、そのときには、ここにベティーの「トゥナイト・イズ・ザ・ナイト」のベースラインが入っていたとはとんと気づかなかった。

カラー・ミー・バッド「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」
http://youtu.be/Ask_sedxu0o



調べてみると、この「アイ・ウォナ…」は、イントロにはラッパー、ダグ・E・フレッシュの「ラ・ディ・ダ・ディ」が、サンプリングされている。これは、"to the heart tick tock ya don’t stop" という部分だ。

そして、途中からベースラインがベティー・ライトの「トゥナイト・イズ・ザ・ナイト」を使っていた。それがこれ。

http://youtu.be/KTFuaK7IFyg



なんか、彼女が「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」をやる前に、いろいろとしゃべっていて、「盗まれた」とか言っていたのを思い出した。正確にはどう言っていたのか、はっきり覚えてないのだが。たぶん、あるとき、ラジオかなにかから「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」が流れてきたが、これは私の曲だ、「盗まれた」と思った、すぐに弁護士に相談したといった話だったと思う。

そして、彼女はこれと「トゥナイト・イズ・ザ・ナイト」をメドレーで歌ったのだ。

ライヴ評・セットリスト参照

2012年02月29日(水)
ベティー・ライト自身名義初来日ライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11177929117.html

すると、これはそれだけでなく、この曲はコーラス・メロディーの部分はブラザース・ジョンソンの「ストロベリー・レター23」から取っているそうだ。

http://youtu.be/vbxUtFDKz8k



コーラスの「ウ~~ウ~~」というところが似ている。

いずれにせよ、ベティー・ライトはこのカラー・ミー・バッドの「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」を聴いて、自分の曲が使われていると知り、すぐに弁護士に連絡、訴訟を起こし、自分の取り分を獲得することに成功した、というわけだ。

ちなみに、このカラー・ミー・バッドの「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」をサンプリングした曲が、ルマー(Lemar)の「Tick Tock」のカーディナル・ビーツ・リミックス。

さて、もっとおもしろいのが、ベティー・ライトの「トゥナイト・イズ・ザ・ナイト」自体が、どうやらブッカーT&ザ・MGズの「タイム・イズ・ライト」のリフから拝借していたらしいのだ。

http://youtu.be/GUGsZgkjrco



たしかに聞き比べると雰囲気は似ている。

というわけで、このベティーが「アイ・ウォナ・セックス・ユー・アップ」のイントロを演奏し始めたとき、「ブッカーTみたい」と言ったあなたは、超するどい。

そして、松尾さんも、「~私も誰かに無断引用された~い(そして訴えたい!)」って。(笑)

ENT>MUSIC>LIVE>Wright, Betty
ENT>GREAT SONG STORY>I Wanna Sex You Up / Tonight Is The Night

◎ベティー・ライト自身名義初来日ライヴ

【Betty Wright First Japan Live】

アフロ。

太陽とパームツリーの街、フロリダ州マイアミから生まれた「マイアミ・サウンド」。そんなマイアミから登場した女性シンガー、ソングライター、ベティー・ライトの自身初名義ライヴ。ボビー・ウーマックの17年ぶりの来日に続いて、南部からのベティー初来日はソウル・ファンにとっては嬉しいところ。もちろん、ベティーとしてのライヴは初めてなのだが、彼女は1991年グローリア・エステファンのバックコーラスの一員として来日はしている。

ベティー・ライトには1980年代中ごろ、ニューヨークで行われていた「ニュー・ミュージック・セミナー」で会ったことがある。彼女がパネル・セッションで話をしていて、その後、立ち話をした。大変快活で頭脳明晰、よくしゃべる人という印象を持った。シンガーとしても成功したが、あれだけ業界を俯瞰して見ることができればプロデューサー的な裏方でも十分やっていけるだろうなあと思ったものだ。マイアミのヘンリー・ストーンのTKレコードに関してはやまほど書きたいことはあるが、また別の機会に。ベティー・ライト1983年のアルバム・ライナーノーツも書いたことがあった。

さて、ライヴはドラムス、ギター、ベース、キーボード、パーカッション、コーラス3人という8人編成バンドにベティーがステージ中央に立つ。今回は特別にセカンドがなくなり、ファーストのみ2日の編成。

いきなり赤いワンピースのような派手な衣装に、特大の丸いアフロ・ヘアーで登場。あれはカツラか本物か。70年代風というか、オールドスクール風でインパクトがある。ライヴは全体的に南部のチトリン・サーキットで見ているような空気感が漂う。ベティーの声は、まったく衰えることを知らず、ひじょうによく声が通る。

一番有名な「クリーン・アップ・ウーマン」が1971年のヒットだが、これはのちに多くのアーティストにサンプリングされたりカヴァーされたりして、よく知られる。超ヴェテランだが、最近でもルーツと一緒に作ったアルバムがグラミーにノミネートされたり、現役ばりばりだ。そのルーツとの共作からも披露。

http://youtu.be/r0ssMVL9I1Q



ちょうど、その作品がグラミーにノミネートされ、会場に向かう途中でホイットニーの死を知った、という。そんな話をしてから、ホイットニーへのトリビュートとして「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」をコーラス3人と歌った。このコーラス3人のうち2人がベティーの娘だそうで、客席から見て真ん中と向かって左(センター寄り)が娘だと思ったのだが…。二人が赤のおそろいを着てるように見えたので、それが娘たちかと思った。またギタリストはベティーの兄弟だそう。(弟か兄かは判明せず)

歌声は健在で、よく出ている。特に低めの声が印象よく、一方、時折ミニー・リパートンのような超高い声を出してインパクトもあるのだが、多用するとちょっと小さい子供の悲鳴のようにも聞こえてしまうので、たまに出すのがいいのではないかと思う。

意外だったのが、「私はザディコ・ミュージックが大好き。そして私は46年それを歌っている」といって彼女のヒット「シューラ・シューラ」を歌ったこと。これがザディコを源流に持つとは、今まで気づかなかった。

確かにマイアミという土地柄、ゴスペル、ラテン、ソウル、レゲエだけでなく、南部のザディコなどの要素も入ってくるのはうなづける。

驚いたのは、「クリーン・アップ・ウーマン」の後半でジェームス・ブラウン・メドレーを披露したこと。ブラウンが好きなのだろうが、6曲近くメドレーでやったのには驚いた。

このライヴも比較的ゆるい感じで、セットリストは、ベティーが自由自在に変えていくのだろう。

ベティーの最近の仕事では、なんと言ってもジョス・ストーンのファーストのプロデュースぶりが際立っているが、そうしたオールド・スクールとしての貫禄は十分に出していた。

■ベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HEHT/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■最新作『ザ・ムーヴィー』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B005HI7NP0/soulsearchiho-22/ref=nosim/"

■メンバー

ベティー・ライト / Betty Wright(Vocals)
アッシャー・ウィリアムズ / Asher Williams(Background Vocals)
アイシャ・”ボンブシェル”・ライト / Aisha ”Bombshell" Wright(Background Vocals)
アシャーラ・ジェンキンズ / Ashaala Jenkins(Background Vocals)
エイベル・パボン / Abel Pabon(Keyboards)
チャールズ・ライト / Charles Wright(Guitar)
アンジェロ・モリス / Angelo Morris(Bass)(ミュージカル・ディレクター)
イグナシオ・ヌニェス / Ignacio Nunez(Percussions)
ジェラルド・ワーレン / Gerald Warren(Drums)

■セットリスト
Setlist: Betty Wright @ Billboard Live Tokyo, February 27, 2012

show started 19:09
01.After The Pain
02.In The Middle Of The Game (Don’t Change The Play)
03.(do you remember…) ??
04.Medley: I Wanna Sex You Up?? – After The Pain?? -- Tonight’s The Night –
05.The Greatest Love Of All
06.Surrender (from new CD)
07.Shoorah Shoorah
08.Clean Up Woman – a riff of Sex Machine – Lickin Stick – I Got Feeling – Say It Loud, I’m Black & Proud - Sex Machine – Pass The Peas – Clean Up Woman
09.Keep Love New (from new CD)
10.No Pain, No Gain
Show ended 20:27

(2012年02月27日月曜、ビルボードライブ東京、ベティー・ライト・ライヴ)
ENT>LIVE>Wright, Betty
2012-

□ 第84回アカデミー賞(オスカー)決定~『アーティスト』と『ヒューゴ』で分ける

【84th Oscar 2012】

オスカー。

グラミーに続くアメリカエンタテインメント業界最大のお祭り、第84回アカデミー賞が2012年2月26日(日)ハリウッド・ハイランド・センターで全24部門が発表された。司会はオスカーでの9回目の司会となるビリー・クリスタル。

フランス映画として初のアカデミー賞作品賞のノミネートされたモノクロのほぼサイレント映画『アーティスト(The Artist)』は結局5部門、11部門ともっともノミネートされたマーティン・スコセッシが初めててがける3D映画『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』も5部門受賞。『アーティスト』と分け合った。主演女優賞はオスカー・ノミネート17回で受賞3度目となるメリル・ストリープ。『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』でイギリス首相サッチャーを演じた。

勝者などは、オスカーのオフィシャル・サイトへ。
http://oscar.go.com/

恒例ソウル・サーチンのオスカー予想(2月26日付けブログで発表)は全24部門中、本命で18部門、対抗で3部門の.875だった。

昨年の予想と受賞者など。過去記事。

2011年03月01日(火)
第83回2010年度(2011年)アカデミー賞決定
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10815950729.html

オスカー、過去の予想的中率は次の通り。

第84回 2011年度 予想24部門 本命的中18 対抗的中3 はずれ3 .875
(2012年2月26日発表)
第83回 2010年度 予想24部門 本命的中18 対抗的中4 はずれ2 .917
(2011年2月27日発表)
第82回 2009年度 予想24部門 本命的中14 対抗的中6 はずれ4 .833
(2010年3月7日発表)
第81回 2008年度 予想24部門 本命的中17 対抗的中5 はずれ2 .917
第80回 2007年度 予想24部門 本命的中13 対抗的中4 はずれ7 .708
第79回 2006年度 予想24部門 本命的中13 対抗的中8 はずれ3 .875
第78回 2005年度 予想10部門 本命的中7 対抗2 .900
第77回 2004年度 予想10部門 本命的中7 対抗3 1.000

今年の全24部門ソウル・サーチャーの予想と勝者は次の通り。

84th OSCAR PREDICTIONS:

01. Best Picture

勝者 本命 The Artist アーティスト
対抗 The Descendants ファミリー・ツリー
Extremely Loud and Incredibly Close ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
The Help ヘルプ~心がつなぐストーリー~
Hugo ヒューゴの不思議な発明
Midnight In Paris ミッドナイト・イン・パリ
Moneyball マネーボール 
The Tree of Life ツリー・オブ・ライフ
War Horse 戦火の馬

