◎ ブッカーT、オーティスの残り香を漂わせ
2011年9月15日 音楽◎ブッカーT、オーティスの残り香を漂わせ
【Booker T. Jones: Remains Perfume Of Otis】
残り香。
たとえば、ソウル・サーチャーとしてもはや絶対見ることができないソウル・アーティストのライヴへの思いを馳せるとき、その関連アーティストのライヴを見て、ふとその亡きアーティストを思い浮かべることがある。
このブッカーTやサム・ムーア、ブルース・ブラザーズのライヴを見ていると、自然と今は亡きソウル・シンガー、オーティス・レディングを思い起こさせる瞬間が何度かある。オーティスを見ることはかなわないが、その残り香を、このブッカーTで嗅ぐことはできるわけだ。サム・ムーアも、ブッカーTも、オーティスも、みな同じレコード会社、スタックスにいたから、サウンドが似ているのだ。
前回から約1年6ヶ月ぶりの来日。前々回とはブッカーT以外はメンバーが若手に変更。ほぼ前回同様メンバー。しかし、このシンプルな40年前と変わらない「不変性」はブルーノートをジュークジョイントに変え、ハモンドB3の音の響きは、観客を瞬時に1960年代へトリップさせてくれる。
驚いたのが下記セットリストの3、ブッカーTがウィリアム・ベルと一緒に曲を書き、アルバート・キングでヒットさせた「ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン」を、オルガンからステージ中央に出てきてギターを弾いて歌ったこと。まあ、ギターは愛嬌だが、そのサーヴィス精神に驚いた。
そして、オーティスの名曲「ドック・オブ・ザ・ベイ」では最後の口笛のところを、観客とちょっとしたコール&レスポンスを繰り広げた。口笛のやりとりはめったにないことだったのでおもしろかった。
さらに驚いたのが、「ドック・・・」から続けて、いきなりビル・ウィザースでおなじみの「エイント・ノー・サンシャイン」を歌い始めたこと。で、よく考えてみたら、ビル・ウィザースのこれを含むファースト・アルバムは、ブッカーTがプロデュースしていた。
ライヴ後、ちょっとだけ本人に会えた。
ビルの「エイント・ノー・サンシャイン」について尋ねると、「これを歌ったのは、今回の来日で、今日のこのセットだけ。やった理由? 特にないよ。ビルとは6ヶ月くらい前に電話で話したよ」という。
彼がライヴをやってくれないことについてふれると、「そうなんだ、彼はもう音楽業界にはいない。いくつか不動産を持っていて、まあ、ビジネスマンだな。人前では絶対に歌わないんだよな。僕も(ライヴを)やろうよって誘ったことはあるんだけど」
前々回はスティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダック・ダンらと来日だったが前回からは、新メンバー。「このバンドではもう2-3年やってくるかな。年にそう、5-60本程度のライヴをやっている」
今年はオーティスが生誕70周年で、今週オーティスの誕生日だというと、「おう、そうだったか。彼とはとてもよい友達だったよ」と返って来た。スーツを来たとてもきちんとしたしっかりした教育を受けた紳士という印象を持った。
楽屋のテーブルには何枚ものアナログ・アルバムがブッカーTのサインを待ちわびていた。
■前回来日ライヴ評
2010年02月08日(月)
ブッカーTライヴ@ブルーノート
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10453461454.html#main
2008年11月21日(金)
忌野清志郎、ブッカーT&ザ・MGズライヴにまたまた飛び入り
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081121.html
2008年11月24日(月)
忌野清志郎、MGズに3度目の登場
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081124.html
■最新作
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004OUK2OG/soulsearchiho-22/ref=nosim
ベスト
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000QUCXKE/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ブッカーTがプロデュースしたビル・ウィザースのファースト
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0035NO81Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■メンバー
ブッカー・T.ジョーンズ(オルガン、ギター、ヴォーカル)Booker T. Jones(organ,g,vo)
ヴァーノン・アイス・ブラック(ギター)Vernon Ice Black(g)
ジェレミー・カーティス(ベース)Jeremy Curtis(b)
ダリアン・グレイ(ドラムス)Darian Gray(ds)
■setlist
セットリスト
show started 21:34
01.Harlem House
02.Walking Papers
03.Born Under A Bad Sign [Albert King]
04.Take Me To The River [Al Green]
05.Green Onion
06.Soul Limbo
07.Jamaica Song
08.Knocking On Heaven’s Door [Bob Dylan]
09.Oh, Pretty Woman
10.Dock Of The Bay [Otis Redding]
11.Ain’t No Sunshine [Bill Withers]
12.Melting Pot
13.Hip Hug Her
14.Hang Em High
Enc. Hey Ya [Outcast]
Enc. I’ve Been Loving You Too Long [Otis Redding]
Show ended 23:08
(2011年9月13日火曜、ブルーノート東京、ブッカーTジョーンズ)
ENT>MUSIC>LIVE> Jones, Booker T.
