◇ 『亀淵昭信のロックンロール伝』単行本~私的ロック史
2011年8月22日 音楽◇『亀淵昭信のロックンロール伝』単行本~私的ロック史
【Kamebuchi Akinobu’s Rock ‘n’ Roll History】
書籍。
中村とうよう氏の遺稿「とうようズトーク」が掲載されるという20日発売のミュージックマガジンを書店に買いに行ったら、近くにおしゃれなカヴァーの亀淵昭信さん著による『亀淵昭信のロックンロール伝』という本を見つけたので、そのままレジに持っていった。奥付は2011年8月20日発行となっていたが、書店には7月31日ごろから並んでいたようだ。
これは、亀淵さんがスタジオジブリ発行の月刊フリーマガジン『熱風』に2008年8月から2010年11月まで28回連載していたエッセイ「ドーナッツ盤に恋をして~私説ロックンロール黄金史」に加筆して単行本化したもの。一回の連載を一章にまとめたので28章で構成されている。大体1章が6500字くらいで、28章なので、18万字超くらいの大作。亀淵さんが当時の新しい音楽の流れ、ロックンロールにどんどん魅了されていき、さまざまな情報を仕入れ、当時紹介した話なども含めてここに書かれている。まさにタイトル通り、亀淵さんの目を通したロックンロールの歴史、1950年代から60年代のアメリカ音楽業界のいろいろなことがエピソードとともに語られる。文章もとても読みやすく、しかも、活字が大きめなのが嬉しい。
まだ飛ばし読みしかしていないのだが、ソウル・シンガー、ジョニー・エースの話(14章)などもおもしろい。僕もずっとエースはロシアン・ルーレットで死んだものと聞いていたので、実はそうではないらしい、と書かれていて、驚いた。当時は今ほど情報が出ないので、ちょっとした噂がじわじわと広まっていくのだろう。
かと思えば、巻頭のカラー写真。なんと亀淵さんご本人撮影のオーティス・レディングのライヴ写真! これは、すごい。1967年9月頃の撮影とのこと。その3ヵ月後にオーティスは不慮の飛行機事故で他界する。また、ソングライターにとって伝説とも言えるブリル・ビルの前での写真など、これまた貴重。1960年代から海外に出て、いろいろなライヴを見られたり、業界の人たちと会えたなんて、うらやましい限りだ。今でこそ簡単にアメリカに行ったり、そういう人たちと会ったり、少なくともメールの交換など簡単に出来るが、当時はめったなことではそんなことはできないはず。
これを読んでいたら、語られる曲のことについて知っているとより楽しめるなあと思っていたら、なんと、同時発売で、この本に関連する楽曲を集めたCDコンピレーションも発売されていた。かつて、僕もモータウン創始者ベリー・ゴーディーの自伝『モータウン、わが愛と夢』(TOKYO-FM出版、1996年)を翻訳出版したときに、訳しながらモータウン楽曲を聴きまくり、本で書かれている曲のオムニバスがあればいいと思って、結局本とほぼ同時にCD『モータウン、わが愛と夢』を本のジャケットとあわせて出した。
亀淵さんは1942年生まれ。僕にとっては、1960年代後半の深夜放送『オールナイト・ニッポン』のスーパーDJという存在だ。当時ニッポン放送が出していた『オールナイト・ニッポン』の小冊子『ヴィヴァ・ヤングVIVA YOUNG』なんて、いまだに持っている。ひっぱりだしてみたら、1968年9月発行の第1号から1972年5月発行の第46号からまで若干抜けてるのもあるが、あった。版型も何度も変わっているが、途中一時期、17センチシングル盤(ドーナツ盤)のジャケットと同じサイズになっていた。埃にまみれていたが、糸居さんの記事など読み返すとおもしろい。この『ヴィヴァ・ヤング』のことは、また別の機会に書こうかな。
『亀淵昭信のロックンロール伝』は、多分団塊の世代、エルヴィスやレイ・チャールズ、ビートルズ、当時の洋楽、ラジオなどを聴いて親しんだ方々には絶好の著作だと思う。
■亀淵昭信のロックンロール伝~ビートルズ以前、16歳の僕はドーナッツ盤に恋をした (単行本)
(章のタイトルがアマゾンのページですべて見られます)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4636869230/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■亀渕昭信のロックンロール伝~16歳の僕はドーナッツ盤に恋をした CD
(書籍で触れられる楽曲を集めたコンピ。本を読みながら聴くもよし、CDを聴いてから本を読むもよし)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0053MFHW6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ドナルド・フェイゲン『ナイトフライト』
(本のカヴァーを見て、ドナルド・フェイゲンのこのアルバムジャケットを思い浮かべた)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000EMH60Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>BOOK>Kamebuchi, Akinobu