02. Best Actor

対抗 George Clooney (The Descendants)
Demián Bichir (A Better Life)
勝者 本命Jean Dujardin (The Artist)
Gary Oldman (Tinker, Tailor, Soldier, Spy)
Brad Pitt (Moneyball)

03. Best Actress

Michelle Williams (My Week with Marilyn)
Glenn Close (Albert Nobbs)
本命Viola Davis (The Help)
Rooney Mara (The Girl with the Dragon Tattoo)
勝者 対抗 Meryl Streep (The Iron Lady)

オスカー3度目の受賞となるメリルは納得。メリルを本命にしてもよかった。残念。メリルを本命にしておけば、主要6部門すべてあたることになったのだが。

04. Best Director

対抗 Martin Scorsese (Hugo)
Woody Allen (Midnight In Paris)
勝者 本命 Michel Hazanavicius (The Artist)
Terrence Malick (The Tree of Life)
Alexander Payne (The Descendants)

05. Best Supporting Actor

勝者本命 Christopher Plummer (Beginners)
Kenneth Branagh (My Week with Marilyn)
Jonah Hill (Moneyball)
Nick Nolte (Warrior)
対抗 Max von Sydow (Extremely Loud and Incredibly Close)

06. Best Supporting Actress

Melissa McCarthy (Bridesmaids)
対抗 Bérénice Bejo (The Artist)
Jessica Chastain (The Help)
Janet McTeer (Albert Nobbs)
勝者 本命 Octavia Spencer (The Help)

07. Best Animated Feature

勝者 本命 Rango
A Cat in Paris
Chico & Rita
Kung Fu Panda 2
対抗 Puss in Boots

08. Best Documentary Feature

対抗 Pina
Hell And Back Again
If a Tree Falls: The Story of the Earth Liberation Front
本命 Paradise Lost 3: Purgatory
勝者 Undefeated

この「ドキュメンタリー」は票が分かれる。

09. Best Foreign Language Film

勝者 本命 A Separation (Iran)
Bullhead (Belgium)
Footnote (Israel)
対抗 In Darkness (Poland)
Monsieur Lazhar (Canada)

10. Best Original Screenplay

勝者 本命 Midnight In Paris (Woody Allen)
対抗 The Artist (Michel Hazanavicius)
Bridesmaids (Annie Mumolo, Kristen Wiig)
Margin Call (JC Chandor)
A Separation (Asghar Farhadi)

11. Best Adapted Screenplay

Tinker, Tailor, Soldier, Spy (Bridget O’Connor, Peter Straughan)
勝者 本命 The Descendants (Nat Faxon, Alexander Payne, Jim Rash)
Hugo (John Logan)
The Ides of March (George Clooney, Grant Heslov, Beau Willimon)
対抗 Moneyball (Stan Chervin, Aaron Sorkin, Steven Zaillian)

12. Best Cinematography

本命 The Tree of Life (Emmanuel Lubezki)
対抗 The Artist (Guillaume Schiffman)
The Girl with the Dragon Tattoo (Jeff Cronenweth)
勝者 Hugo (Robert Richardson)
War Horse (Janusz Kaminski)

13. Best Score Music

The Adventures of Tintin (John Williams)
勝者 本命The Artist (Ludovic Bource)
対抗 Hugo (Howard Shore)
Tinker, Tailor, Soldier, Spy (Alberto Iglesias)
War Horse (John Williams)

14. Best Original Song

勝者 本命 Man or Muppet (The Muppets; Bret McKenzie)
対抗 Real in Rio (Rio; Sergio Mendes, Carlinhos Brown, Siedah Garrett)

今回はノミネートが2曲しかない。(笑)

15. Best Sound Editing

Drive (Lon Bender, Victor Ray Ennis)
The Girl with the Dragon Tattoo (Ren Klyce)
勝者 本命 Hugo (Philip Stockton, Eugene Gearty)
Transformers: Dark of the Moon (Ethan Van der Ryn, Erik Aadahl)
対抗 War Horse (Richard Hymns, Gary Rydstrom)

16. Best Sound Mixing

Moneyball (Deb Adair, Ron Bochar, Dave Giammarco, Ed Novick)
The Girl with the Dragon Tattoo (David Parker, Michael Semanick, Ren Klyce, Bo Persson)
勝者 本命 Hugo (Tom Fleischman, John Midgley)
Transformers: Dark of the Moon (Greg P Russell, Gary Summers, Jeffrey J Haboush, Peter J Devlin)
対抗 War Horse (Gary Rydstrom, Andy Nelson, Tom Johnson, Stuart Wilson)

17. Best Visual Effects

Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2 (Tim Burke, David Vickery, Greg Butler, John Richardson)
勝者 対抗 Hugo (Rob Legato, Joss Williams, Ben Grossman, Alex Henning)
Real Steel (Erik Nash, John Rosengrant, Dan Taylor, Swen Gillberg)
本命 Rise of the Planet of the Apes (Joe Letteri, Dan Lemmon, R Christopher White, Daniel Barrett)
Transformers: Dark of the Moon (Scott farrar, Scott Benza, Matthew Butler, John Frazier)

18. Best Film Editing

The Descendants (Kevin Tent)
本命 The Artist (Anne-Sophie Bion and Michel Hazanavicius)
勝者 The Girl with the Dragon Tattoo (Kirk Baxter, Angus Wall)
対抗 Hugo (Thelma Schoonmaker)
Moneyball (Christopher Tellefsen)

19. Best Art Direction

勝者 本命 Hugo (Production Design: Dante Ferretti; Set Decoration: Francesca Lo Schiavo)
対抗The Artist (Production Design: Laurence Bennett; Set Decoration: Robert Gould)
Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2 (Production Design: Stuart Craig; Set Decoration: Stephenie McMillan)
Midnight In Paris (Production Design: Anne Seibel; Set Decoration: Hélène Dubreuil)
War Horse (Production Design: Rick Carter; Set Decoration: Lee Sandales)

20. Best Make-up

勝者 本命 The Iron Lady (Mark Coulier, J. Roy Helland)
Albert Nobbs (Martial Corneville, Lynn Johnston, Matthew W. Mungle)
対抗 Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2 (Nick Dudman, Amanda Knight, Lisa Tomblin)

21. Best Costume Design

Anonymous (Lisy Christl)
勝者 本命 The Artist (Mark Bridges)
Hugo (Sandy Powell)
対抗 Jane Eyre (Michael O’Connor)
WE (Arianne Phillips)

22. Best Live-Action Short
Pentecost
対抗 Raju
勝者 本命 The Shore
Time Freak
Tuba Atlantic

ここは難しい。みな票が割れそう。

23. Best Animated Short

Dimanche/Sunday
勝者 本命 The Fantastic Flying Books of Mr Morris Lessmore
対抗 La Luna
A Morning Stroll
Wild Life

24. Best Documentary Short

The Barber of Birmingham: Foot Soldier of the Civil Rights Movement
God is the Bigger Elvis
Incident in New Baghdad
勝者 対抗 Saving Face
本命 The Tsunami and the Cherry Blossom

OSCAR>2012>Predictions


◎マイケル・ジャクソン『ディス・イズ・イット』ツアー、終了~MJスピリット・ライヴ

【Michael Jackson’s This Is It Tour Ends】

終了。

2009年7月からロンドンのO2(オーツー)アリーナで50本のライヴを終えたマイケル・ジャクソンは、その後2010年5月日本を皮切りに世界ツアーに出た。そのときここAXで行われたライヴだ。そしてそのツアーが約1年半をかけて世界を周り、最終公演を東京で行う。それがこの日のステージだ。~~という設定で行われたMJスピリットの『ディス・イズ・イット』ツアーの完全再現ショー。

前回も書いたが、ここまで徹底してやってくれると、本当にマイケルが降臨しているかのような錯覚に陥る。大道具、小道具、ちょっとした新しいネタなども含めての2時間超。楽しめる。マイケルが生きていたら、きっとこうやったであろうショーの再現である。

今回は「ビリー・ジーン」の電飾がさらにグレードアップ。色もいろいろ、しかもヴァリエーションもあってすごい。もうひとつ「ダーティー・ダイアナ」のところのポール・ダンサーもインパクトあった。これは前回なかったもの。

改めてこうやって見ていくと、マイケルの曲ってどれも素晴らしいなあ、と思う。楽曲がとにかくいい。そして、そこにかっこいいダンス・パフォーマンスが加わるのだから、まさに鬼に金棒だ。最後の「マン・イン・ザ・ミラー」など何度こうやってライヴで聞いても、素晴らしい。

■過去前回ライヴ評。過去記事も

2010年05月23日(日)
マイケル・ジャクソンのスピリットとソウルが舞い降りたMJスピリット (パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10542306627.html

2010年06月04日(金)
MJスピリット(パート2): マイケル・ジャクソンのスピリットとソウルが舞い降りたMJスピリット
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10552859570.html#main


■セットリスト:MJスピリット @ 渋谷AX 2012年2月25日土曜
Setlist: MJ Spirit

前説:トヨ&吉岡正晴

show started 18:45
00.Video
01.Wanna Be Startin’ Something
02.Don’t Stop Till You Get Enough
03.Rock With You
04.Jam
05.They Don’t Care About Us
06.Stranger In Moscow
07.Smooth Criminal
08.The Way You Make Me Feel
09.You Are Not Alone
10.Jackson Five Medley: I Want You Back
~The Love You Save
~I’ll Be There
11.Shake Your Body (Down To The Ground)
12.I Just Can’t Stop Loving You
13.Dangerous
14.Dirty Diana
15.Beat It
16.Thriller
17.Earth Song
18.We Are The World
19.Heal The World
20.Black Or White
--. Video Remember The Time/Don’t Stop
21.Billie Jean
Enc. Will You Be There
Enc. Man In The Mirror
MJ Air/Exit
Show ended 21:03

(2012年2月25日土曜、渋谷AX=MJスピリット・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>MJ-Spirit

□ 第84回アカデミー賞(オスカー)予想

【84th Oscar Predictions 2012】

オスカー。

グラミーに続くアメリカエンタテインメント業界最大のお祭り、アカデミー賞が2012年2月26日(日)ハリウッド・ハイランド・センターで発表される。今年は第84回、24部門。日本時間27日(月)午前10時から有料衛星放送局ワウワウWOWOWで生中継される。司会はオスカーでの9回目の司会となるビリー・クリスタル。

今年はモノクロのほぼサイレント映画『アーティスト(The Artist)』の人気が圧倒的。フランス映画として初のアカデミー賞作品賞のノミネート。もっともノミネートされているのはマーティン・スコセッシが初めててがける3D映画『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』で11部門。『アーティスト』が10部門。『マネーボールMoneyball』『戦火の馬War Horse』が6部門。