【Booker T. Jones: Remains Perfume Of Otis】
残り香。
たとえば、ソウル・サーチャーとしてもはや絶対見ることができないソウル・アーティストのライヴへの思いを馳せるとき、その関連アーティストのライヴを見て、ふとその亡きアーティストを思い浮かべることがある。
このブッカーTやサム・ムーア、ブルース・ブラザーズのライヴを見ていると、自然と今は亡きソウル・シンガー、オーティス・レディングを思い起こさせる瞬間が何度かある。オーティスを見ることはかなわないが、その残り香を、このブッカーTで嗅ぐことはできるわけだ。サム・ムーアも、ブッカーTも、オーティスも、みな同じレコード会社、スタックスにいたから、サウンドが似ているのだ。
前回から約1年6ヶ月ぶりの来日。前々回とはブッカーT以外はメンバーが若手に変更。ほぼ前回同様メンバー。しかし、このシンプルな40年前と変わらない「不変性」はブルーノートをジュークジョイントに変え、ハモンドB3の音の響きは、観客を瞬時に1960年代へトリップさせてくれる。
驚いたのが下記セットリストの3、ブッカーTがウィリアム・ベルと一緒に曲を書き、アルバート・キングでヒットさせた「ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン」を、オルガンからステージ中央に出てきてギターを弾いて歌ったこと。まあ、ギターは愛嬌だが、そのサーヴィス精神に驚いた。
そして、オーティスの名曲「ドック・オブ・ザ・ベイ」では最後の口笛のところを、観客とちょっとしたコール&レスポンスを繰り広げた。口笛のやりとりはめったにないことだったのでおもしろかった。
さらに驚いたのが、「ドック・・・」から続けて、いきなりビル・ウィザースでおなじみの「エイント・ノー・サンシャイン」を歌い始めたこと。で、よく考えてみたら、ビル・ウィザースのこれを含むファースト・アルバムは、ブッカーTがプロデュースしていた。
ライヴ後、ちょっとだけ本人に会えた。
ビルの「エイント・ノー・サンシャイン」について尋ねると、「これを歌ったのは、今回の来日で、今日のこのセットだけ。やった理由? 特にないよ。ビルとは6ヶ月くらい前に電話で話したよ」という。
彼がライヴをやってくれないことについてふれると、「そうなんだ、彼はもう音楽業界にはいない。いくつか不動産を持っていて、まあ、ビジネスマンだな。人前では絶対に歌わないんだよな。僕も(ライヴを)やろうよって誘ったことはあるんだけど」
前々回はスティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダック・ダンらと来日だったが前回からは、新メンバー。「このバンドではもう2-3年やってくるかな。年にそう、5-60本程度のライヴをやっている」
今年はオーティスが生誕70周年で、今週オーティスの誕生日だというと、「おう、そうだったか。彼とはとてもよい友達だったよ」と返って来た。スーツを来たとてもきちんとしたしっかりした教育を受けた紳士という印象を持った。
楽屋のテーブルには何枚ものアナログ・アルバムがブッカーTのサインを待ちわびていた。
■前回来日ライヴ評
2010年02月08日(月)
ブッカーTライヴ@ブルーノート
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10453461454.html#main
2008年11月21日(金)
忌野清志郎、ブッカーT&ザ・MGズライヴにまたまた飛び入り
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081121.html
2008年11月24日(月)
忌野清志郎、MGズに3度目の登場
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081124.html
■最新作
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004OUK2OG/soulsearchiho-22/ref=nosim
ベスト
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000QUCXKE/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ブッカーTがプロデュースしたビル・ウィザースのファースト
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0035NO81Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■メンバー
ブッカー・T.ジョーンズ(オルガン、ギター、ヴォーカル)Booker T. Jones(organ,g,vo)
ヴァーノン・アイス・ブラック(ギター)Vernon Ice Black(g)
ジェレミー・カーティス(ベース)Jeremy Curtis(b)
ダリアン・グレイ(ドラムス)Darian Gray(ds)
■setlist
セットリスト
show started 21:34
01.Harlem House
02.Walking Papers
03.Born Under A Bad Sign [Albert King]
04.Take Me To The River [Al Green]
05.Green Onion
06.Soul Limbo
07.Jamaica Song
08.Knocking On Heaven’s Door [Bob Dylan]
09.Oh, Pretty Woman
10.Dock Of The Bay [Otis Redding]
11.Ain’t No Sunshine [Bill Withers]
12.Melting Pot
13.Hip Hug Her
14.Hang Em High
Enc. Hey Ya [Outcast]
Enc. I’ve Been Loving You Too Long [Otis Redding]
Show ended 23:08
(2011年9月13日火曜、ブルーノート東京、ブッカーTジョーンズ)
ENT>MUSIC>LIVE> Jones, Booker T.