【Kamebuchi Akinobu’s Rock ‘n’ Roll History】
書籍。
中村とうよう氏の遺稿「とうようズトーク」が掲載されるという20日発売のミュージックマガジンを書店に買いに行ったら、近くにおしゃれなカヴァーの亀淵昭信さん著による『亀淵昭信のロックンロール伝』という本を見つけたので、そのままレジに持っていった。奥付は2011年8月20日発行となっていたが、書店には7月31日ごろから並んでいたようだ。
これは、亀淵さんがスタジオジブリ発行の月刊フリーマガジン『熱風』に2008年8月から2010年11月まで28回連載していたエッセイ「ドーナッツ盤に恋をして~私説ロックンロール黄金史」に加筆して単行本化したもの。一回の連載を一章にまとめたので28章で構成されている。大体1章が6500字くらいで、28章なので、18万字超くらいの大作。亀淵さんが当時の新しい音楽の流れ、ロックンロールにどんどん魅了されていき、さまざまな情報を仕入れ、当時紹介した話なども含めてここに書かれている。まさにタイトル通り、亀淵さんの目を通したロックンロールの歴史、1950年代から60年代のアメリカ音楽業界のいろいろなことがエピソードとともに語られる。文章もとても読みやすく、しかも、活字が大きめなのが嬉しい。
まだ飛ばし読みしかしていないのだが、ソウル・シンガー、ジョニー・エースの話(14章)などもおもしろい。僕もずっとエースはロシアン・ルーレットで死んだものと聞いていたので、実はそうではないらしい、と書かれていて、驚いた。当時は今ほど情報が出ないので、ちょっとした噂がじわじわと広まっていくのだろう。
かと思えば、巻頭のカラー写真。なんと亀淵さんご本人撮影のオーティス・レディングのライヴ写真! これは、すごい。1967年9月頃の撮影とのこと。その3ヵ月後にオーティスは不慮の飛行機事故で他界する。また、ソングライターにとって伝説とも言えるブリル・ビルの前での写真など、これまた貴重。1960年代から海外に出て、いろいろなライヴを見られたり、業界の人たちと会えたなんて、うらやましい限りだ。今でこそ簡単にアメリカに行ったり、そういう人たちと会ったり、少なくともメールの交換など簡単に出来るが、当時はめったなことではそんなことはできないはず。
これを読んでいたら、語られる曲のことについて知っているとより楽しめるなあと思っていたら、なんと、同時発売で、この本に関連する楽曲を集めたCDコンピレーションも発売されていた。かつて、僕もモータウン創始者ベリー・ゴーディーの自伝『モータウン、わが愛と夢』(TOKYO-FM出版、1996年)を翻訳出版したときに、訳しながらモータウン楽曲を聴きまくり、本で書かれている曲のオムニバスがあればいいと思って、結局本とほぼ同時にCD『モータウン、わが愛と夢』を本のジャケットとあわせて出した。
亀淵さんは1942年生まれ。僕にとっては、1960年代後半の深夜放送『オールナイト・ニッポン』のスーパーDJという存在だ。当時ニッポン放送が出していた『オールナイト・ニッポン』の小冊子『ヴィヴァ・ヤングVIVA YOUNG』なんて、いまだに持っている。ひっぱりだしてみたら、1968年9月発行の第1号から1972年5月発行の第46号からまで若干抜けてるのもあるが、あった。版型も何度も変わっているが、途中一時期、17センチシングル盤(ドーナツ盤)のジャケットと同じサイズになっていた。埃にまみれていたが、糸居さんの記事など読み返すとおもしろい。この『ヴィヴァ・ヤング』のことは、また別の機会に書こうかな。
『亀淵昭信のロックンロール伝』は、多分団塊の世代、エルヴィスやレイ・チャールズ、ビートルズ、当時の洋楽、ラジオなどを聴いて親しんだ方々には絶好の著作だと思う。
■亀淵昭信のロックンロール伝~ビートルズ以前、16歳の僕はドーナッツ盤に恋をした (単行本)
(章のタイトルがアマゾンのページですべて見られます)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4636869230/soulsearchiho-22/ref=nosim/"
■亀渕昭信のロックンロール伝~16歳の僕はドーナッツ盤に恋をした CD
(書籍で触れられる楽曲を集めたコンピ。本を読みながら聴くもよし、CDを聴いてから本を読むもよし)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0053MFHW6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ドナルド・フェイゲン『ナイトフライト』
(本のカヴァーを見て、ドナルド・フェイゲンのこのアルバムジャケットを思い浮かべた)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000EMH60Q/soulsearchiho-22/ref=nosim/
ENT>BOOK>Kamebuchi, Akinobu