『アーティスト』は最低6部門うまくいけば8部門まで伸ばし、このオスカーの夜、最大の話題になるだろうとソウル・サーチャーは予想する。

ノミネートリストなどは、オスカーのオフィシャル・サイトへ。
http://oscar.go.com/

恒例ソウル・サーチンのオスカー予想。発表は26日日曜西海岸時間午後5時半(日本時間27日午前10時半)から。

昨年の予想と受賞者など。過去記事も

2011年03月01日(火)
第83回2010年度(2011年)アカデミー賞決定
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10815950729.html

オスカー、過去の予想的中率は次の通り。

第84回 2011年度 予想24部門
(2012年2月26日発表)
第83回 2010年度 予想24部門 本命的中18 対抗的中4 .917
(2011年2月27日発表)
第82回 2009年度 予想24部門 本命的中14 対抗6 .833
(2010年3月7日発表)
第81回 2008年度 予想24部門 本命的中17 対抗5 .917
第80回 2007年度 予想24部門 本命的中13 対抗4 .708
第79回 2006年度 予想24部門 本命的中13 対抗8 .875
第78回 2005年度 予想10部門 本命的中7 対抗2 .900
第77回 2004年度 予想10部門 本命的中7 対抗3 1.000

今年の全24部門のソウル・サーチャーの予想は次の通り。

84th OSCAR PREDICTIONS:

01. Best Picture

本命 The Artist アーティスト
対抗 The Descendants ファミリー・ツリー
Extremely Loud and Incredibly Close ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
The Help ヘルプ~心がつなぐストーリー~
Hugo ヒューゴの不思議な発明
Midnight In Paris ミッドナイト・イン・パリ
Moneyball マネーボール 
The Tree of Life ツリー・オブ・ライフ
War Horse 戦火の馬

02. Best Actor

対抗 George Clooney (The Descendants)
Demián Bichir (A Better Life)
本命Jean Dujardin (The Artist)
Gary Oldman (Tinker, Tailor, Soldier, Spy)
Brad Pitt (Moneyball)

03. Best Actress

Michelle Williams (My Week with Marilyn)
Glenn Close (Albert Nobbs)
本命Viola Davis (The Help)
Rooney Mara (The Girl with the Dragon Tattoo)
対抗 Meryl Streep (The Iron Lady)

04. Best Director

対抗 Martin Scorsese (Hugo)
Woody Allen (Midnight In Paris)
本命 Michel Hazanavicius (The Artist)
Terrence Malick (The Tree of Life)
Alexander Payne (The Descendants)

05. Best Supporting Actor

本命 Christopher Plummer (Beginners)
Kenneth Branagh (My Week with Marilyn)
Jonah Hill (Moneyball)
Nick Nolte (Warrior)
対抗 Max von Sydow (Extremely Loud and Incredibly Close)

06. Best Supporting Actress

Melissa McCarthy (Bridesmaids)
対抗 Bérénice Bejo (The Artist)
Jessica Chastain (The Help)
Janet McTeer (Albert Nobbs)
本命 Octavia Spencer (The Help)

07. Best Animated Feature

本命 Rango
A Cat in Paris
Chico & Rita
Kung Fu Panda 2
対抗 Puss in Boots

08. Best Documentary

対抗 Pina
Hell And Back Again
If a Tree Falls: The Story of the Earth Liberation Front
本命 Paradise Lost 3: Purgatory
Undefeated

この「ドキュメンタリー」は票が分かれる。

09. Best Foreign Film

本命 A Separation
Bullhead
Footnote
対抗 In Darkness
Monsieur Lazhar

10. Best Original Screenplay

本命 Midnight In Paris (Woody Allen)
対抗 The Artist (Michel Hazanavicius)
Bridesmaids (Annie Mumolo, Kristen Wiig)
Margin Call (JC Chandor)
A Separation (Asghar Farhadi)

11. Best Adapted Screenplay

Tinker, Tailor, Soldier, Spy (Bridget O’Connor, Peter Straughan)
本命 The Descendants (Nat Faxon, Alexander Payne, Jim Rash)
Hugo (John Logan)
The Ides of March (George Clooney, Grant Heslov, Beau Willimon)
対抗 Moneyball (Stan Chervin, Aaron Sorkin, Steven Zaillian)

12. Best Cinematography

本命 The Tree of Life (Emmanuel Lubezki)
対抗 The Artist (Guillaume Schiffman)
The Girl with the Dragon Tattoo (Jeff Cronenweth)
Hugo (Robert Richardson)
War Horse (Janusz Kaminski)

13. Best Score Music

The Adventures of Tintin (John Williams)
本命The Artist (Ludovic Bource)
対抗 Hugo (Howard Shore)
Tinker, Tailor, Soldier, Spy (Alberto Iglesias)
War Horse (John Williams)

14. Best Original Song

本命 Man or Muppet (The Muppets; Bret McKenzie)
対抗 Real in Rio (Rio; Sergio Mendes, Carlinhos Brown, Siedah Garrett)

今回はノミネートが2曲しかない。(笑)

15. Best Sound Editing

Drive (Lon Bender, Victor Ray Ennis)
The Girl with the Dragon Tattoo (Ren Klyce)
本命 Hugo (Philip Stockton, Eugene Gearty)
Transformers: Dark of the Moon (Ethan Van der Ryn, Erik Aadahl)
対抗 War Horse (Richard Hymns, Gary Rydstrom)

16. Best Sound Mixing

Moneyball (Deb Adair, Ron Bochar, Dave Giammarco, Ed Novick)
The Girl with the Dragon Tattoo (David Parker, Michael Semanick, Ren Klyce, Bo Persson)
本命 Hugo (Tom Fleischman, John Midgley)
Transformers: Dark of the Moon (Greg P Russell, Gary Summers, Jeffrey J Haboush, Peter J Devlin)
対抗 War Horse (Gary Rydstrom, Andy Nelson, Tom Johnson, Stuart Wilson)

17. Best Visual Effects

Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2 (Tim Burke, David Vickery, Greg Butler, John Richardson)
対抗 Hugo (Rob Legato, Joss Williams, Ben Grossman, Alex Henning)
Real Steel (Erik Nash, John Rosengrant, Dan Taylor, Swen Gillberg)
本命 Rise of the Planet of the Apes (Joe Letteri, Dan Lemmon, R Christopher White, Daniel Barrett)
Transformers: Dark of the Moon (Scott farrar, Scott Benza, Matthew Butler, John Frazier)

18. Best Film Editing

The Descendants (Kevin Tent)
本命 The Artist (Anne-Sophie Bion and Michel Hazanavicius)
The Girl with the Dragon Tattoo (Kirk Baxter, Angus Wall)
対抗 Hugo (Thelma Schoonmaker)
Moneyball (Christopher Tellefsen)

19. Best Art Direction

本命 Hugo (Production Design: Dante Ferretti; Set Decoration: Francesca Lo Schiavo)
対抗The Artist (Production Design: Laurence Bennett; Set Decoration: Robert Gould)
Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2 (Production Design: Stuart Craig; Set Decoration: Stephenie McMillan)
Midnight In Paris (Production Design: Anne Seibel; Set Decoration: Hélène Dubreuil)
War Horse (Production Design: Rick Carter; Set Decoration: Lee Sandales)

20. Best Make-up

本命 The Iron Lady (Mark Coulier, J. Roy Helland)
Albert Nobbs (Martial Corneville, Lynn Johnston, Matthew W. Mungle)
対抗 Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2 (Nick Dudman, Amanda Knight, Lisa Tomblin)

21. Best Costume Design

Anonymous (Lisy Christl)
本命 The Artist (Mark Bridges)
Hugo (Sandy Powell)
対抗 Jane Eyre (Michael O’Connor)
WE (Arianne Phillips)

22. Best Live-Action Short
Pentecost
対抗 Raju
本命 The Shore
Time Freak
Tuba Atlantic

ここは難しい。みな票が割れそう。

23. Best Animated Short

Dimanche/Sunday
本命 The Fantastic Flying Books of Mr Morris Lessmore
対抗 La Luna
A Morning Stroll
Wild Life

24. Best Documentary Short

The Barber of Birmingham: Foot Soldier of the Civil Rights Movement
God is the Bigger Elvis
Incident in New Baghdad
対抗 Saving Face
本命 The Tsunami and the Cherry Blossom

OSCAR>2012>Predictions

【So Exciting My Hero, One & Only Bobby Womack】

壮絶。

なんといったらいいのだろう。満身創痍だが、ショーは必ずやり遂げる、その信念とソウルが、このすさまじいばかりの壮絶パフォーマンスを成立させている。

セカンドはジャケット、パンツ、帽子から靴まで、赤で統一し、びしっと決めて登場。1曲目でボビーが書いてジョージ・ベンソンでヒットした「ブリージン」をバンドが演奏しスタート。そしてイントロ的に「ユー・キャント・タッチ・ディス」が流れ、これに乗せておもむろにボビーが登場した。声の出方が初日よりかなりいい。1日違うだけでここまで違うかというほどよく声がでている。基本は座っているが、立つ回数も多いような気がした。まさしく「気」でステージを行っている感さえする。

「ハリー・ヒッピー」など、そのひたむきなボビーの姿を見ていると、こちらが泣けてくる。ここでは、前日同様リサ・フレイジャーとのデュエット。やはりこのリサは見事だ。

Harry Hippie
http://youtu.be/Cx2jDWpD6fM



ボビーは曲のイントロや途中でしばしば「語り(モノローグ)」をいれるが、これがどこまでネタでどこまで本当なのかがわからない。しかし、ラップの原形とも言えるこのナレーションは、同じサム・クック門下生ルー・ロウルズ譲りというか、実に渋い。ただの語りが音楽になってしまうのだから、本当にすごい。

彼のパフォーマンスを見ていて、初来日1987年9月のことを思い浮かべていた。あのときも初めて見るだけあって感激した。あれから25年。以後今回までに2回来日。4回目の来日だ。毎回見てきたが、しかし、3回目から17年の間隔はあまりに長い。本人は「17年? そんなに経ったか?」といった風で、それほど気にもしていないようだ。だが、確実にボビーも、そして見るこちら側も25年、歳をとっているのだ。

「ストップ・オン・バイ」でマーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイング・オン」風の節をいれてトリビュートしつつ、次の曲へ。「アイ・ウォズ~~~、ボーン・バイ・ザ・リヴァー~~~」、ボビーが歌うこれだけでソウル・ファンは号泣する。

「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」では、今回は「弟(セシル)の娘、サム・クックの孫、ケイシー」と紹介した。彼女の愛称は「ケイシー」だそうだ。あとから聞いたのだが、なんと彼女はまだ19歳。若い。そこで一緒に一節歌うボビーの娘ジーナリーとは従姉妹同士になるわけだ。

http://youtu.be/jNe2rRBJ5j4



この日は12曲目「アイム・トライング…」と14曲目「イフ・ユー・ドント…」が前日歌われなかった作品。曲順もその場でボビーの気分でどんどん代わるようだ。実際、初日と後半の曲が入れ替わっている。

レデシーらオークランド・ミュージック・サークルの一員、サンドラ・マニング(キーボード奏者)によれば、「曲が変わったら、必死についていくわ」と言っている。サンドラはレデシー、レイラ・ハサウェイ、ラリー・グラハムらとレコーディングやライヴ・ツアーなどもしている、才女だ。

I Wish He Didn’t Trust So Much
http://youtu.be/ovmS20sc2_U



司祭。

バラードでも張り上げるシャウト・ヴォイス。「アアアアーッ」と長く声を伸ばすソウル・ヴォイス、これには本当にそれだけで打ちのめされる。声だけでやられてしまう感じだ。そして、どう見ても足はふらつき、腕には点滴か注射の跡を隠すように巻いた黒い包帯、体調は万全ではないのに、ステージをやり遂げるぞというこの気迫、執念、これには心底感動した。「アアアッ~~」とシャウトしたまま、ステージで倒れ込んでしまうのではないかとさえ思ってしまうほどの熱演だ。だが満身創痍の男も、ステージでは元気になってしまう。それもまた、音楽の力だ。

腕と体でありったけのボディー・ランゲージ、ジェスチャーを見せ、杖を振り回し、バンド・メンバーにキューを出し、すべてのショーを仕切るボビー・ウーマック司祭。ソウル・ショーは熱く暑く厚くなければならない、というのをまざまざと見せ付けてくれる。ステージに上がるとアドレナリンが出て、ふだんよりもものすごい元気さが出る男に違いない。それにしても、ボビーの歌唱はなんでこんなに熱いんだろう。きっとボビー自身が熱い人生を生きているからなのだろう。

14曲目が終わった後、次の曲に行くときにサックス奏者に「そろそろ時間だ」みたいなことを耳打ちされたのだろう。それを受けてボビーは「俺はやりたいときまでやる」とマイクで広言した。

セシルとリンダ・ウーマック夫妻の娘でケイシーと呼ばれるゼカリアスは、19歳で7人兄弟の6番目。サム・クックの孫だが、その娘3人で「エジプシャン・クイーン」というユニットを組み、ボビーも曲を提供したりして、いずれデビューするという。ボビー自身もアルバムを作っており、4月くらいには全米リリースする予定だという。

改めて、ボビー・ウーマックってこの時代に生き残った、本当に「ラスト・ソウル・マン」「ソウル・サヴァイヴァー」ということをひしひしと感じる。マイ・ヒーロー、ラスト・ソウル・マン、God Bless Youとしかいいようがない。

ボビーの「やれる限りギリギリまでやる。力ある限り歌い続ける」というその姿を見て、僕も「生ぬるくやってちゃだめだ、徹底してやれ」と教えられたような気がした。

ホイットニーの葬儀を見て、こう書いた。「ナンバーワンになるのは簡単だ。難しいのはナンバーワンを続けること。さらに、もっと難しいことは、生き続けること」 ボビーは、生き続けているのだ。

多くの身内の死、ビジネス上の裏切り、苦難と栄光、アップス&ダウンの生き様がそのまま歌に、声に、ステージすべてに反映する。

マイク・スタンドにぽつりとかけられていた赤い帽子。うつむき加減にちょっと苦しそうに椅子に座りながらもシャウトするリアル・ソウル・シンガーの姿を僕は瞼にたっぷりと焼き付けた。

++++

再放送。

なお、この日はファーストが有料衛星テレビ、フジテレビ・ネクスト・チャンネルで生中継放送があった。(ファーストは見ていないのでセットリストなどはまだわからない) これは録画放送もある。録画再放送は、2012年3月8日(木)26時00分~27時30分=9日午前2時~3時30分、3月9日(金)15時40分~17時10分。フジテレビ・ネクストの視聴方法などはこちら→
http://www.fujitv.co.jp/otn/howto/index.html

(ボビー・ウーマックについては、もう少し続く予定)


左から、ジーナリー・ウーマック、ソウルサーチャー、ボビー・ウーマック、KCウーマックFrom left: GinaRe Womack, Masaharu Yoshioka/The Soul Searcher, Bobby Womack, KC Womack/Zekkujchagula Zekkariyas

■ボビー・ウーマック関連記事

2012年02月23日(木)
ボビー・ウーマック、来日~17年ぶり4度目~サム・クック直系ソウル・シンガー
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11172303109.html

2012年02月24日(金)
ボビー・ウーマック、17年ぶりに日本のステージに: 伝説の来日に感謝
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11173310941.html#main
初日ライヴ評

前回来日時インタヴュー記事
ボビー・ウーマック、インタヴュー『僕たちの地震』(1995年5月記)
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/interview/womack19950501.html

2008年10月08日(水)
ボビー・ウーマック、ベストはリミックス入り
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081008.html

■ワックスポエティックス 第20号 ~ サム・クックの記事を書きました

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861134358/soulsearchiho-22/ref=nosim/"

■ソウル・サーチン、第5章「ウーマック・ウーマック」でサム・クック~ボビー・ウーマックらについて書いてあります

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/427623302X/soulsearchiho-22/ref=nosim/"

■ラスト・ソウル・マン ベスト・オブ・ボビー・ウーマック

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012PYHGK/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■Poet I & II アナログ2枚が1枚のCDに

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001P58F0Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ボビーの師匠、サム・クックのベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000CFWP0Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー

ボビー・ウーマック/ BOBBY WOMACK(Vocals)
リサ・フレイジャー / LISA FRAZIER (Vocals)
リサ・コールター / LISA COULTER (Vocals)
ゼックチャグーラ・ゼッカリヤーズ / ZEKKUJCHAGULA (KC) ZEKKARIYAS (Background Vocals)
コーリ・ジェイコブス / CORI JACOBS (Keyboards)
サンドラ・マニング / SUNDRA MANNING (Keyboards)
チャールズ・グリーン / CHARLES GREEN (Saxophone)
ブライアン・マンツ / BRIAN MANTZ (Trumpet)
エルムエリト・ナヴァロ / Ermuelito Navarro (Trombone)
ウッドワード・アプラナルプ / WOODWARD APLANALP (Guitar)
エルバート・アレン・ジュニア / ELBERT ALLEN JR (Bass)
アーノルド・ラムゼイ / ARNOLD RAMSEY (Drums)
---
ジーナリー・ウーマック / Ginare Womack (Vocal)

■ ボビー・ウーマック・セットリスト
Bobby Womack Setlist: February 23, 2012, Billboard Live
2012年2月23日木曜、セカンド、ビルボードライブ
(*) denotes the song hasn’t been performed day one

show started 21:43
01.Breezin’ (Instrumental)
02.Intro (You Can’t Touch This)
03.Across 110th Street
04.Nobody Wants You When You’re Down & Out
05.Harry Hippie
06.Daylight
07.I Wish He Didn’t Trust Me So Much
08.That’s The Way I Feel About Cha
09.Woman’s Gotta Have It
10.(You’re Welcome) Stop On By ~ Marvin Gaye riff
11.A Change Is Gonna Come
12.I’m Through Trying To Prove My Love To You *
13.If You Think You’re Lonely Now
14.If You Don’t Want My Love *
15.Looking For A Love ~ a riff of “Holding Back The Years
16.(No Matter How High I Get) I’ll Still Be Lookin’ Up To You
17.Love Has Finally Come At Last
18.Jesus Be A Fence Around Me
Show ended 23:13

(2012年2月23日木曜、六本木・ビルボードライブ、ボビー・ウーマック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Womack, Bobby
◎ボビー・ウーマック、17年ぶりに日本のステージに: 伝説の来日に感謝

【Bobby Womack: Last Soul Man’s Theory : Show Must Go On】

ラスト。

「ラスト・ソウル・マン」ことボビー・ウーマックが17年ぶりに日本のステージに立った。ボディーガードに付き添われ、杖をつきながらステージ中央に。バックバンドは、ドラムス、ギター、ベース、キーボード2人、コーラス3人、ホーンセクション3人という大所帯11人。これにボビーでオン・ステージは総勢12人。さすがにオールド・スクールのソウル・ショーは大所帯だ。

また、客席は日本のソウル関係者全員が集まってきたのではないかというほどの大集合で、超満員。2日4公演がソールドアウトという伝説らしき集客を見せた。

一言で言えば、「伝説を見られたことに感謝」。あのスライ・ストーンを初めてみたときと同じような感覚を持った。

イントロからいきなり「アクロース110th(ハンドレッド・テンス)ストリート」へ。しかし、すぐにスツールに座って、ほとんど座ったままの歌唱だった。見た目にもかなり疲れているのか、体調が悪い様子。またかなり老けてやせた印象を持った。前半はなかなか声も思うように出ていない感じだ。以前のライヴでは大迫力で、声だけで観客をぶっとばすほどの力があったが、残念ながら、声を出すのも苦しそう。とはいえ、徐々にときおり往年の光輝くあの「ボビー節」が出てくるから、ファンとしてはそれだけで嬉しいところ。

次々とヒット曲がメドレーで歌われ、曲によってはイントロが流れるだけで、「ウォーーッ」と歓声があがる。セットリストはまさにベスト・オブ・ボビー・ウーマックという感じ。

驚いたのは「ノーバディー・・・」のところで、ボビーがぽつりと「本当はここにいるべきじゃないんだ。俺は二度も手術して、癌で心臓も悪くてな…」なんてことを言ったこと。半分ボビー特有のジョークと取る人もいたが、ちょっと気になるコメントだ。

4曲目の「ハリー・ヒッピー」で3人の女性シンガーの一番センター寄り、客席から見て左のシンガーと一緒に歌ったが、見事な歌声を聞かせた。素晴らしい迫力。紹介されなかったのだが、リサ・フレイジャーのようだ。彼女はワシントンDC出身のシンガーで、かつてレイス(Lace)というグループのメンバーだった人物。2000年に自身のアルバム『ハート・オブ・ゴールド』をイタリアのレーベルから出している。これまでにボズ・スキャッグスなどのバックコーラスでも来日している。(ちなみに右端もリサ) そして、このあたりから、ボビーの歌の調子があがってきた。

「ストップ・オン・バイ」のところでは、マーヴィン・ゲイの思い出話などをしたのだが、英語がもごもごして、かなり聴き取りににくくよくわからなかった。ただ彼の語りは、いかにも曲に乗ってしゃべるような感じになるので、詩人ボビー・ウーマックの趣も感じさせた。

圧巻だったのは、ボビーにとっての大先輩であり師匠であるサム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」を歌ったところ。真ん中のコーラスを呼び出し、「俺の弟の娘だ」と紹介した。彼女の歌声もさすがに力強く、ボビーもそれに影響されて、歌に力が加わった。

彼女は、メンバー表にある「ゼカチャグーラ・ゼカリアス」だ。つまり、ボビーの弟セシルと、サム・クックの娘リンダ夫妻の間に生まれた子供の一人、そう、サム・クックの孫なのだ。サムの孫と師匠であるサムの曲を、ボビーが熱唱する。この1曲だけでも、聴く価値があるというもの。(ちなみにその前に「サプライズ」と言って、ボビーの娘を紹介し、一節歌わせたが、すぐに止めさせた。まあ、これはご愛嬌というところ)

「アイ・キャン・アンダースタンド・イット」では、自身が曲を書いたウィルソン・ピケットや親友のスライへのトリビュートを示した。

ボビーは、この日朝方日本に到着、バンドのドラマーは夕方到着でファースト・セットぎりぎりに間に合ったそうだ。

それにしても、90分超のライヴを2セットもやってくれて、本当に感謝感謝である。

ボビーのライヴを見ていて、「自分は何があってもステージは勤める、Show Must Go Onだからな」というセオリーを強く感じた。たぶん、ジェームス・ブラウンもそうなのだろう、オーティス・レディングも。オーティスはそれで事故にあった。彼らは仕事があったら、何が何でも穴をあけずにやり遂げる。それはオールドスクールのソウル・マンたちの生きる哲学なのだと思う。そこまで無理しなくてもと思うのだが、そうした感情は2010年のホイットニー・ヒューストンのライヴを見たときにも巻き起こった。

もちろん、初来日のときは声も出て動きもあり本当に素晴らしかった。今回はそのパフォーマンスと比較するすべもないが、ボビー・ウーマックには一言、そんな体調をおしてまで来日してくれてありがとう、と言いたい。そしてサムの孫であるゼカチャグーラとのデュエットで歌った「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」を僕は一生忘れない。

ボビー・ウーマック、1944年3月4日生まれ、まだ67歳。来月68歳だ。体調を戻して、また日本に戻ってきて欲しいと切に願う。

■ボビー・ウーマック関連記事

前回来日時インタヴュー記事
ボビー・ウーマック、インタヴュー『僕たちの地震』(1995年5月記)
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/interview/womack19950501.html

2008年10月08日(水)
ボビー・ウーマック、ベストはリミックス入り
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081008.html

■ソウル・サーチン、第5章「ウーマック・ウーマック」でサム・クック~ボビー・ウーマックらについて書いてあります

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/427623302X/soulsearchiho-22/ref=nosim/"

■ラスト・ソウル・マン ベスト・オブ・ボビー・ウーマック

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012PYHGK/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■Poet I & II アナログ2枚が1枚のCDに

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001P58F0Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ボビーの師匠、サム・クックのベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000CFWP0Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー

ボビー・ウーマック/ BOBBY WOMACK(Vocals)
リサ・フレイジャー / LISA FRAZIER (Vocals)
リサ・コールター / LISA COULTER(Vocals)
ゼックチャグーラ・ゼッカリヤーズ / ZEKKUJCHAGULA ZEKKARIYAS (Background Vocals)
コーリ・ジェイコブス / CORI JACOBS(Keyboards)
サンドラ・マニング / SUNDRA MANNING(Keyboards)
チャールズ・グリーン / CHARLES GREEN(Saxophone)
ブライアン・マンツ / BRIAN MANTZ(Trumpet)
エルムエリト・ナヴァロ / Ermuelito Navarro(Trombone)
ウッドワード・アプラナルプ / WOODWARD APLANALP(Guitar)
エルバート・アレン・ジュニア / ELBERT ALLEN JR(Bass)
アーノルド・ラムゼイ / ARNOLD RAMSEY(Drums)

■ ボビー・ウーマック・セットリスト
Bobby Womack Setlist: February 22, 2012, Billboard Live
2012年2月22日水曜、セカンド、ビルボードライブ

show started 21:42
01.Intro
02.Across 110th Street
03.Nobody Wants You When You’re Down & Out
04.Harry Hippie
05.Daylight
06.I Wish He Didn’t Trust Me So Much
07.That’s The Way I Feel About Cha
08.Woman’s Gotta Have It
09.(You’re Welcome) Stop On By
10.A Change Is Gonna Come
11.Looking For A Love – Everybody Say Yeah
12.If You Think You’re Lonely Now
13.Jesus Be A Fence
14.Love Has Finally Come At Last
15.I Can Understand It – a riff of Land Of 1000 Dances – a riff of I Wanna Take You Higher
16.(No Matter How High I Get) I’ll Still Be Lookin’ Up To You
Show ended 23:08

(2012年2月22日水曜、六本木・ビルボードライブ、ボビー・ウーマック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Womack, Bobby


○ボビー・ウーマック、来日~17年ぶり4度目~サム・クック直系ソウル・シンガー

【Bobby Womack’s Live In Japan, First In 17 Years】

17年ぶり。

「ラスト・ソウル・マン」として知られるヴェテランR&Bシンガー、ボビー・ウーマックが約17年ぶりに来日した。(ライヴ評は明日以降のブログでご紹介します) 2月22日(水)、23日(木)、東京・六本木のビルボードライブでライヴを行う。両日、ファースト・セカンドともに満員御礼となっている。

ボビー・ウーマックの初来日は1987年9月、五反田ユーポートなど、以後1991年6月、1995年3月と来ており、今回の来日はおよそ17年ぶり4度目となる。初来日からちょうど25周年でもある。

ボビーは1944年(昭和19年=申年さるどし)3月4日オハイオ州生まれ。現在67歳。伝説のソウル・シンガー、サム・クックに師事し、ゴスペルからソウルの世界に足を踏み入れた。

ウーマック兄弟は次の通り。

フレンドリー・セカンド(長男・1941年生まれ)
カーティス・ウーマック(次男・1943年生まれ)
ボビー・ウーマック(3男・1944年生まれ)
ハリー・ウーマック(4男・1946年生まれ、1974年3月7日死去)
セシル・ウーマック(5男・1947年9月25日生まれ)

セシルは、サム・クックの娘リンダ・クックと結婚し、子供をもうけている。今回のバックコーラスでリンダの子供たちが来日しているようだ。セシルとリンダは、二人で「ウーマック&ウーマック」のアーティスト名でレコードを出し、ヒットも出している。

キーボード奏者フィリップ・ウーは、彼ら、ウーマック&ウーマックの最初の何枚かのアルバムでキーボードをプレイしており、当時のレコーディングのことをよく覚えている。1983年~1985年頃のことだ。その頃、セシルとリンダはまだ2-3歳だったベイビーをスタジオに連れてきていて、その子供たちがやんちゃだったことを覚えている、という。フィリップの記憶ではその時点で3人子供がいたという。その子供たちも、いまや、20代後半から30代になっているわけだ。現在は4人の娘、3人の男の子供がいて一家総勢で9人で歌っているらしい。

セシルとリンダは、アフリカに旅をしたときに、ルーツに目覚め、ウーマック姓を「ゼカリヤス」姓に変えた。

+++

直系。

ボビー・ウーマックは、熱いソウル・ヴォーカルを聴かせるサム・クック直系のソウル・シンガーで、自らを「ラスト・ソウル・マン(最後のソウル・マン)」と呼ぶ。ちなみに初来日のときのドラマーは当時まだ無名だった日本人ドラマー、沼澤尚(ぬまざわ・たかし)だった。ボビーのバック・バンドのドラマーが日本人らしいということで話題になり、その後彼は日本に戻り売れっ子ドラマーとなった。

ボビーはソングライターとしてもジョージ・ベンソンで有名になった「ブリージン」、ウィルソン・ピケットの「アイム・イン・ラヴ」、その他自身のヒットの多くを書いている。特にアルバム『ポエット』および『ポエット2』はウーマックの傑作としていまだに根強い人気を誇る。

ボビー・ウーマックは、サム・クック→オーティス・レディングの流れを汲むソウル・シンガーだ。

■ボビー・ウーマック関連記事

前回来日時インタヴュー記事
ボビー・ウーマック、インタヴュー『僕たちの地震』(1995年5月記)
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/interview/womack19950501.html

2008年10月08日(水)
ボビー・ウーマック、ベストはリミックス入り
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081008.html

■ソウル・サーチン、第5章「ウーマック・ウーマック」でサム・クック~ボビー・ウーマックらについて書いてあります

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/427623302X/soulsearchiho-22/ref=nosim/"

■ラスト・ソウル・マン ベスト・オブ・ボビー・ウーマック

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012PYHGK/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■Poet I & II アナログ2枚が1枚のCDに

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001P58F0Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ボビーの師匠、サム・クックのベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000CFWP0Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■トータス松本、サム・クックの『トゥイスティン…』アルバムを全曲カヴァー

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B006FKO6M2/soulsearchiho-22/ref=nosim/

+++

■ ボビー・ウーマック・セットリスト

2012年2月22日水曜、セカンド、ビルボードライブ

show started 21:42
01.Intro
02.Across 110th Street
03.Nobody Wants You When You’re Down & Out
04.Harry Hippie
05.Daylight
06.I Wish He Didn’t Trust Me So Much
07.That’s The Way I Feel About Cha
08.Woman’s Gotta Have It
09.(You’re Welcome) Stop On By
10.A Change Is Gonna Come
11.Looking For A Love – Everybody Say Yeah
12.If You Think You’re Lonely Now
13.Jesus Be A Fence
14.Love Has Finally Come At Last
15.I Can Understand It – a riff of Land Of 1000 Dances – a riff of I Wanna Take You Higher
16.(No Matter How High I Get) I’ll Still Be Lookin’ Up To You
Show ended 23:08

■ メンバー

ボビー・ウーマック/ BOBBY WOMACK(Vocals)
リサ・フレージャー / LISA FRAZIER (Vocals)
リサ・コールター/LISA COULTER(Vocals)
ゼックチャグーラ・ゼッカリヤーズ/ZEKKUJCHAGULA ZEKKARIYAS(Background Vocals)
コーリ・ジェイコブス/CORI JACOBS(Keyboards)
サンドラ・マニング/SUNDRA MANNING(Keyboards)
チャールズ・グリーン/CHARLES GREEN(Saxophone)
ブライアン・マンツ/BRIAN MANTZ(Trumpet)
エルムエリト・ナヴァロ/Ermuelito Navarro(Trombone)
ウッドワード・アプラナルプ/WOODWARD APLANALP(Guitar)
エルバート・アレン・ジュニア/ELBERT ALLEN JR(Bass)
アーノルド・ラムゼイ/ARNOLD RAMSEY(Drums)

(2012年2月22日水曜、六本木・ビルボードライブ、ボビー・ウーマック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Womack, Bobby

ANNOUNCEMENT>Womack, Bobby
◎ブレンダ・ヴォーン・ライヴ

【Brenda Vaughn Live At Blues Alley】

実力派。

「東京レディー・ソウル・ナンバー・ワン」ブレンダ・ヴォーンが久しぶりにブルース・アレイでライヴを行った。昨年12月に行われる予定のものが、ブレンダがシンガポールでの仕事が入ったために、中止となり、2月に改めて行われることになったもの。

ブレンダは、311以降、自身の人生をじっくりと考えるようになった。これまで日本をベースにしていたが、もう少し世界を見てみたい、最終的にはアメリカに戻ろう、ということで昨年12月、日本でのアパートを引き払った。こんごは、適宜来日して、コンサートを行ったりすることになる。

ブレンダのような歌のうまい実力派がもっともっと脚光を浴びればいいと思うが、なかなかそうはいかない。

今回は、アデルの曲なんかも含め、なかなかおもしろい選曲に。アシュフォード&シンプソンも故ニック・アシュフォードへのトリビュート。これなど、なかなかライヴで聴けないので貴重だ。

1部2部ともに1曲ケイリブが観客が暖め、おもむろにブレンダが登場。2部のオープニングは、トム・ウェイツ書きファイヴ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマが歌っている「ウェイ・ダウン・ザ・ホール」。前回のケイリブのライヴでも歌っていたが、渋い選曲で、聴かせる。

この日のハイライトはやはり「ホイットニー・トリビュート」。セカンドで、「ジーザス・ラヴズ・ミー」、「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」、「アイム・エヴリ・ウーマン」と歌った。

シャカ・カーンやホイットニーは、ブレンダがいつでも何でも歌っているだけに、さすがに自分のものにしていて、安心して聴ける。特にホイットニー関連3曲は、さすがに歌いこんでいるだけあって、ホイットニーのことも思い浮かべられるほど。

ブレンダは3月中旬まで日本に滞在し、その後は未定。

■ミュージシャン

Brenda Vaughn, vocal
Kaleb James, keyboards, vocal
Philip Woo, keyboards
Kenji Jino Hino, bass
Masa Kohama, guitar
Jay Stix, drums
David King, vocal
Tahirih Walker, vocal

■セットリスト ブレンダ・ヴォーン

Brenda Vaughn Live Setlist@Blues Alley, February 17, 2012

( ) denotes original artists
[ ] lead singer, other songs sung by Brenda

First set

Show started 19:43
01.I Got A Woman [Kaleb] (Ray Charles)
02.Together Again (Janet Jackson)
03.Until You Come Back To Me (Aretha Franklin)
04.It Seems To Hang On (Ashford & Simpson)
05.You’re Welcome Stop On By (Bobby Womack)
06.Get Here (Oleta Adams/Brenda Russell)
07.Amazing Grace (Traditional)
Performance ended 20:47

Second set

Performance started 21:24
01.Way Down In The Hole [Kaleb] (Tom Waits/Five Blind Boys Of Alabama)
02.Rolling In The Deep (Adele)
03.Them Changes (Buddy Miles)
04.You Got The Love (Rufus)
05.Dr. Feelgood (Aretha Franklin)
06.Ain’t Nobody (Rufus)
07.Jesus Loves Me (Traditional / Whitney Houston)
08.The Greatest Love Of All (George Benson / Whitney Houston)
Enc. I’m Every Woman (Chaka Khan / Whitney Houston)
Show ended 22:43

(2012年2月17日金曜、目黒ブルース・アレイ、ブレンダ・ヴォーン・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Vaughn, Brenda
★●◆ホイットニー葬儀を見て思うこと

【Thoughts On Whitney】

葬儀。

ホイットニーの葬儀を土曜深夜、日曜早朝、結局最後まで見てしまった。その詳細は、昨日付けのブログにアーティスト、曲名なども含めて書いてあるので、興味ある方はそちらをごらんください。

http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20120220.html

この葬儀を見ながらいろいろ考えた。ひとつには、バプティスト教会の葬儀がテレビ中継の前後も含めれば4時間以上も世界中に生中継されたのは、前代未聞のこと。歴史的快挙だということがある。

マイケルの葬儀も生中継されたが、二時間くらいで、これはファンに対しても公開されることを前提にしたもの。会場や規模もホイットニーのものとは比べ物にならないほど大きかった。

それがホイットニーのものは本来は公開されないプライヴェートなもので、しかし結局、4時間近く生中継公開された。参列者には、携帯の電源を切り、ツイートなどをしないように、注意がされたという。

歌いこみ。

ホイットニーとマイケルの突然の死というものは本当にいろいろなことを考えさせられてしまう。

トップに上りつめた、それもちょっとやそっとのトップではない、本当の世界のトップに上りつめたスーパースターのプレッシャーというのは、普通の人には到底想像できないものなのだろう。

僕がホイットニーの歌唱で一番好きなのものを無理して選べば、彼女の初来日から2-3回目くらいまでの来日時に歌っていた「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」だ。本当に声が出ていて、声につやがあり、声自体が輝きを持っていた。その歌詞の内容ともあいまって、真に歌に聞き惚れることができた。その会場にいる全員が、ホイットニーの虜になっていた。あのむずかしい曲をあんなに上手に歌えたら、ほんとに気持ちがいいだろうなあ、と心底思った。

ホイットニーはレコーディングがはやい。大体2-3テイクで録音が終わる。マイケル・マッサーのレコーディングは何度も部分部分をやり直させられたかもしれないが、大体基本的なところは2-3回で終わる。だから、レコーディングされて残ったものは、まだ歌いこんでいない。それがライヴで年間何十本と歌えば、どんどんその歌唱がよくなっていく。だから、レコードよりもライヴのほうがもっともっとうまい歌が聴けることになる。

ホイットニーがライヴを重ねて歌う「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」は(もちろん、その他の曲も)、どんどんソウルが込められていくのだ。

ナンバーワン。

ホイットニーは間違いなく20世紀を代表するシンガーの一人、ナンバーワン・シンガーになった。しかし、そのナンバーワンのポジションが彼女にプレッシャーをかけ、それが死に追いやったなら、一体その成功とは何なのかと思わざるをえない。

ホイットニーが帰還したニューホープ・バプティスト教会で歌っていた頃、彼女は歌うことが大好きで、その歌に皆が興奮していることが嬉しかった。それが仕事となり、そのスケールが大きくなった。歌うことが好き、観客が喜ぶ。そこだけを追求すればいい。しかし、ビッグ・ビジネスになると、たくさんの要素、人が入り込んでくる。

歌への愛と観客の喜び、それ以外は、すべてハイプ(虚像)だ。そう割り切るしかない。それを肝に銘じるしかない。しかし、そんな簡単に物事はいかない。それもまた人生だ。

「ナンバーワンになるのは簡単だ。難しいのはナンバーワンを続けること」とはエンタテインメントの世界ではよく言われる。誰もがそれを目指す。しかし、今この言葉にはもうひとつつけ加えなければならない。

「ナンバーワンになるのは簡単だ。難しいのはナンバーワンを続けること。さらに、もっと難しいことは、生き続けること」

++++

■ホイットニー・ヒューストン物語(吉岡正晴訳)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4924880906/soulsearchiho-22/ref=nosim/"

■ホイットニーのベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004U2QT/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ARTIST>Houston, Whitney

●ホイットニー葬儀~歴史的な全世界生中継

【Whitney Houston Funeral: Historic Event To Live Broadcasting All Over The World】

歴史的。

2012年2月11(土)、ハリウッド・ヒルトン・ホテルで48歳で急死したホイットニー・ヒューストンの葬儀が、生まれ故郷ニュージャージー州ニューアークのニューホープ・バプティスト・チャーチで、2月18日正午(現地時間、日本時間、19日午前2時)から多くの著名人などを集め行われた。式は3時間50分にもおよび、バプティスト教会の葬儀の模様すべてがCNNやインターネットで世界中に生中継され、歴史的なイヴェントとなった。教会は約1500人の招待客とクワイアーなどが集まり、ホイットニーのいとこ、ディオンヌ・ワーウィックが司会となり、次々と弔辞、ライヴ・パフォーマンスが繰り広げられた。ボビー・ブラウンは会場に来たが、式の途中で帰ったと言われる。

このニューホープ・バプティスト教会はホイットニーが母親シシーに連れられて子供の頃から通っていた教会。まさに、この日、彼女はホームに帰還した。ホイットニーはここで初めてソロで歌い、拍手喝さいを得て、シンガーとしてやって行こうと強く決意した、そんな彼女のルーツとも言える場所だ。それは、1975年11月、まだ彼女が12歳のときだった。そしてそれから36年強、予期せぬ形でホイットニーは故郷に戻った。

ライヴ・パフォーマンスは、スティーヴィー・ワンダー、アリシア・キーズ、ダニー・マクラーキン、キム・バレル、ワイナンズ・ファミリー、Rケリー、地元のニューアーク・バプティスト・クワイアーなど。弔辞を読んだのが、コーリー・ブッカー(ニューアーク市長)ジョー・カーター牧師、タイラー・ペリー、TDジェイクス牧師、ケヴィン・コスナー、クライヴ・デイヴィス、レイ・ワトソン(ホイットニーのボディーガード)、リッキー・マイナー(ホイットニーのバンドの音楽監督)、パトリシア・ヒューストン(義理の姉妹)、ディオンヌ・ワーウィック、マーヴィン・ワイナンズら。登壇はしなかったものの、参列したセレブには、ロバータ・フラック、メアリー・J・ブライジ、ジェシー・ジャクソン師、アル・シャープトン師など。

12:10pm (米東部標準時、日本時間翌日02:10am) 教会のクワイアーがゴスペル曲を歌っている。
12:20 コーリー・ブッカー(ニューアーク市長)登壇。
12:24 ボビー・ブラウン、会場を去る。
12:40 ダニー・マクラーキン登壇。「スタンド」を歌う。

http://youtu.be/5_8zJ-BEpHg



12:48 ディオンヌ・ワーウィック登壇。タイラー・ペリーを紹介。タイラーは、ホイットニーの遺体をロスからニュージャージーに移送するためにプライヴェート・ジェットを提供した。
12:49 タイラー・ペリー登壇。弔辞。「神とホイットニーを引き裂くものは何もない」
12:56 涙ながらにビー・ビー・ワイナンズ登壇。
12:59 ビー・ビー・ワイナンズ、「ホーム」を歌う。これは彼の兄ロナルドが2005年に48歳で亡くなったときに書いた作品。

http://youtu.be/b9gwHc2HP8s



01:05 TDジェイクス牧師登壇。TDは、遺作となる映画『スパークル』撮影中に会った。「あなたのスピリットは傷ついている」
01:12 キム・バレル登壇。当初は「アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー」を歌う予定だったが、急遽変更し、サム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」の歌詞を一部変えて熱唱。”I was born by the river” を “She was born in Newark”と歌った。キム・バレルは十数年来の親友で、死ぬ直前までホイットニーと電話でやりとりをしていて、前夜祭も一緒に出る予定だった。しかし、彼女がホテルに到着したときは、すでにホイットニーが亡くなっていた。

http://youtu.be/csei-f58lRg



01:16 ケヴィン・コスナー登壇。『ボディーガード』秘話などを紹介。もともとテーマは「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」ではなかった。当初は、「ホワット・ビカームズ・オブ・ア・ブロークン・ハート」(ジミー・ラッフィンのヒットのカヴァー)が予定されていたが、同曲が『ボディーガード』より少し前の別の映画に使われたために、ボツとなり、「オールウェイズ…」になった。「私たちの打ちひしがれた心は、何なのでしょう?」 さらに、映画スタジオからは、ホイットニーをキャスティングしようとしたとき、暗黙のうちにもっと違う経験のある「白人」の歌手がいいのではないか、とプレッシャーがあった。コスナーもまたバプティスト教会に通っていて、共通点が多数あったと話す。

http://video.foxnews.com/v/1460222470001/

Watch the latest video at video.foxnews.com

01:35 アリシア・キーズ、ピアノの前に。涙ながらに「センド・ミー・アン・エンジェル(プレリュード・トゥ・キス)」を歌う。

http://youtu.be/gjNaiNjO18I



01:46 元アリスタ・レコード創始者、ホイットニーの育ての親、クライヴ・デイヴィス登壇。一緒にレコード作りをしていたときのエピソードなどを紹介。娘のボビー・クリスティーナに「彼女(ホイットニー)は、あなたをとても愛していました」と語りかける。また先週亡くなる前に話したときには、ホイットニーは「これから水泳をし、ヴォーカル・トレーニングをして、煙草もやめ、高いキーが歌えるようにする。8月までには準備万端にする」とクライヴに言ったという話を紹介。
01:59 ディオンヌ・ワーウィックが、アリーサ・フランクリンが今日は参列できないことを発表。
02:03 レイ・ワトソン(ホイットニーの義理の兄弟、ボディーガードのひとり)登壇。
02:08 スティーヴィー・ワンダー、ピアノの前に。スティーヴィーはホイットニーの声を「天からの贈り物」と表現。まず、「リボン・イン・ザ・スカイ」を冒頭の歌詞を変えて熱唱。一度、下がろうとするが、もう一度戻り、「ラヴズ・イン・ニード・オブ・ラヴ・トゥデイ」を歌う。

http://youtu.be/Xgps3v5uGC0


02:25 パトリシア・ヒューストン登壇。義理の妹。「彼女が成功を収めると、何人かの不誠実な友人、敵と知り合ってしまいました。それでも彼女は成功を続けましたが…」 「ホイットニーに『悪魔が忍び寄っている』と最初に忠告し、母シシーにやるべきことはすべてやったと称え、しかし、最終的な選択はいつも彼女が下していました」 「『スパークル』撮影の6週間は彼女の人生でもっともハッピーな時でした」
02:41 Rケリー登壇。スピーチなしで「アイ・ルック・トゥ・ユー」を声を震わせながらも熱唱。Rケリー作品で、ホイットニーの最新作収録。

http://youtu.be/dOpSPlWJJ1E



02:45 ディオンヌ・ワーウィック登壇。
02:48 シー・シー・ワイナンズ、「ドント・クライ・フォー・ミー」を歌唱。

「ドント・クライ・フォー・ミー」
「私のために、泣かないで/涙を流さないで/あなたと過ごした時は、ずっと思い出として残るから/私が旅立っても、あなたは生き続けて/私のために、泣かないで」
「誰も責めないで/私の死は、運命だったの/罪の意識や恥ずかしいと思わないで/私があまりに早く神の元に来たのにはきっと理由があるのだから/それはいずれわかるでしょう」

http://youtu.be/kwfMF_fws6g



02:53 リッキー・マイナー登壇。ホイットニーのライヴバンドの音楽ディレクター。初めて会ったときのことなど。
02:59 マーヴィン・ワイナンズ牧師、登壇。弔辞。
03:08 ワイナンズ兄弟を呼び、ワイナンズのヒットでホイットニーもかつて歌っていた「トゥモロー」(ワイナンズの1984年のヒット)を歌う。マーヴィンは、ニュージャージー州知事も参列しており、彼の決断でこの日を半旗にしてくれたことに感謝。
03:38 マーヴィン・ワイナンズ弔辞続く。最後「エーメン」と声がかかり、歌になっていく。
03:41 式次第、ほぼ終了。教会内に「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」が流れ出し、ホイットニーの棺が男性6人によって担ぎ出される。
03:47 「オールウェイズ・ラヴ・ユー」終了。親族らから、教会の外に出始める。

+++++

OBITUARY>Houston, Whitney
● ホイットニー葬儀2時から~処方薬と死の関連

【Whitney’s Death : Connection With Prescription Drugs】

突然死。

ホイットニーの急死は本当に衝撃を受けた。ホイットニーについての追悼文も書きたいのだが、なかなか書けない。彼女と初めて会ったのは、1984年7月。デビュー前、プロデューサー、カシーフのコネチカットの自宅で会った。その後、1989年9月、創刊雑誌のためのインタヴューでニューヨークの弁護士のオフィースで1時間ほど正式にインタヴューした。その後は、来日時にコンサート後、いわゆる「ミート&グリート」(関係者などを集めたあいさつ会)などで顔をあわせることはあった。ホイットニーのバック・ミュージシャン、バシリ・ジョンソン、ウェイン・リンゼイ、シンディー・マイゼルらとも仲が良いこともあり、ずいぶんと近い存在に感じられている。フィリップ・ウーも、かつてホイットニーのバックをやっていて、そのときに日本にも来ている。

ホイットニーにはデビュー前から注目していて、彼女がゲストで歌ったポール・ジャバラのアルバムのライナーノーツでもホイットニーの紹介文を書いたほどだった。

確か1985年か1986年の夏だったと思うが、アメリカ東海岸で初めてライヴを見た。そのときの前座はジェフリー・オズボーンだった。

デビュー前から注目し、瞬く間にスターになり、そして、途中からキャリアがおかしくなり、最後このようなことになってしまう形で一生を外から見守ったアーティストというのはほかにいない。

マイケル・ジャクソンのときも感じたが、アメリカのエンタテインメントの世界でトップにい続けることのプレッシャーの何と大きなことか。我々凡人がとても想像できないほどの大きさなのだろう。

マイケルもホイットニーも、そうした重圧に押しつぶされてしまったのかととても残念に思う。

なんとか近いうちにまとめてみたい。

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処方薬と死の関連性

処方薬。

ホイットニーの突然の死は、医師から処方された処方薬とアルコールを組み合わせてしまったために起こった事故死という見方が強まっているが、では、その処方薬はどのようなものだったのか。

アメリカ・ニュージャージー州を本拠に活躍している作家の冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)さんが、村上龍氏が発行するジャパン・メール・メディアのメルマガ『from 911/USAレポート』第560回(2012年2月18日配信)で、「ホイットニー・ヒューストン急死で問われる処方箋薬問題」と題する文を寄稿していて、大変興味深く読んだ。

この内容は、次のウェッブで後日アップされるので、全文は下記をごらんください。第560回2月18日配信分

http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/title3_1.html

この中で冷泉氏は、今回の事故は「ベンゾジアゼピン系の抗不安薬の長期服用と、そのアルコールとの組み合わせ摂取による心肺停止事故という可能性が濃厚です」と書いている。この薬自体はそれほど珍しいものではなく、いわゆる通常の処方薬、ただし、依存性が強いという。そこで、医師は患者に必要以上には与えないようにするものの、患者は最初の医師が薬を処方してくれない場合、次の医師のもとに行き、処方してもらったりすることも起こりうるとのこと。

しかし、なんといってもアルコールを飲んでこれらを摂取すると大変危険なので、それは医者も口をすっぱくして言っているのだろう。

これらを防ぐ案として、氏は電子カルテの使用を提案している。同じ患者が複数の医師の元に行ってもそれがわかるようになるわけだ。

結局は、薬を飲みながらアルコールも摂取してしまうのは、本人の意思だから、もはや他人がどうのこうの言うものでもなくなってしまう。実に悲しい現実だ。

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ホイットニー、オプラに語る

インタヴュー。

3年前、ホイットニーがオプラに語ったところは今になってはひじょうに重みが感じられる。ホイットニーの2000年代の苦労が語られている。(下記ホイットニー・ヒューストン、オプラに3時間語る(パート1)と(パート2)を参照)

世間では、ホイットニーがこうなってしまったことの全責任をボビーに負わせるような風潮になっている。ある程度はそうだろうが、必要以上にボビーを責めるのはよろしくない。ボビーを選択してしまったのは、ホイットニー自身であり、アルコールと処方薬を同時に摂取したのは、本人の意思だからだ。必要以上のボビー・バッシングは戒めたい。

■ホイットニー過去記事

2009年09月15日(火)
ホイットニー・ヒューストン、オプラで赤裸々告白~7年ぶり新作、アルバム1位初登場
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10342830088.html

2009年09月19日(土)
ホイットニー・ヒューストン、オプラに3時間語る(パート1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10345413767.html

2009年09月20日(日)
ホイットニー・ヒューストン、オプラに3時間語る(パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10345956495.html#main

日本最後の公演ライヴ評パート1は、こちら↓
2010年02月12日(金)
ホイットニーは、日本のサポーターに感謝
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100212.html

2010年02月15日(月)
ホイットニー・ヒューストン・ライヴ@さいたまスーパーアリーナ (パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10459305657.html

■ホイットニーのベスト

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004U2QT/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ディーヴァ―ホイットニー・ヒューストン物語 (ジェフリー・ボウマン著、吉岡正晴訳)

ひじょうにわかりやすくホイットニーのキャリアを1996年くらいまで描いています。読み易い伝記。

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OBITUARY>Houston, Whitney

●ホイットニー葬儀にスティーヴィー、アリーサ、ケヴィン・コスナーら

【Whitney’s Funeral Will Be Featuring Stars】

葬儀。

2月11日にカリフォルニアのホテルで死去したホイットニー・ヒューストンの葬儀が2012年2月18日土曜昼12時(日本時間19日・日曜午前2時)から、ニュージャージー州ニューアークのニュー・ホープ・バプティスト・チャーチで行われる。今回は一般参列はなく、いわゆる「招待客のみ」の葬儀。ここはホイットニーが幼少の頃から通った教会。映画『ボディガード』共演者、ケヴィン・コスナー、ホイットニーの育ての親でもある元アリスタ・レコードのクライヴ・デイヴィスらが弔辞を読み、スティーヴィー・ワンダー、アリーサ・フランクリンらが歌を歌う予定。この葬儀は招待者のみが参列するプライヴェートなものになるが、インターネットなどでの中継が計画されている。マイケル・ジャクソンの葬儀のときには、CNNなどが生中継した。今回もCNNが生中継する。また、インターネットでは中継される予定とのこと。

18日土曜の昼12時から葬儀が始まるとすると、これは日本時間日曜午前2時(土曜深夜26時)になる。CNNは日本時間午前1時から番組を放送する予定。

そのほかに、オプラ・ウインフリー、ビル・コスビー、ジェシー・ジャクソン師、シャカ・カーン、ビービー&シーシー・ワイナンズ、ダイアン・ウォーレン、アントニオ・LA・リード、ブランディー、レイ・J(最近ホイットニーがつきあっていたとされる男性シンガー)、ロバータ・フラック、キム・バレルなども参列する予定。

キム・バレルはかつてホイットニーと一緒に歌った「アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー」(映画『プリーチャーズ・ワイフ』でホイットニー自身も歌っている)を歌う予定。

母シシー・ヒューストンは派手な葬儀は望んでいないという。今回の葬儀は、ホイットニーの父ジョン・ヒューストンが亡くなった2003年の葬儀に近いものになるという。また、その後、ホイットニーはニュージャージー州ウエストフィールドにあるフェアヴュー墓地で、父の横に埋葬される。

周囲から参列を拒絶されていると言われる元夫ボビー・ブラウンは、参列を拒絶されている事実を否定、参列に含みを残している。ボビーはホイットニー死去の日曜から、娘であるボビー・クリスティーナと一緒にいる、という。

ボビーは「僕たちは依然ボビー・クリスティーナへのサポートを続ける。彼女は母の死という悲劇と今闘っており、公衆の目から離れたいと願っています。僕たちのプライヴァシーを尊重してください」とコメントを出した。

ホイットニー周辺はボビーに参列して欲しくないと思っているが、ボビー・クリスティーナとの関係から、参列自体を阻止することはできないと考えているようだ。ボビーは、土曜日夜にニュー・エディションとしてコネチカット州のモヘガン・サン・カジノでのライヴ予定がある、という。

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OBITUARY>Houston, Whitney

◆この2週間くらいのもろもろ

【Bits & Pieces Last Two Weeks】

もろもろ。

この2週間くらい、なんだか、本当にバタバタしている。次々と訃報がきて、精神的にも参ったり、事務的にも忙しくなったり。

まず、ドン・コーネリアス。2月5日の『ソウル・ブレンズ』には、急遽ドンと親交のあった江守藹さんにゲストにご出演願った。ドンといえば、「ソウル・トレイン」、「ソウル・トレイン」といえば、江守さんだ。2時間たっぷり「ソウル・トレイン」関連で、追悼したが、なんとその翌週12日は、今度はホイットニーが急逝。これにもさすがに驚いた。


■『ソウル・トレイン』DVDボックスセット(5枚組み)「ソウル・トレイン」公式DVD

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ライヴ評もずいぶんたまってしまった。カーク・フランクリン、ナラダ・マイケル・ウォルデン、ケイリブ、エレクトリック・エンパイアー、バーケイズなど。

また、八木さん、佐藤さんとやった『ソウル・マジック』の話も、『ビッグ・スペシャル』でやったスティーヴィー・ワンダー関連もまだ。

一週間くらい前から、風邪っぽく、処方薬を飲んでいたので、大事には至っていないが、咳こんでノドに悪い影響があり、ホイットニー関連の出演では、ずいぶんとお聞き苦しいところを見せてしまい、申し訳なかった。

行くつもりだったグリニス・マーティン、キャンディ・ダルファー、テイク6などが行けなかった。

そのほか、岩佐寿弥監督のチベットの少年が主人公の新作映画『OLO(オロ)』を見て、監督にお話を聞いたので、その話もそのままになっている。

もう来週に迫ったボビー・ウーマックについても書こうと思っていたが。また、それに関連付けて、サム・クックのことも。サムはトータス松本のカヴァー集と、紙ジャケリリースなども。

ホイットニー関連は続報がいろいろ入ってくる。死因などもいずれは詳細がでるのだろう。

ホイットニー、ドン・コーネリアスの評伝などもまとめておきたい。

しかも、最近、パソコンの調子も悪い。動きが遅い。ログアウトするときに、「あなたのパソコンは別の人にログインされています~~」と出たのでかなり驚いた。乗っ取られているのだろうか。よく自分のパソコンが知らぬ間に、足掛け代理サーヴァーのような役目を担っていることがあるらしいが、それだろうか。ここを踏み台されていたら、たまらない。さっそく、明日、専門家にチェックしてもらうことにしたが、果たして。

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ESSAY>Bits & Pieces


●ミス・ホイットニー・エリザベス・ヒューストン、永遠に

【Whitney Forever】

追悼。

「このヤング・タレントがホームに戻られた」 クーイーン・オブ・ソウル、アリーサ・フランクリンが、ホイットニー死去の2日後、2012年2月13日、サウス・キャロラリナ州で行われたライヴで、「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」を歌って、追悼した。

これが、また、120パーセント、アリーサ節になっていて、感動物だ。オリジナルのカントリーさはもちろんのこと消え去り、ホイットニーの持ち歌を完璧に、アリーサのものにし、しかも、アリーサの得意ジャンルでもあるゴスペル・タッチに仕上げている。

アリーサのこのヴァージョンは、グラミーのジェニファーのヴァージョンを凌駕するすごさだ。ぜひ、みなさんにごらんいただきたいのでユーチューブをシェアする。

アリーサ・フランクリン、ノースキャロラナイナ州で2012年2月13日のライヴで

http://youtu.be/_05nG_3rOPo



ホイットニーはいくつかの節目でライヴを見せるが、1990年、アリスタ・レコード設立15周年記念イヴェントで、「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」を歌った。下記のヴァージョンが本当に見事なものになっている。

ホイットニーが歌う「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」1990年3月17日、ニューヨーク・レイディオ・シティー・ミュージック・ホールで。アリスタ設立15周年~エイズ・チャリティー、That’s What Friends Are For: Arista Records 15th Anniversary Concertにて。

http://youtu.be/NeiW3Cob0nM



本当にこのホイットニーは、素晴らしい。歌も安定し、声もよく出て、音域も広く、声自体につやもあり、声そのものが輝いている。まさに観客は、声と歌そのものに惚れ込めるのだ。デビュー後10年くらいはどのライヴも本当によく歌えていた。

(訂正、アリスタ25周年と当初書きましたが、ご指摘がありました。15周年に訂正いたします。plus-crabさんありがとうございます)

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ホイットニー、葬儀はプライヴェートで

葬儀。

ホイットニーの葬儀は、2012年2月18日、土曜日、地元ニュージャージーのニュー・ホープ・バプティスト・チャーチで行われることになった。ただし、これは「インヴィテーション・オンリー(招待客のみ)」で一般の参列はできない。家族と友人だけで執り行うという。マイケル、ジェームス・ブラウンなどは、いわゆる「パブリック・ヴィューイング」という一般参列を受け入れたが、今回はそれがないようだ。

ニュー・ホープ・バプティスト教会は、ホイットニーが母シシー・ヒューストンに連れられて通っていた、まさにホイットニーのルーツ中のルーツとも言える教会。まだほんの子供だったホイットニーがここでコーラスを歌い、徐々にソロを歌い、ソロを歌ったところ、参列者から拍手喝采をあびて、自身のシンガーとしての未来を夢見た場所だ。まさに、彼女はこの土曜日、その出発点に帰ることになる。

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映画『スパークル』、8月全米公開

スパークル。

ホイットニーはすでに今年8月に公開されるブラック・ムーヴィー『スパークル』の撮影などを終えている。これは、1976年、アイリーン・キャラなどが出演してヒットした映画のリメイク。当時のサウンドトラックはカーティス・メイフィールドふぁ担当し、アリーサ・フランクリンが主題歌などを歌った。

今回もホイットニーは、主役ジョーダン・パークスの母親役でキャスティングされており、サウンドトラックでも「セレブレート」という曲とゴスペル曲「ヒズ・アイ・イズ・オン・ザ・スパロー(主は雀を見守り給う)」を歌っている。

この『スパークル』は、ニューヨーク・ハーレムを舞台にしたR&Bグループを巡るストーリー。76年の作品では、シュープリームスのような女性グループをイメージしたストーリーになっていた。



■ホイットニーのベスト

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■ディーヴァ―ホイットニー・ヒューストン物語 (ジェフリー・ボウマン著、吉岡正晴訳)

ひじょうにわかりやすくホイットニーのキャリアを1996年くらいまで描いています。読み易い伝記。

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OBITUARY>Houston, Whitney
ARTIST>Houston, Whitney

●ホイットニー続報

【Whitney Houston: Update】

搬送。

2012年2月11日、ビヴァリーヒルズのホテルで急死したホイットニー・ヒューストンの遺体が、検死を終わり、故郷ニュージャージーに空路向かう。この輸送に、俳優タイラー・ペリーが自身のプライヴェート・ジェットを提供した、という。

タイラーは11日、ホイットニーの死去が速報で流れるとすぐにビヴァリーヒルズ・ヒルトンに向かい、自家用機の提供を申し出た。現地時間2月13日(月)午後、遺体が空港に到着した後、ニュージャージーに向かう。

ホイットニーの葬儀は今週末か来週にもニュージャージーのどこかで行われるようだ。まだ詳細は発表されていない。

ヒューストンは死去する前、5日以内に2度以上、ビヴァリーヒルズの医師の元を訪れている。

死因はまだ精密な検死結果を待たなければならないが、処方箋による薬とアルコールの相互作用によって死がもたらされたのではないかと推察されている。家族は、バスタブで発見されたが、溺死ではない、と言っている。ホイットニーの肺に水がそれほど多く残っていなかったという検死もそれを裏付ける。

ホイットニーの最後を発見したのは、ホイットニーの叔母メアリー・ジョーンズで、メアリーはホイットニーがパーティーに着て行くためのドレスをベッドに置き、約30分ほど部屋を離れた。しかし、その後もホイットニーがバスルームから出てこないので、そこに入り、横になっていたホイットニーをバスタブから引き出した、という。

また、未確認だが、ヒューストンに薬を処方していた医師はマイケルに薬を処方していた医師と同じだという報道もある。ただし、その場合逮捕されたコンラッド・マリー以外の医師ということになりそうだ。

ホイットニーの愛娘で18歳のボビー・クリスティーナは母の死を知り半狂乱となり、一時期自殺も試みたため、周囲が警戒し、保護しているという。

ボビー・ブラウンはホイットニーの死去を受け、11日、ナッシュヴィルで行われる予定だったニュー・エディションのライヴ出演をキャンセルし、ロスアンジェルスに向かった。ニュー・エディションはボビーなしでライヴを行った。

OBITUARY>Houston, Whitney



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